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取り残された人々の偉大なる跳躍、がんばれリアルなつのロケット団!(オービタル・クラウド/進め!なつのロケット団/ロケットエンジン)

 ども、ロケット大好きなおぢさん、たいちろ~です。
 6月30日に宇宙ベンチャー”インターステラテクノロジズ(IST)”が開発した小型ロケット”MOMO”2号機が打ち上げ直後に落下、炎上するという記事がありました。ホリエモンこと堀江貴文が出資しているということで話題になってますが、これロケット好きならリアル”進め!なつのロケット団”って言ったほうがいいかな?
 個人的にはお金持ちのホリエモンですが、国家の威信をかけて(いた?)開発してるロケットに比べれば、お金ないプロジェクトになるんでしょうねぇ
 ということで、今回ご紹介するのはそんなお金のない国&人々の宇宙開発のお話、”進め!なつのロケット団”と”オービタル・クラウド”であります


写真はたいちろ~さんの撮影。
日本科学未来館(*1)に展示してあった”LE-7Aエンジン

Le7a7144696

【本】進め!なつのロケット団(あさりよしとお、白泉社)
 小学生たちが集まってロケットを作るというお話。やってることは小学生離れしているマジなロケット開発です。著者はサイエンスマンガの第一人者”あさりよしとお”。ホリエモン参加の経緯はあとがきマンガ”なつのロケット団 誕生秘話”をどうぞ
【本】オービタル・クラウド(藤井太洋 ハヤカワ文JA)
 2020年、流れ星の発生を予測するWebサイト”メテオ・ニュース”を運営する木村和海は、イランが打ち上げたロケットブースターの2段目”サフィール3”が、大気圏内に落下することなく、逆に高度を上げていることに気づく。シェアオフィス仲間である天才的ITエンジニア沼田明利の協力を得て、”サフィール3”のデータを解析する和海は、世界を揺るがすスペーステロ計画に巻き込まれて・・(amazon.comより)
【道具】ロケットエンジン
 シロウトが語るには恐縮ですが、宇宙で機体を自力で推進するには(*2)”比推力”てのが問題になるそうで、これは”推進剤の質量に対する推力の大きさ”のこと。一般的に使われている”化学ロケット”てのは”作用・反作用”で飛ぶんだそうで、推進剤(質量)を加速に後ろへ噴射することで前に進むというもの。原理的にはペットボトルに水を入れて空気圧で噴射する”ペットボトルロケット”と同じです。何が問題かつーと、重いものを持ち上げようとすると推進剤も大量に必要で、ロケットが大型化するんだそうで。
 これに対し”イオンエンジン”ってのは推進剤をあまり使わないかわりにパワーが低いのでのようなすごく長い時間動かしつづけないといけないんだとか


 写真の”LE-7Aエンジン”ってのは展示パネルによるとH-IIAロケットの一段目メインエンジンで”2段階燃焼サイクル方式”を採用しているんだとか。すいません、書いててよくわかっていません。ただ、見るからにお金と手間暇かかってそうなことだけはわかります
 ”MOMO”はここまで大きくないのでもっとコンパクトでしょうが(*3)、

  外注に出さなきゃいけない物以外は自分で作る!
  実験機材は可能な限り私物の持ち込み
  給料無しの完全持ち出し手弁当!!
  ホームセンターと秋葉原がわれらの補給ライン
  井戸端宇宙開発 商売抜きだい(泣)

まあ、さすがに今は会社組織でやっているのでここまではないでしょうが、民間企業でかつクラウドファンディングで資金集めしているぐらいだから(*4)、そんなに潤沢に資金があるとも思えないし。でも夢があっていいじゃないですか! 

  然るべき手段を講じればそれは叶う
  夢のままにはしていないから

 本書の中である少年が発した言葉ですが、いいですね~~ あきらめずに続けて欲しいものです

 もう1冊の本”オービタル・クラウド”ですがこっちはもっと壮大。なんたって、主犯の男のスローガンが

  Great leap for the rest of the world
  取り残された国々の偉大なる跳躍

 

経済大国が独占的に行っている宇宙開発を、遅れている国々や人たちに解放するためにテロをしかけるというもの。これを実行するために某国のトップを動かしてスペーステロを実行するってんだから。ここまでビックプロジェクト化して、巨額な資金を投下してのハイリスクハイリターンビジネス化すると、貧乏国家や中小の企業ではきついんでしょう。目的はどうあれテロは許しがたいですが、技術や利権が一部の人に独占されるリスクが許容しがたいという現実は確かにねェ・・・

 本書は最近読んだ中ではかなり面白かったです。今まで読まなかったのは不明の致すところです。特にこの主犯の男ってのが魅力的。最初に読んだ時はそう思わなかったんですが、ブログ書くのにじっくり見てみると、テロリストというより最近めっきり見なくなったマッドサイエンティスト系なんですね。昔の同僚いわく

  あいつは、何でも屋だ。諜報にも使えるハッキング技術
  ITにも、工学にも明るかった
  俺も知らなかったが、ビジネスのセンスもあったらしい
  その能力をいつも人のために使って走り回っていたよ
  ”大跳躍(Great leap)”みたいなプロジェクトに頭を突っ込んでは
  励まして、宣伝してた・・・

 だから、主犯の意思を継ごうとした人にこう告げます

  あんたじゃxxの代わりにはならんよ

 こういったOne and Onlyな万能科学者タイプってなかなかリアリティなさそうですが、それをストーリーの中でピシっとはめるところは藤井太洋の並々ならぬ手腕でしょうか。この作者の作品は初めて読みましたが、ほかのも読んでみましょう!

《脚注》
(*1)日本科学未来館
 最新の科学技術の紹介する科学館。聞くからに堅そうな”独立行政法人科学技術振興機構”というとこが運営してますが、企画展などかなり一般受けしそうな内容も。私が行ったのは”サンダーバード展”だったし、今(2018年7月現在)は”名探偵コナン 科学捜査展”なんてのやっています。お時間あればぜひどうぞ!
(*2)自力で推進するには
 自力で推進しないものとしては太陽風(プラズマ)を利用する”太陽風ヨット”、ロケットにレーザーを当てて進める”レーザー推進”なんてのもあります。
 前者はアーサー・C・クラークの”太陽からの風”(ハヤカワ文庫)、後者は堀晃の”バビロニア・ウェーブ”(創元SF文庫)なんての読みましたが面白かったです
(*3)”MOMO”はここまで大きくないので
 調べてみると性能比較はこんな感じです
H-IIA202型 重量 289トン、低軌道(高度300km)まで10トン
H-IIA204型 重量 445トン、低軌道(高度300km)まで15トン
MOMO2号機  重量 1.0トン、最高到達高度120km ペイロード20kg
(*4)クラウドファンディングで資金集めしているぐらいだから
 インターステラテクノロジズのhpによると924名の人から総額2,850万円ほど集めたとか。

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