小説

原作を読んでからDVDを見るのに向いた作品かも(アウトロー/ライフル銃)

 ども、”読んでから見るか、見てから読むか(*1)”に悩むおぢさん、たいちろ~です。
 後先はともかく、映画化された小説の原作ってのはわりと読むほうなんですが、困るのが小説の第一作が映画の第一作とは限らないこと。たとえば最近第3作が公開された”ススキノ探偵シリーズ(*2)”。映画化第1作”探偵はBARにいる”は原作第2作の”バーにかかってきた電話”、映画化第2作の”探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点”の原作は第5作”探偵はひとりぼっち”、映画化第3作”探偵はBARにいる3”はオリジナルストーリー。ああ、ややこしい。
 ところが映画第1作にして原作は第5作(未邦訳をいれると8作目)という困ったちゃんが!
 ということで、今回ご紹介するのは放浪するハードボイルド”ジャック・リーチャーシリーズ”から”アウトロー”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影
横須賀の海軍基地で開催されたフレンドシップ・デー(*3)(2012年)でのライフル銃の展示。場所はあの”ミサイル駆逐艦 フィッツジェラルド”の艦上です。
銃器詳しくないんで種類までわかりませんが、どなたかご存知?

8040223


【本】アウトロー(リー・チャイルド、講談社)
【DVD】アウトロー
 (原作 リー・チャイルド、監督 クリストファー・マッカリー、主演 トム・クルーズ、パラマウント)
 ダウンタウンで発生したライフル狙撃による無差別殺人事件。容疑者の元アメリカ陸軍のスナイパー”ジェイムズ・バー”は6時間後に逮捕された。彼は黙秘したうえこういった”リーチャーを呼んでくれ
 元米軍憲兵隊捜査官で、現在は放浪の旅を続けるリーチャーはある過去の因縁からバーの元を訪れる。狙撃の証拠がそろっていて有罪確実と思われた事件だが、弁護を引き受けた地方検事の娘であるヘレン・ロディンとリーチャーは事件の裏にある真相に近づく・・・
 DVD見てから真面目に原作第1作から読み始めました。結構長かったよ~~
【道具】ライフル銃
 ライフル銃(小銃)とは兵士が両手で保持し照準して発射する火器のこと。(wikipediaより)。銃に疎い日本人なんで”銃身”が長いとみんなライフルってイメージでしょうか。
 細かく言うと狙撃専用なのが”狙撃銃(スナイパーライフル)”戦車相手にぶっ放す”対戦車ライフル”全自動射撃能力を持っているのが”突撃銃(アサルトライフル)”などがあるそうです。
 日本でもっとも有名なライフルといえBSはゴルゴ13愛用の”アーマライトM16”でしょうか。これは”狙撃用へとカスタマイズされたアサルトライフル”という設定。まあ、腕がよければ長期距離射撃でも当たるということで・・


 映画を見て原作を読む理由って人さまざまですが、私の場合はまあ”両方楽しむ”ってとこでしょうか。原作者の映画監督へのスタンスの違い(脚本も含めてガチで関与する人から映画監督丸投げまで)もありますが、比較的原作に忠実な作品であっても映画化するとけっこう違いがあるもんで

 ひとつには映像表現と文章表現の違い。”アウトロー”の場合でも映画ではけっこう長時間でカーアクションやガンとナイフのバトルシーンやってますが、原作ではそんなのほとんどなし。確かにこの手のシーンって文章表現するの難しいんだろうなぁ。

 もうひとつはページ数にあまり制限のない小説に対して、映画は2時間程度に収めないといけないといけないというきつい縛りがあって、原作に比べるとかなり圧縮しないといけないから。だから原作にある要素をはなりはしょっちゃったりするんですな。”アウトロー”の場合でもリーチャーの側には弁護士ヘレンのほかにジェイムズ・バーの妹だのニュースキャスターだの調査員だのチームが出てきますが映画ではいっさいなし。映画見てから時間たってたんで、”あれ、こんな人出てきたっけ???” まあ、映画でこんなに人がでてたら確かに時間足りなくなるんだろ~な~
 まあ、人は一人の役に集約しちゃうって手もありますが、これが重要な伏線をさらっと流されちゃったりすると・・・

 

リーチャーという人は”物的証拠”よりも”状況証拠”を重視して推理するタイプ。なんたって、”バーにしては射撃の腕がうますぎる”だの”普通のスナイパーだとこんなところを射撃ポイントにしない”だのが推理の根拠ですから。ヘレンが困ってしまうのもあたりまえです。で、そんな推理手法の話を映像化するのってけっこう難しいのかも。”物的証拠”ってのはその”モノ”ずばりで映像化しやすいでしょうが、”状況証拠”ってのはセリフで説明しないといけないので映像を流してみているとわかりにくいのかも。実際初めてDVDを見た時はストーリーがすんなり頭に入んなかったんですが、原作を読んだ後再度DVDを見てみると、けっこうストンと頭に入ってくるんですな。そういう意味では原作を読んでからDVDを見るのに向いた作品かも

 原作、DVDの違いはあってもお気に入りのキャラってのもいます。本作の場合は射的場のオーナーの”キャッシュ”。なんたってリーチャーを気に入ったという理由だけでドンパチに参加するわ、狙撃の名手に”ナイフ1本で戦え!”とのたまうわ。ノ~テンキな上にムチャぶりのおっさん。DVDでは”ロバート・デュヴァル(*4)”がいい味出しています。

 ”ジャック・リーチャーシリーズ”はシリーズ内で前後の関係があまり強くないので途中から読んでも大丈夫みたい。原作、DVDとも面白いのでぜひご一読のほどを

《脚注》
(*1)読んでから見るか、見てから読むか
 メディアミックスの雄”角川映画”の第二作”人間の証明(原作 森村誠一、主演 松田優作、1977年公開)のキャッチコピー。本と映画をセットにして売るというビジネスモデルを大々的に広げたのが当時角川書店社長だった角川春樹です。
(*2)ススキノ探偵シリーズ(東直己、早川書房)
 ススキノのバー”ケラー・オオハタ”を事務所代わりにしている探偵兼便利屋の”俺”を主人公としたハードボイルドシリーズ。初登場時点では20代ですが、シリーズ後半では立派な中年男に・・・ けっこう面白いです
(*3)フレンドシップ・デー
 ”よこすか開国祭”に合わせて8月第一土曜日に開催される横須賀米軍基地が一部開放されるイベント。軍艦に乗せてくれるわ、アメリカ~ンな出店がいっぱいあるわと非日常的な空間。お勧めのイベントです。
(*4)ロバート・デュヴァル
 寡聞にして知らなかったんですが、”地獄の黙示録”のキルゴア中佐役でゴールデングローブ賞を受賞しアカデミー賞にノミネート、”ゴットファーザ”でもアカデミー賞にノミネート、他にも数々の映画賞を受賞している名優だとか。こんど”地獄の黙示録”も見てみよっと

やあ! 便利さを無制限に追求するとどんなに悪魔的な結果を見るかわかってきたかな?(スティール・キス/ブルーハイビスカス)

 ども、そろそろボケ防止に英語でもやってみようかな~なおぢさん、たいちろ~です。
 よく使う英語の形容詞にしては、英語と日本語でビミョ~にニュアンスが違うってのがままあります。代表的なのが一時期流行った”クール(cool)”。なんたって、ガムといったら”クールミントガム”(*1)の世代としては”クール=冷たい”ですが、昨今は”イケてる”、”カッコいい”のほうが主流でしょうか。
 同様なのが”スマート(smart)”。”痩せている”という使い方は誤訳だそうで人に使うと”頭が切れる、高知能、粋”、機械だと”高性能”の意味。”スマートフォン”を薄い=痩せているからだと思っていたおぢさんとしては自分のスマートでなさを恥じ入るばかりです(実際に太ってますが・・・)
  ということで、今回ご紹介するのはそんなスマートなテクノロジーを犯罪に使うというお話”スティール・キス”であります。
 ネタバレすれすれで書いてますので、まだ本書を読んでない方は読んでからのほうがお勧めです


写真はamazonで売っている”ブルーハイビスカス”です

Photo


【本】スティール・キス(ジェフリー・ディヴァー、文藝春秋)
 連続殺人犯”未詳40号”を追う刑事”アメリア”の目前で、通行人を巻き込んだエスカレーターの事故が発生、その男性は死亡、殺人犯も逃走してしまった。警察の顧問を引退した科学捜査のスペシャリスト”リンカーン・ライム”の協力を得られないまま捜査は進展する。その事故について民事訴訟のために調査を依頼されたライム。まったく関係のないと思われていたアメリアの捜査とライムの事件だが実はある関係でつながっていた・・・
 名作”リンカーン・ライムシリーズ”の第12作。帯のアオリは”身近な道具が牙を剥き、あなたを殺す
【花】ブルーハイビスカス
 本書の中で証拠物件として青いハイビスカスが出てきます。普通、ハイビスカスは赤い印象があって青いものがあるのは知りませんでしたが、実はこれは別の種類のもの。ブルーハイビスカスはハイビスカス属ではなくアリオギネ属だそうです。
 花がハイビスカスとよく似ているからこの名前がついたようで、誤用とまではいいませんが・・・


 さて、最近はやりの”スマートXXX”をいくつか

〔スマートカー〕
 今だと”AI技術を使った自動運転車技術”って感じでしょうか。自動車メーカーを始め名だたるITベンダーが巨額の投資をしてる新聞記事を読まれたことがあるかと。実際には高度道路交通システム(ITS)(*2)などと連携してるので単体の技術ではなさそう。安全性の向上、ドラーバー不足への対応、運転負荷軽減、省エネなとを狙っています。

〔スマートグリッド/スマートメーター〕
 スマートメーター(電力をデジタルで計測し、通信機能を持たせた次世代電力量計)を使ってエネルギー供給源から末端消費部分を通信網で管理するのがスマートグリッド。電力ってのはただ単に作って供給すればいいってシロモノではないそうで電力網内での需給バランスの最適化調整する必要があるんだとか。
 そういえば、私んちも前の家ではこれをつけに工事の人がきてたなぁ

〔スマート家電〕

 賢い家電の総称(説明になってないなぁ)。エアコンを遠隔操作でオンにすることで帰宅する頃には快適な室温になってるというおひとり様向けのものから、冷蔵庫内の食材を見てレシピ検索ができるという奥さま向け仕様までさまざま。
 お話相手になってくれる”スマートスピーカー”なんつーのも流行ってますなぁ。早晩スピーカーを美少女うフィギュアに組み込んで”スピ香は俺の嫁!”なんってのも出てくんだろうな~~

 それぞれのデバイスがスマート化してネットワークを介して情報交換や相互に制御する仕組みがこっちもはやりの”モノのインターネット(IoT、Internet of Things)”ってとこでしょうか。
 まあ、いいことずくめのようですが、光あるところに影がある、ってことでこのダークサイドがハッキングなどによる犯罪に利用されるリスクがあること。実際に車載システムをハッキングする実証実験?は成功していますし、スマートグリッドのセキュリティ問題はすでに指摘されているところ。
 まあ、簡単にできる話ではないんでしょうが、この手のセキュリティ対策ってのはいたちごっこが常ですんで、いかに継続的に対策が打てるかが重要かと。

 で”スティール・キス”ですが、なにが凄いかと言うと2016年の発刊(原書)時点でこのあたりの事情をかなりのリアリティをもって書いてるんですな。10年前だったら”推理小説”というより”SF”のジャンルに入れられそうなネタですよ、これ。現実がフィクションの後ろから全力で追いかけてきて、丸頭ハンマーで後頭部をドツキきまわしているような・・・


  やあ! 便利さを無制限に追求するとどんなに悪魔的な結果を見るか
  わかってきたかな?

 これは、未詳40号の犯行声明の一節。”スマートXXX”が便利さだけを追求しているってわけではないんですが、その裏に潜むリスクへの対応についてアメリアたちが再発防止にセキュリティの強化をメッセージしたりといろいろやってるのが現代的というか。
 推理小説がこういうテーマで語られるようになったんですねぇ
 ”リンカーン・ライムシリーズ”はいずれ劣らぬ名作ですが、開始からもう20年になるんだとか(*3)。この20年のテクノロジーの進化はすごいもんがありますが、それを取り入れて名作を書き続けるんだから、ディヴァーってやっぱりすごい作家なんだな!

《脚注》
(*1)ガムといったら”クールミント”の世代としては
 ブルーのパッケージにペンギンのイラストが特徴のガム。LOTTEのhpによると誕生は1960年で、南極観測隊用ガムとしてビタミンCを配合したものを贈呈したのはきっかけだとか。知らなんだな~
(*2)高度道路交通システム(ITS、Intelligent Transport Systems)、
 ナビゲーションシステム、ETC、安全運転支援(AHS、DSSS等)など交通の輸送効率や快適性の向上に寄与する一連のシステム群を指す総称
(*3)開始からもう20年になるんだとか
 シリーズ第一作の”ボーン・コレクター(ジェフリー・ディヴァー、文春文庫)”の発刊は1997です。

質問:量子コンピューターで神様を作れるでしょうか?(神様のパラドックス/神様風ロボット)

 ども、昭和のSFファンのおぢさん、たいちろ~です。
 一昔前なら”気分はもうSF”だったテクノロジーがかなりリアルになってきたものってけっこうあります。特にコンピューターの世界では顕著で、AI(人工知能)なんかがそう。さすがにフリーでなんでも会話するってのはまだでも、コールセンターなんかでは実用化フェーズに入りつつあるし、チャットボット(*1)みたいなんだったらすでに遊べるレベル
 でも、まさかこれは当分ないだろうと思ってたのが”量子コンピューター”。よもや会社のビジネスの会議、しかもけっこう偉い人の出席してる会議で”量子コンピューターが”とか”巡回セールスマン問題が(*2)”とか出てくるとは思わなんだな~~
 ということで、今回ご紹介するのはそんな量子コンピュータを使って神様と世界を創造しようというSFのお話”神様のパラドックス”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。
国際ロボット展2017で展示されていた”神様風ロボット”です

Photo


【本】神様のパラドックス(機本伸司、ハルキ文庫)
 量子コンピュータのセールスに行き詰っていた小佐薙は母校の五月祭で占い研究会のブースで大学1年生の井沢直美と出会う。あまりにもヘタクソな直美の占いにあきれる小佐薙だったが、彼女のもらした”お宅の会社のコンピュータで占いはできないんですか?”の一言から、彼女を巻き込んだ”量子コンピュータを使って創造神と世界を生み出す”というプロジェクトが始まるが・・・
【道具】神様風ロボット
 正確には”仏様風ロボット”と言いましょうか。マッスルという会社が出品していた黒子ロボットです。昔は”人を創るといった神と同じ行為をやってはいけない”というというキリスト教の影響があって欧米では人型ロボットがあまりないってな話がありましたが、神様仏様っぽいロボットを作っちゃうってのは日本人的なメンタリティの賜物なんでしょうかねぇ


 さて、本書に登場する量子コンピューターを使った神様(解析神)と解析世界を作るプロジェクト、何をさせるかというと”占い”なんですな。量子コンピューター内のシミュレートされた”世界”にお願いや悩みをぶち込むでことでその答え=”未来の可能性”を計算するというもの。そのために量子コンピュータの超絶的な計算能力を利用しようという・・・
 まあ、技術的に可能かどうかはわかりませんが、記載されている量子コンピュータのウンチクはけっこう楽しめます
 してこのプロジェクトを構成するのが以下の3つのモジュール

 量子コンピューター”久遠”:世界シミュレーターと解析神の”無意識”を担当
             テストでは百~千京回/秒の計算量の数万倍の性能を発揮
             巨大全翼機(*3)”天矛”に搭載
 スーパーコンピューター:プログラミングや、量子コンピュータの出した結果の
             解析/検算を担当
 人工知能”フライディ”:本体とマンマシンインタフェースを担当する”M”で構成
             Mは上半身は人間、下半身は4本足(ケンタウルスか?)
             直美相手にボケをかますわ、恋煩いになるわと結構なスグレモノ

 本書では”M”が人間からは神様のアイコンとしてお話するんですが、直美いわく”何かヤギみたい”な格好。実際に商用化するんだったら、神様か仏様っぽい形にしかねんな~~(*4)
 なんで量子コンピューターが全翼機に載ってるかというと、量子コンピューターが計算するためには無重力状態が必要で、このために弾丸軌道を飛行することになるから。まあ、巨大なデータセンタのごとき飛行機(*5)が上がったきり降りたりするワケで、こういったガジェットも大ボラっぽくて好きですな~

 お話は量子コンピューター製の神様がアイデンティティに悩んだりとか、怪しげな団体に狙われたりとかあるんですが、それは本書を読んでのお楽しみということで。

 で、今回面白いというかヤバイというかのトピックが量子コンピュータと暗号化技術の話。現在よく使われている”RSA暗号”といのはありまして、素因数分解問題つまり、3つの素数A,B,CがA=B×Cの関係を満たす時、2つがわかっていれば残りの1つは簡単に計算できるが、AからB、Cを計算するのは非常に難しいという特徴を使ったもの。Aの桁数が大きくなるとスーパーコンピュータを使っても時間がかかりすぎるため実質的にセキュリティを確保できるということです。技術的にはいろいろな方式がありますが、基本的な暗号化の考え方って”計算時間が膨大にかかるから、実質的に破られない”といってるだけで、じゃあスーパーコンピューターを遥かに凌駕する馬鹿っ早い”量子コンピューター”ならどうなんだというと破ることができるかもしれないと(まあ、そんなに簡単な話ではないんでしょうけど)。本書の中でも量子コンピューターが相手の暗号を解読して相手のコンピューターに侵入するってシーンが出てきます。

 てなことを踏まえて、本書の中では量子コンピューターが核兵器さながらの戦略兵器的な扱いで”量子コンピューター不可侵条約”なんてのが締結されていて、所有には国際ライセンスが必要目的外の用途での使用は禁止されているという設定。現実社会ではそんなんまだなさそうですが(知らんだけかもしれませんが)、科学技術が社会システムに先行するなんてありがちなこと。将来的にはこんな条約ができるかもしれんな~~と思った次第であります。

 ”神様のパラドックス”は量子コンピューターの可能性を扱ったSFとしては秀逸な本。”神様のパズル(*6)”のスピンオフですがこれだけ読んでも面白いです。ご一度のほどを。

《脚注》
(*1)チャットボット
 自動的に”チャット(会話)”する”ロボット”のこと。日本マイクロソフトが開発した女子高生チャットボット”りんな”のニュースを読んだことありますが、なかなか笑える内容。LINEでのユーザー数は約630万人(2017年11月現在)を超えたてるそうです。好きやな~~~ 公式HPはこちらから
(*2)巡回セールスマン問題
 セールスマンが複数の都市を1回ずつ最短距離で巡回する場合のルートを求める問題。都市数が増えると計算量が急速に増大するためコンピュータの計算能力をもってしても回答困難な問題の代表例、らしいです。量子コンピュータの能力ならとけるかもしれないという文脈で語られています。
(*3)巨大全翼機
 ”全翼機”というのは胴体部や尾翼がなく主翼のみで機体が構成された飛行機のこと。あえて言うならブーメラン型の飛行機でしょうか。
(*4)神様か仏様っぽい形にしかねんな~~
 本書では人間が”イコライザー”として仲介するとか、CG美少女にするとかやってますが、まあ、巫女さん文化の日本人なら神様風ロボットでなくてもOKかも
(*5)巨大なデータセンタのごとき飛行機
 本書でのスペックは全長75m、翼幅130mというもの。形状は違いますが、ジャンボジェット機”ボーイング747-8”は全長76.4m、翼幅68.5mです。
(*6)神様のパズル(機本伸司、ハルキ文庫)
 留年寸前の綿貫基一が教授から命じられたのは不登校の天才女子学生”穂瑞沙羅華”をゼミに参加させること。二人はゼミの中で出た”宇宙を作ることはできるのか?”を立証することになるが・・ 第三回小松左京賞受賞のSFの傑作。こちらもどうぞ

バーチャルリアリティでの証言は、はたして採用されうるか?(有限と微小のパン/あのスーパーロボットはどう動く)

 ども、ガチの文系脳のくせに”ファナック(*1)”に就職希望だったおぢさん、たいちろ~です。
 電話をしたところ”文系の採用はしていない”とのことで挫折。多少は関連あるかとコンピューターの会社に就職して現在に至るんですが・・・ まあ、30年以上前の話で、今では文系採用もありそうですけど。
 てなことで、今でもロボット大好きです。で、今年も”国際ロボット展2017”に行ったんですが、行き帰りに読んでた本が奇しくもバーチャルリアリティと絡んだミステリーだったりして。
 ということで、今回ご紹介するのはバーチャルリアリティ空間における殺人事件をリアルなロボット技術で考える”有限と微小のパン”、”あのスーパーロボットはどう動く”であります。

 ※写真はたいちろ~さんの撮影です

【本】有限と微小のパン(森博嗣、講談社文庫)
 ゼミ旅行に先だって、日本最大のソフトメーカ”ナノクラフト”が経営するテーマパーク”ユーロパーク”を訪れた”西之園萌絵”たち。そこで彼女たちは殺人事件に遭遇するが、死体が消えてしまう。一方、指導教官である”犀川創平”助教授は天才工学博士”真賀田四季”からの電話を受け、急きょユーロパークに駆けつける。そこでは新たな作人事件が・・・
 ”すべてがFになる(*2)”から始まるS&Mシリーズの第10巻。
【本】あのスーパーロボットはどう動く(金岡克弥他、B&Tブックス)
 サブタイトルは”スパロボで学ぶロボット制御工学”とあるように、マジンガーZ、ガンダム、パトレイバーなどを題材に”ロボット制御工学”の基本をあつかった実は真面目な本。数式はまったく理解できませんでしたが(もう微分、積分なんて忘れちゃってるので・・・)、解説自体はけっこうおもしろかったです。
【旅行】国際ロボット展2017(INTERNATIONAL ROBOT EXHIBITION 2017)
 産業用・サービス用ロボットを集めた展示会。主催は日本ロボット工業会と日刊工業新聞社。2017年は11月29日~12月2日まで東京ビッグサイトで開催されました。hpから事前登録者していれば無料で半日は遊べます(有料だと1,000円)


 まず、”有限と微小のパン”から、バーチャルリアリティ空間での殺人事件の概要。
 ヴァーチャルリアリティを操作するのは部屋(密室)の中に設置された宇宙服のようなセンサー群右手のみ反力を再現できるので、つかんだ感覚を出すことは可能(ただし、他の部分はできない)。重力も再現できないので自分以外の物体の重さは再現できない(ものすごい力持ちになったと思ってくださいとの説明)。ヘルメットには小型の液晶ディスプレイがついていてコンピュータがリアルタイムに画像を作成して表示。頭を左右に動かせばそれに合わせて画像も動く。被験者の動きは控室のモニタで確認可能。
 この装置を付けた西之園萌絵とナノクラフトの藤原副社長が密室のバーチャルリアリティを体験中に西之園萌絵のディスプレイに真賀田四季が登場し、藤原副社長をナイフで刺殺。装置を切ると実際に藤原副社長が刺殺されていた。密室殺人であり、控室のモニタにはそのような痕跡は映っていない・・・

 ”PlayStation VR(*3)”で遊んでる昨今ではVR用ヘルメット程度では驚かないかもしれませんが、この本が出版されたのは15年近く前の1998年なんですな、これが。

 で、これを”国際ロボット展2017”に展示されていたリアルなシステムと比較するとこんな感じです

〔マスター・スレーブシステムと動きのトレース〕
 写真はたいちろーさんの撮影
 トヨタ自動車が展示していたパートナーロボット”T-HR3”
 写真の左がマスター操縦システム、右がT-HR3

Thr32017
 トヨタ自動車による解説動画トヨタ自動車のHPより
 あんまり人がいっぱいで動いてるとこ撮影できなかったので・・・

 今回の展示会で人気の高かったトヨタのパートナーロボット”T-HR3”。トルクサーボ技術による柔軟制御や全身協調バランス制御により動きは滑らかだわ。カラテのハイキックに太極拳にカメハメ波にシェーにJYOJY0立ちにあちゃんかっこい~に。最後はボルトの決めポーズまで。テクノロジーの無駄使いか! と突っ込んじゃいたいぐらいのスグレモノです。
 でも、今回の話題は操作システムのほう。”あのスーパーロボットはどう動く”によるとこのような操縦者自身の運動を計測し、その動きをトレースするように実際のロボットが動くのを”マスター・スレーブシステム”と呼ぶそうで、このトヨタの左のも”マスター操作システム”という名前です。
 じゃあ、動きをトレースしてそのままいいじゃんと考えそうですが、実際はコントローラーの自由度や再現するロボットの自由度と人間側の自由度が異なるので、それをすり合わせる制御が必要だとか。たとえば肩を動かす場合、回転運動だけでなく並進運動(水平移動)が同時に起こったりするので、回転運動だけ計測した関節角度をロボットに与えても同じ動きにならないとか。奥の深い話です

〔反力の再現〕
 ”有限と微小のパン”の中でバーチャルにコップをつかむことの説明でこんなのが出てきます

  現実にはない仮想のコップを掴むことは可能だし
  それを掴んだという感覚も再現できます
  でも、それを持ち上げたときの重さ、コップの重さは駄目なんです
  その感覚を再現するためには、
  機械が西之園さんの右手を下方向に引っ張らなければなりません

 当たり前のことですが、物体の存在を意識するにはこの重力(反力)を出力する装置が必要。本書の中では技術的、経済的な課題を含めて完璧な再現は困難としています。
 上記の”T-HR3”の左がマスター操縦システムでは、トルクセンサを組み込んだトルクサーボモジュールをマスター・スレーブの両方の関節に配置して力(トルク)を共有して自分の分身のような感覚を実現したとのこと
 ”有限と微小のパン”では困難としたものが実現できてきてんでしょうね。
 このように操作者とロボット、環境を含めた力学的相互作用を取り込んで動かすのを”あのスーパーロボットはどう動く”では”駆動力制御ベースの制御”と呼んでいます(これに対して、各関節の動きを関節サーボで実現するだけのタイプは”軌道制御ベースの制御”)
 ただ、実物を見る限りウエアラブルほど軽量・小型化にまでは至ってないみたい。本書でもかなりヘビーウェイトな装置っぽいですが、トヨタのも座席に座って操作型(クルマの会社だからこういったインタフェースにしたのかもしれませんけど)

〔触覚、温度の再現〕
 両本にはなかったネタでロボット展にあったのが、温度と触覚を再現するシステム(写真はNGだったのでありません)
 3本の指の先にセンサのついているスレーブ側のグローブと、マスター側には同じ指先に”電気刺激”と”ヒーター”と”ペルチェ素子”が一体になっていグローブの構成。
 触覚は皮膚を電気刺激するこのでざらざら感を再現するもの(反力ではないとのこと)。実際に使わせてもらったんですが、スレーブ側が六角鉛筆を指先でころころすると、マスター側にもそれっぽい感覚が。温度は温かいのをヒーターで冷たいのをペルチェ素子で再現するんだとか。スレーブ側があったかい缶コーヒーを持つとマスタ側もほんのりとあったかくなるって仕組み。感覚まで再現されるって、すごいよな~~って思いました

〔バーチャルリアリティでの証言は、はたして採用されうるか?〕
 の~てんきな感想を書いてるんですが、実はこれ”ミステリーの世界”ではお約束破りになりかねん重要なキーなんじゃないかと。ミステリーでは”善良な証人による証言は事実である”ってのがお約束(真実とは限りませんが・・)でなきゃ推理が成り立たんから。名探偵の”この中で嘘をついている人が犯人だ!”ってのは、犯人以外は嘘をついていないという前提があるからこそ。ですんで、犯人はトリックにより証人に事実誤認をさせるべく知恵を絞ってると。
 バーチャルリアリティって、この根底を超絶レベルで覆すんじゃね? と。確かにアクションものでは監視カメラの映像を偽装することで潜入を果たすなんてネタありましたが、バーチャルリアリティはこの非じゃないんじゃないかと。今回のロボット展の技術を使えばグラスに犯行現場を映しだし、ロボットの体を使って倒れた被害者を抱き起し、グローブ越しにナイフの感触を再現し・・・てなことを技術的にはかなり再現できそうな~~ と。手間暇やコストも含めて簡単ではないでしょうし、リアルな画像をバーチャル空間で自由に再現することのリアル感がどこまでできるかも課題ではありますが、現状のテクノロジーのスピードを考えるとけっこういいとこまで行けるんじゃないかと。
 なにを言いたいかというと”バーチャルリアリティでの証言ははたして採用されうるか?”です。だって、かなりの自由度で情報操作できれば、見たこと/触ったものがまんま事実であると断言するのって逆に危ない可能性もあります。
 ”有限と微小のパン”での西之園萌絵の証言がどうだったかというと、それは本書でお楽しみいただくということで

 今後、テクノロジーが進んで遠隔操作や自立型のロボット、バーチャルリアリティの偽装なんかが実現してくると、密室や時間トリックなんて成り立たない犯罪なんかが出てくるのかな~~ と思いつつロボット展を後にしたのであります。

《脚注》
(*1)ファナック
 工作機械用CNC装置で世界首位(国内シェア7割)、多関節ロボットで国内首位を誇り、安川電機、ABBグループ、クーカと並んで世界4大産業用ロボットメーカーのひとつ(wikipediaより)
(*2)すべてがFになる(森博嗣、幻冬舎新書)
 孤島にある研究所の密室で天才工学博士”真賀田四季”が死体となって発見された。偶然、居合わせた建築学科の助教授”犀川創平”と彼の生徒である建築学科1年生”西之園萌絵”はその謎を解こうとするが・・・
 第一回メフィスト賞を受賞した理系ミステリーの名作です
(*3)PlayStation VR
 SIEが2016年10月に発売したPlayStation 4 用バーチャルリアリティシステム。2015年開催の”国際ロボット展2017”ではまだ参考出品で遊んでみましたがけっこう驚いたものです。

オタクの本質と探偵って意外にあってそう、でも文章にするのって難しいんじゃないかい?(体育館の殺人/水族館の殺人/”ちはやふる”のラッピング電車)

 ども、ミステリーはマニアってほどじゃないですし、アニメもヲタクってほどじゃないおぢさん、たいちろ~です。
 さて、アニヲタってどんなイメージをお持ちでしょうか?

  コミュ障、ただしスイッチが入るととっても饒舌
  小太りまたはヤセ型にメガネ
  部屋の中にはマンガとDVDとフィギュアの山。壁にはアニメのポスターが・・
  ファッションセンス皆無。Tシャツは萌え絵のプリント
  背にはナップサック、手にはアニメの紙袋
  自分のジャンルには熱心だけど、それ以外には無関心
  意外と頭が良かったりする(趣味の範囲では超人的な記憶力とか観察力とか)

あくまで個人の感想であり、個人差があります(笑)(*1)

 ステレオタイプな人物像ですいません。まあ、これだけ見るとなかなかに残念な人っぽいですが、これで意外と向いてるかもしれんお仕事が。
 ということで、今回ご紹介するのはそんなアニヲタが名探偵役を務めるミステリー”体育館の殺人”と”水族館の殺人”であります


写真はたいちろ~さんの撮影。京阪電車の”ちはやふるのラッピング電車”です
(浜大津駅付近 2013年11月)

157094

【本】体育館の殺人(青崎有吾、創元推理文庫)
 風ヶ丘高校の旧体育館で、放送部の部長が刺殺された。現場は実質的に密室状態であり、”仙堂警部”と部下の”袴田優作”現場にいた女子卓球部の部長の犯行だと考える。部長の無罪を証明すべく卓球部員の”袴田柚乃(はかまだゆの)”は部長の嫌疑を晴らすため全科目満点をとった”裏染天馬(うらぞめ・てんま)”に解決を依頼する。しかし彼は百人一首研究会の部室を私物化して住み着くアニメオタクの駄目人間だった・・・
【本】水族館の殺人(青崎有吾、創元推理文庫)
 風ヶ丘高校新聞部の向坂香織達は夏休みのを利用して丸美水族館の取材に出掛ける。取材中に巨大水槽の前でサメが飼育員と思われる男性に食らいついているシーンに遭遇。容疑者である11人にはそれぞれアリバイがあった。困り果てた仙堂警部は”体育館の殺人”を解決に導いた”裏染天馬”に事件の解決を依頼するが・・・
【乗り物】”ちはやふる”のラッピング電車
 裏染天馬が住み着いている”百人一首研究会”ということでチョイスしてみました(本書には出てきません、すいません)。百人一首って人気なさそうなんで部室を不法占拠できたっぽいですが”ちはやふる”(*2)がブレイクした今ではどうなんでしょうね? 
 聖地巡礼のおかげでしょうか、電車とアニメ/マンガって意外と相性がよいのか、最近この手のラッピング電車増えましたよね~~

 さて、探偵役の”裏染天馬”ですが、部室に住み着いて漫画やDVDをしこたまため込み、授業には真面目に出ないという引きこもりアニメオタクの駄目人間。基本的にはめんどくさがりで、やる気なし。でも頭脳は優秀で、自分の推理には饒舌やる気をだせば凄い人。

  ちょっと興味が出たんだよ。俺は興味のあることには全力で取り組む

 こういうのって、名探偵向きなんじゃないかな。事件をえり好みするとか、ムラっ気があるのって、名探偵の魅力の一つだし・・・
 推理方法は、”細かいことに異常にこだわる”。普通ならスルーしそうな枝葉末節、ちょっとした矛盾に徹底的にツッコ入れるスタイル。”刑事コロンボ(*3)”に似てるかな~ って思っちゃいました。

 ことほどさように、オタクの本質と探偵って意外にあってそうなんですが、問題が一つ。”オタク”のディープさ文章で表現するってけっこう難しそうなんですな。これがマンガやアニメみたいなビジュアルだと、コレクションの山だとか萌え絵だとか、ださいファッションセンスだとかわかりやすそうなんですが、これを文字にしちゃうとなんだか薄っぺらな感じになりそう。だからオタク的なアイコンって、しかもあまりパンピーが知らなさそうな作品が元ネタになってるとかが必要になるんじゃないかと。さらにこれがどのあたりの時代の作品かなんて絡んでくるとさらに読む側にとって難しくなんじゃないかと

 本作品での裏染天馬の発言から

  ・ユノね。二〇一号室の住人かヤンデレヒロインみたいな名前だな
  ・一刻も早く今週の『絶望先生』を読んであびるちゃんの包帯属性を愛でてから~
  ・逃げちゃダメだ、か。確かにこりゃ、名ゼリフだな
  ・ハカイダーかよ。色は何色だよ。黒か、銀か
  ・おま・・・ お前、馬鹿野郎! ダンクーガをよくも! 買ったばかりなのに!
  ・おかげでこの部屋、灼熱地獄だよ・・・ 火の二日間だよ、畜生・・・
  ・テレ朝でスマプリを見なきゃいかんからな

これ以外にもいっぱい出てくんですけど、半分もわかんなかったかな~~ しかたがないのでググりましたが(この辺も度し難いと自覚はあんですけどねぇ)
 ”体育館の殺人”は2012年、”水族館の殺人”は2013年の出版なので当時ならまだわかりやすいネタも、読書層が入れ替わりの早い中高生世代だったら5年もたてばわかんないネタもけっこうあったんじゃないかと・・・
 アニメや漫画、ドラマネタなんて劣化が早そうなんで、この手でキャラ設定するのって作家的には結構リスキーなんじゃなかなと思いつつ。

 ”体育館の殺人”ミステリーの新人文学賞である”鮎川哲也賞”を2012年に受賞。”本格モノ”ミステリーとしても高い評価を受けています。実際、面白かったし!
 でもよくオタク探偵で受賞したよな~~ 審査員の中でも日本アニメ界のレジェンド”辻真先”ならいざしらず(*5)、芦辺拓、北村薫がよくOKだしたよね~~~

 裏染天馬シリーズは現在4冊発刊されているんで、あと2冊。がんばって読みまっしょい!

《脚注》
(*1)”あくまで個人の感想であり、個人差があります”(笑)
 健康食品やダイエットのCM番組に必ず出てくるこのフレーズ。これは効果効能をを明示(あるいは暗示)して”薬事法”や”景品表示法”に抵触する恐れがあるため。
 ツッコミ所満載であっても、あえて笑ってスルーするのが大人のマナーというものです、はい
(*2)ちはやふる(末次由紀、BE LOVE KC)
 競技かるたに没頭する少女の青春を描いた漫画。2007年12月から連載中で、2011年にアニメ化、2016年に広瀬すず主演で映画化。すいません、見てません。
(*3)刑事コロンボ
 ロサンゼルス市警察殺人課の刑事”コロンボ”を主人公としたサスペンス・テレビ映画。主演はピーターフォーク風采の上がらないユーモラスなおっさんのコロンボが完全犯罪をたくらむ一流の犯人をじわじわ追い詰めていくストーリーが圧巻。
 倒叙物ミステリーの傑作です。お勧めです。
(*4)ユノね。二〇一号室の住人か~
 二〇一号室の住人:”ひだまりスケッチ”に登場する女子高校生”ゆの”
 ヤンデレヒロイン:”未来日記”に登場する”我妻由乃”。実はストーカー。
 あびるちゃん:”さよなら絶望先生”に登場する包帯まみれの”小節あびる”
 逃げちゃダメだ:”新世紀エヴァンゲリオン”の主人公”碇シンジ”のセリフ
 ハカイダー:”人造人間キカイダー”シリーズに登場する悪役ロボット
 ダンクーガ:”超獣機神ダンクーガ”に登場する合体/巨大ロボット
 火の二日間:”風の谷のナウシカ”で人類を滅亡の淵に追い込んだ”火の七日間”
 スマプリ:”スマイルプリキュア!”の略
多分、モトネタはこの辺りではないかと。私も全部見たわけじゃないですし、正解が書いてあるわけでもないので・・・
(*5)日本アニメ界のレジェンド”辻真先”ならいざしらず
 なんせ、”鉄腕アトム”の脚本を執筆してたという筋金入りの人。wikipediaに作品一覧が載ってますが、SF、ロボット、特撮、伝奇、ギャグ、スポコン、魔女っ子、少女モノなどなど。ジュブナイルやミステリーも多数。改めて凄い人だと感心しました

生首に関する、とあるミステリーでの考察について(数奇にして模型/生首)

 神奈川県座間市の某殺人事件に触発されてってわけではないんですが、先日読んだ、森博嗣の”数奇にして模型(森博嗣、講談社文庫)”というミステリーに、首の切断に関する考察めいた話が出ています。あらすじをいうと

  模型交換会の会場で首が切断されて持ち去られたモデル女性の死体が発見される
  殺された部屋は密室で、中には大学院生”寺林高司”が昏倒して倒れていた
  時を同じくしてM工業大学の密室では女子大生の死体が発見された
  この事件の容疑者として”寺林高司”の名前が挙がる
  不可能犯罪に見えるこの事件にN大学助教授”犀川創平”と女子大生”西之園萌絵”が挑む・・

といった内容。
 本書の中でキーになっている一つが”何故、首が切断されて持ち去られたのか”という謎。本書の中での考察

〔被害者の身元を分からなくするため〕
 ミステリーの常道ですが、本書の中では否定的。指紋やDNA鑑定があたりまえの昨今。そんなに時間稼ぎにはなんないんではないかと。座間市の某殺人事件でも事件発覚から10日そこそこで警察が特定したと発表してるんで確かに効果は限定的かも。裏付け捜査もやってるはずなので、実際はもっと早くから分かっていたんでしょうし

〔子供と同じ〕
 ”首が欲しかったんでしょう”、”ただ単に首を切り離したかっただけ”という意見。前者については”興味はありますし、やってみたいと思うこともありますね”、後者については”子供が人形の首を引きちぎるのと同じなんじゃないの? 残虐な行為にそもそも理由なんてないと思うな”とも。わからん理屈でもないですが、警察はこれでは納得してくれんでしょうな

〔殺したいほど憎いから〕
 殺したいほど憎いなら顔だって嫌いなはず、そんな人の首を欲しがる感情が生まれるか? ということで、これは否定。理系らしい犀川創平の考察

〔好きでしかたがないから〕
 私は好きだけど、相手からは嫌われている。嫌われることは許せない。殺してしまえば嫌われることもない。抜け殻になった人形としての相手を自分のものとして所有したい、という心理。犀川創平の疑問は”そのあと、どうするのだろう?” そもそも相手が歳をとってしまう前に現状維持で保存したいのなら、ドライフラワーみたいなものだと。
 これに比較的近いのは、オスカー・ワイルドの”サロメ”でしょうか。王女”サロメ”は踊りの礼として王に自分の愛を拒絶した”預言者ヨカナーン(洗礼者ヨハネ)”の首を所望し、その生首に口づけするという物語です。

  写真はビアズリーによる”サロメ”のイラスト
  おそらく世界で最も有名な”生首”の絵ではないかと

Photo

〔首を切る行為が必要だった〕
 視点を変えて、首が必要だったのではなく”首を切る”という行為のほうに意味かある場合。さらに”首を持ち去る行為”の理由が必要だとも。

 本書の考察以外にも

・殺害の証拠にするもの
 いわゆる”首実検”。戦国時代などで、部下が敵方の首級の身元を大将が判定し論功行賞を決定するために行われたもの。体ごと持って帰るのがたいへだから首だけ。写真も冷蔵車もない時代ですし

・杯の材料
 いわゆる”髑髏杯”。織田信長が、浅井久政らの髑髏に漆を塗って作成したものが有名。はっきり言って悪趣味だと思います。

などでしょうか・・・

 さて、本書での犯人の動機はというと・・・
 それは本書を読んでいただくということで

 別に某事件の犯人の動機がどうしたこうした言うつもりはないんですが、たまたま某事件と本書を読んだのがあまりにもタイミングが合ってたんで書いてみました。ビブリオマニアの業とでもいいましょうか。申し訳ない。

 文末になりますが、被害にあわれた方のご冥福を謹んで祈りします

P.S.
 本書のもう一つのテーマは”型(かた)”と”形(かたち)”。模型は”型”で人形は”形”。

  それも我々の型にはめようとすると理解できない事象だった
  自分で作った”形”でも次の瞬間には壊そうとしている

 ということで、今回はいつもの型と形を変えて書いてみました。どうでしょう

自分の持っているイメージのと”違和感”があること、あるいはないことに関して自覚的である必要があるんじゃないかと(ナイフを失われた思い出の中に/鶴岡八幡宮)

 ども、心に闇を持つおぢさん、たいちろ~です。
 2016年、17年と平成犯罪史に残るような大事件が立て続けに発生しています。2016年7月には神奈川県相模原市の知的障害者施設で発生した大量殺人事件。19人を刺殺、26人に重軽傷を負わせたのは戦後では最も犠牲者の多い事件でした。
 2017年は先日神奈川県座間市で発生した連続殺人・死体遺棄事件。男女9人の遺体が見つかったこの事件も連続殺人としては過去最多。前者は知的障害者を後者は自殺願望のある人を対象とするという陰鬱な事件です
 で、ちょっと気になったのが初期の報道におけるイメージの違い。相模原市の大量殺人の容疑者って、当初から”障害者の抹殺”なんていうとんでもない主張をする人物ということが報道されていて、犯行=容疑者像(*1)もなんとなく納得感みたいな空気があったんですが、後者はあんまりこれがなかったようで。たまたま今読んでる本でこの報道で感じたような話がありまして。
 ということで、今回ご紹介するのは犯罪にまつわる記者の目の話”ナイフを失われた思い出の中に”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。鎌倉の鶴岡八幡宮です

1090030


【本】ナイフを失われた思い出の中に(米澤穂信、東京創元社)
 ”ヨヴァノヴィッチ”は妹の友人で今はフリーの”記者”である”大刀洗万智”の元を訪れてきた。彼女は浜倉市で発生した16歳の少年”松山良和”が姪で3歳の少女”松山花凛”を刺殺した事件を取材中で、彼もその取材に同行することになる。目撃者があり逮捕された犯人は犯行を認める手記を残している。一見簡単に見える事件だったが、その真相は・・・
 ”さよなら妖精(*2)”に登場する大刀洗万智を主人公とした短編推理小説集。
 ”真実の10メートル手前(米澤穂信、東京創元社)”に収録
【旅行】鶴岡八幡宮
 本書で事件が発生したのが浜倉市。モデルになっているのは記載の内容から鎌倉市と思われます。松山良和が逮捕されたのが”浜倉八幡宮”で万智はヨヴァノヴィッチに”神殿”と説明しています。神社の建物なので”神殿”っていうのは間違いじゃないんでしょうが、日本人がイメージするのとビミョ~にずれてる感が・・・(*3)


 座間市の死体遺棄事件の初期での報道の違和感ってのは”容疑者を知る人”へのインタビューの答えが”普通にあいさつする普通の子”、”おとなしくていい子”といった”善良な普通の知人”だったこと。このような常軌を逸した事件の容疑者が”普通の人”でSNSを使いこなす今ドキの若者だったってことに驚きを感じたのは私だけじゃないと思うんですがどうでしょう?
 宮﨑勤の事件(*4)なんかが代表的な例なんでしょうが、”やっぱりこんな人間がこんな犯罪をするんだ”的な微妙な納得感、露悪的に言うと安心感ってのが社会にあったんじゃないかと。まあ、善良だと思っていた隣人が実は凶悪犯だと思うより、”あいつはヤバそう”と思って防衛に出たほうが精神的に安定できるってのはわからんでもないですが、それはそれで危険なこと。偏見と憎悪がかえって社会的な不安を招いている例は歴史に数多くあります。まあ、現代もそうですが・・・

 で、本書ですが大刀洗万智がこの事件を追いかける理由ってのが、容疑者である松山良和の本棚が社会にさらされ、それが大量でも特別異常なもでなかったにも関わらず、趣味と犯罪が結び付けられて、多くの人嗜虐的な幼児性愛者と信じてしまって、それが殺人の動機の根幹根幹であると考えられていること、それをマスコミがそのように伝えたこと。 事態は松山良和の手記が無加工のまま流されたことによって事態はさらに深刻に。

 大刀洗万智がヨヴァノヴィッチに”記者の仕事は人間の器官の延長か?”という問答をするんですが、ヨヴァノヴィッチが”目、でしょう”という回答に対して大刀洗万智はこんな反論をしています

  目とは、人が見たいと思っているものを見るための器官なのです
  錯覚にまみれ、そこにあるものを映さない。
  それは決して、目という器官の物理的限界によるものではありません
  見たくないものをカットし、見たいように見るからこそ
  そうしたことが起きるのです

だから真実を明らかにするのは”目”の仕事ではないと。だから記者は”目”ではないと。だから、”目”の言い分としてではなく記者は事実は加工されるべきだと。

 念のためいっときますが、だから偏向報道やフェイクニュースがいいと言ってるわけではないですし(そんなのはもってのほかです!)、そもそも偏見を持つなということ自体人間が多かれ少なかれヒューリスティクス(*5)な思考方法をとる以上、まったく排除するのは困難でしょう、たぶん。

 重要なのは、自分の持っているイメージのと”違和感”があること、あるいはないことに関して自覚的である必要があるんじゃないかと。この事件の真犯人が容疑者だっかたどうかという話ではなく、気をつけないと99人の断罪と1人の冤罪を生み出しかねないな~という自戒をこめて書いてみました。

 先日、朝日新聞の記事で”「理想の貧困」に苦しむリアル当事者”って話が出てましたが、これは自分のイメージにある”理想の貧困”と当事者の状況が合っていないと”お前は貧困じゃない”と批判する”貧困たたき”になっちゃうと。もともとは善意からなのかもしれませんが・・・ うっかりすると自分もこの手の話をやっちゃいかねないので、ちょっと怖くもあります。

 本書は”さよなら妖精”の続編ですが、これだけ読んでも大丈夫。
 ご一読のほどを

《脚注》
(*1)容疑者像
 ”容疑者”は犯罪を犯した容疑があるとして捜査対象になっていてまだ公訴が提起されていない者、法律用語では”被疑者”。起訴された後は”被告人”。
(*2)さよなら妖精(米澤穂信、創元推理文庫)
 1991年4月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる(amazon.comより)
(*3)日本人がイメージするのとビミョ~にずれてる感が・・・
 私の場合だと”神殿”ってパルテノン神殿あたりをイメージしちゃうんですが・・・
 一般的に神体を安置する社殿は”本殿”、”本堂”あたりでしょうか。鶴岡八幡宮のhpだと本殿を日本語では”本宮(上宮)”、英語だと”Main Shrine(主となる聖なる場所や建物)”になっています。
(*4)宮﨑勤の事件
 1988年に発生した”東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件”のこと。犯人の宮﨑勤がおたく・ロリコン・ホラーマニアと報道されたことで”オタクバッシング”の元となりました
(*5)ヒューリスティクス
 必ず正しい答えはだせないにしても、ある程度のレベルで正解に近い解を得ることができる方法のこと。答えの正しさは保証しないかわりに、答えを出す時間が少なくできます。行動経済学なんかの本を読むとよく出てきます。

この”解”の冷徹さが”冷たい方程式”なる所以なのかも(冷たい方程式/ニュートンのリンゴの木)

 ども、ランダムな人生を生きているおぢさん、たいちろ~です。
 なんかのSFで読んだんですが、宇宙船であれモビルスーツであれ、宇宙空間を飛ぶ飛翔体ってのは恐っそろしく物理法則に従うんだそうです。宇宙船は推進力を与えない限り、引力とかを勘案すればある時間後の予想到達地点ってのはほぼ算出できるし、無重力状態に見える衛星軌道上でもドックファイトなんかやった日にゃ落っこちると(*1)。
 地上だと空気抵抗やらなんやらでもっとランダムに動くみたいですが、宇宙空間ってのはもっと厳密な方程式に従う世界みたい。ニュートンが万有引力を発見してからこっち、人類は”方程式”の存在を意識せざるを得ないということです。
 ということで、今回ご紹介するのはそんな宇宙空間での冷徹な現実に直面する本”冷たい方程式”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。
小石川植物園にあった”ニュートンのリンゴの木”です。

1160282


【本】冷たい方程式(トム・ゴドウィン、ハヤカワ文庫SF)
 災害の薬を待つ人の星まで、パイロット”バートン”一人分の燃料しか積んでいない緊急発進艇(EDS)。その中で若い娘”ミーミア”が密航者として発見された。EDSが星までたどり着ためには彼女を”船外遺棄”するしかない。バードンとミーミアが出した結論は・・・
 SF史に残る名作短編。アンソロジー”冷たい方程式(新版)”に収録
【花】ニュートンのリンゴの木
 ニュートンの生家にあったリンゴの木は、接ぎ木により各国の科学機関に分譲されていますが、小石川植物園の株は、1964年に英国物理学研究所所長サザーランド卿から、日本学士院長 柴田雄次博士に贈られたものです(小石川植物園のHPより抜粋)


 あらすじを兼ねて解くべき方程式を説明すると

・惑星ウォードンで病気が発生し血清がとどかなければ6人が死ぬ
・バートン乗るEDSには一人分の燃料しか積んでいない
・現在のEDSにはミーミアの重量分の燃料がなく、このままだと墜落して2人は死ぬ
・40光年以内にEDSを救出できるクルーザー(宇宙船)はない

この方程式の一般解はというと、星間法規に定められている

  EDS内で発見された密航者は、発見と同時にただちに艇外に遺棄する

というもの。つまり密航者は死を持って償うということです。

 まあ、むさ苦しいオッサン(私みたいな?)だったら速攻遺棄していいかつ~とそういう問題ではないですが、これが美しい少女となるとどうしても”特殊解”がないモンかと考えちゃうわけです。で、本書での密航者はというと二十歳にもならない娘”ミーミア”。ウォードンにいる兄に会いたくて密航を企てたと。規則を破っているという自覚はあるものの、安全な地球育ちの彼女はそれが死に直結するような重要なこととは考えていません。そこにあるのは

  燃料の量hは、質量mプラスxのEDSを
  安全に目的地に運ぶ推力を与えることができない

という”冷たい方程式”だけ。
 この状況の中で、バートンたちはミーミアを救う手立てを検討するんですが、その方程式の”解”が何だったかというのはぜひ本書を読んでみてください。

 解説で編者の伊藤典夫も書いていますが、日本では”方程式もの”といれるジャンルができたほど魅力的なテーマで私もいくつか読んだ記憶があるんですが、まさか本家本元の”解”がこんなんだったのはな~とちょっと驚き。でもこの”解”の冷徹さが”冷たい方程式”なる所以なのかも。
 名作です。ぜひご一読のほどを

 余談ですが、”冷たい方程式”は”君の知らない方程式 BISビブリオバトル部 4(*1)”という本でSFマニアの空さんが話題にしてて、今回読んでみたんですが、他にもいろんな本の話題が出てきます。その中の1冊に”それどんな商品だよ! 本当にあったへんな商標(*2)”ってのがありました。変なネーミングを扱った本なんですが、まだ読んでなかったのでamazonで調べてみると”この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています”で”冷たい方程式”のみならず、アニメの”RWBY”や、SFの”ゲームウォーズ”が!(*3) ネーミングの話をSFではコンテンツベースのフィルタリング(*4)で引っかかるはずはないんで、きっと”BISビブリオバトル部 4”を読んだ人が、この本に関連したビックデータを元に”協調フィルタリング(*5)”とかを使ってクールな方程式で抽出された結果なんでしょうね、きっと

《脚注》
(*1)君の知らない方程式 BISビブリオバトル部 4(山本弘、東京創元社)
 美心国際学園(BIS)高校ビブリオバトル部。集まる本好きが集まるクラブ。ここに集う若者たちの日常を描いた本好きイチオシの小説です。
(*2)それどんな商品だよ! 本当にあったへんな商標(友利昴、文庫ぎんが堂)
 特許庁に登録商標として届けられた笑える珍ネーミングを集めた本。まだ読んでませんが、なんだかおもしろそう
(*3)アニメの”RWBY”や、SFの”ゲームウォーズ”が!
 RWBY:監督 モンティ・オウム、ワーナー・ブラザース
 ゲームウォーズ:アーネスト・クライン、SBクリエイティブ
(*4)コンテンツベースのフィルタリング
 本の内容や著者などが似ているかどうかを判別して、推薦するものを決めるというやり方
(*5)協調フィルタリング
 多くのユーザの嗜好情報を蓄積し、あるユーザと嗜好の類似した他のユーザの情報を用いて自動的に推論を行う方法論(wikipediaより抜粋)
 これを使うと、上記のように関連する本を次々と紹介したり、個人ごとに好みの本を推してくれたりすることが可能になります。

怪物にだって論理は通用します(アンデッドガール・マーダーファルス/鳥かご)

 ども、最近ミステリー小説読む数が増えてきているおぢさん、たいちろ~です。
 ミステリー界の中には”ノックスの十戒”と呼ばれるお約束が存在します。これは
聖職者にして推理作家でもあった”ロナルド・ノックス”という人が発表した”推理小説を書く際のルール”で、その一つに

  探偵方法に超自然能力を用いてはならない

てのがあります。まあ、超能力で犯人を当てたり、占いで”犯人はお前だ!”やったり、幽霊が出てきて”私を殺したのはこの人です・・ 恨めしや~~”では興ざめというもの。まあ、うまく書けばないわけじゃないですが(*1)正統派ミステリーとは違うかなと
 ただ、これはあくまで普通の人間相手の話で、これが犯人も被害者も、そして探偵も普通の人間じゃなかったら・・・

 ということで、今回ご紹介するのはそんな怪物を専門に扱う探偵チームのお話”アンデッドガール・マーダーファルス”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。
近所のペットショップでみかけた鳥かごです

1446


【本】アンデッドガール・マーダーファルス(青崎有吾、講談社タイガ)
 齢962歳、不死の美少女”輪堂鴉夜(りんどうあや)”、半人半鬼の”鬼殺し”こと”真打津軽(しんうちつがる)”、薙刀銃をあやつるクールなメイドさん”馳井静句(はせいしずく)”の3人による”怪物専門の探偵”チームの活躍を描く推理小説シリーズ。いや、マジで。
【道具】鳥かご
 文字どおり鳥を飼うかご。たまに生首が入ってたりします・・・

 さて、犯人や被害者が人間ならざる能力の持ち主だったら、”ノックスの十戒”よろしく通常の推理小説は成立しません。なぜならテレポーターに密室は必要ないですし、タイムリーパーにアリバイ工作は無意味です(*2)。とはいっても、万能ではないんでいろいろ制約条件を設定することで推理小説にすることもできはしそう。同じく、無敵の怪物といってもそれはそれでいろいろ制約条件ってのがあります。
 たとえば、怪物の王”吸血鬼”もしかり。強靭な肉体の持ち主で、心臓に杭を打たれても死なないし、腕がちぎれても2日で再生する。ただし、太陽は苦手で銀や聖水は触れないし、銀の杭で貫かれれば死ぬ(本書での設定)。ここんとこがミソで、じゃあこの怪物が殺されてたらその犯行は? ってのが第一章”吸血鬼”のお話。

 人類と共存を図ろうとする”人類親和派”の吸血鬼”ハンナ”が何者かに殺され、夫であるゴダール卿が犯人を捜すために”怪物専門の探偵”である輪堂鴉夜達を雇うってのがあらすじ。ハンナは杭で殺され、聖水をかけられて死んでいるのが発見されるんですが、凶器と思われる銀の杭は屋敷内で発見されます。外部からの犯行が難し状況で、屋敷内の人間の犯行とも思われにくく、銀や聖水を忌み嫌うい吸血鬼の犯罪とも考えにくく・・
 一種の不可能犯罪に近い状況で輪堂鴉夜が下した推理はなんだってのがこのお話の面白い所。怪物でなければ起りえないHowdunit(ハウダニット)つまり、”どのように犯罪を成し遂げたのか”がすごいオチなんですな。なにがすごいって”怪物”の特性あるいは制約条件をクリアしつつ、実に論理的というか
 第二章の”人造人間”で、グリ警部と輪堂鴉夜が密室の中で発見された首なし死体の謎を解明する時の会話

  グリ警部:なるほど、これがあたなの捜査法というわけですか
       怪物を人間の世界に引きずり下ろし、論理に当てはめる
  輪堂鴉夜:別に引きずり下ろしてなんかいませんよ
       怪物にだって論理は通用します

 つまり怪物であっても、人間であっても従うべき論理は同じ。ただ従う前提条件が違っているだけだと。でも、考えようによっちゃこのひねり方って普通の推理小説より書くの難しいんじゃないか??

 で、この犯人を追いつめる輪堂鴉夜ご一行様ですが、この人たちもまたユニーク。バディーもの、いわゆるホームズ+ワトソンみたいなのの頭脳労働と肉体労働の役割分担って意外にまちまちなんですが、まったく肉体労働しかしないってちょっと珍しいかも。アームチェア・ディテクティブ(安楽椅子探偵)の代表作”隅の老人(*3)”だって多少は肉体労働はやってるし、頭脳派探偵のシャーロック・ホームズだってフェンシングやボクシングができるなんていう武道派の面もあります。二人で一人の仮面ライダー探偵”仮面ライダーW(*4)”だって、肉体労働=翔太郎、頭脳労働=フィリップの組み合わせですが、フィリップもまったく肉体労働やってないってことないです。まあ、私の読んだ中でほんとに体を動かさないってのは”リンカーン・ライム(*5)”ぐらいでしょうか
 輪堂鴉夜というとホントに肉体労働をまったくしないという完全”頭脳労働”オンリー。なんたって、現場に行っても歩きもしない。闘うなんてもってのほか。本人曰く

  なにしろ、頭を使うこと以外できない体でしてね

 でもって、肉体労働担当が真打津軽。”鬼殺し”という芸をやっていただけあってバリバリの武道派なんですが、けっこうお調子モノで寒いギャクをかます人。
 真打津軽が”ボケ”、輪堂鴉夜が”ツッコミ”でちょくちょく二人で漫才を。頭脳労働と肉体労働の分業体制ってのもあって、最初は”染之助・染太郎か!(*6)”とつっこんじゃいましたよ

  津軽は肉体労働、鴉夜は頭脳労働、これでギャラは同じなの

とかね。
 少し読み進むと意外や意外、おいしいとこ持ってってるのがクールメイドの馳井静句。寡黙ながら鴉夜の指示で津軽をブルボッコするし、敵への戦闘ではけっこうな大活躍。第四章ではかなかなに艶っぽいシーンも出てきますし。普段は目立たないけどやるときゃやるタイプです。
 この三人見てるとまさにミステリー界の”レツゴー三匹(*7)”ですなぁ。寒いギャグでボケる津軽に、辛辣なツッコの鴉夜、締めるとこは締めるフリの静句とか。なかなか秀逸なキャラ設定です。

 ”アンデッドガール・マーダーファルス”はモンスターとか登場するんでホラーモノっぽいですが、実はけっこう本格モノの推理小説かも。面白い本です。ぜひご一度のほどを。

《脚注》
(*1)うまく書けばないわけじゃないですが
 ”鎌倉ものがたり(西岸良平、双葉社)”には”恐山妖介”という降霊術を使って事件を解決する鎌倉の刑事さんが登場します。ただ、この作品には一色正和というミステリー作家がいて、鎌倉という人間と魔物、妖怪と普通に住んでいる土地柄が舞台になっているから成立するお話。ここまでうまくやってくれるとむしろ感心してしまいます
(*2)テレポーターに密室は必要ないですし~
 ”テレポーター”(空間跳躍者)なら密室だろうがなんだろうが侵入できますし、”タイムリーパー”(時間跳躍者)なら、アリバイ工作なんかしなくても任意の時間に移動できるだろうし。
(*3)隅の老人(バロネス・オルツィ、創元推理文庫)
 女性新聞記者のポリー・バートンが喫茶店の隅にすわる老人に事件の話をすると、その老人が事件を解決するという推理小説。アームチェア・ディテクティブの先駆にして代表的な小説です。
(*4)仮面ライダーW
 左 翔太郎とフィリップの二人がUSBメモリみたいのを使って合体するという平成仮面ライダーシリーズ第11作目の作品。子供向けとは思えないミステリマニアも楽しめる番組です。フィリップを演じたのは今をときめく人気俳優”菅田将暉”。しかし、この人がここまで売れるとは思わなんだな~~~
(*5)リンカーン・ライム
 ”リンカーン・ライムシリーズ(ジェフリー・ディーヴァー、文藝春秋)”に登場する科学捜査のスペシャリスト。捜査中の事故により左手の人差し指と首から上だけしか動かないという典型的なアームチェア・ディテクティブ。
(*6)染之助・染太郎か!
 かつてお正月の名物だた漫才コンビ”海老一染之助・染太郎”師匠です。傘の上ので枡を回すのが弟の染之助、横ではやし立てるのが兄の染太郎。上記のギャクの元ネタは
  弟は肉体労働、兄は頭脳労働、これでギャラは同じなの
(*7)レツゴー三匹
 ツッコミ役の正児、ボケ役のじゅん、フリ役の長作による昭和を代表するトリオ漫才。そういえば、最近トリオ漫才のビックネームってあんましみないですな。お笑い番組の1組あたりの時間が短くなってるせいですかねぇ・・

本には、人生を変える力がある(君の知らない方程式 BISビブリオバトル部 4/”文豪スレイドックス”ポスター)

 ども、こう見えて(どう見えて?)子供の頃にはあんまし本を読まなかったおぢさん、たいちろ~です。
 人間、誰しも人生にインパクトを与えた本ってのが存在するのではないかと。私の場合は”デビルマン(*1)”でしょうかね。小学校の頃ですが、たぶんはじめて自分おこずかいで買ったマンガじゃなかったかと。こっから本の爆買が始まったような・・・
 活字の本だったら”空とぶ家(*2)”かな(”カールじいさんの空飛ぶ家(*3)”じゃなくて!) 10歳のニッキィ、9歳のリンダ、そしてベンおじさんの3人が、新発明のために浮き上がった家に乗ってジャングルまで飛んでいってしまうお話で、子供向けのSFってとこでしょうか。
 ことほどさように本にはまるってのは教科書に載っているような名作とは限らず、SFだってマンガだってかまわないワケですし、今ならライトノベルだってぜんぜんOKではないかと。
 ということで、今回ご紹介するのはビブリオバトル部で自分の人生を変えた本を紹介するお話”君の知らない方程式 BISビブリオバトル部 4”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。
横浜市立図書館の巡回展示で飾られていた”文豪スレイドックス”のポスターです

1363_2


【本】君の知らない方程式 BISビブリオバトル部 4(山本弘、東京創元社)
 美心国際学園(BIS)高校ビブリオバトル部。<驚異の翼(ウィング・オブ・ワンダー)>伏木空、<燃える氷(バーニング・アイス)>埋火武人、<天然の狙撃手(ナチュラル・スナイパー)>輿水銀、<双面の話者(ヤヌス・トーカー)>安土聡、<愛の伝道師(ラブ・ミショナリー)>小金井ミーナ、<科学の魔女(ウイッチ・オブ・サイエンス)>菊地明日香など、本好きが集まるクラブ。空さんに告白してつきあうことになった銀くんですが、それを見ていた武人くんは心落ち着かない様子で・・・
【ポスター】”文豪スレイドックス”ポスター
 ”文豪スレイドックス(原作 朝霧カフカ、作画 春河35、KADOKAWA)は横浜を舞台に”異能”と呼ばれる超能力を駆使する武装探偵社とポートマフィアの抗争を描くバトルアクションコミック
 このポスターは横浜市立図書館と文豪ストレイドッグスのコラボ企画として作成されたもので、キャッチコピーが

  本には、人生を変える力がある

なかなか粋なことするじゃん、横浜市立図書館!
ちなみに、左が太宰治、中央が中島敦、右が芥川龍之介です


 さて、今回のお話は空をめぐる武人くんと銀くんとの恋愛バトル。空さんは地味キャラながら、SFに喰いつくと話の止まらない超弩級のSFオタク武人くんは祖父の残したお宝SF本を持ちながらノンフィクションしか読まないという超堅物銀くん学園のショタコンのお姉さま方から愛でられる美少年。学園行事のコスプレ大会では”RWBY(*4)”のコスプレをして、ミーナさんから”美少女三人がかりで、男の娘一人に勝てんとは”と、悔しがられています。空さんはお宝SF本目当てに足しげく武人くんちに通って、”武人くんにSFを読ませる!”ことになって、いい雰囲気なのかと思いきや、銀くんの空さんへの交際申し込みで、一気に流れが変わって・・・というのが前巻までのお話。

 今回はみごとヒロイン役に大抜擢?の空さんですが、中学校の時にはいじめにあってたという過去を持つ少女。同じく空の恋を応援する(三角関係を面白がってるだけ?)のミーナさんもハーフや母親のことできついことを言われた過去があり。そんな彼女たちの人生を変えた本がビブリオバトルのイベントで紹介されます

〔空さんの紹介した本”ゲームウォーズ(アーネスト・クライン、SB文庫)〕
 人々が”オアシス”と呼ばれるコンピュータの仮想世界にのめりこんでいる未来。”オアシス”を運営する億万長者”ジェームズ・ハリデー”が死亡し、遺言か公開される。それは”オアシス内に隠したイースターエッグを一番先に見つけたものに、遺産のすべてをゆずる”というものだった・・・
 というのが本書のあらすじ。まだ読んでませんけど
 このオアシスを作ったハリデーって人はガチのオタクで、この宝探しを解くにはビデオゲームからRPG、アニメに至るまで80年代のサブカルの膨大な知識が必要だと。で、主人公のウェイドは社会の最下層の人間で希望なんかもてない高校生ですが、この謎に挑戦していくと。空さんの紹介する話に出てくるだけでも、マクロスにエヴァにメカゴジラにと。ウェイドがミッションクリアで手に入れるのが実写版”スパイダーマン”が操縦する巨大ロボット”レオパルドン”(*5)ってんですから、どんだけやねん!!

 こんだけ読んだらとんでもないバカ話に聞こえますが、でも、空さにとっては”あきらめずに戦い続けたら、きっと未来を手にできる”という本書のメッセージが、死んでしまいたいぐらい苦しい状況から救ってくれたと

  確かにこれは荒唐無稽なSFです。オタクの夢です。願望充足です
  でも、未来への希望が詰まっています
  だから、今も苦しんでいる人たちに、
  この小説を読んで、希望を持ってほしいと願います。
  あきらめず、希望を持ってほしいと。
  生きていればいつか、チャンスが訪れるから・・・

〔ミーナさんの紹介した本”ラノベ部(平坂 読、MF文庫)〕
 とある高校にある軽小説部、ライトノベルを愛好するクラブを舞台にした日常系ライトノベル、らしいです。まだ読んでませんけど
 本書の登場人物にボーイズラブ(BL)大好きな腐女子がいて、これに興味を持ったミーナさんがBLに手を出してずぶずぶどころか”垂直にストーン”とBLにハマリましてっと
 上記のようにミーナさんも人と違うことでつらかった過去があるんですが、BLを読むことで”自由”を知った

  でもね、BLを知って変わりました。自由、というものを知りました
  男が男と愛し合ったってかまわないじゃないか。
  そんなマンガや小説を好きになったってかまわないじゃないか
  それどころか、”私はBLが好きだ”って胸を張って開き直ったってかまわない
  素晴らしい世界じゃないか。
  そうだ、他人と違ったっていいんだって--それ以来、人生が少し楽になりましたね

”いきなりそっちに行きますか?!”感はありますが、いいじゃないですか、それで人生が楽になるなら

 まあ、ライトノベルで人生が変わっちゃったってぜんぜんいいんですが、ただな~、最近のライトノベルって全然軽く(light)ないんだよな~。本書で空さんが銀くんから借りた”俺の妹がこんなに可愛いわけがない(*6)”で12巻。名前の出てきた”ソードアート・オンライン”で24巻、”はたらく魔王さま!”で19巻。本書では名前出てませんが”境界線上のホライゾン”なんて26巻というボリュームもさることながら、1冊がとってもぶ厚い!(*7) ゼクシィかおまいわ!!(*8)
 空さんが”ラノベでしょ? 1日2冊は読める”と言ってるように、まあ読むほうはなんとかなりそうなんですが、お財布にゃきついですね。空さんは銀くんから”俺妹”を借りる約束してますが、おぢさんにゃそんな知り合いいないですし(貸してくれそうな女子高生がお知り合いなら、そっちのが問題っぽいですが・・・

 本書を読んでると、確かに”本には、人生を変える力がある”っての信じる気になりますね。”ビブリオバトル部”は本好きにはたまらない本です。ぜひご一読のほどを。

《脚注》
(*1)デビルマン(永井豪、講談社)
 テレビアニメもありましたが、1972~3年に少年マガジンに連載された永井豪の原作のほう。主人公の不動明が親友の飛鳥了の頼みを受けてかつて地球を支配した人類”悪魔”と合体することで人類を救うというお話。当初は美しい裸体の悪魔”シレーヌ”やら居候先の美少女”美樹”ちゃんのお風呂シーンにムフフしてたのが途中から壮大な黙示録の世界に。日本SF・コミック史に残る名作です
(*2)空とぶ家(ウォルター・ホッジス、イラスト 久里洋二、学研プラス)
 ニッキィとリンダは発明好きのベンおじさんの家に遊びに行きました。
 今回のベンおじさんの発明は大型気球用のガス。ちょっとだけ試してみるはずが、うっかりガスが止まらなくなって、家が浮き出しちゃった!!!
 すでに絶版ですので、図書館で探してみてください。名作です
(*3)カールじいさんの空飛ぶ家
(製作総指揮 アンドリュー・スタントン、ピクサー、ウォルトディズニースタジオ)
 頑固者のカールじいさんは、亡き妻エリーとの約束を守るために人生最初で最後の冒険に挑む。それは我が家に風船を大量にくくりつけて家ごと南米に旅にでることだった!
 2009年に公開されたアニメなので私の子供の頃ってことはないです、はい。
(*4)RWBY(監督 モンティ・オウム、ワーナー・ブラザース)
 異形の生命体”グリム”と人類の戦士”ハンター”との戦いを描くSFバトルアニメ。てか、アメリカ版”プリキュアシリーズ”?(男性も出てますけど)。本書ではヒロインの4人をビブリオバトル部の女性陣がコルプレしてます。現在、DVDで見てますが、けっこう面白い! これはまた別の話で
(*5)実写版”スパイダーマン”が操縦する巨大ロボット”レオパルドン”
 1978年に放映された東映の特撮テレビドラマシリーズ。スーパー戦隊シリーズではないものの”ジャッカー電撃隊”の放映後に登場し、等身大ヒーロー=スパイダーマン(マーベル・コミック社公認!)が変形する巨大ロボット”レオパルドン”に乗り込んで戦うという、後のスーパー戦隊モノのフォーマットを確立した記念碑的作品いやマジで
 画像を見たい方はこちらをどうぞ
(*6)俺の妹がこんなに可愛いわけがない(伏見つかさ、イラスト かんざきひろ、電撃文庫)
 勝ち気でかわいいけど”隠れオタク”とその妹や個性的な女性たちに振り回される兄によるコメディらしいです、まだ読んでないんで。電撃文庫の小説で全12巻、コミカライズが電撃コミックスから全4巻、DVD(アニプレックス)が2期16巻、その他スピンオフ多数となかなかのボリューム。作品にはまるとわりとコンプする方なので、うかうか手を出すととんでもないことに・・・
(*7)名前の出てきた”ソードアート・オンライン”~
・ソードアート・オンライン:川原礫、イラスト abec、電撃文庫
・はたらく魔王さま!:和ヶ原聡司、イラスト 029、電撃文庫
・境界線上のホライゾン:川上稔、 イラスト さとやす、電撃文庫
すいません、3作ともまだ読んでません。
しかしまあ、KADOKAWA/アスキー・メディアワークスの本を宣伝してるんだから東京創元社も太っ腹だな~~
(*8)ゼクシィかおまいわ!!
 リクルートが発行している結婚情報誌。とってもぶ厚い。結婚をないがしろにする彼氏を彼女が”ゼクシィの角”で殴るというネタがありますが、とっても痛そうです・・・

より以前の記事一覧

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

無料ブログはココログ