コミック/DVD

居酒屋料理の家呑み、正なりや邪なりや?!(ワカコ酒レシピブック/朴(ほお))

 ども、これでもけっこう料理もできるおぢさん、たいちろ~です。
 一昨年まで単身赴任をしておりまして、この時はけっこう自分でも料理を作っておりました。レシピ本なんかも持っていてその中には”居酒屋のXXレシピ”みたいのも入ってます。じゃあ、それ見て作ったかと言うとあんまし作んなかったですな~~ だってこれ面倒くさいんだモン。美味しく作ろうとするとそこそこ手間がかかるのも多くてね。でもまた買っちゃいました。なんとコミックに出てくる料理のレシピ本
 ということで今回ご紹介するのはコミック”ワカコ酒”に登場する料理を自分で作ってしまおうというレシピ本ワカコ酒レシピブック”であります。

写真はたいちろ~さんの撮影
東高根森林公園(神奈川県)のホオノキです

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【本】ワカコ酒(新久千映 徳間書店)
 村崎ワカコ26歳。酒呑みの舌を持って生まれたがゆえに、今宵も居場所を求めてさすらう女ひとり酒。あなたの隣にいるかもしれない、おひとり様仕様の呑兵衛ショート♪(裏表紙より)
 ワカコさんが居酒屋でおひとりさま呑みするって単なるそんな漫画ですが、なんとも言えず味があるんですな~~ 単行本の出始めから読んでますが、いつのまにか武田梨奈(*1)主演でTVドラマ化するわ、沢城みゆき(*2)CVでアニメ化するわと人気出てました
【本】ワカコ酒レシピブック(朝日新聞出版編、朝日新聞出版)
 ”ワカコ酒”に登場する料理を”すぐ出るおつまみ”、”煮物・蒸し物”、”焼き物・炒め物”、”揚げ物”に分けて、美味しそうな写真とレシピ、原作のイラストに加えどこに登場したかまでを書いてくれている本。ちょっと作ってみようかという気になります
【花】朴(ほお)
 モクレン科の落葉高木。かなり大きくなる樹で30mぐらいになるんだとか。水滴状の大きな葉が特徴です。味噌にネギなどの薬味を加え肉や野菜などを朴の葉をフライパン代わりに焼く”朴葉味噌”は飛騨高山地方の郷土料理。このあたりに生える樹かと思ってましたが、かなり大きな公園に行けばたまに植えられていたりしますので探してみてください。


 以前にも書きましたが(*3)、会社で一緒に仕事をしているおひとり様女子でN子さんという方がいらっしゃいます。この方が”だれやみ”という”家呑み会”に誘ってもらっています。”だれやみ”というのは宮崎県地方の方言で晩酌のこと”だれ=疲れ”を”やみ=止み”から一日の疲れをいやすってことで晩酎のことなんだとか。N子さんの手料理&お酒は持ちより、7~8名で集まって女性は全員独身というシロモノ(*4)
 で、何ゆえにお呼ばれになっているかというと、突発的にN子さんが”鍋料理食べたい!”ってなってしまうのが理由の模様です。いや~、気持ちわかります。さきほど居酒屋料理をあまり家でしない理由が面倒くさといと書きましたが、実はあまり作らない最も大きな理由が”量のコントロールが難しい”もっとはっきり言うと”一人分作るのが難しい”からなんですね。

 料理をされる方ならおわかりかと思いますが、料理のレシピってのはだいたい”×人分”で書かれています。それに合わせてじゃがいも何個だとか牛肉××gだとか醤油大さじ×杯の分量になるんですが、これに合わせて食材を準備するのって意外とムダが多いんですね。最近はスーパーでジャガイモや玉ねぎって1ケ単位で買えますがちょっと割高。かといって袋で買うとあまっちゃうし。お肉もg単位で売ってくれるところもありますが、さすがにいい大人が”豚バラ肉 50g”って買うのもねぇ。調合済の調味料なんかもそうで、こっちは半分使っておいとくってのもなんとなく痛みそうだし。わかりやすい例だと、カレーなんかがそうで、最小単位が4皿分とかになっていて、これに合わせて人参だ肉だ買ってきて作りますが、そうすると2~3日カレーデーになっちゃいます。まあ、おかず系だとそれでもいいんですが、家呑みで3日続けて同じアテになるとちょっと・・

 よく”鍋物はたくさん作った方がおいしい”と言われますが、確かに少量の鍋だと味付けは難しいし(1リットルの水に1gの塩の誤差は0.1%ですが、100ccだと1%ブレちゃいます)。鍋も料理のサイズにあわせていろいろ用意できるといいんですが、よくある”ひたひたになるまで水を入れて”なんてのも、鍋のサイズが材料の量にあっていないと水が多すぎになっちゃうし。それに小鍋で弱火って意外と難しいんですよね、すぐ吹きこぼれちゃうし。

 あと、食材の入手ってのもあります。N子さんは九州出身なので”醤油は甘いもの(*5)”らしいですが、ほかの土地でも売ってんでしたっけ?(ネットだと入手できるんでしょうけど)。味噌なんかも地域色がある食材で、地元の味を出そうとすると意外にバラエティ豊かにそろえないといろいろ作れないしな~~
 売ってるの見たことないのの代表格なのが”朴葉(ほおば)”。本書でも朴葉味噌焼きのレシピが出てますが、食材以上に朴の葉っぱって入手できるんでしたっけ?(*6) 拾ってくりゃタダなんですが(拾ってきていいかどうかはビミョ~ですけど) 

 鍋物以外でも事情は似たり寄ったりで、モノにもよりますがまあ1人分作るってのは難しいのはあんまし変わらないんではないかと。最近スーパーやコンビニで個食サイズのお惣菜ってよく売ってますが、こんだけ独身や単身世帯が増えてくるとけっこうニーズがあるんでしょうね

 結局のところ、居酒屋料理って”いろんな料理をちょっとずつ食べたい”のか”少ない料理をじっくり食べたい”と思うかによりそうです。ワカコさんはどっちかというと単品をじっくり食べる派(まあ、酒があればいいのかも)のようですが、私はどっちかっつ~とみんなでわいわいやりながらいろんなのを食べる方が好きです。まあ、好みの問題なのでどっちが正しくてどっちが邪というわけではないですが、私自身は家で居酒屋料理を作るのには向いていないのかも。オカズするのに大量に作ることはありますけどね

 本書に載っている料理はけっこう美味しそうですし、レシピもわかりやすいですし(自分で作ってないけど)、なんてったってそこここでワカコさんが”ぷしゅ~”してます。ワカコファンならお手元に置いときたい1冊です


《脚注》
(*1)武田梨奈
 セゾンカードのCMで頭突で瓦を割ってたあのお姉さんです。まあ、ギャップ萌えとでも言いましょうか。
(*2)沢城みゆき
 アニメ版はTOKYOMX他で2015年7月5日より放映予定。ワカコさん役は、峰不二子の3代目CVの沢城みゆきさん。ちょっと意外なキャスティングですがちょっと、楽しみにしています。
(*3)以前にも書きましたが
 ”酒呑みの舌を持って生まれたがゆえに、今宵も居場所を求めてさすらう女ひとり酒。いるんですよね~~身近に!”より。登場する花や樹が出てますので、こちらもどうぞ
(*4)女性は全員独身というシロモノ
 こう書くと”うらやましい!”と思われるかもしれませんが、出席する男性陣は全員50代の既婚者という、な~んの展望もない呑み会です、はい。
(*5)N子さんは九州出身なので”醤油は甘いもの”
 九州や北陸では甘い醤油が一般的らしいですが、N子さんちにいって初めて食べさせてもらいました。ちなみに私は関西出身なので、実家には濃口醤油と薄口醤油の両方ありました。
(*6)朴の葉っぱって入手できるんでしたっけ?
 amazon.comで入手可能です。恐るべしネット通販!

この世に、無敵の戦車などありはしない あるのは、ただ鉄の棺桶だけだ!!(鉄の墓標/富士総合火力演習(予行演習)/10式戦車)

 ども、軍事ネタはあんまし強くないんですがメカニックは大好きなおぢさん、たいちろ~です。
 先日、会社でいっしょに働いている人のお誘いで”富士総合火力演習”を見に行ってきました。なんでも8月25日の本番は競争率20倍を超えるプラチナチケットだそうですが今回行ったのは自衛隊関係者とか家族向けの予行演習のほう。それでも本番と同じカリキュラムをこなすそうなので、戦車が走り回るわ主砲をぶっ放なすわと迫力は本番そのまま。いや~~、感動しました!!
 ということで、今回は戦車をめぐるお話、今だったら”ガールズ&パンツァー(*1)”あたりが旬ですが、おぢさん世代としてはちょっとオールデーズな松本零士ネタであります。

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写真はたいちろ~さんの撮影。富士総合火力演習での10式戦車であります。


【本】鉄の墓標(松本零士)
 第二次世界大戦中。ジャングルであるものを捜索していた足立太は土方総司らに出会う。足立が探していたのは土方たちによる実用試験中の新型戦車”四式”だった。目の前で倒されている友軍の戦車を助けるために、土方は”四式”により敵の”M4”戦車に戦闘を仕掛ける・・・
 ”ザ・コクピット(*2)”第一巻に収録。
【旅行】富士総合火力演習
 陸上自衛隊の演習のひとつで静岡県御殿場市の東富士演習場で8月ごろに実施。
 上記のプラチナチケットは陸上幕僚監部主催の一般公開演習で、今回行ったのは富士学校主催の予行演習のほう。
 陸上自衛隊だけでなく航空自衛隊戦も参加して対地爆撃を実弾使ってやるという迫力満点の演習。そっち系のおぢさんばっかかと思ってましたが、結構女性の方もいらっしゃってます
【乗り物】10式戦車
 2009年に制式化された陸上自衛隊の最新の国産主力戦車。”ひとまるしきせんしゃ”と読みます。
 44口径120mmの主砲に12.7mm重機関銃、7.62mm機関銃を装備し、複合装甲による軽量化、アクティブサスペンションにより走行性能と砲安定性能が向上、C4Iシステムという情報処理システムを初めて搭載したスグレモノ。


 で、演習はというと、74式、90式、10式と戦車のオンパレード多目的誘導弾システムに96式装輸装甲車に、地獄の黙示録(*3)を彷彿とさせるヘリコプターの集団飛行にと自衛隊の持てる戦力がてんこ盛り。ミリタリーマニアならずとも、男の子の血が騒ぎます。特に圧巻なのが10式戦車による実弾射撃”どおぉぉぉん~~~”というお腹に響く轟音。音圧というのを初めて実感しました。
 戦車ってのは近接戦闘をするモンと思ってましたが、意外と距離を離れて攻撃するようで、結構遠くにある的に正確に当ててました(*4)。はっきり言って市街戦で戦車なんかが出てきたらまあ勝てないでしょうなぁ。ゲリラ戦なんかで生身の人間が戦車に戦いを挑むなんてのがありますが、ちょっと試してみようって気にはなりません。地上戦闘では戦車ってのは最強の存在なんでしょね。

 と、こんな最強の戦車と戦車が戦ったらどうなるんでせう?! という疑問がふとわきました。いきなりちゃぶ台ひっくり返すのはなんですが松本零士の”ザ・コクピット”ではけっこう戦車ってやられてるんですね、これが。しかもヒエラルキーがはっきりしていて、旧日本軍の”九七式戦車”はアメリカの”M4中戦車”を砲弾で撃ち抜けず、あっさり負けてるし、その”M4中戦車”もドイツの”タイガー戦車”にはあっさり撃ち抜かれているし。その”タイガー戦車”も燃料がなかったり、戦術運用を間違えれば無敵ではありえないし(*5)

 今回ご紹介する”鉄の墓標”に登場する”四式中戦車”ってのは技術試験中の最新兵器で、”M4中戦車”の砲撃にも耐え、相手の装甲をあっさり撃ちぬく戦車。でも、単騎では多数の敵にはどうだったんでしょう。

  北アフリカの血と砂の戦場に散った、無名の戦車兵は言った
  この世に、無敵の戦車などありはしない・・・
  あるのは、ただ鉄の棺桶だけだ!!

 これは”鉄の墓標”の冒頭の言葉。
 結局のところ戦車戦てのは(別に戦車に限らずですが)、ホコタテの世界で最強の鉾(主砲)と最強の盾(装甲)同士でドンパチをやるってことなんでしょうか。今回の演習を見て思ったんですが戦闘力(日本だったら抑止力かな?)として兵器を持つことと、実際に戦争をすることってのは別次元の話じゃないかと。戦争を避けるってのは政治的な大命題であって、尖○だ竹○だときな臭い話があっても、実際に戦いをするってのは最悪の選択だし、かといって戦闘力もなくイーブンの交渉ができるかってのもどうなんかなぁって疑問もあるし。無敵の戦車がありえないように、火力だけではモノゴトが解決するってシチュエーションもあり得ないと信じたいです。

 そういった意味では火力演習ってのはいい歳したおぢさんに見せるんじゃなくって、もっと子供に見せるべきなんではないかと。こういったことを書くといろいろ異論もあるでしょうが、”殴られたら殴り返される(撃たれたら撃ち返される)”、”殴られたら痛い(戦車から撃たれたらどうなるか? まあ、痛いじゃすまないでしょうが)”といったことを映画やゲームといったバーチャルではなくリアルに感じる機会ってなかなかないですし。

  その主砲の轟は さながら 死神の号泣のごとく
  聞く者の胸を揺さぶるとも人はいう・・・
  鉄の墓標は、その無限軌道の上を 
  未来永劫に、さまよいつづけるのかもしれない

 これは”鉄の墓標”の最後の言葉。

 せっかくお誘いいただいて暗い話になって申し訳ありませんが、自分の子供たちはさまよい続けさせないためには、大人として何をすべきか、子供たちになにを教えるべきかを考えちゃういイベントであります。


《脚注》
(*1)ガールズ&パンツァー(監督     水島努、バンダイビジュアル)
 美少女が戦車に乗って試合をするという萌え&ミリタリーアニメ。通称”ガルパン”。観たことはないですが、けっこうその筋では流行っているそうです。
(*2)ザ・コクピット(松本零士 小学館文庫)
 戦争をテーマにした松本零士による短編漫画集。おぢさん世代には”戦場まんがシリーズ”といったほうが通りがいいかも。”コクピット”とあるように飛行機ネタが多いですが、戦車や小銃、対戦車砲などのネタも多数。
 ”スタンレーの魔女”、”わが青春のアルカディア”、”復讐を埋めた山”など名作も多数あります。初出は1969年あたりの古いものもありますが現在でも入手可能。お勧めです。
(*3)地獄の黙示録(主演 マーロン・ブランド、監督 フランシス・コッポラ)
 巨匠フランシス・コッポラによる戦争映画の代表作。
 ワーグナーの”ワルキューレの騎行”をBGMに飛ぶ戦闘ヘリコプターが印象的。でも、全編見て人だよな~~。こんど借りてこよう。
(*4)結構遠くにある的に正確に当ててました
 富士演習でははっきりした距離はわかりませんでしたが、wikipediaだと戦車戦で対峙するのは2kmぐらいなんだとか。この距離で500mm以上の鉄鋼板を貫通するそうなので大した破壊力です。
(*5)戦術運用を間違えれば無敵ではありえないし
 戦車は、一度に大量集中してこそ威力を発揮するものだ
 たった今の戦いがそれを証明している・・・

  ”ラインの虎”より(ザ・コクピット 第二巻に収録)

ニャル子さん、歳いくつ? 禁則事項です♡(這いよれニャル子さん/バール)

 ども、名状しがたいパロディな生活をすごしているおぢさん、マッドたいちろ~です。
 このブログは基本的には本や映像作品を扱っています。原則としてこれらの作品は必ず読むなり見るなりしています。なんせ歳が歳ですので昭和のフルネタなんかも出てきますが問題はこのブログを読む人が原典を知ってるかということ。ましてやパロディネタなんかだと知ってるようで意外と原典をちゃんと読んでないってのは良くあることです。
 たとえば、SFの原点”竹取物語”にしたところで、ストーリーはそれこそ小学生でも知ってるでしょうが、じゃあ古文で読んだことあるかというと、まあほとんどの人が”否”と答えるんじゃないかと。
 ということで、知ってるようで知らない原作のパロディ作品”這いよれニャル子さん”であります。


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 写真はマッドたいちろ~さんの撮影。近所のDIYの店で売っていたバール。
 一番長いのが900mm。持ってみましたが結構重かったです。


【DVD】這いよれニャル子さん(原作 逢空万太 GA文庫、アニメ ジーベック)
  高校生の八坂真尋(まひろ)は夜道で怪物に襲われ、謎の少女に救われる。彼女は悪い宇宙人から真尋を守るために派遣された”ニャルラトホテプ”、自称”ニャル子さん”だった・・
 クトゥルー神話を元ネタにしたラブコメ(ラブクラフトコメディ)。2012年にTVアニメ化されました。
【道具】バール
 梃子の原理を利用する金属製の棒。ちっちゃいのは釘抜き。
 よくATMなんかが強奪された時にニュースで”バールのようなものでこじ開けられ・・”という解説が出ますが、いちおう本来的な使い方です。
 ニャル子さんは武器に使っていますが、良い子はマネをしないように。
 ちなみに、バールの重量は上記のヒラタ製平バールの場合2.43kgと日本刀の3倍近いので、自在に振り回すには相当の体力が必要です。


 ”ニャルラトホテプ”といえばクトゥルー神話に登場する旧支配者の一柱。何にでも変身できる神様ですが、ニャル子さんは女子高校生タイプ。真尋さんが”ニャルラトホテプは触手がうごめいていたり”とか聞いてますが、

  御望みとあればその姿にもなれますが、SAN値が下がりますよ

と突っ込んでいます。できればやめていただきたいものです。
 私服では胸元の大きなリボンとスカートが白黒のチェック柄ですが、錯視でも狙ってるんでしょうか?
 苦手とするのは”生ける炎 クトゥグア(クー子)”。中の人がゆのさんと吉野家先生の怪しいラブシーン?が笑えます
 敵キャラのノーデンスってのは、幻夢境(ドリームランド)の地下に広がる暗黒世界の統治者ということで、巨大テーマパーク”ルルイエランド”にいるのはありかも。

 ということで、wikipediaとかで調べるとこんな感じですが、設定そのものはわりとムダに原作に忠実みたいです。まあ、知ったような顔して書いてますが、実は原作のクトゥルー神話って読んだことないんですね。読もうと思って昔”ラヴクラフト全集(創元推理文庫版)”買ったんですが今は押し入れ=混沌の中に沈みこんでるんな~~
 真尋さんは”ラヴクラフトの小説を読んだことがある”と言ってますが、ニャル子さんとの会話にほとんど説明なしで突っ込めてるんだから、結構なホラーマニア。現実にこんなについていける高校生がいたら、それはそれで残念な人じゃないかと・・・

 アニメ版はクトゥルー神話以外にもアニメのフルネタのオンパレードなんですが、はたしてこのアニメの視聴者層の人ってモトネタわかってるんでしょうか? ”おまえの罪を数えろ!”ばりに知ってる人と視聴者層が完全にずれてるんじゃね?!とか思っちゃいます。

 最初にずっこけたのは、ニャル子さんの口上。

  星から星に泣く人の、涙背負って邪神の始末
  いつもニコニコ真尋の隣に這い寄る混沌”ニャルラトホテプ”
  お呼びとあらば即参上!!

 これのモトネタって、”銀河旋風ブライガー”のオープニングから。

  夜空の星が輝く陰で、ワルの笑いが木霊する。
  星から星に泣く人の、涙背負って宇宙の始末。
  銀河旋風ブライガー、お呼びとあらば即参上!!

   ※YouTubeでこちらから

 

柴田(あしゅら男爵♂)秀勝の名調子ですが、このアニメの放映されたのって1981年~82年とほとんど30年前の作品。当時はそれなりに話題になって、私も何回か観ましたが、当時はDVDどころかVHSがやっと市場に出回りだした時期。いちおうDVD化もされているのでまったく今でもまったく観れないとは言いませんが、今の高校生が知ってるとは思えん・・・
 ニャル子さんて、いったい歳いくつなんでしょう???

 CMなんかで知ってはいるけど、映像で見てるかというと??なのが”巨人の星”ネタ。
 カプセル怪獣を出す時のポーズは星飛雄馬の大リーグボール2号の投球シーンだし、クー子のあやつるビットから打ち出される火球を打ち返すのって花形満が大リーグボール1号を打ち返すシーンだし。ノリは完全に昭和高度成長期です。

 ニャル子さんが戦闘シーンで叫ぶ

   無駄、無駄、無駄、無駄ァァァ!!

 とか、”地球の娯楽は宇宙一ィイイ!”のモトネタ、シュトロハイムの

  我がナチスの科学力はァァァァァァァアアア世界一ィィィイイイイ

なんてジョジョネタも昭和末期から平成初期ですから、大学生あたりが生まれたころ。わかるんかなぁ??

 この作品のモトネタおまとめサイトがあるんですが、言われて思いだした大モトネタとしてはエンディングに出てくるキャプテン・フューチャーの”コメット号”(ロケット噴射する色違いR2-D2みたいやつ)。
 キャプテン・フューチャーですよ、スペース・オペラですよ、スペース・オペラ!
 早川の銀背で出たのが1966~7年、早川文庫が70年代前半。バローズの”火星のプリンセス”が出版されたのが1965年、”マルペ”の1巻目が1971年。復刻されたり、今ごろ映画化されたり、今でも続いてたりはしますが、スペオペ全盛期って1970年~80年ごろだからもう3~40年近く前。さすがにおぢさん世代でも忘れてました。

 この作品、DVDで2話まで見ただけですが、この手の話題がてんこもりだそうです。まあ、元ネタわかんなくても面白そうですが、わかったほうがもっと面白いかも。そういう意味ではヲタク向けかもしれません。私は違いますけど・・・

PS.私のブログの特徴である膨大な”脚注”は今回はありません。
   興味がある人はぐぐってみましょう。
   まあ、モトネタ探しも楽しみの一つということで・・・


仮面舞踏会=ディケイド(仮面ライダーディケイド/石ノ森萬画館)

【TV】仮面ライダーディケイド(TV朝日より 2009年1月25日より放映開始) 平成仮面ライダー10周年記念として作成された新シリーズ。世界を救うため、過去の9人の仮面ライダーと戦うというストーリーらしいです。
【旅行】石ノ森萬画館(宮城県石巻市)
 宮城県出身の石ノ森章太郎のマンガをメインにした記念館。石ノ森ファンの聖地です。マンガをメインとした町興しとしては、成功しているほうだと思います。あおば通駅(仙台)~石巻駅間は”マンガッタンライナー”という石ノ森章太郎のキャラクターを描いた電車が走っていて、昔子供たちが写メ送ってくれました。(石ノ森萬画館のHP


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写真は”N氏の映画館:不定期日記”より



 1月25日、仮面ライダーディケイド、1回目を楽しんで見させていただきました。しかし、リスキーな企画をやっていますね。いや~、突っ込みどころ満載や~(*1)、ということで、今回は”ディケイド”のお話。
 (今回はかなりマニアックな話ですので、ご興味の無い方は飛ばしていただいて結構です)

 こういった、過去の作品をモチーフに新しい作品を作るのは、以前の作品の固定ファンがいるので、いろいろ意見の出るところです。平成ライダーファンも多いでしょうから、オールドファンの視点から。

 平成ライダーの登場だけでなく、石ノ森章太郎の過去作品からのオマージュがいっぱい出ています。気のついた点をいくつか。

①オープニングで門矢司が倒れるところが、”キカイダー”
 左側が人間、右がライダーという左右非対称の顔立ちはまさにキカイダーです。不完全な良心回路のせいで完全にロボット形態に変身できないという設定は、当時かなりインパクトがありました。(*2)
 MEIMUのリメイク版(キカイダ-02)もいいですが、やはり原典に触れていただきたいものです。(キカイダーの映像はこちら

②ディケイドの顔の縦線が、”ロボット刑事K”(*3)
 警視庁の特別科学捜査室の犯罪捜査用ロボット”K”。基本的には犯罪に対抗するため武装をしていますが、ポエムも書くというなかなかリリカルな設定。パートナーで機械を毛嫌いする老刑事からいやみを言われますが、耐えているのがけなげです。(ロボット刑事Kの映像はこちら

③テロップの顔マークが”アカレンジャー”
 記念すべきスーパー戦隊シリーズの第一作”秘密戦隊ゴレンジャー”のリーダー。こちらのシリーズも1975年から、延々30年以上もやっています。赤=リーダー(*4)というイメージを決定付けた人。
 正確に表現すると、”アカレンジャーは、目ん玉つながり(*5)で丸いフォルム、ディケイドは真ん中がはなれていて、両端がとがっている”との違いがありますが、テロップではちょうど離れているところが文字で隠れていて、アカレンジャーっぽく見えます。(ゴレンジャーの映像はこちら

④ヒロインの光夏見さんがなんとなく”ロビーナちゃん”(*6)
 最初のバトルシーンで、肩もっこりの白いドレスがなんとなく、”燃えろ!! ロボコン”のロビーナちゃんを彷彿とさせます。演じたのは加藤夏希さん。顔立ちもなんとなく似てますし、名前も似てます。(燃えろ!!ロボコンの映像はこちら

 初回に気がついただけで、こんだけあるし、濃ゆい人ならもっと気がついたでしょう。このネタだけで、Mixiあたりでイベントできそうですね。

 お父さん世代が遊びに行くなら、石ノ森萬画館はお勧め。北上川の中洲に建っている宇宙船をイメージした建物です。”子供が仮面ライダー好きだから”とお母さんをごまかして、お父さんのほうが楽しめます
 道端に石ノ森キャラクターがいっぱいありますし、石巻市自身が全国有数の水産都市ですので、萬画館のあとの食べ歩き(*7)も楽しめます。

 石ノ森章太郎は、上記の作品をはじめ、”サブと市捕り物控”、”日本の歴史”といった歴史モノから、”HOTEL”のような現代ものまで、大人も楽しめるジャンルの作品をたくさん書いています。幅広い層に読んでいただきたいものです。

 ちなみに主題歌を歌っている”Gackt”は京本政樹(*8)の後釜を狙っているのか?


《脚注》
(*1)突っ込みどころ満載や~
 ”らき☆すた”(カドカワコミックス)に登場する、ななこ先生(ゲームオタク)のセリフ。主人公の泉こなた(真性オタク)との掛け合いが面白い。この作品から、鷹宮神社をメインに町興し(萌えおこし)を成功させました。
(*2)インパクトがありました
 石ノ森氏は”自身のデザインワークの中でも1、2位を争う傑作”だと自負しているそうです(Wikipediaより)
(*3)ロボット刑事K
 私も誤解していましたが、作品名は”ロボット刑事”で”K”はつきません。検索のときはご注意を。デザイン的には、マザーとよばれる女神型の要塞が好きです。
(*4)赤=リーダー
 赤=リーダは間違い。組織運営上、リーダが赤でない作品も多いです。最近の作品で赤がリーダでないものは、
 獣拳戦隊ゲキレンジャーの”漢堂ジャン(ゲキレッド)”は入門が最後の弟弟子。リーダは明確でないのは、師匠のマスター・シャーフーがいるから。声が永井一郎なので、目を閉じて聞いていると、マスター・ヨーダです。
 魔法戦隊マジレンジャーの”小津 魁(マジレッド)”3男で最年少、リーダは長男のマジグリーン
 爆竜戦隊アバレンジャーの”伯亜 凌駕(アバレッド)”はメンバの一員で、リーダはアバレブラック
 知っていても、何の役にも立ちません。
(*5)目ん玉つながり
 天才バカボンに出てくるおまわりさんの目です
(*6)ロビーナちゃん
 99年放映の”燃えろ!! ロボコン”のヒロインのキューピッドロボット。ロボコンにとっては憧れの的。ちなみに、74年放映の”がんばれ!!ロボコン”のヒロインは”ロビンちゃん”です。11~14歳の島田歌穂が演じていました。
(*7)萬画館のあとの食べ歩き
 石巻市は、牡蠣、金華サバ、金華カツオ、サンマなど、魚介類が豊富。日本酒の”日高見”の醸造元もあります。ただし、呑んだら運転したいこと!
(*8)京本政樹
 必殺仕事人の”組紐屋の竜”で有名な美形俳優。特撮にも造詣が深く、かつて”京本コレクション”というヒーローのフィギュアを出していました。オタク=ダサいというイメージを一時的とはいえ払拭した功労者。


第九の季節(不滅のアレグレット/ベートーヴェン 交響曲第9番/シオドメの森)

第九の季節

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写真はたいちろ~さんの撮影



【本】不滅のアレグレット(松本零士 小学館)
 タイトルの”不滅のアレグレット”はベートーベン交響曲第7番 第二楽章から。フルトヴェングラー(*1)のナチスドイツ下での苦悩するエピソードの表題でもあります。
 1979年に発刊なので、ディスコグラフィーはすべてLP。
【CD】ベートーヴェン 交響曲第9番《合唱付き》
 日本人がもっともよく知るクラシックの名曲。年末の風物詩。”Freude!”(ドイツ語で”歓喜”)は声楽をやっている人の憧れ。私の持っているのはフルトヴェングラー版です。
【旅行】シオドメの森
 汐留、日本テレビ前で開催されている光のイルミネーションイベント(2008年12月25日まで)。白を基調とした光の渦は、月光を受けて煌めく雪山の森にいるようです。

シオドメの森 公式ホームページ

 前回、神戸のルミナリエの話題でしたので、今回は東京のイベントです。
 先日、”シオドメの森”に行って来ました。
 他のイルミネーションは樹木や壁を利用したものが多く、見上げる目線のものですが、こちらは、一本の木を中心に地面にイルミネーションを配しているので、光の森の中にいるようです。”星々の上に、神は必ず住みたもう”と、神様の地平にいる気分になれます。
 ところでこの”星々の上に”のフレーズは、シラーの”歓喜の歌”の一節。ご存知、ベートーヴェン 交響曲第九番 合唱付き”で歌われています。
 ということで、今回は第九のお話。

 ”銀河英雄伝説(*2)”や、”少女セクト(*3)”を始め、映画やアニメのBGMとしてクラシック音楽が使われることがよくあります。で、第九を使ったものとしては、”エヴァンゲリオン”の第二拾四話の戦闘シーンが有名(*4)です。凄絶な戦闘と、謎を含んだ淡々とした会話に、この神を称える讃える合唱が重なる臨場感は、アニメ史上もっともすばらしいシーンのひとつと思います。
 第九は年末の風物詩ですし、改めてご覧になるのもよいかと。

 本のご紹介ですが、クラシックを扱った名著は数多くあり、いろいろ迷いましたが、今回は少し毛色のちがったことろで、今回は”不滅のアレグレット”にしました。
 この本は、松本零士氏による、クラシック演奏者を題材にしたマンガです。この本で、フルトヴェングラーを、クライスラーを知りました。そしてシュバイツァーがオルガン奏者であることも。私をクラシックの世界に誘ったきっかけの1冊です。
 演奏者たちの苦悩や、未来を信じる若者たちの希望、ネコの思い出とかを松本零士氏独特の絵柄で語られています。

 残念ながら絶版のようで、Amazon.comでも入手不可(2008年12月16日現在)。もし、古本屋で見つけたら迷わず買ってください。クラシックファンに捧げる珠玉の1冊です。

《脚注》
(*1)フルトヴェングラー
 戦前、戦後ドイツの偉大なる指揮者。ベルリン・フィルの音楽監督。ベートーヴェン、ブラームス、ワーグナー等の名演がCDで発売されています。
(*2)銀河英雄伝説
 銀河帝国と自由惑星同盟が宇宙の覇権をかけて争う田中芳樹の長編SF。本編だけでも徳間文庫で20冊といった長編小説を、なんと110話にわたってほぼ忠実に映像化したのもすごいが、そのBGMがほとんどクラシックというのももっとすごい。
(*3)少女セクト(アニメ版)
 玄鉄絢原作の同題のマンガをアニメ化。女性たちの禁断の愛を描く叙情的18禁百合アニメ。てか、何でこんなのを知ってる?!
(*4)戦闘シーンが有名
 有名になった映画、アニメ、小説をみんなが見ていると思い込むのはありがちな間違い。反省しましょう。

まぶしいね、雪の光はまぶしいね(銀のロマンティック・・・わはは/雪合戦)

【本】銀のロマンティック・・・わはは(川原 泉 白泉社文庫)
 世界的バレリーナの一人娘、更紗(さらさ)さんと、世界的スピードスケーターの忍くんが、男女ペアのフィギュアスケーターを目指すお話。こう書くとスポコンもののようですが、癒し系コミックです。”甲子園の空に笑え!”に収録
【自然】雪合戦
 新潟県魚沼市の「雪合戦発祥の地」によると、雪合戦を始めたのは長尾為景(2009年度のNHK大河ドラマ”天地人”の主人公、上杉景勝の外祖父)だそうです。
 雪玉の中に石をいれてはいけません。(*1)

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写真は”ヨシックスのSTEPbySTEP”から



 フィギュアスケートのグランプリファイナルは、あいかわらず盛り上がっています。注目の浅田真央さんは、キム・ヨナさんとのトップ争いもすごいですね。浅田真央さんは”明るい”、”がんばりやさん”、”かわうい”と、世のお父さん方の”娘にしたい女の子(*2)”では、トップクラスでしょう。
 ただ、フィギュアスケートは人気の割には、題材にした小説は意外と少ないです。”銀盤カレイドスコープ(*3)”ぐらいしか思いつきませんでした。Wikipediaも見ましたが、この本しか掲載されていませんでしたし。たしかに”クワドラプル(4回転ジャンプ)”とか”トリプル・アクセル(3回転半ジャンプ)(*4)”とか文字で書かれても、詳しい人でないとイメージしにくいでしょう。
 で、今回はコミックの名作”銀のロマンティック・・・わはは”を取り上げます。

 動きがあまりにもテロリズムでバレリーナとして行き詰っている更紗さん、ケガでスピードスケーターの引退を余儀なくされた忍さんが、男女ペアフィギュアスケーターを一生懸命目指します。途中では”お笑いスケーターになってしまふ(*5)”と悩んだりして。目玉商品といって、クワドラプル・ジャンプにチャレンジするノリの良さもあります。
 表題の”雪の光はまぶしいね”は、忍くんが、ケガの再発でフィギュアもあきらめないといけなくなった時、雪合戦をする子供たちを見て、最後のチャレンジを心に決めるシーンにでてきます。

  ああ まぶしいね まぶしいね まぶしいね
  雪の光はまぶしいね
  雪の光は 銀色で
  ああ 愉快だね 愉快だね 愉快だね

 そして、二人は伝説になりました。

 力の入りすぎたアナウンスに、ちょっと疲れているフィギュアスケートファンお勧めです。

《脚注》
(*1)雪玉の中に石をいれてはいけません
 ”巨人の星”に、星飛雄馬と伴宙太が雪玉の中に石を入れてピッチング練習をする場面があります(飛雄馬の致命的欠陥が明らかになるエピソード)。良い子はマネをしないように。
(*2)娘にしたい女の子
 ”恋人にしたい”と書かないのは、私の良心です。
(*3)銀盤カレイドスコープ
 「氷上の悪夢」桜野タズサが主人公のライトノベル(海原零、集英社スーパーダッシュ文庫)。
(*4)トリプル・アクセル(3回転半ジャンプ)
 ”トリプル”が3回転、”アクセル”が”半分”だと思っていましたが、”アクセル”はこのジャンプを考案したアクセル・パウルゼンの名前に由来するそうです。
(*5)お笑いスケーターになってしまふ
 男女ペアのパートを入れ替える荒業。実際に見てみたい気がします。

かみつれの花が咲いたら(図書館戦争/かみつれ)

かみつれの花が咲いたら(*1)

20081130komomiru

写真は”Keiの想いの部屋”から




【本】図書館戦争(有川 浩 メディアワークス)
【コミック】図書館戦争(有川 浩 ふる鳥 弥生 アスキー・メディアワークス)
      図書館戦争(弓 きいろ 有川 浩 白泉社)
【DVD】図書館戦争(プロダクション I.G 角川エンタテインメント)
 検閲から本を守るために図書館とメディア良化委員会が武力闘争する時代。図書特殊部隊(ライブラリー・タスクフォース)の活躍を描く。過激な作品名ですが、でもラブコメ。原作は第39回星雲賞(*2)日本長編作品部門を受賞。
【自然】かみつれ
 カモミールまたはカモマイル。リンゴの果実に似た匂いがあり、アロマオイルや、ハーブティにつかわれます。

 ”図書館戦争”のDVD Vol.4を観ました。この中でかみつれの話題がありましたので、今回はかみつれのお話。

 ハーブ栽培が趣味なので、昔植えたことがあります。リンゴに似たさわやかなにおいのする、”香りのカーペット”を作ろうと思って。そのあと引っ越しをしたので、野望は潰えましたが、来年もこの場所にいたら、がんばってみましょい。
 ”図書館戦争”の作中では、かみつれは図書隊のマーク(*3)に使われています。選定したのは創設者にして基地指令の奥さんが好きだったからですが、花言葉は”逆境に耐える”、”逆境の中の活力”ということで、なかなかに意味深い選定です。

 ストーリーは”図書館とメディア良化委員会が検閲を巡り武装化して戦う”とういうハードな設定ですが、ベースは”図書館の自由に関する宣言”の思想です。私たちが大切にしないといけないものを守る戦いに身を投じる隊員たちの活躍を描くアクションものです。

 でも、けっこうラブコメなんですよね。”熱血バカ”こと笠原 郁さんと、”怒れるチビ”こと堂上 篤さんの。郁さんの図書隊への志望動機が、高校生の時、本の没収に抵抗した郁さんを助けた図書隊(郁さん曰く、”私の王子さま”)にあこがれて、というのも素敵です。これが、ラブコメの伏線になっています。
 本編では、郁さんが”アホか!”と堂上さんにしょっちゅう叱られていますが、まわりからは過保護に見られているようです。両方とも根が熱血なのでくっつくまで紆余曲折ありますが、結局にたもの同士です。(小牧 幹久さん(*5)の談)
 別冊では、”武闘派バカップル”全開です。

 ちなみに私は、小牧 幹久さんのファンです。

 図書館を愛するすべての人にお勧めです。
 原作の有川浩の作品ははずれがないので、ぜひ他の作品もご愛読ください。

図書館戦争 公式ホームページ

《脚注》
(*1)~の花が咲いたら
 出展は”あらいぐまラスカル(日本アニメーション 1977年放映)”の主題歌から。元気のでる名曲です。ちなみにラスカルの声が野沢雅子さん(ドラゴンボールの孫悟空の中の人)は驚きです。
(*2)星雲賞
 日本SF大会の大会の参加者の投票によって選ばれる賞。”日本沈没(小松 左京)”など、良作が目白押しです。
(*3)図書隊のマーク
 かみつれの花と本を組み合わせています。具体的には公式ホームページを参照下さい。 徽章(階級章)もかみつれの花と本の組み合わせです(原作の最後にまとめて掲載されています)
(*4)図書館の自由に関する宣言(抄)
 図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することを、もっとも重要な任務とする。この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。
    第1 図書館は資料収集の自由を有する。
    第2 図書館は資料提供の自由を有する。
    第3 図書館は利用者の秘密を守る。
    第4 図書館はすべての検閲に反対する。
  図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。
(*5)小牧 幹久
 ”笑う正論”。堂上さんの同期で副班長。DVD版の声は石田 彰氏(エヴァンゲリオンの”渚カヲル”の声といえばわかる人も多いかも)。郁さんの入隊のきっかけの事件を知っており、ときどきくすぐりを入れてます。

月を見るな!(バンパイヤ/満月)

月を見るな!(*1)

20081128moon_2






【本】バンパイヤ(手塚治虫 秋田書店、講談社)
【DVD】バンパイヤ(虫プロ コロムビアミュージックエンタテインメント)
 バンパイヤ族のトッペイと悪魔の申し子ロック、バンパイヤの支配する世界を作ろうとする革命委員会の三つ巴の戦いを描いた名作コミック。
 秋田書店文庫版の1巻には水谷豊氏があとがきを寄稿しています。
【自然】満月
 この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば(藤原道長)

 この年末は水谷豊氏が大ブレイクしています。映画版”相棒”のDVDが大ヒットとか、紅白歌合戦に出場とか、ベストドレッサー受賞とか。でも、おぢさん世代にとって水谷豊氏といえば”バンパイヤ”なんですよね。ちなみに水谷豊氏のデビュー作だそうです。”傷だらけの天使”(*2)じゃなくて。

 満月をみると狼に変身するトッペイを、実写版では水谷豊氏が好演。タイトルはバンパイヤ(吸血鬼)ですが、ベオウルフ(狼男 ドイツ語 Werwolf)です。(だから、今回のキーワードは満月) そして、もう一人の主人公、ロックこと間久部緑郎(まくべろくろう)。悪魔の申し子、悪の天才、変装の名人(美女にもなってます)と、手塚ワールドのダークサイドを代表する悪役です。
 子供のころの印象では、悪の手先になるトッペイの苦悩の物語と思っていましたが、今、改めて読むと、ロックのピカレスクロマンといった印象です。間久部緑郎の名前の由来は、マクベス(*3)だそうです。敵に対しては冷酷なる殺人者、トッペイやバンパイヤ一族は利用するだけ利用する、その一方親友は殺せなかったり、自分の殺した人間の幽霊におびえたり(でも、笑いながら復活を宣言してるけど)。悪の権化と弱い人間の振幅の大きい、魅力的なキャラクターです。友達にしたいタイプではないですが。

 でも、この作品が、現在に発表されていたら、きっと ロック×トッペイ(*4)とかするんでしょうね。腐女子(*5)の人たちは。

 ”自分は悪い人ではないか”と悩んでいる人にはお勧めです。ただし、ナイスミドルの水谷豊氏のイメージを壊したくなければ、実写版の変身シーンは見ないほうがいいです。

※ニコニコ動画での変身シーンはこちら

【ニコニコ動画】バンパイア

《脚注》
(*1)~を見るな!
 出展は”マイティジャック(円谷プロ 1968年放映)”から。メカの美しいフォルムは今でも色あせていません。
(*2)傷だらけの天使
 主演の萩原健一に対して「兄貴ぃ~!」と呼び掛けるチンピラ風の水谷豊氏が印象的でした。岸田今日子も素敵だったし。1974年放映。
(*3)マクベス
 シェイクスピア作。四大悲劇のひとつ。魔女の予言(”あなたは王の父親になる”、”女の股から生まれたものはマクベスを倒せない”)は原作へのオマージュ。
(*4)A×B
 ボーイズラブ(男と男の恋愛ファンタジー)用語。Aが攻め(アクティブなほう)、Bが受け(パッシブなほう)。
(*5)腐女子
 ボーイズラブをこよなく愛するお嬢さんたちのこと。その生態は”腐女子彼女(ぺんたぶ  エンターブレイン)”、”となりの801ちゃん(小島アジコ 宙出版)”に詳しい。


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