文化・芸術

生首に関する、とあるミステリーでの考察について(数奇にして模型/生首)

 神奈川県座間市の某殺人事件に触発されてってわけではないんですが、先日読んだ、森博嗣の”数奇にして模型(森博嗣、講談社文庫)”というミステリーに、首の切断に関する考察めいた話が出ています。あらすじをいうと

  模型交換会の会場で首が切断されて持ち去られたモデル女性の死体が発見される
  殺された部屋は密室で、中には大学院生”寺林高司”が昏倒して倒れていた
  時を同じくしてM工業大学の密室では女子大生の死体が発見された
  この事件の容疑者として”寺林高司”の名前が挙がる
  不可能犯罪に見えるこの事件にN大学助教授”犀川創平”と女子大生”西之園萌絵”が挑む・・

といった内容。
 本書の中でキーになっている一つが”何故、首が切断されて持ち去られたのか”という謎。本書の中での考察

〔被害者の身元を分からなくするため〕
 ミステリーの常道ですが、本書の中では否定的。指紋やDNA鑑定があたりまえの昨今。そんなに時間稼ぎにはなんないんではないかと。座間市の某殺人事件でも事件発覚から10日そこそこで警察が特定したと発表してるんで確かに効果は限定的かも。裏付け捜査もやってるはずなので、実際はもっと早くから分かっていたんでしょうし

〔子供と同じ〕
 ”首が欲しかったんでしょう”、”ただ単に首を切り離したかっただけ”という意見。前者については”興味はありますし、やってみたいと思うこともありますね”、後者については”子供が人形の首を引きちぎるのと同じなんじゃないの? 残虐な行為にそもそも理由なんてないと思うな”とも。わからん理屈でもないですが、警察はこれでは納得してくれんでしょうな

〔殺したいほど憎いから〕
 殺したいほど憎いなら顔だって嫌いなはず、そんな人の首を欲しがる感情が生まれるか? ということで、これは否定。理系らしい犀川創平の考察

〔好きでしかたがないから〕
 私は好きだけど、相手からは嫌われている。嫌われることは許せない。殺してしまえば嫌われることもない。抜け殻になった人形としての相手を自分のものとして所有したい、という心理。犀川創平の疑問は”そのあと、どうするのだろう?” そもそも相手が歳をとってしまう前に現状維持で保存したいのなら、ドライフラワーみたいなものだと。
 これに比較的近いのは、オスカー・ワイルドの”サロメ”でしょうか。王女”サロメ”は踊りの礼として王に自分の愛を拒絶した”預言者ヨカナーン(洗礼者ヨハネ)”の首を所望し、その生首に口づけするという物語です。

  写真はビアズリーによる”サロメ”のイラスト
  おそらく世界で最も有名な”生首”の絵ではないかと

Photo

〔首を切る行為が必要だった〕
 視点を変えて、首が必要だったのではなく”首を切る”という行為のほうに意味かある場合。さらに”首を持ち去る行為”の理由が必要だとも。

 本書の考察以外にも

・殺害の証拠にするもの
 いわゆる”首実検”。戦国時代などで、部下が敵方の首級の身元を大将が判定し論功行賞を決定するために行われたもの。体ごと持って帰るのがたいへだから首だけ。写真も冷蔵車もない時代ですし

・杯の材料
 いわゆる”髑髏杯”。織田信長が、浅井久政らの髑髏に漆を塗って作成したものが有名。はっきり言って悪趣味だと思います。

などでしょうか・・・

 さて、本書での犯人の動機はというと・・・
 それは本書を読んでいただくということで

 別に某事件の犯人の動機がどうしたこうした言うつもりはないんですが、たまたま某事件と本書を読んだのがあまりにもタイミングが合ってたんで書いてみました。ビブリオマニアの業とでもいいましょうか。申し訳ない。

 文末になりますが、被害にあわれた方のご冥福を謹んで祈りします

P.S.
 本書のもう一つのテーマは”型(かた)”と”形(かたち)”。模型は”型”で人形は”形”。

  それも我々の型にはめようとすると理解できない事象だった
  自分で作った”形”でも次の瞬間には壊そうとしている

 ということで、今回はいつもの型と形を変えて書いてみました。どうでしょう

この世界は精巧で美しすぎるんだ。何を撮ったって正解にきまっている(東京シャッターガール/手塚治虫記念館)

 ども、小学校の時には写真部だったおぢさん、たいちろ~です。
 というわけでもないんですが、高校時代に写真部の先輩や同期の知り合いがけっこういます。まあ、写真部というより光画部(*1)といったメンツでしたが・・
 私自身もけっこう写真を撮るほうですが、どっちかつ~とブログのネタ用。このブログ自身が本やDVDにからんで花とか風景とかを掲っけてるんですが、文書が主で写真が従って感じなんで。お世辞にも真面目に写真に向き合ってる人とは言えんでしょうが・・
 芸術だろうがブログのネタだろうが綺麗に撮れるにこしたことはないし、人の心の琴線に触れるものであればなおのこと。でもまあ、どんな写真であっても、写真への人の接し方は人それぞれあってもいいんじゃないかと思いますけど、どうでしょうね。
 ということで、今回ご紹介するのはそんな写真が好きな高校生を主人公とした漫画”東京シャッターガール”であります。

写真はたいちろ~さんの撮影。宝塚市の”手塚治虫記念館”です
手前は歩さんも撮影していた”火の鳥”のモニュメント

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【本】東京シャッターガール(桐木憲一、日本文芸社)
 写真部に所属する女子高生”夢路歩(ゆめじ・あゆみ)”。趣味は街の風景やそこにクラス人々や動物を撮影する”街撮り”。同じクラブには”撮り鉄”の玉城(たまき)君やデジカメ派の河合美佳子さん、幽霊部員ながら写真誌投稿の常連と自由奔放な春名窓花さんたち。今日もカメラを片手に街を散策しながら写真に残していきます・・・
【旅行】手塚治虫記念館
 兵庫県宝塚市で約20年間を過ごした手塚治虫のマンガやアニメなどを展示したミュージアム。JR宝塚駅から徒歩8分。なぜ”東京シャッターガール”なのに宝塚かというと、写真部の合宿が宝塚で歩さんと玉城君が訪れているからてのと、作者の桐木憲一氏が手塚治虫先生の長女、手塚るみ子さんとつい先日ご結婚されたので。おめでとうございます


 本書は前々から一度読もうと思ってたんですがamazonのキャンペーンやってたのでイッキ読みしました、いや~名作でしたね。ストーリーもそうですが、作風はどっちかというと静的というか写真的というか。マイブームだった”平凡&陳淑芬(*2)”の画集を思い出しちゃいました。

 さて、写真への向き合い方ってそれぞれですが、本書の人たちの例だとこんな感じでしょうか。

〔出会いや想い出、驚きを記録したい人〕
 誰でも目の前に流れる風景や人々に何がしか感じる一瞬ってのはあろうかと。それを記録にとどめたいと思うってのは写真を撮りたい動機の一つではないでしょうか。歩さんってそんな感じの人でしょうかね。綺麗に撮りたいとか、珍しいものを撮りたいっていうより、そこにある心象風景を正直に撮りたいってことかな。気負いがない分だけ写真を撮ることそのものを楽しんでいるんじゃないかと

〔チョロスナの人〕
 おもいっきし肩の力の抜けているのがチョロスナの人。”チョロスナ”ってのは
宝塚の合宿の時に心斎橋であった撮影研究部の川西君から窓花さんが教わった言葉で”チョロっと撮ったスナップ写真”の事。まあ、カメラはクラブの備品でしかもデコレーションしちゃってる自由な人ですが、写真という点では実はこの人が一番評価が高いんでいかな。写真投稿の常連で、写真甲子園ので優勝するうるま高校の与那原さんから”凄く期待してる”って言われたり。

〔勝負写真の人〕
 チョロスナと対極をなすのが上記のうるま高校の与那原さん。大会に向けて”勝つための写真の撮影”の仕方を先生が指導してくれているんだそうです。常連校の宿命なんでしょうが、技術の向上を勝負の文脈で考えるのってなんだかな~。歩さんは”写真で勝負する”ってことがこの大会で少し分かったといった話をしていますが、歩さんにはあんまし似合わないんでないかと・・・

〔ネットへアップする人〕
 本書は2010年頃からの不定期連載ですから、デジカメやスマホで写真を撮るってのはもう普通だったんじゃないかな? で、写真部はというとさすがに銀塩アナログ派とデジカメ派が半々。この中でも進歩派なのが美佳子さん。バレンタインチョコを撮った写真をネットにさっさと上げるとこなんか、FaceBookやインスタグラムの先駆者(*3)ってとこでしょうか。今はこっちが主流派なのかな

 ”ネットへアップする人”で、ちょっと気になっているのが昨今のインスタグラムを中心とした写真ブーム。2017年度の”ユーキャン新語・流行語大賞”の有力候補に”インスタ映え”が入ってるぐらい盛り上がってます。ただニュースとかで”ここはインスタ映えする若者の人気スポット”とか紹介されるとなんだかな~と思っちゃうのはおぢさんだからですかねぇ。綺麗な写真をみんなに見てもらいたいとか、”いいね”で賛同を得たいという気持ちはOKなんですが、そのために”インスタ映え”を求めて回るのってなんだか写真の楽しみとはちょっと違うんじゃないかな?っと、ちょっと心配。単なるおぢさんのぼやきです、すいません

 思うところ、歩さんのつぶやいた

  時々考えるんだ いい写真ってなんなのかなって

に対する玉城君のお返事

  うーん・・
  答えなんかないんじゃないか?
  俺はこう考えてるよ カメラは「神の目」だってね
  空の色 木々のざわめき 渡り鳥の群れ 街行く人々の表情・・
  どこをどんなに切り取ったって そこには必ず光に映し出された生命の影がある
  アニミズムの精神に近いのかもしれないよ
  神様が七日間で創造したかどうかはわからないけど
  それにしてもこの世界は精巧で美しすぎるんだ
  何を撮ったって正解にきまっている

なかなかの名言だと思います

 本書は予想以上に面白かったです。東京都内の近場が中心の街撮りですんで、近郊の人なら休みの日にカメラでもスマホでも持ってお出かけしようかって気にさせてくれる本
 また、インスタグラムにちょっと疲れた人が休憩して飲む清涼剤にもなるかもです。ご一読の程を

《脚注》
(*1)光画部
 ”究極超人あ~る”(ゆうきまさみ、小学館)の主人公達が所属する高校のクラブ。一般的に言う写真部ですが、個性的なメンバー(+OB)ぞろいのクラブです。
 2017年10月に発売された”アニメと鉄道(旅と鉄道2017年増刊12月号”に飯田線の撮影旅行という本作のOVAが特集されていて、ちょっと驚きました。
(*2)平凡&陳淑芬(ピンファン&チェン・シュウフェン)
 台湾のイラストレーターのご夫婦。一時期はまって画集集めてましたねぇ。今はほとんど絶版ですが2012年出版の”ヒヤシンス”はまだ入手可能なようなので、今度読んでみよう。
(*3)インスタグラムの先駆者
 インスタグラムの登場が2010年10月なのでまさにこの頃。2017年4月には7億人を突破したそうです(公式HPより)

”夜は若く、彼も若かった” やっぱりミステリには名言が良く似合う(ミステリ国の人々/パイプ)

 ども、けっこうミステリなんかも読んでるおぢさん、たいちろ~です。
 最近だと本格モノの”S&Mシリーズ”、不思議なものなどない”百鬼夜行シリーズ”、科学調査の”リンカーン・ライムシリーズ”、アニメではまった”櫻子さんシリーズ”、読書好き垂涎の”ビブリア古書堂シリーズ”、学園ミステリの”古典部シリーズ”や”鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ”などなど。昔は”刑事コロンボシリーズ”、”館シリーズ”なんぞもはまりました~~(1)
 人の死なないミステリも好きですが、やはりミステリといえば殺人事件(できれば連続!) 1841年、エドガー・アラン・ポーによる”モルグ街の殺人”から始まったミステリ

  

殺しも殺したり176年分かぁ~。ナンマンダブ、ナンマンダブ(*2)

 ということで、今回ご紹介するのはそんなミステリの登場人物を扱った本”ミステリ国の人々”であります


写真はたいちろ~さんの撮影。パイプ屋さんで売ってたパイプです

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【本】ミステリ国の人々(有栖川有栖、日本経済新聞出版社)
 日経新聞の読書欄で52回に渡って連載された、ミステリ小説に登場する名探偵や犯人などなどを紹介したエッセイ集。いや~、政治経済中心の日経読書欄でこんなくだけた企画をやってくれるとはと最初はちょっと驚きました
【道具】パイプ
 タバコを吸うための道具。シャーロック・ホームズのトレードマークでもありますが、これは寡黙で考え込んでるイメージがあるからでしょうか?
 以前パイプを吸ってたことがありますが、パイプってのは紙巻タバコと違ってうまく吸い続けないと火が消えるんですな。で咥え続けることになりますが、これだと喋ってらんないから勢い寡黙になります
 まあ、ヘビースモーカーの探偵ってのはいますが、これからはIC○Sに移行すんですかねぇ・・・


 本書に掲載されているミステリ国の人々を分類すると

  探偵(謎を解く/事件を解決する側の人)      :29名/組(51%)
  犯人(犯罪を起こす/謎を提示する側の人)     :15名/組(26%)
  相棒(探偵の話相手、間違った推理をする盛り上げ役): 6名/組(11%)
  被害者(犯行などの犠牲になる人)         : 4名/組( 7%)
  その他(証言者、立ち位置不明など         : 3名/組( 5%)

   ※組は複数人で1カテゴリのもの(黒後家蜘蛛の会など)

 出典を読んでないのも多いので本書の紹介の印象で分けました。一人の人物が複数に入る場合があったり(アルセーヌ・ルパンなど)と分けるとなるとけっこうめんどう。すいません、ヒマなんです。

 連載時は気づきませんでしたが、ミステリ国の人々ってライバルや脇を固める人も魅力的な人が多いんですなぁ。確かに底の浅い犯罪やトリックしか仕掛けられない犯人しかいなかったら名探偵が名探偵たりえないし、謎の解けない探偵だったら犯人はんばりがいなさそうだし。何でもひとりで解決しているようなハードボイルドな探偵でも協力者(しかも美人!)がいたりするし。ミステリって意外と群像劇なんだな~とか妙に納得しちゃいました

 で、本書から気にいったネタを

〔ミステリの推理は人間心理をふまえた「もっともらしさ」が重要〕
 まずは、名探偵の代名詞たるシャーロック・ホームズ。不思議な謎を鮮やかに解く推理力の人ですが、有栖川が小学生の時にすら”そんなふうに言い切れるものだろうか?”とのツッコミ。ホームズに限らず、偶然に頼っているとか、分・秒単位での正確さがないと成り立たないとか(電車が遅延したらどうなんねん、時刻表トリックみたいな)、ホントにそれが可能?ってトリックもありますが、それはそれで読んで面白ければOK!

  レトリックで言いくるめられる快感にひたればばよい

 至言です

〔男たるもの、一度は雇ってみたい有能な”執事”〕
 優秀で博識で万能に近く主人に忠実な執事のジーヴス。”ジーヴスの事件簿”に登場。すいません。本書を読むまで知りませんでした。ジーヴスの主人が爵位継承をまっている頼りない青年、バーティ・ウースター。ウースターが困った時にジーヴスに泣きついて解決してもらうという話だそうです。のび太君とドラえもんか、君たちは?!
 しかしまあ、有能な執事ってのは男のロマンですな。これが”秘書”となると会社の雇用ですが、”執事”は完全に個人契約。優秀な男が忠実に仕えてくれるってシチュは憧れです。まあ、同じ有能でも”影山(*3)”ではナンですが・・・

〔ミステリには名言が良く似合う〕
 本書の表題では登場ませんが(リュウ・アーチャーの欄でちょっと言及)な”フィリップ・マーロウ”なんぞ渋い名言で有名”男はタフでなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない(*4)”のあれです。ことほど左様にミステリには名言が良く似合います。本書でのMyNo.1はウィリアム・シュタイリシュの”幻の女”から

  The night was young,and so was he.
  But the night was sweet,and he was sour.
  夜は若く、彼も若かった。が、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。

 いや~、このセリフだけでこの本読んでみようって気になります

〔名探偵はパイプのけむり?〕
 さて、この本の著者は有栖川有栖ですが、もう一人重要な著者が大路浩美表紙、イラストを担当された人です。しかしまあ、こんだけ広範囲なミステリの本を扱っていて、有栖川有栖は少なくとも過去に読んだことある本に追随してたぶん読まれて、しかもそれをイラストにするって相当大変だったんじゃないかと思います。
 名探偵や怪盗、名作なんてなそれぞれ読者がイメージしているアイコンってのがありそう。ホームズならパイプ、ルパンならシルクハットにモノクルハードボイルド(リュウ・アーチャー)だったら拳銃など。作品自体もその作品を代表するビジュアルってのがありそうで”鋼鉄都市”なら脳に電子基板の組み合わせ”太陽がいっぱい”ならヨットとかそれらを組み合わせて描かれる、往年の真鍋博を彷彿とさせるクールなイラストがベストマッチンング。
 Amazonとかでは表紙イラストの人の名前が掲載されないんですが、ぜひこの人の名前も載せて欲しいものです

 本書は、連載終了していますが、ぜひ続編をやって欲しい! 前回は物故されたかた限定で選んだそうですが、次回はぜひご存命の方を含めて長期連載を日経新聞社にお願いするものであります

《脚注》
(*1)最近だと本格モノの”S&Mシリーズ”~
S&Mシリーズ(森博嗣)
 大学助教授の”犀川創平”と学生の”西之園萌絵”による理系ミステリ
百鬼夜行シリーズ(京極夏彦)
 古本屋主人にて憑物落としの”中禅寺秋彦”による妖怪系ミステリ
リンカーン・ライムシリーズ(ジェフリー・ディーヴァー)
 科学捜査のスペシャリストで四肢麻痺の”リンカーン・ライム”による安楽椅子探偵ミステリ
櫻子さんシリーズ(太田紫織)
 標本士にして骨大好きな美女”九条櫻子”によるボーンコレクター系ミステリ
ビブリア古書堂シリーズ(三上延)
 美貌の古本屋店主”篠川栞子”によるマニアック古書系ミステリ
古典部シリーズ(米澤穂信)
 省エネ高校生”折木奉太郎”と「わたし、気になります」の”千反田える”による学園ミステリ
鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ(東川篤哉)
刑事コロンボシリーズ(作成 NBC、ABC、出演者 ピーター・フォーク)
 ロサンジェルス市警察殺人課で「うちのカミさんがね」なコロンボ警部による倒叙ミステリ
館シリーズ(綾辻行人)
 建築家”中村青司”が設計した奇妙な”館”で起こる殺人事件を扱う密室系ミステリ
(*2)殺しも殺したり176年分かぁ~
 元ネタは”ルパン三世 カリオストロの城”(監督 宮崎駿、製作 東京ムービー新社)です。
(*3)影山
 ”謎解きはディナーのあとで”(東川篤哉)に登場する執事。警視庁国立署の新米刑事にして世界的な企業グループ総帥の一人娘というお嬢様”宝生麗子”の話を聞くだけで犯人を言い当てるという安楽椅子探偵。推理の前に主人公。推理の前のお嬢様を慇懃無礼な罵詈雑言で罵倒するセリフが魅力のS気質の人です。
(*4)男はタフでなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない
 レイモンド・チャンドラーの”プレイバック”に登場する私立探偵フィリップ・マーロウのセリフ。正式には
 If I wasn't hard, I wouldn't be alive.
 If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.
  しっかりしていなかったら、生きていられない。
  やさしくなれなかったら、生きている資格がない
 (清水俊二訳)
これを高倉健主演の角川映画”野性の証明”のキャッチコピーに流用したのが上記です
(*5)真鍋博
 戦後を代表するイラストレーターの一人。日本SF作家クラブ会員
 新潮文庫版の星新一のショートショートの表紙なんかはまだ使われているようです

ネットは広大かもしれませんが、リアルだってそこそこ多様なんですよ(ゼロ年代の想像力/涼宮ハルヒの憂鬱/阪急電鉄)

 ども、新人類世代というよりオタク第一世代かな~のおぢさん、たいちろ~です。
 今となっては説明が必要そうな”新人類世代”。1980年代半ばの流行語で(1986年の流行語大賞受賞)、”従来とは異なった感性や価値観、行動規範を持っている若者”のこと。言いだしっぺは”栗本慎一郎(*1)”だそうですが、当事者的には”ニュータイプ(*2)”の和訳ってノリでしたけど。
 個人的には”新人類世代”ってもうちっと下の世代の感じがしてまして、ジャストミート感があるのは、どっちかつ~と庵野秀明とかに代表される今のアニメ・特撮あたりの中核を担っている”オタク第一世代”ってとこでしょうか(*3)。
 なんでこういう書き出しをしてるかっていうと、先日読んだ”伊藤計劃(*4)”の紹介に”ゼロ年代”うんぬんのキャッチコピーが入ってまして、どういうもんでしょか、これ?と思った次第で。
 ということで、今回ご紹介するのはそんなゼロ年代に関する評論の本”ゼロ年代の想像力”であります。


写真はたいちろ~さん撮影。阪急の電車です。

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【本】ゼロ年代の想像力(宇野常寛、ハヤカワ文庫)
 ”大きな物語”が失われた時代の変遷と新たな物語を、文学、アニメ、テレビドラマなどのサブカルチャーの事例を引きながら批評した宇野常寛による新しいタイプの評論集。2008年出版の単行本に加え11年のインタビューを加えた文庫版で読みました。
【本】涼宮ハルヒの憂鬱(谷川流、角川書店)
 ”ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい”。入学早々、こんな自己紹介をした”涼宮ハルヒ”。彼女は”SOS団(世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団)”を結成し、キョン、古泉君、長門さん、朝日奈さんといったメンバーを集める。彼らは実は超能力者、宇宙人、未来人ですが、彼女自体はまったく知らない。そして彼女自体は無自覚ながら神にも匹敵する存在。このどたばたに巻き込まれた一般人のキョンは・・・
【旅行】阪急電鉄
 関西にある私鉄。大阪、京都、神戸という3大都市圏を結び、宝塚や箕面、北千里などの郊外にもつながっています。上記の”涼宮ハルヒの憂鬱”の舞台のモデルになった西宮周辺もこの沿線。関西にご旅行の際はぜひご利用ください


 宇野常寛は”リトル・ピープルの時代(*5)”に続いて2冊目。書かれたのは”ゼロ年代の想像力”のが先になります。450ページを超える評論集なので要約は難しいんですが、思いっきりまとめるとこんな感じ。

 1970年代以降、歴史や国家といった「大きな物語」が有効だった時代が崩壊し(*6)、”不自由だが暖かい(わかりやすい)社会”から、”自由だが冷たい(わかりにくい)社会”へ移行する。経済的にも”がんばれば、豊かになれる世の中”から”がんばっても、豊かになれない世の中”へ。特に1995年前後に大きく変化する。その中身は

 ・「大きな物語」に根拠づけられない(究極的には無根拠である)「小さな物語」を
  中心的な価値として自己責任で選択していくしかない時代
 ・データベースからから欲望する記号を読み込み、信じたい物語を信じる
  (データベース消費モデル)

という感じ。(あんまりうまくできてなくてすいません)
 話がやっかいなのが、この”信じたい物語を信じる”ってヤツで、”たとえ究極的には無根拠でも、特定の価値を選択する(決断する)決断主義”というかなり強硬なものから引きこもり、あいまいな人間関係を求めるのまでさまざま。サブカルチャーから見ると

・世の中が間違っているから何もしない”引きこもり系”(エヴァンゲリオン)
・無条件に女性(母性)に認証される”セカイ系”(ほしのこえ、最終兵器彼女)
・戦わなければ生き残れない”サヴァイヴ系”(バトル・ロワイヤル)
・日常の無意味なコミュニケーションの連鎖”日常系、空気系”(あずまんが大王)
・決断をより謙虚で柔軟性をもってできるように環境を整える”新教養主義”
・友情、疑似家族といったあいまいな関係”(複数の物語に接続可能な)開かれた
 コミュニケーション”
(ラスト・フレンズ)

こういった作品群が時代の空気として登場(おおむね上から下の時系列)すると。(全部の作品を見てる訳じゃないんですが・・)

 非常にたくさんの作品がでてくる本ですが、面白かったのを1つ。”涼宮ハルヒの憂鬱”という作品で、2000年代中頃にブームになったんでご存知のかたもあろうかと(*7)。この作品って、宇宙人、未来人、異世界人、超能力者を探して一緒に遊ぶってモチーフで、”セカイ系”扱いされているそうですが、ハルヒが実際にやっていることって(まあ、不思議探しもやってはいますが)文化祭で映画とったり、バンドしたりと”日常系”じゃないかと本書ではコメントしています。

  つまり、オカルト的なものSF的なものによって別世界、
  つまり<ここではない、どこか>に連れていくのではなくて
  この世界、つまり<いま、ここ>を多重化していく
  現実のコミュニケーションを豊かにするために想像力が用いられている部分にこそ
  若い世代にとっての『ハルヒ』の魅力はあったんじゃないか

 おぢさん世代にとって”ここではない、どこか”って一つの時代のキーワードって感じがしてます。おぢさん世代の親世代って、いわゆる高度経済成長期(がんばれば、豊かになれる世の中)。それがだんだん価値感が多様化し、バイト(今でいう非正規雇用)でそこそこ食っていけるから、本当の自分を探そうみたいな。受験戦争からサラリーマンになるルートではない”自分探し”への空気みたいなのが”ここではない、どこか”って言葉じゃなかったかなぁ。

 バブル崩壊から景気が後退して”がんばっても、豊かになれない”閉塞感がある一方、インターネットやSNSにより本来つながらなかった人達がつながるようになり、信じたい物語を信じる人達と”小さな物語”を共有できる、あるいは”小さな物語”同士が対立しあうようになった現代。その結果が引きこもりだったり、バトル・ロワイヤルだったり、あいまいなコミュニケーションだったりするんでしょうが、見方を変えれば<いま、ここ>だってけっこう豊かなんですぜネットは広大かもしれませんが(*8)、リアルだってそこそこ多様なんですよ。阪急電鉄に乗るだけだって千年の古都、からエキゾチックなストリート、近代的なオフィス街、温泉だってあるんだし。卑近なオチですいませんが、やりようによっちゃリアルだってなかなか捨てたもんじゃないかと、おぢさん世代は思うのであります。

《脚注》
(*1)栗本慎一郎
 経済人類学者、評論家。当時はロン毛にベレー帽子と学者らしくない風貌でコメンテーターでよくテレビに出てました。”パンツをはいたサル(カッパ・サイエンス)”なんか読みましたな~~
(*2)ニュータイプ
 ”機動戦士ガンダム”に登場する直感力と洞察力に優れ、離れていても意思疎通ができる新しい人類のこと。主人公のアムロやシャア、ララァなんか。ファーストガンダムから映画3部作により社会現象化したのが1980年代前半です。
(*3)”オタク第一世代”ってとこでしょうか
このあたりの世代っていうと1958年生まれの”オタキング”岡田斗司夫、”宇宙戦艦ヤマト2199”の総監督まで出世した出渕裕。1959年生まれの”超時空要塞マクロス”での美少女キャラを生み出した美樹本晴彦、同じく板野サーカスのアニメーター 板野一郎。1960年生まれは”エヴァ”、”シン・ゴジラ”の監督 庵野秀明、”おたく”というワードの生みの親、コラムニストの中森明夫。”ジョジョ立ち”の荒木飛呂彦やライトノベルのご神祖様 新井素子なんてのもいます(生まれ年はwikipediaより)
 まあ、濃いい人達が集まっていますが、こんなのって集め方次第でど~とでも書けるので”だからオタク世代”といわれてもあんまし信用しないようにね。
(*4)伊藤計劃
 2007年に”虐殺器官”(まだ読んでません)でデビューし2年ほどで早逝したSF作家。1974年生まれ。代表作は”ハーモニー”(早川書房)”、”屍者の帝国”(円城塔との共著、河出書房新社)など。上記3作は”Project Itoh”としてアニメ化されています。”ハーモニー”の詳細はこちらから、”屍者の帝国”の詳細はこちらからどうぞ。
(*5)リトル・ピープルの時代 (宇野常寛 幻冬舎)
 リトル・ピープルの時代―それは、革命ではなくハッキングすることで世界を変化させていく“拡張現実の時代”である。“虚構の時代”から“拡張現実の時代”へ。震災後の想像力はこの本からはじまる。(Amazon.comより)
 詳しくはこちらからどうぞ
(*6)歴史や国家といった「大きな物語」が有効だった時代が崩壊し
 ベネッセホールディングスが2016年7月に実施した”第1回 現代人の語彙に関する調査”によると、社会人の方が高校生より知っていると答えた割合が高い言葉の2位が”イデオロギー”だそうです(社会人 73.6%、高校生 33.7%。差39.9%)
(*7)2000年代中頃にブームになったんでご存知のかたもあろうかと
 この小説の広告が日経新聞に載った時には少なからず驚きましたね。なんたってビジネスマン向けの新聞にライトノベルですぜ!
(*8)ネットは広大かもしれませんが
 ”攻殻機動隊(士郎正宗、押井守監督)”より。全身義体化した公安9課のリーダー”草薙素子”のセリフから。

漏れる茶碗でも千両、これって憑き物のせい?(はてなの茶碗/百器徒然袋-雨/瓶(かめ))

 ども、骨董品の目利きなんぞまったくできないおぢさん、たいちろ~です。
 昔、商品企画の仕事なんぞをやっておったんですが、この仕事の重要なファクターに”価格設定”てのがあります。ぶっちゃけ”どういう機能のものをいくらで売んねん”ってのを決めることです。社会科(公民だっけ?)で教えてもらったんだと”需要曲線と供給曲線の交わる点(均衡点)が価格”なんですが、そう簡単にはいきません。そこに”コスト”というメンドクサイ問題が絡むからです。売る側はかかったコストを製品1ケごとに回収しないといけないので、最低販売価格(*1)を設定してそれ以上で売ろうとするし、買う方は美術品など趣味の世界を除けば、買った費用をコストにみたててコスト以上のメリット(効用)がないと買わないし。
 ということで、今回ご紹介するのは除いちゃったほうの美術品の価格にかかわるお話、落語の”はてなの茶碗”と京極堂の蘊蓄満載の”百器徒然袋-雨”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。宇治で見かけた茶壷形の郵便ポストです

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【本】はてなの茶碗
 上方落語の演目の一つ。あらすじは下記をご参照
 三代目桂米朝師匠が二代目桂三木助師匠の口演の記憶をもと戦後復活させたんだそうです(wikipediaより)。名人芸、桂米朝師匠版はこちら、コミカルが好みなら桂枝雀師匠版はこちら。他にもYouTubeに古今亭志ん生師匠や桂南光師匠のも視聴できます。話芸の面白さは聞いてみないとわかんないのでぜひどうぞ。

【本】百器徒然袋-雨(京極夏彦、講談社ノベルズ)
 薔薇十字探偵社の探偵”榎木津礼二郎”の元に父榎木津元子爵から依頼がきた。”青磁の甕(かめ)”と、いなくなったペットの”亀”を探せという。ある事件で榎木津探偵と知り合いになった僕は古物屋の今川とこの依頼にまきこまれて、”壺屋敷”に一人で暮らす山田スエを訪ねる。一方、”京極堂”こと中禅寺秋彦は山田スエからお祓いを依頼されていた。ヤクザや金貸し、強欲な茶道具店主がからむ中、京極堂が行った憑き物落としとは・・
 ”瓶長(かめおさ) 薔薇十字探偵の鬱憤(*2)”より
【道具】瓶(かめ)、壺(つぼ)
 榎木津元子爵がお詫びに送った壺が気にいられず、青磁の甕を探すとこになったのが今回の話の発端。ところで”かめとつぼ”って本書によるとあんましはっきりした区別ってないんだそうで。壺は丸い器に蓋がのっていて、口の部分がくびれている貯蔵、運搬用の容器のこと。カメは土などでつくられた液体容器で口がややすぼまっているもの(なんで金属製の壺はあっても、金属製はカメとは言わないんだとか)


”はてなの茶碗”のあらすじです

 有名な茶道具屋の金兵衛(茶金さん)が茶屋の茶碗をしきりに見ながら”はてな?”と首をかしげている。これを見た油屋の男が”これはきっと名品で、金儲けになる”と思い茶屋の主人を脅して2両でこの茶碗を買い受ける
 油屋の男が茶金さんの店に”五百両、いや千両の値打ちがある!”と息巻くが、実はこの茶碗、茶金さんは瑕もなにもないのに水が漏れるので不思議だと思って見てだだけとわかる。意気消沈する油屋の男に茶金さんは”2両で自分の名前を買ってもらったようなもの”といって3両でこの茶碗を買い受ける。
 茶金さんが関白・鷹司公この話をしたところ面白いといって和歌をそえ、感心した時の帝が”はてな”の箱書きをが加えるにおよび、豪商”鴻池家”が千両で譲り受けることに・・・

 あらすじだけ書くと”んなアホな!”と言われそうですが、それをありそうに語るのが米朝師匠や雀師匠の話芸の見せどころです

 実は”薔薇十字探偵の鬱憤”で京極堂が語る骨董品の価格の蘊蓄を聞いて思い出したのが”はてなの茶碗”。京極堂による骨董品の価値についての説明

  売れれば土くれでも商品になるというのが現実です
  一方で売れなければ美しくても使えても古くても塵芥(ごみ)なんです
  そうした様々な側面が入り組んで、
  総体として骨董的価値と云うものは決まって来るのですね
  モノ自体には価値の差なぞない訳ですよ
  本来、本物偽物の区別なんかない
  価値はそのモノに纏わりついている静電気のようなもんです

  意味のないものに意味を与える、
  そして意味と意味とを連鎖させてありもしない価値を生み出す
  これが呪いです。
  この土には壺と云う呪いがかけられた
  そしてあなたは今、この壺に三十円と云う呪いをかけた

   (中略)
  つまり最早この土くれは、ただの土くれではなくなってしまった訳です
  だから、粉粉に破壊でもしてしまわない限りはーー十二分に祟るんです

引用が長くなりましたが、骨董品ってのは歴史的に価値があるかや真贋ってのもありますが、まずは人の想い・思惑で価値・価格が決まるんですなぁ、これが。はてなの茶碗も関白の和歌だの帝の箱書きだののオプションがあるけどこれだってコストという点ではタダみたいなもの。こういった偉い人の呪いがどこにでもある単なる安茶碗にびっくりするような高額なモンにしちゃってるワケです。

 まあ、はてなの茶碗にはこういった落ちそうにない呪いがかかっているからまだマシかもしれませんが、”開運! なんでも鑑定団(*3)”みたく価値があると信じていたもの=呪いのかかったモノが鑑定家の人からばっさり”偽物”だと断じられちゃったらまさに京極堂よろしく”憑き物落とし”にあったようなモンでしょうね

 ”はてなの茶碗”も”百器徒然袋-雨”もそれぞれにらしい”落ち”がついてます。ぜひ本編でお楽しみください!

《脚注》
(*1)最低販売価格
 コストは製品を1ケ作るごとにかかる”変動費”と、いくつ作ろうがあまり変わらない”固定費”から構成されて、たぶんこんぐらい売れるだろうって数ををnとすると
  最低販売価格 = 変動費+固定費/n (利益ゼロの場合)
  総利益 = (販売価格-最低販売価格)×n
になります。このnが実際はけっこう勘ってかテキト~に決まってたりなんかして・・
(*2)薔薇十字探偵の鬱憤
 本書に収録しているのは”薔薇十字探偵の憂鬱”、”薔薇十字探偵の鬱憤”、”薔薇十字探偵の憤慨”の3編。最初見た時は”涼宮ハルヒの憂鬱(谷川流、いとうのいぢ、角川書店)”のパロディか? と思いましたが調べてみると”百器徒然袋-雨”が1999年、”涼宮ハルヒの憂鬱”が2003年とこっちが先。へぇ~~~
(*3)開運! なんでも鑑定団
 テレビ東京系列で放映中の鑑定バラエティ番組。視聴者が持ち込んだ骨董品を古美術鑑定家の中島誠之助やらおもちゃ関連担当の北原照久など濃いい先生たちが鑑定。予想以上に高額だったり数百万円する本物と思ってたのが偽物で数千円だったりする人間模様の悲喜こもごもを楽しむ番組です。しかし、評価金額でホントに売れるんでしょうか?

※下記CD,DVDは私自身は見てません。参考です

ビブリオバトル部の高校生の物語ですが、おっさん連中も魅力的です!(翼を持つ少女 BISビブリオバトル部 1/表紙のイラスト)

 ども、毎週図書館に通う読書好きなおぢさん、たいちろ~です。
 時々、図書館のイベントで”ビブリオバトル”の案内ってのが出ています。ビブリオバトル? バトルだからなんかと闘う? 料理の鉄人みたいの?(*1) 参加してみたいと思ってんですけどまだ行けてません。そんなこんなしてるうちに”ビブリオバトル”が表題についた本みっけ!
 ということで、今回ご紹介するのはとある高校のビブリオバトル部の活躍を描いた青春小説”翼を持つ少女 BISビブリオバトル部”であります。


写真は”翼を持つ少女”表紙のイラスト
pomodorosaさんのHPより。私、この人の絵、けっこう好きです

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【本】翼を持つ少女 BISビブリオバトル部 1(山本弘、東京創元社)
 美心国際学園(BIS)高校のビブリオバトル部。<燃える氷(バーニング・アイス)>埋火武人、<双面の話者(ヤヌス・トーカー)>安土聡、<科学の魔女(ウイッチ・オブ・サイエンス)>菊地明日香など、いずれ二つ名を持つ濃ゆい本好きが集まるクラブ。SFマニアの伏木空はふとしたきっかけでこのクラブに入部することになり・・・
 本好き話好きな高校生が集まりビブリオバトルを繰り広げる青春小説てかライトノベルでしょうか
【本】表紙のイラスト
 本を選ぶ基準とか思い出に”表紙のイラスト”って意外と重要です。本書の中でも武部本一郎の話だとか、松本零士、石森章太郎、モンキー・パンチなどなど名だたる漫画家が表紙のイラストを書いてる話が出てきます。にもかかわらず、本書の表紙の作者の記載がないってどゆこと?! なめとんのか、うりゃ! (まあ、キャラクターイラストの記載はありますが・・・)
 本書に限らず表紙の絵を描いてる人調べるのってけっこう大変なんですね。この辺の話は”SF挿絵画家の時代(大橋 博之、本の雑誌社)”のネタで書いてますので、よろしければこちらもどうぞ


 内容に入る前に”ビブリオバトル”とはなんぞや。簡単に言うと、自分が読んで面白いと思った本を持って集まり、5分間で紹介して、参加者の投票で一番面白かった”本”(発表者ではない)を決める、というゲームです。(ビブリオバトル公式ウェブサイトより抜粋)。詳しくは公式ウェブサイトをご覧ください。

 物語は、上記のほかにも<天然の狙撃手(ナチュラル・スナイパー)>輿水銀、<愛の伝道師(ラブ・ミショナリー)>小金井ミーナ、メルマガ部員としてビブリオバトル部をサポートする金髪碧眼の美少女中学生 流冥弐久寿(ルメイ・ニクス)。上記の二つ名の名づけ親もこの子です。いずれ劣らぬディープな面々が勢ぞろい。きっと楽しい高校生活だろ~な~
 本来はこの子達の話を紹介すべきなんでしょうが、それは本書を読んでいただくとして印象深かったのは、登場する3人の中高年。これがまた濃いいんですな~

〔埋火武雄(埋火武人の祖父)〕
 もう故人で本人自身は登場しませんが、大正15年生まれですので、本書発刊時(2014年)にご存命なら80代後半。表の顔は造り酒屋の経営者にして酒税をめぐって国税局と戦った闘志。裏の顔は超弩級のSFマニア。なんせ部屋いっぱいのSF本のコレクション。創刊号から亡くなるまで36年間のSFマガジンのバックナンバー、稀覯本やらサンリオSF文庫やらてんこ盛り。なんせ伝説のSF人”柴野拓美(*2)”とも交流のあったという人ですからハンパじゃないですね~~
 お母さんが”古本屋に持っていっても二束三文”と言ってますが、とんでもありません! ぜひ大切に保管していただくか、公的機関に寄付していただきたいものです(*3)。

〔流冥無頼庵 ブライアン・T・ルメイ(流冥弐久寿の父)〕
 レスラーのようにごつい中年の白人男性。年齢の記載はありませんが、13歳の娘がいて奥様より10歳年上とのことですのでおそらく40代半ばぐらいでしょうか。
 大の日本マニアで日本に奥様ともども日本に帰化した人。お仕事は”日本の文化を海外に紹介する”こと。なんの紹介をしていることやら。私だって”直球表題ロボットアニメ”なんて知らんかったゾ! 伏木空をして”弐久寿さんの中二病的ネーミングセンスはお父さん譲り”といわしめています。

〔朝日奈光〕
 BIS世界史教師。昭和40年生まれですんで、だいたい50歳。堅物なキャラクターとして有名な先生ですが、その実態は初代仮面ライダーから見るというけっこうな特撮オタク。このおっさんがまた美味しいとこ持ってくんですな~~
 小金井ミーナの”仮面ライダークウガ”が平成初の「仮面ライダー」シリーズとの発言に”仮面ライダーBLACK RXは平成に放送されてた”だの、”真・仮面ライダー序章”は平成の作品だとか、いいオヤジが突っ込むか、ソコ!みたいな。
 だいたいこのおっさん、仮面ライダー以外でもけっこうな知識の持ち主。埋火武人が伏木空のしょーもないSFの知識に”脳の記憶容量の無駄遣い”と言ってますが、このおっさんだってたいがいです。
 でも、このおっさん、終盤では物語を決定づける愛すべきキーマンでもあります(この辺は本書でお楽しみを)

 本書自体も面白いですが、ビブリオバトル自体が本を紹介するイベントということもあり、読んでみたい本を探したい人にもお勧め。部員それぞれが得意ジャンルがあるのでけっこう広範にカバーしてます。ぜひご一読のほどを

《脚注》
(*1)料理の鉄人みたいの?
 私の記憶が確かならば、”料理の鉄人”は1993年~99年にフジテレビで放送された料理番組。料理の作り方ではなく、料理人が与えられた食材をベースにどちらが美味しい料理を作るかという”バトル”の要素を加えたという点では画期的な番組。
 アーレ、キュイジーヌ!
(*2)柴野拓美
 SF翻訳家、SF作家(ペンネーム 小隅黎)であり、日本初のSFファングループ”宇宙塵”の主宰者として多くのSF作家を世に送り出した人です。
(*3)公的機関に寄付していただきたいものです
 コミックマーケット代表の故・米沢嘉博の蔵書の寄贈をベースに明治大学が解説した”米沢嘉博記念図書館”なんていう例もあります。行ってみたいんなよな~~ ここ

京大型カードの考え方って、ビックデータの元祖なのかもしれんなぁ(知的生産の技術/京大型カード)

 ども、情報整理はまったく苦手なおぢさん、たいちろ~です。
 夏休みに思い立って遠野に行ってきました。で、これはやっぱり柳田國男の”遠野物語(*1)”を読まねばなるまい(てか、行く前に読まんか、普通)ということで読みだしたんですが、この本って”物語”とういより短い文章の集まりなんですな、読むまで知らなかったんですが。長いものもありますがだいたい数行から十数行程度
 はて、この長さってなんかで見たな~と思ってたら、これって京大型カードに収まる情報量なんですな。
 ということで、今回ご紹介するのは京大型カードの元祖である梅棹忠夫の古典的名著”知的生産の技術”であります。


上の写真はたいちろ~さんの撮影。近所の文房具屋さんの京大型カード(コレクト製)
下はスタンダードな京大型カードのフォーマットです

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【本】知的生産の技術(梅棹忠夫、岩波新書)
 カードにによる情報整理、整理の仕方、読書法、文章の書き方など、京都大学教授で民族学、情報学の泰斗”梅棹忠夫”による情報活用に関する古典的名著
 手帳やカード、切り抜きなどによる情報整理のやり方、原稿や手紙などの書き方など、情報管理の基礎をわかりやすく解説した本です。
【道具】京大型カード
 京大式カード、B6情報カードとも言います(本ブログでは本書にあわせて”京大型カード”に統一します)。B6サイズのやや硬めの用紙に罫線を引いただけのシンプルなフォーマット(無地のもあります)ですが、なかなかに使い勝手のよいシロモノ。
 梅棹忠夫が研究のため資料を整理をするのに利用、本書で紹介することで広がりました。

 いや~、懐かしいなぁ京大型カード。受験生のころに方程式とか覚えるのに使ったな~(*2) さすがに今では使ってませんがまだ売ってるのかなと思って文房具屋に行ってみたんですがまだ売ってましてね、ちゃんと。
 このカード、どの程度の情報量が書けるかというと書く人の字の大きさとか罫線のサイズとかで差はありますがだいたい片面で200~400文字(日本語ベース)、両面使えるので400~800文字といったところでしょうか。前出の遠野物語だと1行40文字ですので、10行以下の文章が多いこの本からの連想ってあながち間違ってるわけではなさそうです(角川文庫 新版のケース)

 最近ではB版って会社でほとんど使わなくなりましたが、身近な例だとこれってiPad miniとかKindle Fire HDXあたりとほとんど同ザイズです。

 iPad mini:16.05cm × 12.04cm(7.9インチ)
 Kindle Fire HDX:15.3cm × 9.0cm(7.0インチ)
 B6カード(フルサイズ):18.2cm ×  12.8cm

 まあ、縦横比は違いますが京大型カードに余白も残さずみっちり字を書く人もそうそういないでしょうから、実効サイズとしては同じぐらいと考えてもいいかも。今の若い人にとってiPad miniが京大型カードの代わりになってるんでしょうか?!

 梅棹忠夫が京大型カードの使い方で示唆しているのは

  1)常に持って歩き、どこでも書ける
  2)1枚1項目
  3)写真も貼って同じように扱う

 記入するフォーマットとしては”表題”、”本文”、”記載日”、”連番(複数枚にまたがる場合)”。写真を除けば一昔前ならカード型データベース(*3)ってとこです。

 これって、良く考えると、今スマホや小型のタブレットでツイッターやFacebookしてるのととあんまし変わんないような感じしちゃいますね。1)は携帯性のことだし、3)はまさにマルチメディアだし。2)はというと、ツイッターやFacebookなんてそんなに長々文章書かないから(*4)、おおむね1項目1テーマだし。

 ”いやいや、ツイッターで情報管理なんかしないし”とおっしゃる向きもありましょうが、分析は別の人がやっています。これが今流行りの”ビックデーター”分析ってやつ。ツイートの中身が”本文”、ハッシュタグが”表題”あたりと読み替えるとほぼほぼ似たようなモンかと。これを膨大に集めてきてコンピュータでぶんぶん回していろいろ分析してるのがビックデータってやつ。
 こうやってみると、京大型カードの考え方って、ビックデータの元祖なのかもしれんなぁ・・・

 ”知的生産の技術”は1969年の発行と45年も前の出版(*5)。さすがに”カナタイプライターの勧め”は時流に合わないんでしょうが、これとてワードプロセッサ登場前夜の時代(*6)から見れば先見性とも言えるかも。若い人にもぜひ読んで欲しい名著です。

《脚注》
(*1)遠野物語(筒井康隆 中央公論社)
 岩手県遠野の民話蒐集家であった佐々木喜善によって語られた遠野の説話を民俗学者”柳田國男”が編纂した本。天狗や河童、座敷わらしといったメジャーな妖怪からオシラサマといった土着の物語なんかも載っています。
 詳しくはこちらをどうぞ
(*2)方程式とか覚えるのに使ったな~
 今でも時々高校生らしいのが単語を覚えるのに単語カードを使ってるのを見ますが、さすがに京大型カードは見ませんなぁ。方程式とか歴史の関連なんかを書くには単語帳だと小さすぎて使いづらいですが、京大型カードだと適当な情報量か記入できます。
(*3)カード型データベース
 項目だけが決まっていて関連付けとかはあんまり考慮していないデータベース構造のこと。パソコンの能力が低かった時代はそれでも重宝したんですがねぇ。
 Accessで作るとするとテーブル設定はこんな感じです
   項目名   データ形式   サイズ    備考
  カード番号 オートナンバー  長整数型 主キー設定
  表題     テキスト型     255       任意
  本文    メモ型          (固定)    最大65,536文字
  日付    日付/時刻型   (固定)
  カード連番 テキスト型      13       カード番号+連続番号2桁(間にハイフン)
(*4)そんなに長々文章書かないから
 ツイッターは1つに140文字以内という制限がありますが、実際に効果的な文章というのはツイッターで100文字、Facebookで40文字ぐらいだそうです(Twitter公式ページ)。これは英語の場合ですが、行数(視認性)でいうとまあ日本語でも似たりよったりでしょうか。
(*5)45年も前の出版
 驚いたことに、今でもamazon.comで新品が入手可能。この本学生時代(それでも30年以上前!)に読んだんですが、そのころの本って軒並み絶版。おぢさんの本読みにしかわからん感動かもしれませんが・・・
(*6)ワードプロセッサ登場前夜の時代
 wikipediaによると日本で初めて発売されたワープロは東芝の”JW-10”。本書に遅れること10年後の1987年です。価格は630万円だったそうですが当時の大卒男子の初任給が14.8万円程度でしたので現時点で換算すると900万円弱、メルセデス・ベンツのEクラスあたり(高級車らしい?)が買えそうな価格です。

作品が成功するかどうかは、作品自体の魅力か、作り手と見る人とがともに生み出すのか? まあ、アニメの話ですけど・・(アニメの魂/「ガンダム」を創った男たち/お台場ガンダム2009)

 ども、TVアニメ創生とともに人生をすごしてるおぢさん(*1)、たいちろ~です。
 先日、会社のお嬢様方(40代前半と50代前半)と”好きだったTVの番組は?”という話になりました。で、お答えはというとA嬢は”機動警察パトレイバー”、B嬢は”バビル二世”、C嬢は”マジンガーZ”に”科学忍者隊ガッチャマン”ですと。C嬢に至っては”初恋の人は兜甲児!”ですと(*2)。どうして妙齢のお嬢様方は昭和の懐かしアニメをチョイスするんだ?!
 でも、確かにこの手の話題ってなぜかアニメの話が多いんだよな~~ TVドラマだっってけっこう流行ったのありますが、あんまし出てこないし、スポーツだってバックスクリーン3連発(*3)みたくある瞬間の話題はあってもテイストが違うし。
 ということで、今回ご紹介するのはそんなアニメの話題を扱った本”アニメの魂”であります。

写真はたいちろ~さんの撮影。
2009年にお台場で展示された実物大ガンダムです。

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【本】アニメの魂(イアン・コンドリー、エヌティティ出版)
 サブタイトルが”協働する創造の現場”とあるように、アニメの魅力の源泉を制作者、消費する視聴者、魅力を拡散するファン(オタク?)に求め、フィールドワークにより解き明かしていく本。
 ところでこの本に出てくる”民族誌学”ってどんな学問?
【本】「ガンダム」を創った男たち(大和田 秀樹、ドカワコミックス・エース)
ファーストガンダムこと”機動戦士ガンダム”のTV第一作目から映画化に至る様子を描いた漫画。けっこうリアルタイムに青春してた時代の話ですので、マジに面白かったです。
 元々は”機動戦士ガンダムさん”に収録された”ガンダム創生の章”でこっち版で読みましたが、現在は”「ガンダム」を創った男たち”として再編集版がでてます(こっちは読んでません)
【乗り物】お台場ガンダム2009
 2009年にお台場で展示された全長18mの実物大ガンダム。しかし、これを最初に作ろうと言いだした奴はいい根性してるよな~ 私が見に行った時は家族連れが多かったですが、喜んでるのはおとっつあんの方で、怖がってる子供もいました。のちにジオンから”白い悪魔”と呼ばれるガンダムですが、確かにこんなんが動いて襲ってきたら怖いだろうなぁ


 アニメに限らずですが作品を楽しむには”作品そのものの魅力を語る”というアプローチと”作品そのものを含めた作家の魂に迫る”みたいなアプローチがあります。どっちが深いだ浅いだとか、良いとか悪いとかいう話ではありませんが、本書は後者のアプローチ。でもって、”サマーウォーズ”の細田守監督だの、プロダクションI.Gだの東映アニメーションだのゴンゾだのに行ってインタビューをしてます。
 でも、読んでて面白かったのはコアな消費者としてのファン(オタク)の話かな。といっても”オタク研究”みたいな内容ではなく、経済的行動原理から説明できないようなこと、ぶっちゃけ一銭にもならんことに血道をあげるのかっていうこと。本書ではこれを”ダークエネルギー”と言ってます。

  ファンの世界を流れるダークエネルギーは
  コンテンツとファンの欲望を結びつけて活性化させ
  相乗効果的にメディア製品の循環を加速する社会的な力だと考えてよいだろう

   (中略)
  ファンとメディアとコンテンツとテクノロジーと制作者を
  流動的に結びつけるリンクを概念的に表しているのだ
 

 あえて難しく書いてるような気もしますが(*4)、わかりやすく言えば”アニメを熱く語る奴のパッションの根っこ”みたいなもんでしょうか。そういや、私の高校時代の友人でも”ニュータイプ”を熱く語る奴いたもんな~ お前のことだぞ、宮浦!(*5)

 この例としてあげているのが海外の”ファンサブ”という活動。これは海外で未放映だったりDVDで発売されてない(発売されてるのもあるらしいけど)アニメ番組を寄ってたかって翻訳してWebにアップするというもんだそうです。たまにYouTubeでアニメに英語や中国語なんかの字幕付きのもを見かけますが、どうもあれらしいです。
 まあ、著作権法違反かどうか議論がわかれるとこですが”だって、売ってないし、翻訳もされてないんだモン”という実態に”こんなええ作品があるんやからお前も見んかい!”というファンの情熱の合体したエネルギーとでもいいましょうか。実際がとこ、日本語なんてアジアの片隅の言語を文化的背景まで考慮して翻訳し、字幕を合成するなんてけっこうなエネルギーとインテリジェンスが必要な行為でしょう。単純に好きだけではできない”何か”があるんでしょうね。

 まあ、日本の例でも”宇宙戦艦ヤマト”とか”ガンダム”とか”エヴァンゲリオン”とか、エポックメイキングな作品ってこの手の情熱持った奴がいたんですな。”機動戦士ガンダムさん”に収録されてる”ガンダム創生の章”のネタがこの好例でしょうか。劣悪な状況ながらアニメを作るスタッフ、視聴率低迷で打ち切りが決まりながら見事復活、というサクセス・ストーリー(*6)のターニングポイントは熱狂的なファンだったといのがこの作品のテーマの一つになっています。
 この作品の最終話に上記のお台場ガンダムが登場するんですが、その中で当時の作成スタッフの女の子がお母さんになって娘にガンダムを見せながら”あれから30年かー”とつぶやくシーンがでてきます。そうだよな~ もう30年以上たつんだもんな~ でも現在に至るまで作り続けられる”ガンダム”って、作品そのものが魅力があるのも確かですが、コアなファンを再生産し続けるファンが世代を超えているんだろうな~ なんて思っちゃいます。お台場に子供を連れてきたお父さんとか

 本書は登場するアニメを知ってるかどうかより、メディア論的な知識があるかどうかのほうが理解には大切かも。そういう点では私もちゃんと理解できたかどうかわかりません。ただ、本書に限らずですが、この手の本って”アニメではダークエネルギーがうんぬん”ってのは書いてあるんですが、ではなぜ実写映画とかTVドラマでこういったエネルギーが起きにくいのかって議論があんましないんですな。確かに2次著作物の作りにくさとか(演じてるのが生身の俳優だし)、権利関係がややこしそうとか、感情を共有できる人の数の違いとかありそうですけど、この辺の議論も読んでみたいものです。

《脚注》
(*1)TVアニメ創生とともに人生をすごしてるおぢさん
 日本で最初の本格的な連続TVアニメ”鉄腕アトム”の放映開始が1963年ですので、今50代のおぢさんはだいたいそんな世代です。
 ちなみに、料理番組の定番”キユーピー3分クッキング”もこの年に放映開始。それもすげ~な~
(*2)A嬢は”機動警察パトレイバー”~、
 機動警察パトレイバー:監督 押井守、漫画 ゆうきまさみ。OVAは1988年販売開始
 バビル二世 :原作 横山光輝。原作連載は1971年から、TV放映は1973年から
 マジンガーZ:原作 永井豪。1972年放映開始
 科学忍者隊ガッチャマン:作製 タツノコプロ。1972年放映開始
 A,B,C嬢の誰が何歳かは個人情報なので秘密です。
(*3)バックスクリーン3連発
 1985年の阪神・巨人戦でランディ・バース、掛布雅之、岡田彰布が3者連続でバックスクリーンに叩き込んだエピソード。ご高齢の阪神タイガースファンには必須の話題ですが、そのあとの低迷(86年 3位、87~8年 最下位)はなかったことになっています、はい。
(*4)あえて難しく書いてるような気もしますが
 著者のイアン・コンドリー世界有数の名門校”マサチューセッツ工科大学(MIT)”の准教授、れっきとした学者さんです。
(*5)お前のことだぞ、宮浦!
 ロン毛、イケメンにして生徒会役員という私の友人。当然、女の子にはモッテモテで”お兄ちゃん”と呼ばれておりました。今だったらアヤシゲなあだ名だな~~
(*6)サクセス・ストーリー
 本書の原書のサブタイトルは”Collaborative Creativity and Japan’s Mdelia Success Story(協力的な創造力と日本のメディアの成功の物語)”です。


古典・名作も別に未来の文学者に褒めてもらうために書いてるわけではない(カッパ・ブックスの時代/バンクスマツ)

 ども、古い世代の本の読み手のおぢさん、たいちろ~です。
 長いこと本なんぞを読んでいると”あれ、このレーベルの本って最近見ないな~”ってことがあります。まあ、栄枯盛衰は世の習い、いつの間にか消えてくってのはしょうがないんでしょうが、意外とビックネームなレーベルも無くなってることもあります。
 思いつくところでは、マニアックなSFのラインナップを誇った”サンリオSF文庫(サンリオ)”、学校図書館の定番だった”旺文社文庫(旺文社)”、ライトノベル系では第一作が石津嵐版”宇宙戦艦ヤマト”だった”ソノラマ文庫(朝日ソノラマ)”、イラストに道原かつみを起用した”銀河英雄伝説(田中芳樹)”の”徳間デュアル文庫(徳間書店)”、縦19cm、横11cmとサイズが特殊だった”GomaBooks(ごま書房)”、アニメや特撮の豆本を出していた”大百科シリーズ(勁文社)”などなど。H系では”美少女文庫”のご先祖様”ナポレオン文庫(フランス書院)”や、金子國義の表紙が芸術的だった”富士見ロマン文庫(富士見書房)”なんつ~のもありましたな(*1)。
 でも、このレーベルまで消えてるとは思いませんでした。ということで、今回ご紹介するのは消えたレーベルを扱った本”カッパ・ブックスの時代”であります。


写真はwikipediaのHPより。バンクスマツです。
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【本】カッパ・ブックスの時代(新海均、河出書房新社)
 知識人向けに出版された”岩波新書(岩波書店)”に対し、大衆向けに出版された”カッパ・ブックス(光文社)”。その誕生から終焉までをカッパ・ブックスの最後の編集部員だった新海均が描いたノンフィクション。
【花】バンクスマツ(バンクス松)
 マツ科マツ属。自家受粉を避けるために花粉を風に乗って飛ばす”風媒花”という特徴があります。生物は進化の過程でいろいろな形質を獲得しますが、この松が適応したのは火事。松かさは樹上に何年もとどまって、50℃以上の熱を受けない限り種子を散布することはないんだとか。よっぽど山火事が多かったんでしょうかね。


 さて、”カッパ・ブックス”というレーベルを出していたのは”光文社”という出版社ですが、この出版社を聞いて何を思い出すでしょうか? 
 お嬢様方だったら、”JJ”や”CLASSY.”、奥様方だったら”女性自身”、定年後のおぢさま方だったら”処女探し(*2)”の”週刊宝石”あたりでしょうか? まあ、出版社なんか気にしない方のほうが多いか・・・
 ある世代のおぢさんにとってはやっぱりラッパを吹くカッパのマークの”カッパ・ブックス”でしょうか。本書の冒頭にミリオンセラーになった17冊が出ていますが、私の記憶だと

・カッパブックスで読んだ本
  頭の体操 第一集、第二集、第三集、第四集(ともに多湖輝)
  日本沈没(上・下)(小松左京)、民法入門(佐賀潜)
・カッパ・ブックスかどうかは分かんないけど読んだ本
  点と線ゼロの焦点砂の器(ともに松本清張)、
・記憶があいまいだけど確か持ってた本
  冠婚葬祭入門続冠婚葬祭入門(ともに塩月弥栄子)

あたり。松本清張を除けば出版はだいたい1960年代後半から70年代前半ぐらいですから読んだのは中学校ぐらいだったかな。よくお世話になったモンです(*3)。

 で、この大躍進を支えたのが光文社社長で天才的なプロデューサー編集者でもあった”神吉晴夫”とその部下で同じく天才的なイノベーター編集者の”長瀬博昭”。(プロデューサー、イノベーターの発言は長瀬博昭の部下だった上野征洋のもの。本書より)。本書の前半はこの2人の活躍に焦点を当てています。

 この二人の話で面白かったのを挙げて見ます。まずは神吉晴夫から

  彼(近松門左衛門)は、当時の京・大阪の裏だなのかみさんたちの井戸端会議での
  ウワサ話、心中や人殺し、暴行事件をとりあげて、町人たちを喜ばすために
  そのニュースを人形浄瑠璃にしたものじゃないか
  作者・近松門左衛門は、三百年後の文学者たちから、
  これこそ日本を代表する芸術作品だと褒めてもらうために書いたかというと、
  そんなもんじゃない。
  サービス精神で書いたものが、
  結果において、人間精神の底にふれたものになっているからこそ、
  今日もなお、生命をもっている

 これは”百年たっても千年たっても残る、なぜ古典となるような本を出さないのか”と言われたことに対する反論。
 確か”ドラゴン桜(*4)”(三田紀房)の中で桜木先生が”源氏物語”をして

  古典の作品はスケベなやつらがヒマつぶしに書いたものなんだ。
  だから中身はたいしたこと書いちゃいない。
  まあいいとこ、当時のオバハンとオッサンの世間話ってやつだ。

って話をしてますが、一脈通じるものがあります。

  いいのか悪いのかは別として、
  本はとっておくものから、捨てる(消費する)ものへ変えた。
  大量生産と大量消費時代にピタリはまったベストセラー。
  長瀬はよく、このことを判っていた。
  そして『マンネリスムが最大の敵だ』とよく語っていた。

 これは、上記の上野征洋が長瀬博昭について語ったものから。
 子供のころはお金がなかったんでなかなか買えなかったし、確かに捨てるってこともほとんどしませんでしたね~~(*5) 本書の扱っている時代もほぼ高度成長時代と重なっているんで、こういった発想の転換が必要なんでしょうね。
 今や紙の本だけで年間8万冊、インターネットだ同人誌ブームだと大量生産の時代。さらには電子書籍の拡大により”大量蓄積”すら可能になった昨今、本をめぐる光景はどう変わってくんでしょうかね

 本書の後半は、神吉晴夫の経営策(主に成果評価主義や抜擢人事)に反発して中高年を中心に労働争議が勃発。このあたりを中心に描かれています。これにより優秀な編集者がスピンアウトして祥伝社の”ノン・ブック”、ごま書房の”GomaBooks”、かんき出版の”かんきブック”なんかに受け継がれていったとのこと。この辺読んでて思い出したのが”バンクスマツ”って奴。これは火事になって種をばらまくって木ですが、まさに社内が火事ボ~ボ~でそこなら飛んでった種(編集者)がいろんなところで芽吹いてった感じがです。

 本書はカッパ・ブックスの興亡を縦軸に、当時のベストセラーシーンを横軸に描かれていて、おぢさん世代には懐かしい書名がいっぱい出てきてそれを追っかけるだけでも楽しいです。でも、ちょっと不満を言うなら、カッパ・ブックスが衰退に至る原因をもうちょっと踏み込んで欲しかったな~~ 長きに渡る労働争議と優秀な編集者の離反、トップの無責任な経営、新レーベル立ち上げの失敗、女性誌へのリソースシフトなどいろいろあったようですが、そのへんだけでも1冊書けそうなネタなのに・・・

《脚注》
(*1)マニアックなSFのラインナップを誇った~
 他のレーベルで再版されているものもありますがほとんどは絶版になってて、モノによっては古書市場で良い値で取引されてるんだとか。あのキティちゃんを販売してるサンリオが何を思ったか出版した”サンリオSF文庫”なんて1万円近くするものもあるそうなんで、本棚をひっくりかえせば意外とお宝本があったりするかも。
(*2)処女探し
 確か、一般のお嬢さんのピンナップ写真を観て処女かどうかを当てるという企画でした。もちろん自己申告制。いかにもやってそう(何を?)な人が処女だったり、清楚を絵に描いたようなお嬢さんがお済ませになっておられるとかのギャップ萌えを楽しむゲーム。子供のころに読みましたが”正直に答えてるんだろうか?!”と思ったモンです。
(*3)よくお世話になったモンです
 逆にナゼか読んでないのが”「NO」と言える日本”。1989年に発行されたソニーの盛田昭夫元会長と前東京都知事の石原慎太郎の共著。バブルイケイケ、石原慎太郎は海部俊樹と自民党総裁の座を争ってた時代です。今読んだら笑えるんだろうな~~
(*4)ドラゴン桜(三田紀房、講談社)
 落ちこぼれ高校生が1年間で東大合格を目指すという受験漫画。”東大に合格する”という一点のみに絞った受験ノウハウは秀逸。効果があるかどうかは知らんけど。
 ちなみに神吉晴夫は光文社の親会社である講談社に入社後、光文社に移籍しています
(*5)捨てるってこともほとんどしませんでしたね~~
 先日事情があって本を1.500冊ほど処分しました。なんせ、押し入れの中の大半を占拠していたもので。結婚した時にも実家の本を処分しましたが、そん時は1階の部屋にいた両親から”お前が引っ越したら、障子が開きやすくなった”と言われました。根太が歪むほど本があったんでしょうか・・・


ホンモノというには、この料理には”品”がないのです! とかね(ギャラリーフェイク/法廷のフリュネ)

 ども、本代をねん出するために食費を削るおぢさん、たいちろ~です(酒代は削ってませんが・・・)
 あいもかわらず食品の偽装だか誤表示だかが続いています(*1)。その後もホテルだわ百貨店だわと出るわ出るわ。まあ、リスクマネジメントが浸透していると言えなくもないですが(*2)。
 ところで、TVを見てて興味深かったのはある料理評論家の人が”芝エビとバナメイエビ”という小型のエビの違いについて、

  (素材として)食べ比べれば違いは分かるが、料理すれば普通の人はまず分からない

といった発言をしてたこと。まあ、素材をありがたがってみてもそんなモンだと思うか、料理人の技量をほめたたえるべきなのか、単なるお店のブランドのプラシーボ効果(*3)なのかははビミョ~なトコですが・・・
 ところで、この話と合わせ鏡のような話を昔読んだような? といことで、今回ご紹介するのは”ギャラリーフェイク”より”美神法廷(ミューズ・コート)”であります。


Photo
写真は”法廷のフリュネ”です


【本】ギャラリーフェイク(細野不二彦 小学館文庫)
 表向きは贋作専門、裏ではいろいろやってるアートギャラリー”ギャラリーフェイク”を舞台とした漫画。山のような贋作(フェイク)に時々真作が登場。オーナーの”藤田玲司”は元ニューヨークメトロポリタン美術館で”プロフェッサー”と呼ばれたキュレーターで、ちょ~物知りで鑑定バツグンに修復までこなすという人です。
【絵画】法廷のフリュネジャン・レオン・ジェローム
 紀元前4世紀の古代ギリシア、神を冒涜したという罪で訴えられた”フリュネ”は絶世の美女にして高級娼婦。形勢は不利で有罪判決を受けそうになった時に弁護していた雄弁家で愛人の”ヒュペレイデス”はいきなりフリュネを真っ裸にして(自分で脱いだという説もあるらしい)

  こんな神々しい肉体を持つものが、神を冒涜するはずがない

という理由で無罪を勝ち取ったというお話。これは古代ギリシアでは”肉体の美は神性の一面・神聖なしるし”というコンセンサスがあったからで、現代の陪審員裁判でこんな理由で無罪判決を出したら間違いなく社会的信用を失います


 さて、ネタバレになりますが今回の”美神法廷”のあらすじはこんな感じ。

 藤田玲司はある会社の社長にデューラー(*3)の絵を真作として5億円で販売する。ところがその絵を鑑定したオークション会社は”贋作”と判断。裁判で証言を依頼されたのは高田美術館の館長にして”美術界のジャンヌ・ダルク”の異名を持つ三田村小夜子。はたして法廷で三田村が下した真贋の判断とは・・・

 てな内容です。オークション会社が”贋作”と判断したのはモノグラム(=サイン、商標)が後から付けられた偽物だとされたから。で、法廷での三田村館長と検察官の応酬

  三田村館長:簡単にそう(贋作)と断じるには、
        どうしてもしっくりこない点があって・・
  検察官  :しっくりこないとは、何が?
  三田村館長:”品”です
  検察官  :ひ、ひん・・・?  
  三田村館長:ニセモノというには、この絵には”品”があるのです!
        いや、ありすでぎるのです!
         (中略)
  検察官  :サインがニセモノなら、絵もニセモノ!というのが、論理でしょう
  三田村館長:どれほど論理と証拠をかためても、画家の魂を知ることはできません
        自分の魂を研ぎ澄ませて絵に対さなければ、真実は見えてきません
        私・・、私は、
        私はこの絵が、デューラーの真作であると信じます!!

 つまり、絵がホンモノでもサインがニセモノなのでニセモノと判断されたということ。で、絵=材料、サイン=メニューと読み替えると今回の事件とまさに真逆な構図なんですね。ただ、ややこしいのは、今回の料理だって作ったシェフは一流の人なんでしょうから、料理自体は美味しかったんでしょう。実際、今回の事件の発覚は社内調査で、実際に”材料はニセモノ”と訴えた人がいたわけではなさそうだし。

  ホンモノというには、この料理には”品”がないのです!

料理にいかに”品”があっても、ニセモノを間違った材料表示で出すという行為が”下品”です。本書によるとモノグラムを絵につけたのはデューラーが最初なんだそうですが、このモノグラム自体が贋作として取り込まれたんだとか。いたちごっこっちゃいたちごっこなんですが、モノグラム=メニュー自体に振り回されるってのもなんだかなぁ。せっかくおいしい料理なのに(そんな高級店で食べたこたないですが)。

  こんなに美味しい料理が、材料を偽っているはずがない

ぐらい、堂々とコメントする料理人がひとりぐらいいてもよさそうですが(もっとも、偽装がばれたらフクロです)、料理の”品”ではなく料理人(とお店)の”品”が問われたのが今回の事件の本質ではなかったかと。別に安い材料で美味しい料理を作れるんだから、安く提供してくれりゃよかったのにね(*5)

 まあ、食べる方だって、み~んなわからずに美味しくいただいてたんですから、そんなもんって気もします。

  自分の魂を研ぎ澄ませて料理に対さなければ、真実は見えてきません

みたいなこと考えて料理を食べたら肩こるだけだし、料理はきれいなおねいさんと楽しく食べてこそ華(”だったら何故私を連れてかん!”と奥様から突っ込まれそうな発言ですが・・・) 美味しい料理を安全に安く提供いただくことが庶民の願いなのであります。

 今回ご紹介の”美神法廷”は小学館文庫版 第17巻に掲載(*6)。ご一読のほどを。


《脚注》
(*1)偽装だか誤表示だか
 2013年10月22日、阪急阪神ホテルズで直営ホテルを含む23カ所のレストラン・宴会場で、料理メニューの表示と異なる食材を提供していたと発表。”偽装ではなく誤表示”としていましたが、結局社長が辞任に追い込まれました。ちなみに辞書だと
 誤表示:正しくない(誤った)表示
 偽装 :ある事実をおおい隠すために、他の物事・状況をよそおうこと
 虚偽 :真実ではないのに、真実のように見せかけること。うそ
 詐欺 :他人をだまして、金品を奪ったり損害を与えたりすること

で、”詐欺罪”になると10年以下の懲役に処せられるんだそうです。
(*2)リスクマネジメントが浸透していると~
 リスクを組織的にマネジメント(管理)し、損失などの回避または低減をはかるプロセスを”リスクマネジメント”といいます。不都合が発生した場合、”早めに告白して早急にリスクの鎮静化を図る”か””隠しおおすが、バレた時のリスクは大きい”かを選択する必要に迫られます。阪急阪神ホテルズの場合は社内調査の結果を自主的に発表しているので前者。まあ、7年も放置したコンプライアンス上の責任は問われますが。
 後者の代表が”這いよれ! ニャル子さん”(逢空万太、ソフトバンククリエイティブ)でニャル子さんが言い放った名言
  バレなきゃ犯罪じゃないんですよ
(*3)プラシーボ効果
 患者に効果のない薬を飲ませても、薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられることを”プラシーボ効果”と言います。一種の暗示的効果だそうですが、これを全否定すると製品原価から他製品との価格差を説明できないブランド品なんか一杯ありそうな・・・
(*4)デューラー
 ドイツのルネサンス期(16世紀前半)の画家。代表作は”四人の使徒”などがあるそうですが、すいません、見たことないんで。
(*5)安く提供してくれりゃよかったのにね
 あるコメンテーターが”高い材料を使って安く間違ったってのがない”といった発言をしてましたが、まっ、そこらあたりにデパートの本音でしょう
(*6)第17巻に掲載
 先日、ミュンヘンのアパートから、ナチス・ドイツがユダヤ人らから略奪した絵画が多数発見されるという事件がありました。17巻には略奪絵画を元ネタにした”20世紀より来た刺客”も掲載されています。

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