音楽

君の音楽がいつまでもショパンの魂ともにあることを願う(いつまでもショパン/スパティフィラム・ショパン)

 ども、気にいったシリーズはすぐに一気読みしちゃうおぢさん、たいちろ~です。
 だもんで、今ハマっている中山七里の”岬洋介シリーズ”の3冊目”いつまでもショパン”を読みました。今回の話って、岬洋介がショパン・コンクール(*1)に登場するって話。前作でもピアノを弾くシーンはありましたが、どちらかというと先生の立場がメインでしたが、今回はピアニストとしての本領発揮です。根は推理小説なんで”ピアニスト”と呼ばれるテロリストの逮捕に協力するんですが、そんなことどうでもいいような圧巻の音楽小説です


写真はたいちろ~さんの撮影。
近所で見かけた”スパティフィラム・ショパン”です

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【本】いつまでもショパン(中山七里、宝島社文庫)
 岬洋介はショパン・コンクールに出場するためポーランドに来ていた。しかし、ポーランドでは“ピアニスト”というテロリストによる事件が頻発していた。コンクール会場で刑事が殺害され、遺体の指十本がすべて切り取られるという事件が発生、会場周辺では爆弾が爆発し岬と知り合いになった少女が巻き添えになる。一方、ファイナリストとしてコンサートに臨む岬洋介の身にも異変が・・・
【花】スパティフィラム・ショパン
 スパティフィラム属はサトイモ科の属の一つ。写真では緑っぽいですが花を包む部分(仏炎苞)が白くなると”水芭蕉”にそっくり。それもそのはずで”水芭蕉”は同じサトイモ科のミズバショウ属になります。
 ”ショパン”は商品の名前ですが、”水芭蕉”も”夏の思い出(*2)”が思い出されるぐらい音楽のイメージが強いんで、この花もそうなんでしょうか?
 今回は名前つながりだけです。すいません。


 ”岬洋介シリーズ”の特徴として主人公というか語り部が毎作変わるってのがあります。で、今回の主人公は”ヤン・ステファンス”というピアニスト。この人に限らず綺羅星のようなピアニストが続々登場。主だった人を挙げると

〔ヤン・ステファンス(ポーランド)〕
 音楽一家ステファンス家の息子にして”ポーランドのショパン”を継承者する若き新星

〔榊場隆平(日本)〕
 盲目ながらもっともショパンらしい演奏をする”音楽に選ばれた”天才ピアニスト。
 モデルは辻井伸行(*3)?

〔エリアーヌ・モロー(フランス)〕
 愛が聴く者の魂を包みこむ美貌のピアニスト。西村由紀江(*4)みたいな?

〔エドワード・オルソン(アメリカ)〕
 ひたすら陽気で軽快なショパンを弾く軍人一家出身のピアニスト。

 さすがショパン・コンク-ルだけあっていずれ劣らぬ濃いいピアニストなんですが、この中にあって岬洋介がどのようなピアノを奏でるのか? ってのが興味の一つ。ああるんですが、前作までは感動的な描写があるんですが、さて今回はどのように?

 意外なことに、この人って”理不尽なことへ抗う怒りの人”なんだな~ってのが感想。無差別テロのあとのコンクールのファイナル選出の演奏でショパンの”葬送行進曲”に対してのヤンのコメント

  暴虐に対するショパンの怒り、奪われた無辜の生命に対するショパンの悲しみが
  岬のピアノに憑依していた

 怒りって、爆発するような怒りもあれば、静かに燃える怒りもあるのかな。前者の代表例がテロ。最後に近い場面でバスの乗員を人質にとったタリバンの攻撃に対し、アメリカ軍でオルソンの兄が戦場で岬の弾く”ノクターン第二番”を流すってシーンが出てきます。最初は”ミンメイ・アタックか?!(*5)”とかしょ~もないこと考えましたが、これで戦闘がわずかな時間ながら停止されます。本書内では”妙に人恋しくなる”というコメントをしてますが、怒りに燃えるタリバンのテロリストが銃を下して空を見上げてるという行動をとったのは、怒りを打ち消す静かな”何か”があったんじゃないかと。
 世界史苦手だったんで知らなかったんですが、ショパンが生きた時代のポーランドというのはロシア帝国に実質支配されていて、ポーランドの民族運動を徹底的に弾圧されていて、ショパンのポーランドへの想いのたけが込められているんだそうです。”別れの曲”とか、”ノクターン第二番”とかを聴いているとロマンチックな作風の人だと思っていたんですが、それだけではないんですね。

 表題にある

  審査委員たちが与えないのなら我々が君に感謝と栄養を与えよう。
  本当にありがとう、ミサキ。
  君の音楽がいつまでもショパンの魂ともにあることを願う

これは、人質を解放されたパキスタン大統領の言葉。1作目の”さよならドビュッシー(*6)”で作曲家を理解して演奏するといった岬のアドバイスがありますが、こういうことを知ると確かに深みがでてきますねぇ。

 岬洋介は司法試験をトップ合格し司法の世界でも将来を嘱望されるほどの知性と、他のピアニストをして”中毒になる”と言わしめるほどの才能に恵まれ、かつイケメンという数多くの天賦の才にめぐまれながら、突発性難聴(*7)という音楽家にとって致命的な病を抱えてる人。普通だったらそこでめげて別の道を歩みそうなもんですが、この人はそんな運命に抗ってピアニストに自分の道を見つけようとします

  ヤン:第一、そんな状態で長時間の演奏を強いられる本選は不可能だ
  岬 :不可能というのは臆病者の言い訳です

      (中略)
  ヤン:しかし、完調じゃない今の状態で、あの天才サカキバに勝てる訳がない
  岬 :才能というのは怠け者の言い訳です
  ヤン:何て強情なんだよ! さっき柵なんてないと言ったじゃないか
     だったら、いくらだって逃げられるだろう
  岬 :柵はありませんが、義務ならあります

      (中略)
     ある女の子には自分の武器を持っているのなら、
     安穏に長らえるよりもとことん戦えと教えました
     また、ある男子学生には自分で選んだことに最後まで責任を持てと教えました

      (中略)
     今、わたしがステージから下りたら、
     あの時彼女たちとかわした言葉は全部嘘になってしまう

 

天賦の才が神に与えられたものなら、試練もまた神に与えられたもの。てなことを無神論者の私が言っても説得力ないですが。

  

神は我を見捨てず ふたたび剣をとりて戦えとのたもうた(*8)

って言葉があるんですが、そんなん思い出しちゃいました。

 文句なく面白い作品です。ぜひご一読の程を。

《脚注》
(*1)ショパン・コンクール
 ショパンを生んだポーランドにて開催されるピアノコンクール。正確には”フレデリック・ショパン国際ピアノ・コンクール”です。
 なんせ日本人が入賞するだけでもニュースになるという世界で最も権威あるコンクールの一つで、日本人では中村紘子(第7回)、内田光子(第8回)などが受賞してます。
(*2)夏の思い出(作詞 江間章子、作曲 中田喜直)
  夏が来れば 思い出す はるかな尾瀬 とおい空
  きりの中に 浮びくる やさしい影 野の小路
  水芭蕉の花が 咲いている 夢見て咲いている 水のほとり
  しゃくなげ色にたそがれる はるかな尾瀬 とおい空
 この歌を聴いて尾瀬に行かれた方も多いんではないかと。ただし尾瀬で水芭蕉が咲くのは5月末あたりなんでご注意を。
(*3)辻井 伸行
 ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにおいて日本人として初優勝した盲目のピアニスト。第15回ショパン・コンクールにて”ポーランド批評家賞”を受賞。
(*4)西村由紀江
 大阪出身の作曲家兼ピアニスト。
 1988年から読売テレビで”西村由紀江の日曜はピアノ気分”という番組をやっていて一発で大ハマリ、エレガントなイージーリスニングって感じでしょうか、当時はほとんどCD買ってました。全国区では武田鉄矢”僕は死にましぇん!”で有名なテレビドラマ”101回目のプロポーズ” の音楽を担当、ショパンの”別れの曲”(練習曲作品10第3番ホ長調)を弾いています。
(*5)ミンメイ・アタックか?!
 ”超時空要塞マクロス(石黒昇 バンダイビジュアル)”より。
 戦闘しか知らない異星人に対し歌を流すことによるカルチャーショックを与えることで戦闘不能に陥らせるという作戦です。
 ちなみに、本書では”地獄の黙示録(フランシス・コッポラ、ジェネオン)”と言ってますが。
(*6)さよならドビュッシー(中山七里、宝島社文庫)
 ピアニスト志望の”香月遥”は不慮の火事のため従姉妹の”片桐ルシア”と祖父の”香月玄太郎”を喪い、自身も全身大火傷の大怪我を負う。生き残った彼女はピアノコンクールの優勝にめざし不自由な体ながら師匠であるピアニストの岬洋介とレッスンに励む。しかし周囲では彼女を傷つけようとする細工や、母が殺される事件が発生し・・・
 詳しくはこちらをどうぞ
(*7)突発性難聴
 突発的におきる原因不明の難聴で特定疾患に指定されている難病。坂本龍一、浜崎あゆみ、スガシカオ、大友康平などのアーティストが罹病してるそうです。
(*8)神は我を見捨てず~
 ”ふたり鷹”(新谷かおる 小学館他)”より
 バイクレースの世界耐久選手権のボルドール24時間レースでコケた東条鷹がエンジンを再始動させてレースに復帰する時の言葉。こっちも名作です。

この人はメフィストフェレスだと、私もそう思いました(おやすみラフマニノフ/トウヒ)

 ども、クラシックは好きですが、指揮者やオケの違いなんかま~ったくわからんおぢさん、たいちろ~です。
 会社の先輩で大学時代オーケストラの指揮をやってた人がいまして、その人に言わせると””同じ曲でも指揮者やオケが違えばぜんぜん違う!”らしいんですが、すいません、良くわかりません。まあ、”ダダダダーン!”や”フロイデ! フロイデ!”を除けば(*1)、素人が違う指揮者やオケでフル楽章聴くことなんてめったにないし、ある世代にはトラウマなクラシック“大学祝典序曲(*2)”でもワンパターンでしか聴いたことないし。
 こんな微妙な違いを言葉で表せるかと言うと、スゴイ作家の人だとやっちゃうんですね~ 
 ということで今回ご紹介するのは音楽の小説を超えた推理小説、中山七里の”岬洋介シリーズ”の第2作”おやすみラフマニノフ”であります。

写真はたいちろ~さんの撮影。
羽根木公園の”ドイツトウヒ”です

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【本】おやすみラフマニノフ(中山七里、宝島社文庫)
 ヴァイオリニストを目指す音大生の城戸晶は恋人でチェロ奏者の柘植初音とともに演奏会の練習に励んでいた。そんな時、密室の楽器保管室から時価2億円のストラディバリのチェロが盗まれるという事件が発生する。初音の祖父であり音大の学長、稀代のラフマニノフのピアノ奏者でもある柘植彰良や大学関係者は警察の介入を良しとせず独自に調査を開始。そんな中、学長のピアノが破壊される。
 生徒たちを指導するピアニストの岬洋介が解明した真実とは・・
【花】トウヒ(唐檜)
 マツ科トウヒ属の常緑針葉樹。英語ではspruce(スプルース)
 写真の”ドイツトウヒ(オウシュウトウヒ)”はドイツのシュヴァルツヴァルト(黒森)の木がこれ。トウヒの木材は将棋盤や家具をはじめ、バイオリンやピアノなどの表面に使われているんだそうです。


 先日、岬洋介シリーズの第1作”さよならドビュッシー(*3)”読みました。いや~ハマりましたね。推理小説としても充分面白いですが、なんといっても音楽の描写がすごい。けっこう音楽の専門用語が多いんですが、そんなこと気にならないぐらい

  美鈴のピアノが最強音で装飾を付けた後、更に加速する。
  疾風のように立ちはだかるものをなぎ倒し、怒涛のように全てを包みこんで邁進する。
  どこまでも駆け上がる強い音。
  メロディが巨大な龍となって天上に上がっていく。
  あと六小節。
  あと四小節。
  そしてオケとともに強打和音の四連打を撃ち付けて最終楽章が終わった

 小説内で行われるコンサートの演目”ラフマニノフ ピアノ協奏曲第二番”のクライマックスシーンの描写ですが、まさに圧巻の描写力です。作者の中山七里という人は音楽の専門家ではないんですが(奥様はエレクトーン教師だそうです)、それにしてこの表現ですから、小説家ってやっぱりすごいな~~
 こんな描写がそれぞれの曲につけられるんですがら、ぐいぐい引っ張られること必定。一気に読ませてくれます。

 ストーリーはというと、密室から時価2億円のストラディバリのチェロが盗まれるというイントロから始まります。まあ、素人でもストラディバリが高いことぐらいは知ってますが、この楽器の表面がイタリアフィエンメ渓谷産の赤トウヒで作られてるってのは初めて知りました。で、この楽器の描写がまたすごい!

  それにしても何て豊穣な音だろう
  G線の震えが隣のD線を共振させ、たったの一音がこんなにも心を波立たせる
  楽器全体をびりびりと震わせる有機物特有の音
  やっぱりこれは生き物だ
  このヴァイオリンには血が通い、そして今にも歌いたがってうずうずしている

 こんなキャッチコピーを書かれたら、そりゃいくらお金を出しても買いたくなりそうだな~~

 引用が長くなってすいませんが、それぐらい感動モノです。

 この小説がユニークなのが岬洋介という人のキャラクター。
 決して濃ゆい押しの強いキャラクターじゃないんですが、ピアノを弾かせたり音楽がからむとまるで別人のような感じになっちゃいます。あと人をその気にさせるのもうまいんですな。コンサートマスターになった城戸晶を最後まで引っ張ったのはこの人だし、上記の描写に出てくるピアノ奏者の”美鈴”だって、唯我独尊を絵にかいたようなきつい女性なのに、傑出した個性がオーケストラとのアンサンブルがとれないという弱点を見抜いて

  君の個性を殺さないままオケとアンサンブルを取る方法がある
  知りたくないかい?

   (中略)
  武器なら既に君が持っている。闘い方なら僕が知っている。
  さあ、君は逃げるかい。それとも僕と一緒に闘うかい。

とかいって、オーケストラに参加させちゃうし。このあと、城戸晶がつぶやく

  この人はメフィストフェレスだと、つくづくそう思った

って、まさにそうだよな~~
 メフィストフェレスって”誘惑する悪魔”ってのもあるけど、ほとんど何でもできる能力がありながら神には抗えない悪魔と、天才的なピアノ奏者で指導者としては卓越ていても音楽家として致命的な欠陥を持つ運命ってのもなんとなく二重写しになっているし
 ふだんはあんまり目立たないけど、いざという時には頼れる人ってけっこう好きなタイプです。

 ”岬洋介シリーズ”は今年度上半期に読んだなかでもベストな本。ぜひご一読のほどを


《脚注》
(*1)”ダダダダーン!”や”フロイデ! フロイデ!”を除けば
 ダダダダーン!:ベートーヴェン 交響曲第5番 ハ短調 作品67「運命」
 フロイデ! フロイデ!:ベートーヴェン 交響曲第9番 ニ短調作品125 「合唱付き」
(*2)大学祝典序曲
 ブラームスの演奏会用序曲。てか、おぢさん世代には旺文社の”大学受験ラジオ講座”の主題歌といった方が通りがいいかも。受験が終わって30数年経ちますが、今だにこの曲を聴くとムズ痒いモノがあります。聴いてみたいかたはきいてみたい向きにはこちらをどうぞ。
(*3)さよならドビュッシー(中山七里、宝島社文庫)
 ピアニスト志望の”香月遥”は不慮の火事のため従姉妹の”片桐ルシア”と祖父の”香月玄太郎”を喪い、自身も全身大火傷の大怪我を負う。生き残った彼女はピアノコンクールの優勝にめざし不自由な体ながら師匠であるピアニストの岬洋介とレッスンに励む。しかし周囲では彼女を傷つけようとする細工や、母が殺される事件が発生し・・・
 詳しくはこちらをどうぞ

今の若い人が聴いたら、ものすごい早婚だと思うんでしょうね(22才の別れ/花ろうそく)

 ども、結婚して22年になるおぢさん、たいちろ~です。
 先日、会社の男性Uさん(36才、独身)と結婚の話になりまして、なんでだか昔のフォークソング”22才の別れ”の話題が出ました。
 こっちは当たり前のように知ってるもんだと思ってましたが、意外にも”知りません”とのお返事。
 ということで、こんな曲です。

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写真はたいちろ~さんの撮影。福島県大内宿で見かけた花ロウソクです。


【CD】22才の別れ(風)
 ”かぐや姫(*1)”の伊勢正三と”猫(*2)”の大久保一久が結成したフォークグループ”風”のシングル。作詞・作曲は伊勢正三。おぢさん世代にはアコースティックギターの定番曲の一つです。1975年にリリースなので36才の人にとっては生まれたころの曲だもんなぁ。こっちは高校生だったのに・・・
 曲中の”そんなー”と、”気がして”の間に一呼吸おいてギターで”ちゃんちゃん”を入れるのが印象的です。
【花】花ろうそく
 四季の花を転写した絵ろうそくの一種。
 写真の6月のひめさゆり(姫小百合)は別名オトメユリ(乙女百合)、7月の立葵は”たちあおい”と読みます。
 ひめさゆりは日本特産のユリで、宮城県南部や飯豊連峰などにしか群生してないそうですが、立葵は1~3mぐらい真っ直ぐ伸びる茎に赤い大輪の花が6~8月ごろ咲きますので、けっこう街中でも見つけられます。


 まずは、お聞きください




 ところで、改めて聴くとこの曲に出てくる女性って、22才で彼氏と別れて別の男性と結婚するって内容なんですね。

  わたしには鏡に映ったあなたの姿を見つけられずに
  わたしの目の前にあった幸せにすがりついてしまった

  わたしの誕生日に22本のローソクをたて
  ひとつひとつがみんな君の人生だねって言って
  17本目からは一緒に火をつけたのが、昨日のことのように
  今はただ、五年の月日がながすぎた春といえるだけです
  あなたの知らないところへ嫁いでゆくわたしにとって

 つまり、高校生に付き合い始めた二人が大学卒業の時に別れて女性が別の男と結婚するぐらいの時間感覚です(*3)。今の基準でいくと相当に早婚って感じでしょうか。
 男性にとっては22才の大学卒業時点で、生活力が低い入社早々に結婚とか言われても、なかなかふんぎりがつかない点が問題。実際に私の友人にも高校時代に付き合っていた彼女と結婚した人もいますが、結婚できたかどうかは卒業のあと数年待てるかどうかにかかってました。
 ただ、75年ごろでいうと女性にとって、これはかなり難しい選択肢です。
 1980年だと、24才までの女性の累積初婚率が48.9%、75年の平均初婚年齢(*4)が24.7才って時代ですから、女性にとって2~3年待たされた上にふられたら、かなりやばい状況。ましてや、女性は高卒や短大卒で大学卒の男性より一歩先に社会人になる人が多いわけで、生活力のある大人からアプローチされたら、”大学時代の彼とこのまま付き合っていていいのかしら”と不安になるのも、まあわからなくはない状況ではあります。

 こういった時代背景がわかってこの曲を聴くと、女性側がムチャぶりをしているってわけではないんですが、まあ、男性にとってはきつい時代ではありました。
 実際のとこ、私が高校の時に付き合っていた彼女も、短大を卒業して22才で結婚しましたし・・・

 この曲には”風”のオリジナルの他に中森明菜(*5)のカバーバージョンってのがあります。




 オリジナルは”貴方と別れて違う男性と結婚してごめんなさい”っていう感じですが、中森明菜の低音でカバーすると”私と結婚してくれないから、他の男と結婚することになったじゃない。どうしてくれるのよ!”っていう恨み節っぽく聞こえます。
 同じ曲でも、これだけ違うってのも意外。

 まあ、結婚に関して言えば当時よりのんびりと構えられているという点では良い時代かもしれませんが、ロウソクみたいにじっと見てると長さがかわんないけど、いつのまにか短くなってるってこともあります。
 わかってますか、Uさん!

  ※すいません、今回はセクハラっぽい内容でした m(_ _;)m

《脚注》
(*1)かぐや姫
 1970年代に活躍した南こうせつ、伊勢正三、山田パンダによるフォークグループ。”神田川”、”赤ちょうちん”、”妹”など名曲が多数。”時をかける少女(2010年度版)”の中で銭湯帰りのカップルに仲里依紗が”リアル神田川!”といってるのがこれです。
(*2)猫
 1970年代に活躍したフォークグループ。代表曲は”雪”、”地下鉄にのって”など。このグループの紹介が”ニューミュージック”の語源になったとの説があるそうです。
(*3)大学卒業に合わせて結婚するぐらいの~
 もっとも、1975年の女性の短期大学進学率は20.2%(2010年 10.8%)年、大学は12.7%(同 45.2%)、男性の大学進学率は41.0%(同 56.4%)なので、短大進学や高校卒業して就職するほうが女性にとっては多数派
(*4)平均初婚年齢
 実はこの数字がかなりくせものです。かつては平均初婚年齢をピークにかなり尖った山を描いてます(最近はかなりなだらかな山)。つまり、現在だと平均初婚年齢をかなり超えても結婚してない人が相当数いるのに比べ、当時はこれを超えると急速に未婚者が少なくなるということになります。

Photo グラフは”平成20年版 少子化社会白書”より
(*5)中森明菜
 1982年にデビューしたアイドル歌手。代表曲は”スローモーション”や”少女A"、”飾りじゃないのよ涙は”など。
 最近では”CR中森明菜 歌姫伝説”としてパチンコ屋さんの看板で見かけますが、誰の趣味なんだ???

どんな大変な状況でも、それでも春は来るのだから

 ども、たいちろ~です。
 東日本大震災により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますと共に、被害を受けられた皆さま、そのご家族に、心からお見舞いを申し上げます。
 ほぼ、1ケ月ぶりのブログ投稿です。
 と言いますのも、今回の地震で私の家族も仙台で被災しました幸い怪我もなく自宅も無事でしたが、無事だという第一報があって以来、何日も連絡もとれないなど、とても心配な日々でした。

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写真はたいちろ~さんの撮影。今日、近所に咲いていたこぶしです。

【CD】北国の春(千昌夫 作詞: いではく、作曲: 遠藤実)
 1977年4月に発売された千昌夫の名曲。
 オリコンの週間ヒットチャート100位以内初登場~ミリオンセラー達成までの週数が通算92週目で、歴代2位という昭和を代表するロングヒットです(*1)
【花】こぶし(辛夷)
 モクレン科モクレン属の落葉広葉樹の高木。春にこぶし状の大輪の白い花が咲きます
 私の家の近所で春に大きな白い花が咲いていたら、大体こぶしかハクモクレンです。(*2)

 携帯電話も家の固定電話もつながらず、公衆電話を並んでやっと声を聞けた時はさすがにほっとしました。家のほうはお皿が何枚か割れた程度ですみましたが(*3)、それでも水の配給は4時間待ちだったとのこと。電気もほどなく復旧しましたが、食糧の問題もあり学校もお休みなので、とりあえず奥様方の実家に急きょ里帰りすることになりました。
 仙台~山形間のバスが通じたこともあり、仙台→山形→新潟→東京を14~5時間かけて移動し、翌日実家まで新幹線で移動。移動しながら携帯電話で次にどこまで行くかという、ほとんど行き当たりばったりでした、無事に東京までたどりついて顔を見た時は嬉しかったです

 実は会社でも、私の所属する本部は仙台、福島に事務所があって、そっちの災害対策本部も担当してたとか、同じ部署で地震が発生した日に仙台に行ってる女性と連絡がとれないとか(実際は行ってなかったと後でわかりましたが)、公私にわたってどたばたでありました。

 それでも、私のところなどかなりマシなほうで、石巻に住んでいる子供の友人の家は1階が津波に襲われ、無事だったものの家族は3ケ所ばらばらで被災するなどたいへんだったそうです。

 今でも被災地で大変な状況の方に。励ましなんて僭越なことは言いませんが、あえて一言。

  破壊するのも自然なら、花を咲かせるのも自然。
  どんな大変な状況でも、それでも春は来ます。





  白樺、青空、南風
  こぶし咲くあの丘 北国の あゝ北国の春

 千昌夫の”北国の春”の一節です。桜や梅ほどメジャーではありませんが、こぶしも春に咲く花。私の家の近所でも咲き始めました。地震や原発など暗いニュースが多いですが、そればかりに目をやるのではなく、外を歩けば春の息吹はそこまで来ています。
 上を向けば、花が咲くのを見ることができます。
 ぜひ、前向きに進んでいきましょう

《脚注》
(*1)オリコンの週間ヒットチャート~
 実際には連続ではないので、もっとかかっているとのこと。ちなみに第一位は中島みゆきの「地上の星/ヘッドライト・テールライト」(wikipediaより)
(*2)こぶしかハクモクレン
 たいへんよく似ていますが、花の根元に小さい葉がついているのがコブシ、葉がなくて上向きに花がついているのがハクモクレンです。
(*3)家のほうはお皿が何枚か割れた程度で
 マンションの施工会社が免震構造をセールスポイントにしていただけあって、大したもんですが、それでも基礎部分のコンクリートが割れるなど相当ストレスはかかっているようです。

堕ちてゆくのもしあわせだよと、体あわせる相手もいない(下流志向/落ちないリンゴ)

 ども、人生の勝ち組のおぢさん、たいちろ~です。(ウソです)
 さて、大学生の就職活動は相変わらず厳しいようです。年末年始にかけてのニュースで会社説明会などの開始時期を、大学3年生の10月から12月に延ばそうというのがやってました。内定の解禁が(有名無実化してたとはいえ)4年生の10月だったおぢさん世代には隔世の感がありますが、昨年子供をやっとこさ大学に入学させたとこなのに、もう就活かよ~~
 ところで、世の中には学ばない、働かない人達もいるようで、今回ご紹介するのはそんな人たちを扱った”下流志向”であります。


Photo
写真は“藤崎学プロジェクト”のHPより。受験の縁起物”落ちないリンゴ”です。


【本】下流志向(内田 樹、講談社文庫)
 サブタイトルに”学ばない子どもたち 働かない若者たち”とあるように、なぜ若者たちが学習や労働から逃避するようになったかという分析の本。
【花】落ちないリンゴ
 1991年の台風19号により、青森では収穫直前のリンゴが樹から落ちてほぼ壊滅状態となりました。その中でわずかに落ちなかったリンゴを”落ちないリンゴ”として受験生の合格祈願の縁起物にと云うアイデアが全国的に評判になりました。
 (”有限会社 落ちないリンゴ”のHPはこちらから)


  ”先生、これは何の役にたつんですか?”

 最近では勉強をするのにこんな問いが小学生からあがってくるんだそうです。
 まあ、会社でも”この仕事に何の意味があるんだ??”ってなモノもあります。仕事の場合、何らかのシナリオなり文脈の中であればその必要性を説明できますが(*1)、小学生に言われてもねぇ。
 本書の中で、”そんな問いが子供の側からでてくるはずがない、ということが教育制度の前提になっている”と言ってますが、これは長い歴史の中で教育を受けることの権利闘争みたいな知識を知っていてこその話。今だったら、”東京大学の入学は人生のプラチナチケット(*2)”みたいな説明のほうが納得できるかも。実も蓋もないけど。
 筆者の内田氏は経済合理性的な説明には否定的な見解みたいですが、しょうがないんじゃないかなぁ。なぜなら、本書の論調が”教室は不快と教育サービスの等価交換”だから。もう少し詳しく書くと、

  ・子供たちが消費主体(教育の買い手)というポジションを無意識のうちに先取りしている
  ・50分間の授業を黙って聞くのは不快(支払うべき貨幣)
  ・用途や有用性が理解できない商品は存在しない(買う価値がない)
  ・よって、この商品(学習すること)が不快な思いをして受けることを納得するのに
   何の役にたつのかを聞くのは、消費者(学生)の権利であり義務

 ということです。

 さらに問題を複雑にしているのが、教育によって得られるメリットが保証されなくなってきていること。いわゆる”パイプラインの水漏れ(*3)”というやつです。本書で”勉強するといい学校に入れて、いい会社に入れて、高い給料が貰えて、いい結婚ができる”みたいなのが書いてありますが、そんな高度成長時代の価値観を一番信じていないのは、実は親の世代だったりします。

 で、労働になるともっとやっかい。自己の苦役と対価が釣り合わなければ(等価交換が成立しなければ)働かないといった選択肢が発生してしまう。いわゆるニート問題です。
 言っちゃナンですが、四半世紀以上サラリーマンやってますが、そんな割のいい仕事は数えるほどもありませんぜ! 
 ”ちょっと働くだけだけで、莫大な利益を出せる仕事があるけど、やる?”とか言われたら、はめられるんじゃないかと疑ってしまいます(単に素直じゃないだけかもしれませんが・・・)

 さらに、ニートは結婚するのも難しいでしょうし(*4)、そもそも引きこもってしまえば、出会いもない。

  時の過ぎゆくままに この身をまかせ、男と女が 漂いながら
  堕ちてゆくのも しあわせだよと、二人つめたい 体あわせる

 1975年のヒット曲、沢田研二の”時の過ぎゆくままに(*5)”の一節ですが、このころの若者は結婚しないまでも”同棲(*6)”するという選択肢もありました。この唄では、少なくとも体をあわせる相手がいますが、引きこもってしまえば出会いの機会すらない。親が亡くなった後、収入もなく、体を壊しても介護してくれる伴侶もいない状態になっちゃったらどうするんだろう? 
 本書では”時間的なスキャン能力”という言い方をしていますが、ぶっちゃけ想像力の問題。小学生でも”将来なりたいもの”と聞かれたら、野球選手なりサッカー選手なりお医者さんなり大工さんなり答えるんだから。
 10年後の自分を考えても自己責任でニートという人生を選ぶなら、それなりの覚悟で責任を持つべきだと思います(*7)。

 まあ、批判的な意見を書いているようですが、本書はけっこう納得する部分も多い本です。若い人は一度は読んどいても損はない本です。
 ただし、読むのは堕ちる前にですが
 リンゴだって、落ちなかったからこそ価値があったんだし・・・

《脚注》
(*1)何らかのシナリオなり文脈の中であれば~
 いや、ホントに何のためにやるのかわからんものもありますが・・・
(*2)東京大学の入学は人生のプラチナチケット
 ”ドラゴン桜”(三田 紀房 モーニングKC)で、桜木建二先生がこんな趣旨の話をしています。チケットを買うのは大変だか、手に入れれば人より素晴らしい人生が送れる(可能性が高くなる)といった意味です。
(*3)パイプラインの水漏れ
 ”希望格差社会”(山田昌弘、筑摩書房)より。
 かつては、高校、大学などの受験を経いろなレベルに振り分けられることで、人生の先行きが保証されていたのに対し、最近ではこの振り分けがうまく機能せずパイプラインから水が漏れるようにがんばっても途中で落っこちてしまうこと。
(*4)ニートは結婚するのも難しいでしょうし
 経済的な問題もありますが、”最小の努力で最大の効果”を是とする女性にとって、親が莫大な遺産を残しているのでもなければ、社会的なステータスも将来的な展望もない男をダンナにしたいと思わないんじゃないかなぁ。
(*5)時の過ぎゆくままに
 昭和のキムタク、沢田研二主演で、3億円強奪事件をモチーフにしたテレビドラマ”悪魔のようなあいつ”の主題歌。作詞 阿久悠、作曲 大野克夫。
 ちなみに、1975年は経済は世界同時不況泥沼のベトナム戦争(同年に終結)、環境汚染問題をテーマにした有吉佐和子の”複合汚染”がベストセラーになるなど、2010年を彷彿とさせる年でした。
(*6)同棲
 結婚していない男女が、一緒に暮らすこと。最近聞かないけど死語なのかなぁ。
 上村一夫原作のコミック”同棲時代”が由美かおる主演で映画化されたり、同棲する2人の生活を歌った”神田川”(南こうせつとかぐや姫)がヒットしたのは1973年のことです。
(*7)それなりの覚悟で責任を持つべき~
 本書の中で、”自己責任でニートになった人も社会が飢えさせない”ことを常識化することで社会的コストを最小化するという話が出ていますが、なんだかなぁ。
 言ってることはわからんでもないですが、それでもいいかと言われると・・・

ギー太を買うなら”10GIGA”へ!(けいおん!/JEUGIA三条本店)

 ども、カワイオルガン教室幼年科卒業のおぢさん、たいちろ~です。
 私自身は音楽は聴くほう(クラシック派)ですが、楽器のほうはいたって不調法です。が、奥様と娘は楽器を弾くのが好きなようで、ある日突然”アイリッシュハープが弾きたい!”と言い出しました。
 今でこそ、”借りぐらしのアリエッティ(*1)”の音楽で使われているのでご存じの方もいらっしゃるでしょうが、当時はほとんどマイナーな楽器でして、仙台には売っていないため、わざわざ銀座の十字屋とかまで買いに来ることに(*2)。
 ことほどさように、楽器を弾くにはまず楽器を買わないといけません。ということで、今回ご紹介するのは聖地巡礼シリーズ、”けいおん!”に登場する伝説の楽器店、”10GIGAを見に行く!”であります。


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 写真はたいちろ~さんの撮影。JEUGIAの外観とお店の中の様子です。


【本】 けいおん!(かきふらい 芳文社)
【DVD】 けいおん!(かきふらい 京都アニメーション)
 4人の女子高校生、平沢唯、田井中律、秋山澪、琴吹紬は廃部寸前の軽音楽部でガールズバンドを組んで活動するという4コママンガ。
 その筋では圧倒的な人気を誇る京都アニメーションでアニメ化。
 アニメ版第2話で唯ちゃんがキター(愛称 ギー太)を買いに行くエピソードに登場するのが”10GIGA”です。
【旅行】 JEUGIA三条本店
 ”JEUGIA”は京都市中京区に本店を持つ音楽教室、楽器、CD等を販売する会社。HPを見たところでは、上記の十字屋(JUJIYA)とは別法人のようです。
 ”10GIGA”のモデルになったのが三条本店


 さて、京都観光を兼ねまして10GIGAへの行き方なんぞを。
 (地図はJEUGIAのHPより)
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 遠くからいらっしゃる方のためにJR京都駅を起点とすると、まず地下鉄烏丸線(*3)で四条駅まで。そこから東の河原町方向に向かって四条通りの左側を歩くと寺町通りのアーケードがあります。ここで左側に曲がって上がっていきます(*4)。このアーケードは京都の伝統工芸品を扱う店から、ゲームセンターからと古いものと新しいものが混然と、でも違和感なくまじりあっているところです。だいたい5~600mぐらいですが、時間を感じさせない散策コース。ぶらぶら歩いても結構楽しい通りです。
 突き当りに大きな”かに道楽”の看板があるのでそこを東に入ると(右に曲がるってことです)、すぐ先に”JEUGIA三条本店”が!

 アニメを見た人ならすぐわかります。店の外観とか、ロゴマークとかはまったくそっくり。ドーム型のアーケードの屋根や、地面のタイルの雰囲気なんかまったり”けいおん!”の世界です。
 で、お店にはいるとギター売り場は地下なので、エスカレータで下へ。写真を見ていただくとわかりますが、スチールメッシュの壁にキターが並んでいるとこもそっくりです。天井がうちっぱなしになっていますが、ライトも明るくて、感じの良いお店。ちゃんと左利き用のギターも置いてましたし。

 カウンターの前にはマグカップやTシャツといった”けいおん!グッズ”が・・・
 よく見ると、天井や壁にけいおん!のポスターが張ってあったりとかもしてます。でも、まじめにギターを買いに来た人には”なぜ、こんなところに女子高生のアニメのポスターが?!”と思われるかもしれませんね。1階には”けいおん!”のCD/DVDの特設コーナーもありました。

 不思議だったのは、”ここが、けいおん!のモデルになったお店だ!!”みたいな宣伝がなかったこと。まあ、お店の雰囲気に合わないこともあるんでしょうが、これが大阪だったら絶対にやってるでしょうね。そのへんが京都人の奥ゆかしいところかもしれません。

 私は時間がなかったので、そのままひとつ手前の寺町通りを下って四条通りまで戻りましたが、このお店から少し上がると本能寺(*5)もあるので、”戦国BASARA”(*6)ファンにもそっちを巡礼するのもいいかも。
 まじめに観光するなら、ここから東に向かうと鴨川を渡れば川端通りから東大路通りにに出るので、平安神宮、知恩院、八坂神社などがあります。

 ところで、この春から下宿を始めた娘から”もう1台、アイリッシュハープを買って!”と言われてますが、うちにはもうお金がありません。琴吹紬さんのように、25万円のギターを5万円に値切れればいいんですけど、JEUGIAで・・・

《脚注》
(*1)借りぐらしのアリエッティ
 メアリー・ノートンのファンタジー小説『床下の小人たち』を原作とするスタジオジブリの映画。監督は米林宏昌。
 セシル・コルベルが主題歌「Arrietty's Song」で演奏しているのがアイリッシュハープです。
(*2)わざわざ銀座の十字屋とかまで買いに来ることに
 十字屋は銀座にあるハープとフルートの専門店。コンサートホールもあるとってもセレブな雰囲気のお店です。明治7年創業の聖書類輸入のお店だったとか(だから十字屋)。ちなみにこちらの綴りは”JUJIYA”です。
 こう書くと、とってもセレブなご家庭のように見えますが、ハープ1台でボーナスの半分以上が吹っ飛びました。その時買ったハープは奥様ブログに掲載されています。
(*3)地下鉄烏丸線
 ”烏丸”は”からすま”と読みます。関西在住以外の方には難読漢字(”とりまる”と間違える人が多いです)。
 四条は京都駅から2つめの駅になります。
(*4)上がっていきます
 京都独特の場所の表し方で北に向かうのが”上がる”、南に向かうのが”下がる”。東西は”東入る、西入る”。
 この前一緒だった地方出身者がタクシーで”四条通りまで行ってください”といったら、”四条のどこですか”と聞かれたそうですが、京都ではこれでは行きたいとこへつけません。
 京都は東西南北に走る通りでできているので”四条河原町西入る”というと四条通りと河原町通りの交差点を西にいったあたりということになります。
(*5)本能寺
 織田信長が明智光秀に襲撃された”本能寺の変”で有名。
 ただし、現在の本能寺は1587年に豊臣秀吉により移築されているので、本能寺の変当時は別の場所(中京区蛸薬師通小川通西南角)だったとのこと。
(*6)戦国BASARA
 カプコンのアクションゲーム、及びテレビアニメ。戦国エスパー大戦絵巻。
 長嶋茂雄のような英語まじりで話す伊達政宗とか、ドクトルGのようなヘンな発音でしゃべる織田信長が笑えます。

温泉三昧、読書三昧、だけどやっぱり”何もせんほうがええ”(ひとめあなたに/チャイニーズ・スープ/えんどうまめ)

  ども、余命あと一週間のおぢさん、たいちろ~です(たぶんウソだと思いますけど・・・)
 さて、今回のお題は”地球滅亡まであと1週間だと分かったら何をする?”ですが、あまりジタバタするのは趣味ではないので、のんびりしたいもんですなぁ。家族といっしょに露天風呂でも入りに行って、あとは読み残した本(膨大にありますが)でも読みながら、終焉の時を迎えるなんてのがオツなもんです
 そういえば、昔、同じお題に”「愛に時間を(*1)」をもういっぺん読み直す”と答えた友人がおりましたが、本読みとはこうありたいものです。
 まあ、どうしても何かやれと言われたら、高層ビルの上から人々を見下ろして”愚民どもよ、おのれの所業を恥じ、神の怒りの前に滅びるがよい!”なんて叫んでみるのも面白いかもね。
 というわけで、今回のお題の答えとしてはもはや古典とも言える新井素子の”ひとめあなたに”のご紹介であります。


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 写真はたいちろ~さんの撮影。えんどうまめの実とその花です。


【本】ひとめあなたに(新井素子 創元SF文庫)
 「一週間後に巨大な隕石が地球に隕石が激突する。地球そのものが消滅してしまう」。そのニュースを見た女子大生の圭子は、恋人・朗に会うために練馬から西鎌倉までの歩いていくことを決意する。その道すがらに見た人々の行動とは・・・
 双葉社版の裏表紙には”SF作家新井素子が、リリカルに謳う」とあるけどどっちかというとモダンホラーって感じがします。
【CD】チャイニーズ・スープ(荒井由実)
 ハモンドオルガンの音色が軽快なお料理ソング。ただ軽快な外見とは裏腹に中身はユーミン曰く、「女の持っている無意識な残酷性とか、ぬるい頽廃みたいなものが書きたかった」との事(wikipediaより)。
 荒井由実(ユーミン)の3枚目のオリジナルアルバム『COBALT HOUR』に収録。
【花】えんどうまめ
 煮物やサラダなどに使うエンドウマメですが、歴史は古く古代オリエント地方や地中海地方で栽培化されていたそうです。スーパーでは実しか見ませんが、けっこうかわいらしい紫色の花が咲きます。


 さて、”ひとめあなたに”ですが、あらすじは上記のとおりですが構成は連作集というべきもの。登場人物は日本人形みたいな新妻 由利子さん、おとなしくていい子の受験生 真理ちゃん、眠ることが大好きな小学生 智子ちゃん、学生結婚した女子大生 恭子さん。こう書くとまともな女性たちかと思われるでしょうが、実はみんな静かなる狂気をはらんだ人たちです。

 ネタバレになりますが、受験生の真理ちゃんはあと一週間で地球がなくなる=受験もななくなるというのに世界史の参考書を抱えて勉強するような子。妹が受験勉強で泳げなくなったことで”私の時間を返して!”と母親に喰ってかかるのとは対照的。別にパニックするのが正しいとは言いませんが、この静けさ、日常の延長のような淡々とした振る舞いは実際に見ると怖いでしょうねぇ

 ぬいぐるみのくじらを抱えて眠る智子ちゃん。つらい現実を否定して夢の中に生きる少女。小学生に”この世界は、全部、わたしの夢なんだもの。だって、こんなことが本当の世界の筈、ないじゃない。じゃ、お姉ちゃんの知っている現実が本当の現実だって証拠、ある?”なんて廬生(ろしゅ)や、荘周ばりの(*2)哲学的な命題を、しかも地球滅亡の時につきつけられるなんて、かなりシュールだと思います。

 学生結婚した恭子さん。夫を捨てて、昔の恋人の持つシェルターに行こうとする妻。その理由は”お腹の赤ちゃんを生き延びさせるため”。利己的とまでいえる赤ちゃんへの愛と叫びは狂気にまで昇華されているよう。

 そして極め付きは由利子さん。デコレーションケーキの生クリームを塗ったようなマンションに住む可憐な新妻。でも、この人は愛人の所に行こうとする夫を包丁で刺し殺して料理しちゃうんですね。

   莢が私の心なら、豆はわかれた男たち
   みんなこぼれて 鍋の底
   煮込んでしまえばみんな形もなくなる もうすぐ出来上がり

 荒井由美の”チャイニーズ・スープ(CHINESE SOUP)”です。明るいくテンポの良い曲ですが、この曲を口ずさみながら夫の肉を煮込んでいるシーンってかなり怖いですよ・・・

 今や、ライトノベルのご先祖様的な存在の新井素子ですが、こういった怖い話も平気で書いてるんですよね。どこが怖いかって言うと、極限状態になった人間がとる狂気や自暴自棄がある意味で共感できるのに対し、その狂気が日常生活となんら変わらないというところ。それは日常生活自体がすでに狂気であったのかもしれないからでしょうか。

 双葉社版の初版は1981年と30年近く昔の作品ですが、今でも入手可能。このお題を語るなら、ぜひ読んでほしい一冊です。

 ところで、表題の”何もせんほうがええ”は小松左京の”日本沈没(*3)”から。謎の黒幕、渡老人が”日本民族の将来”というレポートを丹波哲郎演じる総理大臣に手渡すシーンです。4つめの意見として挙げたもの。1億1千万の日本人が日本列島とともに沈んだほうが日本人にとって一番良いことだと。
 日本SF史上、有数の名シーンであります。


《脚注》
(*1)愛に時間を(ロバート・A・ハインライン ハヤカワ文庫)
 4000年以上の時を生き、死のほかはすべて体験した男、ラザルス・ロング。ひっそりと死を迎えようとしていた彼は子孫たちにひとつの要求をつきつけた。彼の波乱に満ちた人生でも、まだ体験していないことを捜せと・・・
 ハインラインのSF小説。まだ読んでないですが死ぬまでには読んでみたい本です。
(*2)廬生(ろしゅ)や、荘周ばりの
 廬生という若者が呂翁という道士に出会い、夢が叶うという不思議な枕を貰った。廬生は栄旺栄華を極め、幸福な生活を送っり多くの人々に惜しまれながら眠るように死んだ。ふと目覚めると、それはすべて夢で、まだ栗粥がまだできあがっていないほんのわずかの時間しかたっていなかった。(邯鄲の枕
 荘周は以前、夢の中で胡蝶となった。荘周であることは全く念頭になかった。荘周である私が夢の中で胡蝶となったのか、自分は実は胡蝶であって、いま夢を見て荘周となっているのか、いずれが本当か私にはわからない。(胡蝶の夢
(*3)日本沈没(小松左京 小学館文庫)
 地球物理学者である田所雄介博士は、地震の観測データから日本列島に異変が起きているのを直感し、一つの結論に達する。それは「日本列島は2年以内に陸地のほとんどが海面下に沈降する」というものだった・・・
 2006年に草彅剛と柴咲コウの主演でリメイクされましたが、お勧めは1973年版のほう。小林桂樹、丹波哲郎といったおじさんたちがいい味を出しています

勉強しようとすると、他のことをしたくなるのが人の常です(けいおん!/白バラ)

 ども、新人教育担当のおぢさん、たいちろ~です。
 先日、今年度入社新人との飲み会がありまして、カラオケの話になりました。
 で、お客さんとの接待で”アニソン縛り(*1)”をやったっとのこと。まあ、お客さんからのリクエストだったそうなのでいいですけど、時代だな~~~
 仲間内だと”ガンダム縛り”とか”エヴァ縛り”(*2)なんてのもあるそうです。
 今やオリコン上位の定番で、紅白歌合戦にアニメ枠があるご時世、ということで、今回ご紹介するのはガールズバンドの大ヒット漫画”けいおん!”であります。


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 写真は白バラ。フリー素材屋Hoshinoから。意外ですが白バラの写真をもってませんでした。


【本】 けいおん!(かきふらい 芳文社)
【DVD】 けいおん!(かきふらい 京都アニメーション)
 4人の女子高校生、平沢唯、田井中律、秋山澪、琴吹紬は廃部寸前の軽音楽部でガールズバンドを組んで活動するという4コママンガ。
 その筋では圧倒的な人気を誇る京都アニメーションでアニメ化。使われた音楽はCD総売り上げ100万枚、総ダウンロード数も100万を超えてるそうです。
 4巻にてめでたく全員ご卒業しました。
【花】 白バラ
 バラは色によって花言葉が違います。色だと、赤は”愛情、情熱”、黄色は”友情、可憐”、ピンクは”上品、気品”など。白いバラは”尊敬”の他に”無邪気”ってのもあります。


 しかし、女子高生バンドがエレキキター、エレキベース、キーボード、ドラムとは。おぢさん世代としては高校生ならフォーク&アコースティックギターが定番だったもんなぁ・・・ 憧れは白いギター(*4)だったし。
 軽音楽部もフォークソングがメインストリーム。エレキギターを弾くバンドもいたにはいましたが、レッド・ツェッペリンの”天国への階段”や、ディープ・パープルの”スモーク・オン・ザ・ウォーター”(*5)のコピーバンドのノリ。さすがに、うちの高校ではキッス(*7)のコピーをやろうなんて勇気のあるヤツはいませんでした。コスプレのネットショップなんかなかった時代、衣装が自作できなかっただだけかもしれませんが。

 

 ”けいおん!”に先駆けてエレキを弾いていたのは涼宮ハルヒ (*8)でしたが、やっぱりこの時も”最近の女子高生ってすごいな~”と思いました。おぢさん世代とは音楽センスが違うんでしょうねえ。iPodどころかウォークマンすら世の中に出る前でしたし。

 さて、話は戻って”けいおん!”ですが、最新刊の4巻ではあまり音楽してません。というのも、この話はまじめに進級させているのでここでは3年生。むしろ”3年生で引退せずに文化祭にでるんかい!?”と突っ込んでしまいそうです。
 エピソードの多くは受験にかかわることですが、勉強しようとするとかえって他のことをしたくなるのが人の常。唯と妹の憂の会話。

  憂:お姉ちゃーん、あれ、何やってるの?
  唯:あ、憂、ギー太(ギター)を押し入れにしまっているの
    受験が終わるまで、ちょっとの間、お別れだよ・・・
  憂:すごーい 決心したんだ
  唯:ちょっとの間・・ ちょっとの・・・・ 閉められない・・・
  憂:全然決心ついてない!

   そのあと、コーヒーを入れて唯の部屋に行くと、すでにギターを弾いている唯が・・・

 この気持ち、よくわかります。私も来週”ITパスポート試験(*8)”があるのにこうやってブログ書いてるし・・・

 いちおう花のブログでもありますので、ちょっとこっちの話題も。
 4巻のキャラクター紹介のページは登場人物が花を持ってますが、何の花でしょう?
平沢唯 :赤い実がなるのはけっこういっぱいあるけど、南天あたりかなあ
田井中律:ふわふわのタンポポの種
秋山澪 :”清純”が花言葉の胡蝶蘭(こちょうらん)
中野梓 :”完璧な魅力”が花言葉の白椿。(赤椿は”気取らない優美さ”です)
真鍋和 :花の形だけだとジャスミンっぽいんですが・・・
さわ子先生:白いバラ。先生の場合は”尊敬”っていうより”無邪気”だろうな
平沢憂 :白い花飾りというとクローバーだけど形が違うし、白い花は多すぎて。
     花言葉が”愛らしさ”のゆきやなぎなんて合いそうだけど。
意外とわからなかったのが琴吹紬と鈴木純。両方ともピンク色で特徴あるんだけど、なんだろうなぁ?
 だれかわかったら教えてください。

《脚注》
(*1)アニソン縛り
 歌う曲がアニメソング限定というカラオケ。ヤマトやマジンガーZあたりは定番ですが、あんましマイナーな曲を歌うと引かれます。たとえば、”三十路岬”とか。
(*2)”ガンダム縛り”とか”エヴァ縛り”
 機動戦士ガンダムとかエヴァンゲリオン曲限定のカラオケ。
 ちなみに私は”Fly Me to the Moon”が歌えます。”英語耳ドリル(*3)”で練習しました。
(*3)英語耳ドリル(松澤 喜好 アスキー・メディアワークス)
  英語の発音とリスニングを歌でマスターしようという英語の教材。TOEIC受ける時に勉強しましたが、この曲だけで挫折しました。
(*4)白いギター
 1970年代を代表するバラエティ”TVジョッキー”より。変わった技を披露する”奇人変人コンテスト”に出場すると貰える”白いギター”は若者の憧れでした。
 チェリッシュの”白いギター”とはまったく別物です。
(*5)ディープ・パープルの”スモーク・オン・ザ・ウォーター”
 エレキギターを買って”ジャ、ジャ、ジャ、ジャ、ジャジャジャン”をやらないヤツはいないとう名曲。まっ、はしかみたいなもンです。
 ちなみに、アコースティックギターでは”禁じられた遊び”でした。
(*6)キッス(KISS)
 デーモニッシュなメイクと衣装のヘヴィメタルバンド。相撲解説者、デーモン閣下
のご先祖様。”けいおん!”ではさわ子先生はこのバンドの子孫になります。
(*7)涼宮ハルヒ
 同じ京都アニメーション作製の”涼宮ハルヒの憂鬱”より。怪我などで演奏できなくなりそうなガールズバンドの代役として演奏するエピソード。別にバニーガールの格好に驚いたわけではありません
(*8)ITパスポート試験
 2009年から始まった情報処理技術者試験の一種。役員から”全員受験するように”というお達っしがあったんですが、なんでこの歳になって試験勉強なんか・・・

大人はさ、ずるいぐらいが丁度いいんだ、リメイクで稼ぐぐらいに(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破/スイカ)

 ども、昭和生まれのアニメファン、たいちろ~です。
 先日、”宇宙戦艦ヤマト 復活編”のネタを書いたところ、よくコメントをくれる
YO~YO~氏(50歳、独身)から
 ”実写版ヤマトだとか・実写版のあしたのジョーだとか、俺たちの子供時代・青春時代の思い出を弄繰り回すのはいいかげんにしてほしい!(中略) 平成のクリエイター達にお願いしたい。昭和のネタに頼らないで、オリジナルを作ってほしい。エヴァンゲリオンだって、よく見りゃ昭和の遺産の継ぎはぎだしね。”
 との書き込みがありました。
 まあ、ヤマトは大外ししてましたが・・・
 ということで今回ご紹介するのは、こりもせずリメイク版の第二弾”ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破”であります。

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写真は植物園のhpより。雌花の下にちいさなスイカの実が膨らみ始めています。


【DVD】ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(監督 庵野秀明、スイカ)
 平成初期を代表する「エヴァンゲリオン」シリーズの劇場版4部作の第2弾(*1)
 サブタイトルの”EVANGELION:2.22 YOU CAN (NOT) ADVANCE.”の”ADVANCE”は”進む、進歩する、上達する、向上する”といった意味。15年の時を越え、はたして、ヱヴァは進歩しているのか?
【花】スイカ(西瓜)
 ウリ科のつる性一年草。ウリ科の植物としては、キュウリ、カボチャなどがあって、みんな黄色い小さな花が咲くので、同じ仲間って感じがします。
 夏の風物詩のような食べ物ですが、スイカは秋の季語。

 リメイク版とはいえ、ストーリーや設定は半分がTV版のとおりで、半分がオリジナルというビミョ~~なバランス。まあ、独特の世界観を持つ作品なので、観てもらわないと判りにくいですが。

 新登場の”真希波・マリ・イラストリアス”を除いて登場人物はほとんど同じ。もっとも、ほとんどゲストキャラ並みの登場回数なのに、美味しいとこを全部持ってった渚カヲル君が最初っから出てるとか、ナニげに学園エヴァの影響を受けている綾波レイとかそれなりに新機軸も。
 敵キャラの使徒もオリジナルがわかる造詣ながら、CGを上手く使って”わけのわかんらん生物”度合がけっこうUPしていますし、ミサトさんの戦法もほぼ前作どおりながら演出も格段に向上しています。

 ところでこの作品、新しさと前作からの懐かしさがないまぜになっていますが、面白いのは挿入歌の使い方。何でだか昭和の歌謡曲を多用しています。

  アスカとの戦い  :今日の日はさようなら(森山良子 昭和41年)
  綾波の救出    :翼をください(赤い鳥 昭和45年)
  真希波の出撃シーン:365歩のマーチ(水前寺清子 昭和43年)
  居酒屋のBGM  :恋の季節(ピンキーとキラーズ 昭和43年)

 綾波の救出シーンで翼を広げるヱヴァ初号機のバックに流れる”翼をください”なんて、”70年代フォークをこんな使い方があるんだ”って関心した次第。総監督の庵野秀明は1960年生まれ、私とひとつ違いと同じジェネーションなので音楽の原体験が良く似ているのでよけいにそう思うのかもしれません。

 さて今回、美味しいとこ持ってってるのが加持さん(*2)。NERV主席監察官という立場にありながら、赤木博士を口説くは、そのくせミサトさんとデートはしているは、シンジくんをかどわかすわ、缶コーヒー一本で草むしりでこき使うわ・・・

 小高い海辺の畑での加持さんとシンジ君のシーン

  シンジ君:加持さんって、もっと真面目な人だと思ってました
  加持さん:大人はさ、ずるいぐらいがちょうどいい
  シンジ君:これ、確かスイカですよね
  加持さん:ああ、かわいいだろ オレの趣味さ
        何かを作る、何かを育てるってのはイイぞ
        いろんなことが見えるし、わかってくる。
        楽しいいことかな

  シンジ君:つらいこともでしょ

 登場人物が多いわりには大人っぽいキャラが少ないエヴァですが(*3)、不良中年にしてガーデニングをする加持さんて、おぢさんとはこうありたいものです。
 私自身も家庭菜園をやっていますが、人に理由を聞かれたらこう答えましょう!

 ”ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破”は、アニメファンとそうでない人にもおすすめ。前作を見ていない人にも楽しめますが、できたら前作も見ておいてソンのないできばえです。
 リメイクというよりパラレルワールドものになりそうな予感。
 最後のシーンでカヲル君(*4)が一面識もないシンジ君に対するモノローグで

  カヲル君:さあ約束の時だ、碇シンジ君
        今度こそ君だけは幸せにみせるよ

 と言ってるし。次回作”ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q”で美味しいとこ持ってくのはこいつか???

《脚注》
(*1)平成初期を代表する「エヴァンゲリオン」
 エヴァの初回放送は1995年~1996年。さすがに会社員になってましたので、水曜18時半からの本放送は見てませんが、VHS(!)になってから全部借りました。
(*2)加持さん
 CVは山寺宏一。宇宙戦艦ヤマト 復活篇の”古代進艦長”もこの人だったなぁ。
 どっちかというと、熱血漢の古代艦長より、くだけた加持さんのほうが雰囲気が合ってる気がします。
(*3)大人っぽいキャラが少ないエヴァですが
 碇指令はガンコオヤジだし、冬月先生はおじいちゃんだし、ミサトさんはガキっぽいし、NEVAのスタッフは大人というより青年だし。
 まあ、大人っぽいのは加持さんをいなして見せた赤木博士ぐらいでしょうか。
(*4)カヲル君
 こやつは前作でも、自分だけがすべてを理解して謎めいたセリフをはいて、な~んの説明もなくいなくなっちゃった人です。

本ヲタの本ヲタによる本ヲタのためのCDです!(今日の早川さん ドラマCD/ローズマリー)

 ども、”私はオタクではない、愛書狂だ!”と主張するおぢさん、たいちろ~です。
 趣味の欄に”読書”と書く人は多いくせに、ちょと度が過ぎるととたんに非難されるのが”本”。リミッターのない本読みってのは、所かまわず本を積み出すわ、マニアックな知識(だけ)には詳しいわ、空気は読めないわ・・・
 そんな本の読み手の生態を赤裸々に描いたのが今回ご紹介するこのCD、"読み聞かせ版 今日の早川さん”です。


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 写真はたいちろ~さんの撮影。近所のローズマリーです


【CD】今日の早川さん ドラマCD
 SFオタクの早川さん、ホラーマニアの帆掛さん、純文学読みの岩波さん、ラノベ好きの延流ちゃん、希覯本(きこうぼん)収集家の国生さん、本をこよなく愛するお嬢さんたちを描いた4コママンガ”今日の早川さん”のドラマCD版。
 このCDを聞いて納得してしまう人は間違いなく本ヲタです。
【花】ローズマリー
 CDの中で妊娠中の岩波さんに”ローズマリーの赤ちゃん”を読ませるというエピソードがありますが、これはアイラ・レヴィンの小説とこれを原作としたホラー映画。実際のローズマリーはハーブとしても使われる香りの良い木です。


 このCDは,本ヲタの本ヲタによる本ヲタのためのもの。本ヲタ界のゲティスバーグ演説、”CD of the otaku,by the okaku,for the otaku”であります。

 まずは、キャスト。
早川 量子(はやかわ りょうこ)〕
 ガンダム始め、オタクネタ満載の”ケロロ軍曹”で二重人格的お嬢さんの西澤桃華を演じた池澤春菜さん。
帆掛 舟(ほかけ ふね)〕
  ”これが私の御主人様”でメイド沢渡いずみを演じた浅野真澄さん。だから予田さんちのメイドさん?!
岩波 文子(いわなみ ふみこ)〕
 ライトノベルのベストセラー”灼眼のシャナ”のアニメ版より、“逆理の裁者”ベルペオル様を演じた大原さやかさん。タカビーです。
富士見 延流(ふじみ のべる)〕
 こちらも”ケロロ軍曹”より、くの一小雪さん役の広橋涼さん。
国生 寛子(こくしょう ひろこ)〕
  ”図書館戦争”アニメ版でクール&ビューティな柴崎 麻子を演じた沢城みゆきさん。
 ちなみにこの人は有川浩に”シアター!”を書くきっかけを与えた人です。
本の神様、ティンダロス
 涼宮ハルヒ泉こなたを担当する説明不要のアイドル声優、平野綾さん。

 このあたりまではありがちですが、けっこうすごいのがBGM。”銀河英雄伝説”ばりにBGMがクラシック曲ですが、ダブルミーイングにもなっています。

〔オープニング〕
 リヒャルト・シュトラウス 《ツァラトゥストラはかく語りき》
 いわずと知れた”2001年宇宙の旅”より人類進化の曙を象徴するオープニング。
〔早川さん、帆掛さん、岩波さんの思い出したくない過去〕
 ヨハン・シュトラウス2世 《美しく青きドナウ》
 こちらも、”2001年宇宙の旅”より。宇宙船と宇宙ステーションのドッキングシークエンスのBGM。
〔延流ちゃんのアルバイト〕
 ムソルグスキー(リムスキー=コルサコフ編曲) 《禿山の一夜》
 ディズニーの”ファンタジア”より。1940年と第二次世界大戦の最中の封切りですが、戦争中にこのクオリティの作品を作れるような国と戦争するのは間違いとしみじみ感じてしまいます。
〔帆掛さんと予田さん、帆掛さんと早川さんの出会い〕
 ベートーヴェン 《交響曲第9番 合唱付き》
 年末の風物詩の”合唱付き”ですが、エヴァンゲリオンでシンジ君とカヲル君の出会いのシーンの曲でもあります。

〔早川さんと帆掛さんの幼年期の黒歴史〕
 ベートーヴェン 《交響曲第5番 ”運命”》
 国産アニメ第一号”鉄腕アトム”より、アトムの誕生シーンに流れるのがこの曲。三つ子の魂百までというか、成長しないアトムって大人になれない二人と一脈通じるところがあるのかも。
〔早川さんが事故にあって意識が戻らない〕
 ドニゼッティ 《愛の妙薬》
 ”ジャイアント・ロボ The Animation 地球が静止する日”より、バシュタールの惨劇の回想シーンでかかるテーマです。

 そのほかにも岩波さんの結婚式ではエルガーの”威風堂々”、ハヤカワオンライン通販はロッシーニの”ウイリアム・テル序曲”、魔道書ネクロノミコンではバッハの”トッカータとフーガ ニ短調”、予田さんにティンダロスを紹介するのはサティの”ジムノペティ”、帆掛さんとティンダロスの掛け合いはシューマンの”子供の情景”より”トロイメライ”、ティンダロスとの別れにはショパンの”別れの曲”などなど(わからんのもいくつかありました)。

 きっと元ネタがあるんでしょうが、さすがに全部は・・・
 でも、クラシックファンには”なぜこの曲がここで?”と思うんでしょうねぇ

 ところで、私のブログを見られたことがある方なら、延々下のほうにある《脚注》が、今回ないことにお気づきでしょうか?
 これらの話題で《脚注》がないとわからない人には向かない、そんなたぐいのCD。でも、わかる人にはたまらんCDでもあります。

 ”今日の早川さん 3”は次回に続きます。

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