アニメ・コミック

”小説家で食っていけるか?”どうかを考えるには参考になる本です(作家の収支/ダンボー)

 ども、密かにベストセラー作家になることを夢見るおぢさん、たいちろ~です。まっ、妄想ですけど。
 ”ブロガー”を強引に”表現者”だと言いきってしまえば、”小説家”だの”エッセイスト”なんぞになって見たいと思うこともあろうかと。まあ、小説を書くだけだったらがんばりゃできんこたなさそうだし、発表するだけだったら、自分のホームページに掲載すりゃ”発表”したと言いきれるし。ここまではOKなんですが、”××家”と名乗る以上食えないまでも、収入になってなきゃ恥ずかしいかと。このハードルってけっこう高そうなんですな。そもそも作家ってどれくらい稼いでるんだっけ? ってことすらよくわかりません。
 ということで、今回ご紹介するのはそんな作家の収支報告に関するお話”作家の収支”であります。

写真はたいちろ~さんの撮影。

2015国際ロボット展(*1)”で見かけた”ロボダンボー”です。

Pc055675


【本】作家の収支(森博嗣、幻冬舎新書)
 ベストセラ作家と呼ばれながらこれといった大ヒット作もないマイナな作家(本人申告)な”森博嗣”による、自身の収入(印税+もろもろ)と支出(経費)に関する考察
 ちなみに、19年間に出版した本は278冊、総部数約1400万冊、稼いだ総額は約15億円だそうです。
【道具】ダンボー
 あずまきよひこの漫画”よつばと!(*2)”登場するロボットというかダンボール製の着ぐるみ。よつばの友達の恵那とみうらが作成。写真の”ロボダンボー”はダンボーをホントにロボットにして動かしちゃうというお茶目なスグレモノ。作製している”ヴィストン”のhpによると11個のサーボモータによりうなずく、首をふる、首をかしげるなどの動きが可能とのこ
と。

 先に謝っときます。実は森博嗣の本読むのこれが初めてで、代表作の”すべてがFになる(*3)”すら読んでおらず、森雅裕(*4)とごっちゃにする始末。心入れ替えて今度読みます。

 森博嗣という人は本人はベストセラ作家ではないと言ってますが、実際には2010年の”Amazon10周年記念 人気商品ランキング”の和書部門20名に選出され、Amazon仕様の”ダンボー”(*5)を贈呈された作家ですんで、まあ、日本でも有数の作家のひとりと言えます(すいません、私はまだ読んでないけど)。

 さて、本代もとい本題に戻って作家の収入の話。本書によると、大まか収入は”印税”、”原稿料(雑誌への掲載、ブログ等)”、”講演料”、”著作権料(漫画、映画、ノベルティ他での使用許諾)”、”対談料”など、どの収入が多いかは人それぞれだそうです。原稿料は1枚4,000~6,000円ぐらいだそうで、ベストセラー作家とそれ以外の人の差が1.5倍程度しかないってのは大きいと見るか小さいと見るか・・・

 よく名前の出る”印税”ですが、これは本の値段に対する作家の取り分。ですんで

 印税 =(本の単価 × 売れた冊数) × 印税率

つ~計算になります。印税の率は出版物の形態により異なっていて

 ・単行本   :10%(雑誌などに発表された場合)
 ・文庫/ノベルズ:10%(最初から文庫だと12%)
 ・ライトノベル:8%(イラストレーター 2%)←噂です
 ・書き下ろし :12%
 ・電子書籍  :15~30%(定価の15%、最終価格の30%)

 面白いのが、どの作家や売れ行きに関わらず印税率は一定で、印税は印刷された部数に対して支払われるんだとか(電子書籍は実売数に対して支払われる)。
 この式でいうと、とにかく”本が売れなきゃお金にならない”、逆に言うと”本が売れれば「不労所得」” まあ、本書でも”不謹慎な言い方”とことわっていますが、作家は追加の労働なしで、出版社は輪転機を回せば商品ができる(限界コストが低い)ので、美味しい商売になると。     松田奈緒子の漫画”重版出来!(*6)”で増刷が決まると大喜びしてますが、作品が世に中に受け入れられたってのもありますが、実利的な部分も大きいんでしょうね。

 ここまで書いててふと思ったんですが、本の形ってこれからどうなってくんでしょう? 一般的には、”単行本→ノベルズ→文庫”の順に出版されて、お値段も”単行本>ノベルズ>文庫”になってます。販売部数もほぼほぼこの順番みたい。でも電子書籍化が進んでいる昨今、本の形にこだわる必要があるんでしょうか?
 ”ライトノベル”というジャンルはマーケットが中高生中心(まあ、大きいお友達もいますが)ってこともあるのか、ほとんど文庫版で出版されているみたいですが、これって”単行本”で出版する(電子書籍版なら単行本の価格で販売する)のってどうなんでしょう?
 最近読んだ初野晴の”惑星カロン(*6)”って本があるんですが、これは”ハルチカシリーズ”っていう青春ミステリーの1冊。これを”ライトノベル”ジャンルとするかどうかはありますが、高校生が主人公のミステリーで、実際読んでみた感じはラノベっぽいし、深夜アニメ化やマンガ化で萌え絵系にもなっているんで、まあ中高生がメインターゲットだとは思います。この本の表紙の変遷ってのがユニークで

 単行本:女子高生の写真が表紙など
 文庫本:表紙イラスト 丹地陽子
 文庫本:表紙イラスト 山中ヒコ(現在はこのバージョンに戻ってます)
 文庫本:表紙イラスト アニメ版(P.A.WORKS制作のアニメバージョン)

実物が”その日、その時のはまり事”のhpに載ってたんで見比べると、出版社側が”文芸→ジュブナイル→一般小説→ライトノベル→一般小説”として売ろうとしてる意図がなんとなく透けて見えそうな・・・
 でもね~、中高生に売りたいんだったら初手から低価格の文庫と電子書籍で出してくれたっていいんじゃないかね~ とか思っちゃいます。まあ、おぢさんも読んでるけど。
 1冊ごとの収入を増やすか、価格を下げて売れる数を増やして収入を伸ばすかは出版社と作家の戦略なんでしょうが、読み手の側から見ると単価を下げてもらった方が助かるんですけどねぇ

 さて、小説家になりたいと思う人にとって最大の問題は”小説家で食っていけるか?”かどうかでしょう。他に収入があって別に印税だけで生活することができればいいんでしょうけど、”プロ”と名乗りたいならそれなりの収入を小説家として確保したいもの。そのへんの話を含め、本書は役立ちそうです。
 この業界に興味のある方は、ぜひご一読のほどを。

《脚注》
(*1)2015国際ロボット展
 2015年に東京ビックサイトで開催されたロボットショー。446社が参加し、人型ロボットから、最新の産業工作機械などいろんなジャンルのロボットが展示・デモされていてけっこう楽しめました。次回は2017年11月に開催されるそうです。hpはこちら
(*2)よつばと!(あずまきよひこ、電撃コミックス)
 5歳の女の子”よつば”と”とーちゃん”が織りなす日常を描いた漫画。トラマチックな何かがおこる訳でもなく、爆笑するようなネタがある訳でもないにもかかわらず、面白んダよな~~。読むとなんだか幸せな気分になる本です。
(*3)すべてがFになる(森博嗣、講談社文庫)
 犀川助教授とお嬢様学生萌絵によるミステリィ。森博嗣のデビュー作にして最大のヒット作。今、読んでます。総出版部数 約78万部、印税合計6,000万円(本人申告 電子書籍除く)
(*4)森雅裕
 ”モーツァルトは子守唄を歌わない”で江戸川乱歩賞を受賞した推理小説家。クラシックをテーマにした作品なのに講談社文庫版の表紙が”パタリロ”の魔夜峰央というアンバランスさで、こっちも読もうと思ってたのにまだだな~ (講談社文庫版はすでに絶版。ワニの本版で読むことはできるみたいです)
(*5)Amazon仕様の”ダンボー”
 ダンボーの頭が”Amazon”の箱になっているフィギュア。本書には写真が掲載されています。”Amazon”=ダンボール箱でお荷物届くイメージなんで、けっこう素敵なアイデアだと思います!
(*6)重版出来!(松田奈緒子、ビッグコミックス)
 新人女性漫画編集者”黒沢心”を主人公にしたお仕事系コミック。黒木華の主演でテレビドラマ化。ちなみに”じゅうばんでき”ではなく”じゅうはんしゅったい”と読みます
(*7)惑星カロン(初野晴角、角川書店)
 清水南高吹奏楽部に所属する上条春太(ハルタ)と穂村千夏(チカ)はふとしたきっかけで中学3年生のフルート奏者”倉田あゆみ”と知り合う。彼女はコンクールで”惑星カロン”の演奏許可をもらう為に新藤誠一のブログにアクセスする。誠一は演奏許可のお礼にある事件の謎を解いて欲しいと依頼する。この謎ときに協力することになったハルタとチカだが・・・
 ハルタとチカを主人公とする青春ミステリー”<ハルチカ>シリーズ”第五巻に収録

チャットボットで蘇った魂は、人を幸せにするのでせうか?(惑星カロン/ブラックジャック/ロボホン)

 ども、さすがにこの年で女子高生ボット(*1)で遊ぶのはな~~と思っているおぢさん、たいちろ~です。
 先日、チャットボットの説明ってのを聞きました。チャットボットつーのはLINEなどのチャットのインタフェースを使ってロボット(人工知能)が会話をしてくれるというシステム(サービス)チャット+ロボット=チャットボットだそうです。
 説明を聞いた個人的な感想としては、フレーム問題が発生しにくいように問題を設定してやれば実用には耐えうるかな~ってレベルには達しているようです(*2)。”フレーム問題”ってのは、人工知能が問題解決するのにあらゆるケースを全て想定してると情報処理できないので、問題の枠(フレーム)を設定してあ~でもないこ~でもないやりだすのを回避しないといけないという考え方。人間だと”常識”を使って無意識にやっていることを人工知能だと意図的に設定しないといけないつ~話です。
 最近は何度目かのAIブームだそうで、IBMのスーパーコンピューターがアメリカの”ジェパディ!”というクイズ番組で人間代表相手に優勝しただの、プロ棋士とコンピュータソフトによる”将棋電王戦”でプロ棋士に勝っただの、”ロボットは東大に入れるかプロジェト”で偏差値57.1をたたき出しただの(*3)、いろいろ盛り上がっています。
 実際、範囲を限定すればかなりのとこまでできそう。ですが、この先何をやるかて~と”実在の人間の人格をモデルにシミュレーションできないか?”なんてことをやりだしそうかな~なんて思っています。
 ということで、今回ご紹介するのはそんなソフトの出てくる話”<ハルチカ>シリーズ”より”惑星カノン”であります。
 ※今回の話はネタバレを含みますので、まだ読まれていない方は本書を読んでからどうぞ


写真はたいちろ~さんの撮影。ロボット型携帯電話”ロボホン”です。キハチ青山本店で開催された”ロボホン・カフェ”にて

6060135
6060137


【本】惑星カロン(初野晴角、角川書店)
 清水南高吹奏楽部に所属する上条春太(ハルタ)と穂村千夏(チカ)はふとしたきっかけで中学3年生のフルート奏者”倉田あゆみ”と知り合う。彼女はコンクールで”惑星カロン”の演奏許可をもらう為に新藤誠一のブログにアクセスする。誠一は演奏許可のお礼にある事件の謎を解いて欲しいと依頼する。この謎ときに協力することになったハルタとチカだが・・・
 ハルタとチカを主人公とする青春ミステリー”<ハルチカ>シリーズ”第五巻に収録
【本】ブラック・ジャック(手塚治虫、秋田文庫)
 ”忠明”は愛する恋人”さより”を電車事故で喪ってしまう。忠明は天才外科医”ブラック・ジャック”に対し、テープに残されたさよりの声をペットのプードル”ヌーピー”にしゃべらせて欲しいと依頼する。気が進まないブラック・ジャックだが、声をミニテープレコーダーにセットし犬の声帯に埋め込む手術を施すが・・・
 ”犬のささやき”より。秋田文庫版第11巻に収録
【道具】ロボホン
 SHARPの提供するロボット型携帯電話おしゃべりするロボットのイメージキャラクターとして登場いただきました(ロボホン自体はチャットボットではありません
 身長19.5cmという小型ながら、歩くわ踊るわ喋るわとめちゃかわういロボット。デザインはロボットクリエーターの第一人者”高橋智隆”氏。携帯電話なのでちゃんと電話出来るし、おでこにプロジェクタがついていて、画面やカベに写真や動画を投影することもできます。最近はロボホンに話しかけると日記にまとめてくれる機能なで出来たとか。いたれりつくせりです。


 今回の”実在の人間の人格をモデルにシミュレーションできないか?”というネタですが、本書にでてきた内容をふまえ、3つに分けて考えてみます

〔人格をシミュレーションできるか?〕
 本書には”デジタルツイン”というAIが登場します。これは既に死んでしまっっている人の情報を埋め込んでチャット上で生き返らせようというオープンソースソフトウェア。本書の説明だと

  行動、思考、癖、声をコンピュータに模倣させ意思決定を行わせる技術

ということになります。死者の思考をコンピュータに移植して復活させるというアイデアそのものはSFなんかではけっこう昔からありますし、日本のTVアニメの最初期作品”8マン(*4)”なんていう名作もあります。
 まあ、お話するだけだったら、現在でもけっこういいセンいってそうですが、問題は特定の人格にどこまで似せられるかということ。本書でのミソはこのデータを

  メールやブログの記録、フェイスブックといったソーシャルネットワークでの情報
  パソコンやスマートフォンでの操作履歴などから集めたデータを基に
  自分自身の物の見方、考え方、癖、好き嫌いを学習させていきます

こう言われるとなんとなくできちゃうかな~って気になります。

〔シミュレーションした人格はオリジナルの人格と同じものか?〕
 これには”正直”と”成長”というのが絡んできます。
 ”正直”てのは、上記のようにネットに書かれた情報がはたして本心なのかどうかというテーマ。ブログやFBのようなデータは誰かに見られることを前提に書かれているのであくまで”表現”でありどうしても修飾や虚勢がまじっちゃう、これは自分だけのために書かれる日記とは本質的に違うものではないかという疑問です。
 ここではハルタ達の音楽の先生による会話なので

  モーツァルトやシューベルトの楽譜は読めても、
  彼らの日記の秘めたる内容まで読み解くことはできないと?

確かに、モーツァルトはあんなにすばらしい音楽を残していますが品行方正とは言い難い人だったようですし、文学の世界なんて文豪レベルの人でも人格的にはどうなのよ? って人が山ほど出てきます。

 ”成長”の問題も実はやっかい。特に死んじゃっている人の場合は。本書の中でデジタルツインの欠点に”復活を遂げた人格は年を取らない”ってのを上げていますが、これは正確ではないんじゃなかろかと。会話によるデータの蓄積や、オープンソースでロジックをアップデートしていけば学習=成長は起こります。むしろ成長した結果がオリジナルと乖離してないかどうかを検証できないこと。だってオリジナルは既にこの世の人じゃないんだし・・・

〔シミュレーションした人格は人を幸せにするか?〕
 非常に漠然とした問いですが、これは目的をどう設定するかにもよるでしょうか。本書での”デジタルツイン”の利用目的を

  後継者が助言を必要をしたとき、自分を見失ったとき、判断に迷ったとき
  イエスかノーかだけ導いてくれればいい
  私たちの心は弱い。だれだって身近な人間を亡くせば
  『あのひとだったらどうするのか?』
  と問いたい瞬間や転機はおとずれるはずです

まあ、気持ち的にはわからんでもないですが、それが良いことかどうか、生きてる人間のエゴイズムではないかという疑問が・・・
 この話でふと思い出したのが、ブラック・ジャックの”犬のささやき”という作品。犬に恋人の声を喋らせた忠明ですが、同じ言葉しか喋らないヌーピーにだんだん飽きてきちゃいます。さらに新しい恋人ができると、その恋人の為にヌーピーを捨てに行くことに

  やれやれ これでやっとさよりの亡霊からのがれられた・・・

ですから、まあひどっちゃひどいですが、自分がそうならないかどうかと問われたら、どうなんでしょうねぇ。 愛する人を失った悲しみを乗り越えて前に進むってことと、愛する人を忘れることとは別なことだと思うんですがね、冷たいかもしれませんが・・・
 結局、チャットボットを使って魂を蘇えらせたとしても、それが人を幸せにするかどうかは結局わかんない。それは技術レベルやデータの揺らぎより、移ろいゆく人間の心のゆらぎのほうが大きいってことでしょうか・・・

 ”惑星カノン”は”<ハルチカ>シリーズ”の中でもかなり異色作ですが、これはこれとしてこっこう面白かったです。

《脚注》
(*1)女子高生ボット
 ”りんな”という女子高校生がチャットしているという設定のサービスを、日本マイクロソフトが開発したって話です、やったことないけど。hp等で公開されてるのを見ると確かに面白そう(まあ、面白そうなのを集めてるサイトなんで)。でも、おぢさん世代が電車の中で遊ぶにゃ、ちっと世間様の視線が・・・
(*2)フレーム問題が発生しにくいように問題を設定してやれば~
 主人:番頭さん、金魚が2匹いなくなったんだが、おまえさん知らないかい
 番頭:あたしは食べていませんよ
 主人:誰がおまえが食べたと言った
    縁側に金魚を置いとくと猫が食べてしまうから、高いところに置いとくれ
 番頭:それじゃ、湯屋の煙突の上へ
 主人:私が眺められないじゃないか。金魚鉢を湯殿の棚の上に上げてくれといってるんだ
 番頭:金魚鉢を湯殿の棚の上に上げてきました。
    ところで金魚はどこへ上げましょう?
落語”猫と金魚”より。話はいろんなバリエーションがありますが、これってフレーム問題の例じゃね?
(*3)偏差値57.1をたたき出したの~
 人間のチャンピオンに勝つというのは”あらゆる人間を凌駕する”ということの比喩であって、コンピューターの方が既に凡人では勝てないとこまで行っています。単純計算だと偏差値”57”というのはおおむね上位から1/4(24.2%)。実際の大学入試だと、”関関同立”、”MARCH”など難関校を含む535大学への合格がA判定(合格率80%以上)に相当するそうで、”俺の方が勉強できる!”と胸を張って言える受験生ってやっぱ少数派じゃないかと・・・Yahoo!ニュースより抜粋
(*4)8マン
 原作はSF作家の平井和正と漫画家の桑田次郎。漫画版は1963年に少年マガジンに連載、アニメ版は1964年に放映。”8マン”は凶悪犯により殺された刑事”東八郎”の人格と記憶を電子頭脳に移植し蘇ったスーパーロボットという設定です。

”山と食欲と私”を読みつつ、紅葉の高尾山に行ってきました(山と食欲と私/紅葉の高尾山)

 ども、山に行くとついつい食べ過ぎてしまうおぢさん、たいちろ~です。
 山登りの基本はというと、一に”体力”、二に”食欲”です。まあ、体力はお分かるになると思いますが、なぜ”食欲”かというと、それ自体楽しみということもありますが、食欲がないと体力が落ちるんですな。バテてくると食欲も落ちてしまいますが、そこでモノを食べたないとさらにへばるという悪循環に陥ってしまいます。私がクラブの時はバテた奴には無理やりにでもメシを食わすってことをやっていました。いや、シゴキとかじゃなくて(*1)
 ということで、今回ご紹介するのは山の飯食いコミック”山と食欲と私”&本書を愛でつつ紅葉の高尾山に行ってきましたです。
 (説明のない写真はたいちろ~さんの撮影です)


【本】山と食欲と私(信濃川日出雄、新潮社)
 OLの日々野鮎美は山と山での食事を愛する”山女”。会社の同僚で主任になった”小松原鯉子”さんは打ち解けてくれない派遣社員の”瀧サヨリ”さんに対し”仕事っちうもんはグルーヴ感が大事やねん”ということで、同じ部署の蛭川さんと4人で高尾山へのリクリエーション登山に行くことに。当日、おとなしそうな瀧さんが持ってきたのは”大鍋”。意外にも大学時代は山岳部に所属していたベテランで・・・(*2)
 (”高尾山リクリエーション編”。第3巻に収録)
【花】紅葉の高尾
 関東地区第二位の紅葉の名所walkerplusランキングより)
 ミシュランガイドで“三つ星”(最高ランク)の観光地という知名度に加え、都心から電車で1時間というアクセスの良さケーブルカーで上まで登れ、道も整備されているという中高年にも優しい山。ただし、ハイシーズンにはすんごく混みます。
 紅葉はだいたい11月中旬~11月下旬ですが、私が行った中旬でもけっこう色づいてきてました。


 高尾山の話の前にちょっと寄り道。
 今回の高尾山リクリエーション編の第一話が”謎の大鍋”ですが、昔の山料理の定番といえば大量に一気に作る鍋を使った料理。いわゆる鍋料理というよりも、カレーや豚汁、ラーメンから焼きそばまでなんでも大鍋で作ってました。
 昔の食事風景です。私のクラブのOBの方が紹介した写真です(1960年頃)

31960

キスリング(リュックサック)にくくり付けた鉄鍋。瀧さんはアタックザックにカラビナでくっつけてましたが、こちらは風呂敷にくるんで細引き(ロープ)でくくりつけ。同じくOBの方が紹介した写真です(1960年頃)
 私が大学でクラブ活動をしていた1980年代前半はまだ現役で使っていましたが、さすがにもう使っていないかなぁ
21969

 さて、高尾山です。鮎美さん達は1号路(表参道)を登って高尾山頂で食事、6号路を下山してますが(鯉子さんと蛭川さんは呑み過ぎのためケーブルカーで下山)、私は逆コースで行きました。ホントは同じコースを行くつもりだったんですが、10月29日~11月27日は6号路が登り一方通行だったので。準備不足を露呈してますなぁ・・
 ということで、紅葉のスナップ写真を

 高尾山ロープウェイ、清滝駅付近の紅葉。綺麗に色づいています

170273  

 薬王院山門。山門横の紅葉も綺麗に色づいております

170352

 山門を入るとすぐ右側におわす天狗様。後ろの木もめっきり紅葉

170348

 鮎美さん達が記念写真を撮っていた高尾山頂。右側の木も真っ赤に。

170309

 鮎美さん達が眺めていた山頂からの風景。右側にある木の枝の右側に見えるのが富士山。ちょうど木の後ろが大室山。その左側に蛭ガ岳など丹沢山系が広がっています

170302

 白く雪の積もった富士山。くっきるとまではいきませんがちゃんと見えました

170301

 鮎美さん達が瀧さんが作った”山岳部伝統の山ごはん だご汁”を食べたのがたぶんこの付近。写真だと空いているように見えますが、これは時間が早かったから(9時半ぐらい)。この後、めっちゃ混みだしました

170306

 ケーブルカー高尾山駅近くの展望台より。東京方向です。右下に見えるオレンジ色の建物付近が京王線高尾山口駅があるあたり

170371_2

 鮎美さん達が6号路で通った琵琶滝です

1170293

 ここから、鮎美さん達が下山後に寄った京王高尾山温泉”極楽湯”にて

 お食事処の風景。右側にあるのが蛭川さんが寝込んでしまって置いて行かれた”うたた寝処”です。

170401

 お風呂上がりはとりあえずビール。おつまみは長芋千切りに海老入り山芋がんもと芋づくし。がんもは揚げタコ焼きっぽくって美味しゅうございました

170405

 シメは鮎美さん&瀧さんが食した”とろろそば”。ちょと細麺めで、とろろに絡んでするっとのど越し。美味しゅうございました。

170409

 最後にこれから出かけられる方にご注意。行きやすい山とはいえ、それなりに上り下りはあるので、体力を考えながら登ったほうがよいですし、下りもヒザに負担がかかりますのであまり無理をしないように。
 あとはっきりいってめちゃくちゃ混みます。特にケーブルカーは長い時は1時間待ちもあると駅でアナウンスしてました。早めに登って早めに下山されるほうがよいかと。

 とにかく美しい山ですので、ぜひ楽しんできてください

《脚注》
(*1)いや、シゴキとかじゃなくて
 お腹がすく、つまり血糖値が下がって力が入らなくなることを”シャリバテ”と言います。意味はご飯=シャリが足りずにバテてしまうから。別名”ハンガーノック(hunger knock 空腹でノックアウト)”。いわゆるガス欠状態です。回復するにはすぐにエネルギーに変わる甘いもの(糖質)などを食べることです。
(*2)山岳部に所属していたベテランで・・・
 本人は”一番厳しかったのは積雪期の北アルプス・・ 蝶ヶ岳ですかね・・”とさらっと言ってますが、これはかなりの上級レベル。私もさすがに冬には登ったことはないですが、素人が下手に登ったらおそらく死の危険のあるレベルです。

おれのラーメンのつくり方はただひとつ おいしければいいってこと!(包丁人味平/東京ラーメンショー2016)

 ども、けっこうラーメン好きなおぢさん、たいちろ~です。
 料理の中で”ラーメン”ってのはかなり面白いポジションを占めてんじゃないかと思います。プロが作るラーメンって確かに美味しいですし、スープや具なんかもバリエーションに富んでるし。でも、素人が作っても(まあ、インスタントラーメンでも)そこそこ美味しく作れます。おそらく”ラーメンを作ったことがない”という人はいなさそうですし、レトルトのカレーと違って具を入れるだけでも”料理を作った感”があるし。
 ということで、今回ご紹介するのはプロのラーメンを堪能できる”東京ラーメンショー2016に行ってきました”&料理漫画の元祖”包丁人味平”より”ラーメン勝負編”であります。
 ※写真はすべてたいちろ~さん撮影です

【本】包丁人味平(原作 牛次郎、漫画 ビッグ錠、集英社文庫他)
 駆け出しのコック”塩見味平”は”本場のサッポロラーメンをくわせる店へつれてってやろう!”というトラック運転手の洋吉の誘いに乗り、いつの間にやら札幌へ。そこで開催されている”日本一美味しいラーメン”を決める”ラーメン祭り”に素人代表として参加することに。並みいるプロのラーメン職人を相手に味平が作ったラーメンとは・・・(”ラーメン勝負編”より)
【旅】東京ラーメンショー2016
 毎年秋に開催されるラーメンイベント。全国のご当地ラーメンを一堂に集めて食することができるというラーメン好きにはたまらんお祭りです。2016年度は駒沢オリンピック公園を会場に10月27日~11月6日まで、前後半のお店入替で36種類のラーメンが出展、料金は全店共通1杯850円ですが、充分その価値はあるかと
 あくまで”ショー”なのでコンテストなんかはやっていません(*1)

東京ラーメンショー2016の様子。中央公園にお店がずら~と並んでいます

2016030265


 1杯目に食したのが”富山ブラック/牛×豚W肉盛り味玉らーめん”。名前の通り黒いスープのダークネスなラーメン。数年前に入社した富山県民の新入社員から”ぜひオススメです!”と言われてたんですが食べる機会がなくって今回初食。
 こってり系かと思ってましたが、意外とスープはあっさり系。ちょっとアルコールっぽいふわっと感がある? 牛の角煮とチャーシューが乗っている横綱級肉食系なんですが、牛の角煮の油が熱々とろとろで意外とするっと。黒い味玉も美味。
 美味しゅうございました

2016030262


 2杯目に食したのが”山形・酒田の自家製ふわ・とろワンタンメン”。“ふわとろ”なワンタンが入っていて箸で持てないほど(レンゲが欲しかったなぁ)。するっとのどごしでとっても美味。っと口の中でとろけるのが特徴。薄切り肉が入ってますがメインがワンタンなのでちょっと控え目。まあ、行司役ってとこでしょうか。
 私自身はちょっと塩辛いかと思いましたが、一緒に行った奥様は3杯食べた中ではこれが一番美味しかったとのこと。この辺が料理の面白いところです。
 美味しゅうございました

2016030275


 2杯目に食したのが”元祖味噌 信州肉盛り安養寺ら~めん”。甘味噌系です。長野名物の唐辛子”八幡屋礒五郎”とコラボしたオリジナルブレンド七味唐辛子入りだそうですが、そんなに辛くないです。具の味付けバラ肉もとっても美味。技の大関と言ったとこでしょうか。
 美味しゅうございました

2016030278


 いずれも大変美味でしたが、欲を言うなら”ハーフサイズ”も作って欲しかったな~~ 奥様と2人で3杯を食しましたが、さすがにお腹いっぱい。いろんなのを食べたいので半分づつなら倍の種類が食べれたんじゃないかと。新横浜ラーメン博物館(*3)でもやっているんで、ぜひご検討いただければと・・・

 ところで、”奥様からどれが一番美味しかった?”と聞かれたんですが、これってけっこう難しいんですね。元々ラーメンってスープ×麺×具の数だけありそうで、スープだけでも醤油、塩、味噌、トンコツに、出汁が何ベースかトロミをつけるかでも違うし。具に至っては千変万化、何を入れてもそれなりにマッチしちゃいます。つまり、ラーメンっておっそろしくバリエーションの多い食べ物で、三者三様に”美味しいのツボ”が違ってたりするし。
 ですんで、美味しいラーメンを食べ歩くだけで物語が成立しちゃったり。最近のだと東京ラーメンショーのスペシャルサポーター”小泉さん”の登場する”ラーメン大好き小泉さん(*3)”なんかがけっこうお気に入り。毎日先着50枚限定で配られている”小泉さんステッカー”、貰ってきちゃいました(下の写真です)

2016030297


 それでも、どうしても”一番美味しいラーメン”を決めたいとなると今回ご紹介するフードバトルモノの草分け的存在”包丁人味平”をどうぞ。本書は”週刊少年ジャンプ”に1973~77年に連載された料理漫画で、この分野ではかなり初期の作品(wikipediaでは史上初)。なんたって、料理バトルを世に広めた”料理の鉄人(*4)”より20年近く前ですぜ! なんたって、ゲスト審査員が”巨人の大島選手”、”横綱和島関”、”アントニオ榎木”、歌手の”山口モモ恵”に”北山三郎”。アントニオ榎木なんて”ラーメンはねころんでくうなよーっ!!(*5)”なんてヤジが飛んでて・・・ 時代を感じますな~~~

 この日本一決定戦に味平が飛び入り参加したのは

  このラーメン祭りの出場者はどうしてプロばかりなんですか?
  主婦や一般の人の中にもラーメン作りの名人はいるはずですよ
  本当のラーメン祭りならシロウトの出場者もいれるべきじゃないですか!?

と提案したから。まあ、かなりムチャ振りな提案なんですが、審査員一同協議の上あっさり通っちゃいます。懐の深い審査員とも言えますが、ラーメンの美味しさってそんだけ融通無碍だってことかもしれませんね。

 味平ももちろん参加しますが、ラーメンに関しては全く素人。ところがこれが意表を突く奇策で突破しちゃうんですな。なんったってスープ作りはドラム缶西部劇の映画観てまねちゃうっつ~アバウトさ。麺作りでは生地を足で踏んで鍛えるのは”ラーメン音頭だヨヨイのヨイ♪(*6)” それでも美味しいってんだから料理って不思議。味平のラーメンの作り方は

  おれのラーメンのつくり方はただひとつ おいしければいいってこと!

と言いきってるんだから、まあ、周りのプロは怒るわな~~~

 まったく知識や技術がないってのは論外にしても、そこそこあればそこそこに美味しくできるのがラーメンでしょうか。あとは愛情があればOK?
 解説役のラーメンおばさんのコメント

  シロウトがつくる料理は 技術がないだけに
  なんとか相手に気にいってもらおうと必死になってつくる・・・
  つまり相手のことを考えるという態度が
  どうしても料理のなかにでてくるんじゃよ
  ほれ よくいうじゃろ 料理の秘訣は愛情だってね!

まあ、かわうい彼女に作ってもらった料理ならなんだって美味しいんでしょうけどね! けっ!

 どうも、食レポ系のブログを書いたことないんで、つたない文書ですいません。
 ラーメンショーは無料ですんで、ラーメン漫画を片手にぜひ訪れてみてはいかがかと


《脚注》
(*1)コンテストなんかはやっていません
 店が一直線に並んでいるので、人気度合いは一目瞭然ですが・・・
 ただ、人気度合いと美味しい度合いがそのまま同じかというと微妙なところで、前評判が高けりゃ混むし、お店の手際が悪くても並んじゃうし・・
 そもそも全種類食べれるわけでもないですしねぇ・・・
(*2)新横浜ラーメン博物館
 新横浜駅すぐ近くにあるラーメンをテーマとしたフードパーク。昭和の街並みを再現したフロアは”クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲”に登場する”20世紀博”を彷彿とさせます
(*3)ラーメン大好き小泉さん(鳴見なる、竹書房)
 美少女にしてミステリアスな雰囲気を漂わせる女子高生”小泉さん”。彼女の趣味は”ラーメンの食べ歩き(一人で)”。彼女と友達になりたいクラスメイトの悠はいろいろツッコミを入れて彼女とラーメンを食べに行こうとするが・・
 ”女子高生がラーメンを食べる”というコンセプトだけで作品になってるというスゴイ漫画。でも一番スゴイのはあんだけラーメンを食べてもスレンダーなスタイルを維持している小泉さんでしょうか?!
(*4)料理の鉄人
 1993年~99年にフジテレビで放映された料理バトル番組。テーマになる食材を使ってふたりの料理人が1時間以内に料理を作って3~4人の審査員がどちらが美味しいかを採点するもの。他のお料理番組との最大の違いは料理のレベル。ちょっと素人がマネして作ってみられるレベルじゃなかったな~~
 上記の”美味しゅうございました”は審査員を務めた料理記者”岸朝子”さんの決めセリフです
(*5)ラーメンはねころんでくうなよーっ!!
 プロレスラーの”アントニオ猪木”とプロボクサーの”モハメド・アリ”が異種格闘技戦をおこなったのが1976年。この時猪木がとった戦法が”アリキック”と呼ばれる寝っ転がった状態からローキックを放つという技。このヤジはこれを踏まえてのことかと。若い人には解説しとかないと分かんないんでしょうねぇ、今や・・・
(*6)ラーメン音頭だヨヨイのヨイ♪
 元ネタは1970年代にNET(現テレビ朝日)ので放送された”みごろ!たべごろ!笑いごろ!”に登場したデンセンマンの”電線音頭”かと。動画はこちらからキャンディーズ、かわういどぞっと!

SFを語るなら最低千冊! 昔はマジで言ってたんですよ~~(バーナード嬢曰く。/獄中)

 ども、そこそこ本好きなおぢさん、たいちろ~です。
 本が好きかどうかは本人の趣味趣向の問題なので、大量に読んでいるとか深読みしているかってのはそんなに問題じゃありません。”い~じゃんかよ~、本人が好きって言ってんだからよ~”と開き直ることもできます。ところが、他人から”あなたは読書家ですね!(*1)”と言われたいとなると話は別。そこそこの量をそれなりにちゃんと読んでないと人はそうは思ってくれません。でも、本を読むって膨大な時間とエネルギとお金がいるんですな。そうなると、最小の努力で最大の効果、つまりほとんど読まずに読書家っぽくなりたいって人も出てくるわけです。
 ということで、今回ご紹介するのはそんななんちゃって読書家のお嬢さんを主人公にした本”バーナード嬢曰く。”であります。

写真はたいちろ~さん撮影。明治村にある金沢監獄の監房です。

1050669


【本】バーナード嬢曰く。(施川ユウキ、一迅社)
 読書家と呼ばれたいけど、実は本を読むのが苦手な自称”バーナード嬢”こと”町田さわ子”、彼女のツッコミ役にして一昔前のベストセラーが好みの”遠藤”、図書委員で読書好き、小学校以来のシャーロキアン”長谷川スミカ”重度のSFファンで語り出したら止まらない”神林しおり”。こんな4人の高校生が図書室につどってツッコミあう日常系本読みコミック。
 なんと”SFマガジン(2016年12月号)”を飾るという快挙で思わず読んじゃいました。
【旅行】獄中
 牢獄の中なので”獄中”。懲役・禁固刑の人や容疑者を拘留する施設。”監獄”というのは昔の呼び方で、今は”刑事施設”と言われるそうです。入ったことないけど。


 では本書からいうつか”あるあるネタ”を

〔読んでなくても、読んだ気になっている本ってありそうだな~~〕
 バーナード嬢は本は読んでないけど、読んだ気になる、人から読んでると思われるのに頑張っている人。まあ、実際には読んでないワケでそこのギャップが面白いんですが、じゃあ人が話題にする本をみんな読んでるかというとんなことないわけで。私自身はこのブログで扱う作品は(いちおう)読んだことあるのに限定してますし、読んだことないのは自己申告しています(たぶん)。でも、一般的にはけっこう読んだ気になっているってありそうだな~~。
 私見ですが、おそらく代表作かなと思われるのが”レ・ミゼラブル(*2)”。ミュージカルでやってたし(観ました)、映画にもなってるし(観てません)、少年少女世界文学全集では”ああ無情”は定番だし(たぶん読んだかと)、コミック化もされてるし(これは読んでません)。でもこのお話、原作版で読むとけっこうきついんですぜ!。なんたって新潮文庫(しかも今どきのすかすかの組版じゃなくてみちみちに詰まった)で全5巻。だいたいの人が知ってる部分って実はほとんど最初と最後だけ。真ん中あたりはフランスの復古王政がど~した革命がこ~したナポレオンがあ~したっていう話が延々続いてたりして。若い時に読んだけどきつかったよ~~ あの本、全巻通しで読めた人ってそんなにいないと思うんだけどな~~~

〔SFを語るなら最低千冊!〕
 まあ、本読みのジャンルは数多あれど、まず本を読めとか、映画より原作が良いとか言う傾向が一番強いのってやっぱりSFファンでしょうか。
 神林さんからSFを10冊近く借りて読んだ町田さわ子のセリフ

  SFはだいたいわかった

に対し、神林しおりはちゃぶ台ひっくり返して大激怒

  SFを語るなら最低千冊!
  ムリでもせめて普通に本屋で買える青背 全部読んでから言え!!
(*3)

まあ、遠藤君の

  ・・・こんなやり取り、過去にウンザリするほど繰り返されてるだろうに
  なぜ こんなに熱くなれる・・・!?

のツッコミもわからんではないですが。”千冊読んで”っての、今なら冗談かと思われるかもしれませんが、初期のSFオタクってマジでそんなこと言ってたんですよ。岡田斗司夫の”オタクはすでに死んでいる(*4)”の中にもそんな話が出てきますし、学生時代の友人のSFファンもその手のノリがありましたなぁ

〔すごくドラマチックで読書がはかどるスポットは?〕
 まあ、千冊はともかく、それなりの量の本を読むのにはそれなりの時間がかかります。じゃあ、どこでまったり本を読むかというネタ。
 神林しおりさんは関東から九州までの新幹線の長旅で(*5)。町田さんですらカゼで休んでる日は、読書スポットとしても名高い”病床!!”で読書を。
 ある日の図書室で町田さん、遠藤君、長谷川さんがあこがれの読書スポットの話題を

 町田さん  :すごくドラマチックで読書がはかどるスポット
        でも実現しないと思う
 長谷川さん :しますよ きっと! どこですか?
 町田さん  :獄中!!
 長谷川・遠藤:はかどりそう

 さすがに入ったことないですが、確かにはかどりそうですな~~~ 堀江貴文の本に”ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った(*7)”ってのがあります、読んでないけど。さすがに頭のいい人は人生をムダにしませんな~~ まあ、入ることはないと思いますが(たぶん)、もし入ることがあったらこうありたいものです

 ところでこのマンガ、5分の短編深夜アニメで放送中。ニコニコ動画で観ましたがけっこう面白かったですよ。一般受けするかどうかはわかりませんけど。ちなみに私は神林しおり推しです・・


《脚注》
(*1)あなたは読書家ですね!
 ”読書家”ってのも考えるとヘンな言葉です。普通は小説家だの評論家だのマンガ家だの、XXでメシを食ってる人のことを指しそうな気が済んだけど、読書だけでメシ喰えんもんな~。アフリエイトで稼いでいる人もいるみたいですが、これだって読書=紹介ってわけでもないですし。マツコ・デラックスの紹介で”女装家”って言われてた時も同じこと感じましたけど・・・
(*2)レ・ミゼラブル(ヴィクトル・ユーゴー、新潮文庫他)
 パンを盗んだために監獄に送られたジャン・ヴァルジャンと彼を更生させたミリエル司教、彼が引き取って育てたコゼットちゃんに、彼を執拗に追うジャヴェール警部。知らぬ人がいないといえる有名なヴィクトル・ユーゴーの小説ながら、全容を語れる人もまた少ないんじゃないかな~~と言える大河小説。
(*3)ムリでもせめて普通に本屋で買える青背~
 ”青背”とは早川書房から出版されているSF文庫の背の部分が青いことから。本の話題で”あの人の本棚は青い”というとSFファンだということです。
(*4)オタクはすでに死んでいる” (岡田斗司夫、新潮新書)
 かつて”オタキング”と呼ばれた男、岡田斗司夫によるオタク評論
 テレビの企画で、いまどきのオタクたちに対面した著者が覚えた奇妙な違和感。そこから導き出された結論は「オタクはすでに死んでいる」だった。小さな違和感から始まった思索の旅はやがて社会全体の病にまで辿り着く。(本書紹介文より)
 詳しくはこちらをどうぞ
(*5)関東から九州までの新幹線の長旅で
 富士山の絵があるので、神林さんは少なくとも静岡より東にお住まいの様子。さらっと描いていますが、関東の人間が九州に行くのに普通は新幹線なんか使いませんぜ。東京~博多間のぞみで5時間強。こんのやるのは鉄っちゃんか本読みぐらいでしょうね
(*7)ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った(堀江貴文、角川書店)
 堀江貴文が証券取引法違反、いわゆる”ライブドア事件”で収監されたのは2011年6月~2013年3月の約21ケ月(wikipediaより)。単純計算で月に50冊以上たいしたモンです、ホリエモン!

オクトーバーフェストのビール美味しいです。ディアンドル、巨○が着ても貧○が着ても可愛いです(のみじょし/オクトーバーフェスト)

 ども、尿SAN値(*1)が高いのでビールを控えろと医者から言われているおぢさん、たいちろ~です。
 呑み会に行くと”とりあえずビール”ですが、その後は焼酎の水割りかハイボール、家ではプリン体の少ない発泡酒です。が、たまには美味しいビールが呑みたくなるもの。で、たまたまネットをみていると横浜赤レンガ倉庫でオクトーバーフェストがやっているではないか!
 ということで、今回ご紹介するのは”横浜オクトーバーフェスト2016に行ってきました”&オクトーバーフェストネタののっているコミック”のみじょし”であります。

写真はたいちろ~さん撮影です。
横浜オクトーバーフェスト2016にて(公式hpはこちらから

【本】のみじょし(迂闊、竹書房)
 みっちゃんこと独身OLの高瀬道子さん、二児の母親東雲ゆきさん、筋トレ大好きの宮内美園さん。仲良しの3人が大好きなのはそろって美味しいお酒を呑むこと。ある日みっちゃんがオクトーバーフェストのパンフレットを見つけてきて一緒に呑みに行くことに・・・(2巻”みっちゃんオクトーバフェストにいく”より)
【旅】オクトーバーフェスト(Oktoberfest)
 元々はドイツのミュンヘンで開催されてた新しいビールの醸造シーズンの幕開けを祝う祭り。10月(Oktober)第一日曜日(現在は統一記念日の3日)を最終日とする16日間に開催(wikipediaより)。日本では単なるビール呑みのイベント状態でしょうか。10月関係なくやっとりますが・・(*2)
 ドイツ語なので”October”の”c”ではなく”Oktober”の”k”になります。

 ”横浜オクトーバーフェスト2016”は9月30日から10月16日まで横浜の観光名所”赤レンガ倉庫”の広場で開催。ちなみに春は”ヨコハマフリューリングスフェスト(春祭り)”という名前で同じようなイベントやっとます。イベントは上記のとおり”ビール祭”なんですが、どんなんかというと、みっちゃん曰く

  オクトーバーフェストはヤバイ
  外じゃん? 気持ちいいいじゃん? 飲むじゃん
  ブルストおいしいじゃん? アイスバインおいしいじゃん? 飲むじゃん
(*3)
  歯止めきくわけないじゃんこんなのーーッ

というもの。写真で見るとこんなんです

外の風景。ビールやおつまみ(肉やじゃがいも料理など)を売ってるお店がいっぱい
写真左にちょこっと写ってますが、外のテーブルで飲めます

Pa150258
ビールの呑み比べセット。木の台には”乾杯の歌”が(*4)

150263s
右側はブルスト、チキン、ベーコン、ザワークラウト(キャベツの漬物)の盛り合わせ
左側はポテト&フィッシュ

150263s_2

大テントの中。左右にお店、中央にはステージもあります

Pa150287
この日は”ヴォーホーアンドカレンダーバンド”というドイツ楽団が来ていて、”乾杯の歌”で知らぬお隣さんと乾杯をし合うは、腕を組んで踊るわとなかなかにヨーロッパ的な大宴会の様相です。

1s

チューチュートレイン。もといゴーゴートレイン
酔っぱらった御一同がハイタッチしながら会場内を練り歩き
先頭はドイツ楽団のアコーディオンオジサンのMCのお姉さん
2s

 さて、”のみじょし”の中にあって、”横浜オクトーバーフェスト2016”になかったのがディアンドルのレンタル。ディアンドルというのはドイツやオーストリア地方にかけての女性の民族衣装だそうです。前開きで襟ぐりの深い短い袖なしのボディス(胴衣)、同じく襟を深く刳ったブラウス、踝までを覆うスカート、エプロンが伝統的な構成要素(wikipediaより抜粋)。
 写真はヨーデル担当のドイツ楽団のお姉さん。下はバストショット。

150263s_3
150264s

 ”のみじょし”の3人のお嬢さんがコスプレするんですが、この服ってバストが強調されるんですかね~~ 巨○のゆきさんと美園さんに対して貧○のみっちゃん

 いや~ 久し振りに現実ってやつにフルスイングでぶんなぐられた気分~

とやさぐれモードに。いやいや、けっこう似合ってますよ!

 オクトーバーフェストはビール好きにはお勧めのイベント。ただしお値段はちょっち高め。ビール1杯でだいたい1000円以上(戻ってはきますが、デポジット料も)。料理もほとんど千円以上で盛り合わせにすると3~4千円ぐらいでしょうか。みっちゃんは”歯止めきくわけないじゃんこんなのーーッ”と言ってますがお財布側でリミッターかかったりして・・・

《脚注》
(*1)尿SAN値
 尿酸値が高いと”痛風”を起こしやすくなるので健康診断でこいつがでるとプリン体を多く含むビールを控えろとの生活指導が出ます。本書の中でもみっちゃんが”禁酒(ただし1週間だけ)”を決意しているのも健康診断で値を抑えるため。
 ちなみに本書では”尿SAN値”と記載されていますが、これはクトゥルフ神話のゲームに出てくる正気度パラメーター”SAN値”のもじりではないかと
(*2)10月関係なくやっとりますが・・
 本書の中でも”開催が7月なのにオクトーバー(10月なんだなあって・・・)”というツッコミ入ってます。実際”Oktoberfest2016”の公式hpでも日比谷が5月に9月、お台場が4月に9月、奈良6月、東北7月、福岡9月としょっちゅうやっとります
(*3)ブルストおいしいじゃん? アイスバインおいしいじゃん?~
 ブルストはドイツ語でソーセージアイスバインは豚肉とタマネギや香味野菜、香辛料と煮込んだドイツの代表的な家庭料理。オクトーバーフェストにあったのかな~ 気がつかなかったけど
(*4)乾杯の歌
 ”Ein Prosit(アイン・プロージット、さあ乾杯だ)”という乾杯の掛け声ソング。オクトーバーフェストの定番だそうです(曲はこちらから
 ”乾杯の歌”というとヴェルディのオペラ”椿姫”の劇中歌とか、”盃を持て、さぁ卓をたたけ”というドイツ民謡なんかがありますが、これとは別物。まあ、酒呑みはどんな曲でも乾杯しちゃうんですけどね

ネットは広大かもしれませんが、リアルだってそこそこ多様なんですよ(ゼロ年代の想像力/涼宮ハルヒの憂鬱/阪急電鉄)

 ども、新人類世代というよりオタク第一世代かな~のおぢさん、たいちろ~です。
 今となっては説明が必要そうな”新人類世代”。1980年代半ばの流行語で(1986年の流行語大賞受賞)、”従来とは異なった感性や価値観、行動規範を持っている若者”のこと。言いだしっぺは”栗本慎一郎(*1)”だそうですが、当事者的には”ニュータイプ(*2)”の和訳ってノリでしたけど。
 個人的には”新人類世代”ってもうちっと下の世代の感じがしてまして、ジャストミート感があるのは、どっちかつ~と庵野秀明とかに代表される今のアニメ・特撮あたりの中核を担っている”オタク第一世代”ってとこでしょうか(*3)。
 なんでこういう書き出しをしてるかっていうと、先日読んだ”伊藤計劃(*4)”の紹介に”ゼロ年代”うんぬんのキャッチコピーが入ってまして、どういうもんでしょか、これ?と思った次第で。
 ということで、今回ご紹介するのはそんなゼロ年代に関する評論の本”ゼロ年代の想像力”であります。


写真はたいちろ~さん撮影。阪急の電車です。

0364


【本】ゼロ年代の想像力(宇野常寛、ハヤカワ文庫)
 ”大きな物語”が失われた時代の変遷と新たな物語を、文学、アニメ、テレビドラマなどのサブカルチャーの事例を引きながら批評した宇野常寛による新しいタイプの評論集。2008年出版の単行本に加え11年のインタビューを加えた文庫版で読みました。
【本】涼宮ハルヒの憂鬱(谷川流、角川書店)
 ”ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい”。入学早々、こんな自己紹介をした”涼宮ハルヒ”。彼女は”SOS団(世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団)”を結成し、キョン、古泉君、長門さん、朝日奈さんといったメンバーを集める。彼らは実は超能力者、宇宙人、未来人ですが、彼女自体はまったく知らない。そして彼女自体は無自覚ながら神にも匹敵する存在。このどたばたに巻き込まれた一般人のキョンは・・・
【旅行】阪急電鉄
 関西にある私鉄。大阪、京都、神戸という3大都市圏を結び、宝塚や箕面、北千里などの郊外にもつながっています。上記の”涼宮ハルヒの憂鬱”の舞台のモデルになった西宮周辺もこの沿線。関西にご旅行の際はぜひご利用ください


 宇野常寛は”リトル・ピープルの時代(*5)”に続いて2冊目。書かれたのは”ゼロ年代の想像力”のが先になります。450ページを超える評論集なので要約は難しいんですが、思いっきりまとめるとこんな感じ。

 1970年代以降、歴史や国家といった「大きな物語」が有効だった時代が崩壊し(*6)、”不自由だが暖かい(わかりやすい)社会”から、”自由だが冷たい(わかりにくい)社会”へ移行する。経済的にも”がんばれば、豊かになれる世の中”から”がんばっても、豊かになれない世の中”へ。特に1995年前後に大きく変化する。その中身は

 ・「大きな物語」に根拠づけられない(究極的には無根拠である)「小さな物語」を
  中心的な価値として自己責任で選択していくしかない時代
 ・データベースからから欲望する記号を読み込み、信じたい物語を信じる
  (データベース消費モデル)

という感じ。(あんまりうまくできてなくてすいません)
 話がやっかいなのが、この”信じたい物語を信じる”ってヤツで、”たとえ究極的には無根拠でも、特定の価値を選択する(決断する)決断主義”というかなり強硬なものから引きこもり、あいまいな人間関係を求めるのまでさまざま。サブカルチャーから見ると

・世の中が間違っているから何もしない”引きこもり系”(エヴァンゲリオン)
・無条件に女性(母性)に認証される”セカイ系”(ほしのこえ、最終兵器彼女)
・戦わなければ生き残れない”サヴァイヴ系”(バトル・ロワイヤル)
・日常の無意味なコミュニケーションの連鎖”日常系、空気系”(あずまんが大王)
・決断をより謙虚で柔軟性をもってできるように環境を整える”新教養主義”
・友情、疑似家族といったあいまいな関係”(複数の物語に接続可能な)開かれた
 コミュニケーション”
(ラスト・フレンズ)

こういった作品群が時代の空気として登場(おおむね上から下の時系列)すると。(全部の作品を見てる訳じゃないんですが・・)

 非常にたくさんの作品がでてくる本ですが、面白かったのを1つ。”涼宮ハルヒの憂鬱”という作品で、2000年代中頃にブームになったんでご存知のかたもあろうかと(*7)。この作品って、宇宙人、未来人、異世界人、超能力者を探して一緒に遊ぶってモチーフで、”セカイ系”扱いされているそうですが、ハルヒが実際にやっていることって(まあ、不思議探しもやってはいますが)文化祭で映画とったり、バンドしたりと”日常系”じゃないかと本書ではコメントしています。

  つまり、オカルト的なものSF的なものによって別世界、
  つまり<ここではない、どこか>に連れていくのではなくて
  この世界、つまり<いま、ここ>を多重化していく
  現実のコミュニケーションを豊かにするために想像力が用いられている部分にこそ
  若い世代にとっての『ハルヒ』の魅力はあったんじゃないか

 おぢさん世代にとって”ここではない、どこか”って一つの時代のキーワードって感じがしてます。おぢさん世代の親世代って、いわゆる高度経済成長期(がんばれば、豊かになれる世の中)。それがだんだん価値感が多様化し、バイト(今でいう非正規雇用)でそこそこ食っていけるから、本当の自分を探そうみたいな。受験戦争からサラリーマンになるルートではない”自分探し”への空気みたいなのが”ここではない、どこか”って言葉じゃなかったかなぁ。

 バブル崩壊から景気が後退して”がんばっても、豊かになれない”閉塞感がある一方、インターネットやSNSにより本来つながらなかった人達がつながるようになり、信じたい物語を信じる人達と”小さな物語”を共有できる、あるいは”小さな物語”同士が対立しあうようになった現代。その結果が引きこもりだったり、バトル・ロワイヤルだったり、あいまいなコミュニケーションだったりするんでしょうが、見方を変えれば<いま、ここ>だってけっこう豊かなんですぜネットは広大かもしれませんが(*8)、リアルだってそこそこ多様なんですよ。阪急電鉄に乗るだけだって千年の古都、からエキゾチックなストリート、近代的なオフィス街、温泉だってあるんだし。卑近なオチですいませんが、やりようによっちゃリアルだってなかなか捨てたもんじゃないかと、おぢさん世代は思うのであります。

《脚注》
(*1)栗本慎一郎
 経済人類学者、評論家。当時はロン毛にベレー帽子と学者らしくない風貌でコメンテーターでよくテレビに出てました。”パンツをはいたサル(カッパ・サイエンス)”なんか読みましたな~~
(*2)ニュータイプ
 ”機動戦士ガンダム”に登場する直感力と洞察力に優れ、離れていても意思疎通ができる新しい人類のこと。主人公のアムロやシャア、ララァなんか。ファーストガンダムから映画3部作により社会現象化したのが1980年代前半です。
(*3)”オタク第一世代”ってとこでしょうか
このあたりの世代っていうと1958年生まれの”オタキング”岡田斗司夫、”宇宙戦艦ヤマト2199”の総監督まで出世した出渕裕。1959年生まれの”超時空要塞マクロス”での美少女キャラを生み出した美樹本晴彦、同じく板野サーカスのアニメーター 板野一郎。1960年生まれは”エヴァ”、”シン・ゴジラ”の監督 庵野秀明、”おたく”というワードの生みの親、コラムニストの中森明夫。”ジョジョ立ち”の荒木飛呂彦やライトノベルのご神祖様 新井素子なんてのもいます(生まれ年はwikipediaより)
 まあ、濃いい人達が集まっていますが、こんなのって集め方次第でど~とでも書けるので”だからオタク世代”といわれてもあんまし信用しないようにね。
(*4)伊藤計劃
 2007年に”虐殺器官”(まだ読んでません)でデビューし2年ほどで早逝したSF作家。1974年生まれ。代表作は”ハーモニー”(早川書房)”、”屍者の帝国”(円城塔との共著、河出書房新社)など。上記3作は”Project Itoh”としてアニメ化されています。”ハーモニー”の詳細はこちらから、”屍者の帝国”の詳細はこちらからどうぞ。
(*5)リトル・ピープルの時代 (宇野常寛 幻冬舎)
 リトル・ピープルの時代―それは、革命ではなくハッキングすることで世界を変化させていく“拡張現実の時代”である。“虚構の時代”から“拡張現実の時代”へ。震災後の想像力はこの本からはじまる。(Amazon.comより)
 詳しくはこちらからどうぞ
(*6)歴史や国家といった「大きな物語」が有効だった時代が崩壊し
 ベネッセホールディングスが2016年7月に実施した”第1回 現代人の語彙に関する調査”によると、社会人の方が高校生より知っていると答えた割合が高い言葉の2位が”イデオロギー”だそうです(社会人 73.6%、高校生 33.7%。差39.9%)
(*7)2000年代中頃にブームになったんでご存知のかたもあろうかと
 この小説の広告が日経新聞に載った時には少なからず驚きましたね。なんたってビジネスマン向けの新聞にライトノベルですぜ!
(*8)ネットは広大かもしれませんが
 ”攻殻機動隊(士郎正宗、押井守監督)”より。全身義体化した公安9課のリーダー”草薙素子”のセリフから。

京都は世界有数の観光地です。”はんなりギロリの頼子さん”片手に廻ってみるのも素敵かもしれませんね(はんなりギロリの頼子さん/鴨川べり・嵐山竹林)

 ども、旅行に行くのにどこでもドアがあると交通費が助かるな~~と思っているおぢさん、たいちろ~です。ドラえも~~ん!
 ミステリーの重要な要素に”アリバイ(現場不在証明)”ってのがあります。犯行推定時間に犯行現場にいなかった=その時間に別の場所にいて移動時間を考えると犯行を行うことは不可能ってやつです。この手のトリックで実在の場所をモデルにすると、その土地を知っているかどうかでリアリティがかわってくるんやないかと。犯罪ではないですが、京都を舞台にした”珈琲店タレーランの事件簿(*1)”に京都駅と伏見稲荷に同時に修学旅行生がいたって話がありますが(*2)、これってまずおかしいとピンとくるかどうかはジモッティさんとか実際に行ったことがある人じゃないかと。
 ということで、今回ご紹介するのは京都にみる移動時間と人出の考察”はんなりギロリの頼子さん”であります。


写真はたいちろ~さん撮影(2015年5月5日)
上は鴨川べりの風景。お店から張り出しているテラスのようなのが納涼床”川床(かわゆか)”です
下は嵐山野宮神社付近の竹林の風景。インバウンドの方いっぱいでした

5052103
5052302

【本】はんなりギロリの頼子さん(あさのゆきこ、ノース・スターズ・ピクチャーズ)
 京都のとあるタバコ屋の看板娘?の頼子さん。目つきギロリで見た目は悪役っぽいけど、とてもシャイな女性です。ある日、京都大好きな写真家アヤコちゃんが友人のラノベ作家ナガレカワ★ショウくんを連れてきます。新作の下書きを見て京都人として意見を聞かせて欲しいとのこと。さっそく読んだ頼子さんですが、思いっきりダメ出しを・・・
【旅行】鴨川べり
 京都市街の東部を流れる川。特に四条あたりは京都有数の観光スポット(ただしカップル限定)本書の中でも出てきますが、川べりを見ていただくと”鴨川等間隔の法則”と言われるようにカップルが等間隔に座っているのがわかります
【旅行】嵐山の竹林
 京都嵐山の天竜寺・野宮神社の奥にある竹林。本来は閑静な竹林のはずなんですが、こちらも京都有数の観光地のため、けっこう人がいっぱいでした


 ”京都のとあるタバコ屋”と書きましたが、これってどのへんでしょう? 本書からキーワードをピックアップすると

 ・鳩に襲われてふらるら歩いてきたた女子高生を見て
  ”おおかた東本願寺の鳩にやられたんでしょ”と言ってる
 ・鴨川の河川敷まで東に歩いて15分ぐらい
 ・京都タワーの100均に行くまでに東本願寺を通る

とあるので、おそらく烏丸五条を下って西に入ったあたり。世界遺産から徒歩2分といっているのでこれは西本願寺と思われます。”今北軒のおはぎ”というネタがありましたが、これは今西軒(*3)のもじりっぽいので、ほぼほぼこのあたりかと。ピンポイントでこのあたりに行ったことはないですが、京都自体は何べんも行っているのでだいたい感じわかります。

 いわゆる”土地カンがある”って話ですが、これがまったくない人が話を書くと”あれ??”ってことになります。頼子さんがナガレカワ★ショウくんの下書きにをダメ出しをした内容がまさにこれ。
 ”4月の日曜日。修学就学旅行を途中でエスケープした2人の学生が夕方近くの鴨川から、夕陽が輝く嵐山の竹林でふたりっきりでいいムード”って内容ですが、これって確かにムリがあるな~~ 頼子さんのコメント

  日曜日!? しかも4月 正気か!?
  あのね・・ 出てきた鴨川も嵐山の竹林も円山公園も
  も~~~そりゃ 人いっぱいな訳
  さらに このシーン!
  鴨川から嵐山の竹林はどうがんばっても1.5時間はかかる
  だから、明るいままってのは不自然!

 京都に行ったことない人はピンとこないかもしれませんが、京都の観光スポットって意外と広いんですぜ! 本書にある”神宮丸太町→(京阪電鉄)→祇園四条→(徒歩)→河原町→(阪急電車)→大宮→乗換→四条大宮→(京福電鉄)→嵐山”と決して行きやすい移動じゃないんですな。嵐山にはJR、阪急、バスとかいろいろルートはありますが、駅to駅でも1時間程度、バスだと45分(混んでいなければですが)(Yahooで検索)。嵐山駅から竹林まで多少歩きもはいるんで、たしかに1.5時間ぐらいはかかりそう。ですんで、夕陽を2か所で見る設定ってちょっとムリがあるかな~~
 観光で行かれるんなら清水寺や三十三間堂などのある洛東エリアで1日、天竜寺や渡月橋のある洛西・嵐山エリアで1日は欲しいところポイントを絞れば廻れないことはないですが、けっこう弾丸ツアーになりそうです(*4)。

 あと、京都の混み方ってすごいんですぜ! 特にここ数年はインバウンドで中国や韓国の人が。観光地で写真撮影を頼もうとしても日本人だか中国人だかわかんないくらいです(*5)。嵐山の竹林もすいていればとっても閑静なとこなんでしょうが、今どきならみんなそろっての記念写真に自撮りがてんこ盛り。ふたりで手をつないで静かな雰囲気ではないですねぇ。まあ、愛し合う二人ならどこに行ってもロマンに酔えるんでしょけどね、ケッ!

 京都は世界有数の観光地ですんで、見るとこはいっぱいあります。本書をガイドブック代わりに廻ってみるのも素敵かもしれません

《脚注》
(*1)珈琲店タレーランの事件簿(岡崎琢磨、宝島社文庫)
 京都の一角にある珈琲店”タレーラン”の女性バリスタ”切間美星”を名探偵役にした日常系ミステリー。まだ2巻までしか読んでませんが、けっこう面白いです。
(*2)京都駅と伏見稲荷に同時に~
 JR京都駅~伏見大社前までバスで14分、JR京都駅~奈良線稲荷まで電車で5分。車で7分(距離にして3.3Km)(Yahoo地図他より)。すぐ近くのようですがこれは駅までの時間。実際の”伏見稲荷大社”ってのはおっそろしく広大な敷地を持っていて、奥にある一の峰まで往復すると2~3時間はかかります。
(*3)今西軒
 京都にある和菓子屋さん、いったことないけど。住所は京都府 京都市下京区 烏丸 五条西入ル一筋目下ル横諏訪町312。詳しくは”食べログ”でどうぞ
(*4)けっこう弾丸ツアーになりそうです
 ”海街diary”(吉田秋生、フラワーコミックス)の7巻で主人公のすずちゃんたちが京都の修学旅行の自由行動で、清水寺(地主神社、三年坂)→清明神社→嵐山(野宮神社、竹林、渡月橋)というパワースポットめぐりをやっています。1日で回れないことはないですが、かなりせわしないだろ~な~と読んだ時思いましたね。
(*5)日本人だか中国人だかわかんないくらいです
 ニュースで”中国人らしいXXが”みたいなのが出てきますが、あれって偏見混じっていないかな~~って心配になるぐらい。最近の中国人観光客の人はしゃべらなければほとんど日本人と区別つかない人多いですよ。

ハードSFっぽいノリが好きか、ゾンビとBLが好きか、お好みによりチョイスしてみてください(屍者の帝国/パンチカード)

 ども、死して屍拾うものなしのおぢさん、たいちろ~です。
 さて、”ハーモニー”に続く伊藤計劃2冊目の了読です。フランケンシュタインモノと言いましょうか、ゾンビがくるりと輪をかいたホ~イのホイ♪とでも言いましょうか。屍がソロソロ歩き回る世界にスチームパンク(*1)をホイップしたスペキュレーションフィクション?!(*2) なんたって、題名がそのモノずばりの”屍者の帝国”ですから。
 ということで、今回ご紹介するのは伊藤計劃の遺作にして円城塔が完成させた異色のSF”屍者の帝国”であります。


写真はたいちろ~さん撮影。
レトロなコンピュータで使われていたパンチカードシステムです。

Facom138a4010108


【本】屍者の帝国(伊藤計劃、円城塔、河出文庫)
【DVD】屍者の帝国
 (原作 伊藤計劃、円城塔、出演 細谷佳正、菅生隆之、監督 牧原亮太郎、アニプレックス)
 ヴィクター・フランケンシュタインが屍を甦らせることに成功してから100年、屍者は、機械式解析機関とともに社会インフラとなっていた。医学生ワトソンは大英帝国の諜報員となり、フランケンシュタインの残した”ヴィクターの手記”と、彼が最初に復活させた屍者”ザ・ワン(*3)”を追うことになる・・・
 早逝した伊藤計劃が残した草稿を、円城塔が完成させたSF小説、第33回日本SF大賞・特別賞、第44回星雲賞日本長編部門を受賞。
【道具】パンチカード
 厚手の紙に開けた穴の位置や有無から情報を記録するメディア。原理的には試験で使っているマークシートみたいなのです。原作では穴の形や大きさがばらばらとのことですので、記憶ルールは全く異なるもののようです。
 コンピュータの記憶媒体としては現在ではほとんど使われることはありませんが、私が入社した1980年代中ごろではまだ使ってたんですけどねぇ


 さて、”屍者の帝国”です。原作読みました。DVDも観ました。ブログ書こうと思ってます。で、困っています。てか、なんでこんな違う話になっとんねん???
 いや、確かに原作もDVDも面白かったんですよ。原作っていわゆる屍者=ゾンビとかフランケンといったホラー物の系譜というよりハードSFの後継者って感じでしょうか。”ザ・ワン”ことフランケンシュタインの怪物と医学生ワトソンとの魂の在り方の対話なんて、シェリー版の”フランケンシュタイン”を彷彿とさせる哲学的ともいえる内容だし。
 DVD版は、ストーリー的にはかなりわかりやすくなってるし、クライマックスでの解析機関”チャールズ・バベッジ”をめぐる戦いなんてビジュアル的にはかなり良くできてるし。世界のネットワークを統べるスーパーコンピューターっぽい扱いなのに、入出力インタフェースはパイプオルガンにパンチカードシステムつ~ギャップがたまらんし。なんといっても白髭のナイスな老人”ザ・ワン”が沖田艦長の声で語るわライバルキャラはドメル将軍だわと、けっこうそっちの人にも受けそうだし(*4)

 登場人物はほぼ同じ、扱われているガジェットもほぼ同じながら、結果的にはかなり違うテイストの話になってんですな、この作品。言ってみれば”新世紀エヴァンゲリオン”と”碇シンジ育成計画(*5)”の違いみたいな。パロディ云々のレベルではなく語るべき”物語”がぜんぜん違うと。

  全員が絶望を感じることができなくなるのは、至福の一つの実現ではないかね
  そこにはにはもう争いはない。争いを知る機能も喪失されるからだ

 本作のキーワードになるセリフですが、原作では潜水艦ノーチラスの中でザ・ワンがワトソンに”魂のありよう”を語ったもの。これがDVDだとぜんぜん別な人が全然別のシーンで使われているんですね。ザ・ワンやワトソンの行動目的もまったく別物だし、そもそも語るべき内容がまったく別次元。でも、なまじキャラクターなんかがいっしょなんで原作とDVDを続けて観るとけっこう混乱しちゃったりします。

 内容は推理モノのノリもあるんで詳しくは書けませんが、両方とも面白いんですよ。別にどっちが良いとか悪いとかの話じゃないんで、両方お勧めですがあえて言うなら

〔原作〕
 どっちかというとSFファン向きハードSFっぽいノリや、生命(魂)の謎にせまるみたいなオールディズっぽい大上段に振りかぶったSFが好きな人にはよさそう。”ヴィクターの手記”とか”チャールズ・バベッジ”とかそのワード自体がけっこうディープな意味を持つとこがあるんで、SF的な知識がある人ならさらに突っ込めるかも。

〔DVD〕
 SFというより冒険活劇かな。ビジュアルもけっこういけてますが、ゾンビもまたリアルなんで”ゾンビ好き”ならOK。ワトソンとフライデーの人間関係を見ると”BL好き”には美味しいかも。”フランケンシュタインの花嫁”みたいな恋愛モノのノリはありますがデート向きの作品とは言えんだろうなぁ

 どっちを選ぶかはかなり好みがでそうですが、よろしければご一読のほどを

《脚注》
(*1)スチームパンク
 蒸気機関や機械式計算機などのテクノロジーが発展した世界観を持つSFのジャンル。時代的にはイギリスのヴィクトリア朝やエドワード朝、日本だと明治~大正期あたり。インダストリアルデザインとしてはたいへん面白いんですが、あまり読んでいないジャンルです。すいません。
(*2)スペキュレイティブ・フィクション?!
 さまざまな点で現実世界と異なった世界を推測、追求して執筆された小説などの作品を指す語(wikipediaより抜粋)
 日本語では思弁小説。略して”SF”。”SF(サイエンスフィクション)”とは違うんだ的なノリもありますが、面白ければどっちでもいいんじゃないかと。
(*3)ザ・ワン
 SFとかホラーを読まない人向けにに補足すると、メアリー・シェリーの小説”フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス”に登場する”フランケンシュタイン”というのは怪物(クリーチャー)を作った人の名前で、怪物そのものに名前はついていないんですね。ちなみに、この怪物は頭悪そうなイメージがありますが、原作では哲学的な会話も交わすとってもインテリジェンスな人。1994年に公開されたフランシス・コッポラ製作総指揮、ロバート・デ・ニーロ主演の”フランケンシュタイン”(ポニーキャニオン)が原作に近いのでこちらもどうぞ。
(*4)白髭のナイスな老人が沖田艦長の声で語るわ~
 ”ザ・ワン”のCVを担当したのはリメイク版の”宇宙戦艦ヤマト2199”で 沖田艦長を担当した菅生隆之。なんとなくこの声で言われると納得しちゃうんだな、これが。DVD版のライバルキャラの声の担当が同じく”宇宙戦艦ヤマト2199”で名将ドメル将軍を担当した”大塚明夫”。対決のシーンは本作の聴きどころです。
(*5)碇シンジ育成計画(原作 カラー、作画 高橋脩、カドカワコミックス・エース)
 ”新世紀エヴァンゲリオン”を原作とした”学園エヴァ”モノ。登場人物はほぼ同じですがパロディとかスピンオフとかのレベルを超えてまったく別な次元にとんでっちゃってます。
 原作の出版社がこういう二次著作物っぽい本を出すってのは良い時代なんでしょうねぇ

”ああ、伊藤さんなら、こっちで新作書いてるよ”、”それは・・・ 私が読みたいです”(幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部 2/地獄八景亡者戯)

 ども、心の持ち方だけは青春のおぢさん(*1)、たいちろ~です。
 世の中には”青春××”というサブジャンルがあります。青春ミステリーとか青春恋愛小説とか。特徴としては主人公自体は高校生だったり大学生だったりすることでしょうか。でも、小説にまったく大人が登場しないってことはまれなわけで、むしろ主人公を超えちゃうような大人のバイプレーヤーってのがいたします。
 ということで、今回ご紹介するのは高校生のビブリオバトル部がメインの小説なのにおじいちゃんやらおかんのがキラリと光っちゃってる小説”BISビブリオバトル部 2”であります。


写真はたいちろ~さん撮影。
日本テレビのイベント”超汐留パラダイス! 2016SUMMER”より
笑点(*2)”のブースです

20160810


【本】幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部 2(山本弘、東京創元社)
 美心国際学園(BIS)高校ビブリオバトル部。<驚異の翼(ウィング・オブ・ワンダー)>伏木空、<燃える氷(バーニング・アイス)>埋火武人、<双面の話者(ヤヌス・トーカー)>安土聡、<愛の伝道師(ラブ・ミショナリー)>小金井ミーナ、<科学の魔女(ウイッチ・オブ・サイエンス)>菊地明日香など、本好きが集まるクラブ。今回のビブリオバトルのテーマは”戦争”。このテーマに対しそれぞれがチョイスした本は・・・
【DVD】地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)
 死んだ喜六が冥土への旅で三途の川や、賽の河原など地獄の風景出てくる前半、閻魔様の裁定で地獄行になるものの得意技で乗り切る後半とフルに演じると1時間を超える落語の大ネタ映像はこちらからどうぞ


 主人公の高校生からして二つ名を持つ本好きの集まりなんですが、そんな若者を手玉にとるんだから大人だってけっこうマニアックなのかも。今回のご紹介は埋火武人のじーちゃん、おかん、クラブの顧問(予定)の学校の先生です

〔ああ、伊藤さんら、こっちで新作書いてるよ(by じーちゃん)〕
 次回のビブリオバトルのテーマ”戦争”の本を考えていたSFマニアの”伏木空”。そこでであったのが死んだはずの埋火武人のじーちゃん(埋火武雄)。この人がまた弩のつくSFマニアでさっそく2人は意気投合。最近のSF作家の話をする空との会話

  じーちゃん:そうかあ。いいなあ。そんなにいろんな作家がデビューしてるのか
        もう少し長生きして、読んでみたかったなあ

  伏木空  :あと、亡くなられたけど、伊藤計劃さんという方も・・・(*3)
  じーちゃん:ああ、伊藤さんなら、こっちで新作書いてるよ
  伏木空  :それは・・・ 私が読みたいです

 これはもう”地獄八景亡者戯”の世界だ! ”地獄八景亡者戯”にあの世の寄席ってネタがあって、古今東西の名人上手が勢ぞろい、これは面白くないはずがない! 桂米朝師匠が生前に演じているくすぐりに、”桂米朝”という看板がかかっているのを見て

  米朝という名前で死んだ噺家はないと思いますが、あれはまだ生きてるンとちゃいますか?
  よう見てみなはれ、肩のところに”近日来演”と書いてある

 まあ、あの世で笑点の大喜利やってると思えば想像つくかも。なんてたって司会だけでも七代目立川談志、前田武彦、初代三波伸介、5代目三遊亭圓楽と超豪華なラインナップ。これで面白くなければウソでっせ! 近日来演(自主規制)とか・・・

〔でも、意外ねえ。武人って、このメンバーの中じゃ”受”っていう認識なの?
 (by おかん)〕

 埋火武人の家で合宿をすることになったビブリオバトル部の面々。男性陣は2人ひと組でお風呂を使わせてもらうことに。ここで目がランランなのがボーイズラブ大好きの小金井ミーナ。どういう組み合わせになった興味しんしん。

  だってえ、気になるじゃないですかあ。
  サト×ギンか、サト×タケか、ギン×タケか

空から”だから実在の人間で掛け算しないでください(*4)”のツッコミに対して武人のおかん(埋火いずみ)がつぶやいたのが上記の

  でも、意外ねえ。武人って、このメンバーの中じゃ”受”っていう認識なの?

埋火武人は食卓に突っ伏しかけていますが、おかんからこのツッコミされればまあ、気持ちはわからんでもないです。でも、おかん世代ってけっこうこの分野ではあなどれんかもしれんな~~ 高校生の息子(次男)がいるってことはだいたい40代後半ぐらい? 1970年代の生まれだとすると、少年愛の世界だとか耽美だとかホモネタご幼少のみぎりにはけっこうこのてジャンルに手を出してたかもしれません。なんたって、1970年代と言えば”トーマの心臓(萩尾望都 1974年)”、”風と木の詩(竹宮惠子 1976年)”、”パタリロ!(魔夜峰央 1978年)”とそうそうたる名作が登場、耽美派の雑誌”JUNE(ジュネ)”の創刊は1978年”人間で掛け算”カルチャーの源流がこのあたりかもしれないしね。

〔『2199』じゃ、ガミラスを滅ぼさなかったから、カットされたけど(by 先生)〕
 最後に登場願うのは世界史の教師にしてビブリオバトル部顧問(予定)の朝日奈先生。第一作”翼を持つ少女 BISビブリオバトル部1(山本弘、東京創元社)”では堅物教師という評判ながら実は特撮オタクをカミングアウト。まあ、真面目一辺倒と思っていた先生がいきなり”仮面ライダークウガ”の蘊蓄たれだしたら驚くだろ~な~
 で、今回は伏木空の紹介した”馬の首風雲録(筒井康隆、扶桑社文庫)”に対するツッコミ。空に対して”現実の戦争で、兵士を殺した敵のために泣くなんてあると思いますか?”という質問をするんですが、この質問に対しての空と先生の会話

  朝日奈先生:我々がしなければならなかったのは戦うことじゃない。愛し合うことだった
  伏木空  :?
  朝日奈先生:ああ、お前らの世代じゃ知らないか
        昔の『宇宙戦艦ヤマト』の台詞だ。ガミラスを全滅させた後、
        古代進が自分たちのやったことを後悔して言うんだよ
        『2199』じゃ、ガミラスを滅ぼさなかったから、カットされたけど

 ”宇宙戦艦ヤマト(監督 松本零士)”は1974年放映(もう40年以上前!?)で昭和40年生まれの先生がリアルタイムで観てた世代ってのはわかりますが、”宇宙戦艦ヤマト2199(総監督     出渕裕)”って2012年ごろなんでホント直近ですぜ! 当時ブームを起こした作品なんで旧作を引き合い出すのはいいとして、いいおっさんが”2199”をさらっと引き合いに出すあたりなかなかあなどれません。まあ、私も観ましたけど・・・

 本来のビブリオバトルのテーマ”戦争”とは関係のない話をぐだぐだ書いてますが、本本来のバトルの本の紹介も面白いです。本好きのぜひご一読のほどを


《脚注》
(*1)心の様相だけは青春のおぢさん
  青春とは人生の或る期間を言うのではなく、心の様相をいうのだ。
  優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、
  怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心
  こういう様相を青春と言うのだ

 サミュエル・ウルマンの”青春”という詩です。だいたいこの詩を引っ張り出した時点ですでにおぢさんです。青春まっただ中の若者は青春について語ったりなんかしませんって。
(*2)笑点
 日本テレビで放映中、放送開始50周年を迎えた超長寿お笑い番組。このたび”笑点50年史(ぴあ)”という本も出ました。まだ読んでないけど。
(*3)伊藤計劃さんという方も・・・
 伊藤計劃(いとうけいかく)は日本のSF作家。デビュー2年、34歳で病没。代表作は”虐殺器官(早川書房)”、”屍者の帝国(河出書房新社)”、”ハーモニー(早川書房)”など。読みたい作家なんだけど、まだ読めてないな~~
(*4)だから実在の人間で掛け算しないでください
 ボーイズラブの世界では”攻×受”がお約束。どっちを受にするか攻にするかは逆カプ不可の深刻なテーマみたいです、ようわからんですが・・・

より以前の記事一覧

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

無料ブログはココログ