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やあ! 便利さを無制限に追求するとどんなに悪魔的な結果を見るかわかってきたかな?(スティール・キス/ブルーハイビスカス)

 ども、そろそろボケ防止に英語でもやってみようかな~なおぢさん、たいちろ~です。
 よく使う英語の形容詞にしては、英語と日本語でビミョ~にニュアンスが違うってのがままあります。代表的なのが一時期流行った”クール(cool)”。なんたって、ガムといったら”クールミントガム”(*1)の世代としては”クール=冷たい”ですが、昨今は”イケてる”、”カッコいい”のほうが主流でしょうか。
 同様なのが”スマート(smart)”。”痩せている”という使い方は誤訳だそうで人に使うと”頭が切れる、高知能、粋”、機械だと”高性能”の意味。”スマートフォン”を薄い=痩せているからだと思っていたおぢさんとしては自分のスマートでなさを恥じ入るばかりです(実際に太ってますが・・・)
  ということで、今回ご紹介するのはそんなスマートなテクノロジーを犯罪に使うというお話”スティール・キス”であります。
 ネタバレすれすれで書いてますので、まだ本書を読んでない方は読んでからのほうがお勧めです


写真はamazonで売っている”ブルーハイビスカス”です

Photo


【本】スティール・キス(ジェフリー・ディヴァー、文藝春秋)
 連続殺人犯”未詳40号”を追う刑事”アメリア”の目前で、通行人を巻き込んだエスカレーターの事故が発生、その男性は死亡、殺人犯も逃走してしまった。警察の顧問を引退した科学捜査のスペシャリスト”リンカーン・ライム”の協力を得られないまま捜査は進展する。その事故について民事訴訟のために調査を依頼されたライム。まったく関係のないと思われていたアメリアの捜査とライムの事件だが実はある関係でつながっていた・・・
 名作”リンカーン・ライムシリーズ”の第12作。帯のアオリは”身近な道具が牙を剥き、あなたを殺す
【花】ブルーハイビスカス
 本書の中で証拠物件として青いハイビスカスが出てきます。普通、ハイビスカスは赤い印象があって青いものがあるのは知りませんでしたが、実はこれは別の種類のもの。ブルーハイビスカスはハイビスカス属ではなくアリオギネ属だそうです。
 花がハイビスカスとよく似ているからこの名前がついたようで、誤用とまではいいませんが・・・


 さて、最近はやりの”スマートXXX”をいくつか

〔スマートカー〕
 今だと”AI技術を使った自動運転車技術”って感じでしょうか。自動車メーカーを始め名だたるITベンダーが巨額の投資をしてる新聞記事を読まれたことがあるかと。実際には高度道路交通システム(ITS)(*2)などと連携してるので単体の技術ではなさそう。安全性の向上、ドラーバー不足への対応、運転負荷軽減、省エネなとを狙っています。

〔スマートグリッド/スマートメーター〕
 スマートメーター(電力をデジタルで計測し、通信機能を持たせた次世代電力量計)を使ってエネルギー供給源から末端消費部分を通信網で管理するのがスマートグリッド。電力ってのはただ単に作って供給すればいいってシロモノではないそうで電力網内での需給バランスの最適化調整する必要があるんだとか。
 そういえば、私んちも前の家ではこれをつけに工事の人がきてたなぁ

〔スマート家電〕

 賢い家電の総称(説明になってないなぁ)。エアコンを遠隔操作でオンにすることで帰宅する頃には快適な室温になってるというおひとり様向けのものから、冷蔵庫内の食材を見てレシピ検索ができるという奥さま向け仕様までさまざま。
 お話相手になってくれる”スマートスピーカー”なんつーのも流行ってますなぁ。早晩スピーカーを美少女うフィギュアに組み込んで”スピ香は俺の嫁!”なんってのも出てくんだろうな~~

 それぞれのデバイスがスマート化してネットワークを介して情報交換や相互に制御する仕組みがこっちもはやりの”モノのインターネット(IoT、Internet of Things)”ってとこでしょうか。
 まあ、いいことずくめのようですが、光あるところに影がある、ってことでこのダークサイドがハッキングなどによる犯罪に利用されるリスクがあること。実際に車載システムをハッキングする実証実験?は成功していますし、スマートグリッドのセキュリティ問題はすでに指摘されているところ。
 まあ、簡単にできる話ではないんでしょうが、この手のセキュリティ対策ってのはいたちごっこが常ですんで、いかに継続的に対策が打てるかが重要かと。

 で”スティール・キス”ですが、なにが凄いかと言うと2016年の発刊(原書)時点でこのあたりの事情をかなりのリアリティをもって書いてるんですな。10年前だったら”推理小説”というより”SF”のジャンルに入れられそうなネタですよ、これ。現実がフィクションの後ろから全力で追いかけてきて、丸頭ハンマーで後頭部をドツキきまわしているような・・・


  やあ! 便利さを無制限に追求するとどんなに悪魔的な結果を見るか
  わかってきたかな?

 これは、未詳40号の犯行声明の一節。”スマートXXX”が便利さだけを追求しているってわけではないんですが、その裏に潜むリスクへの対応についてアメリアたちが再発防止にセキュリティの強化をメッセージしたりといろいろやってるのが現代的というか。
 推理小説がこういうテーマで語られるようになったんですねぇ
 ”リンカーン・ライムシリーズ”はいずれ劣らぬ名作ですが、開始からもう20年になるんだとか(*3)。この20年のテクノロジーの進化はすごいもんがありますが、それを取り入れて名作を書き続けるんだから、ディヴァーってやっぱりすごい作家なんだな!

《脚注》
(*1)ガムといったら”クールミント”の世代としては
 ブルーのパッケージにペンギンのイラストが特徴のガム。LOTTEのhpによると誕生は1960年で、南極観測隊用ガムとしてビタミンCを配合したものを贈呈したのはきっかけだとか。知らなんだな~
(*2)高度道路交通システム(ITS、Intelligent Transport Systems)、
 ナビゲーションシステム、ETC、安全運転支援(AHS、DSSS等)など交通の輸送効率や快適性の向上に寄与する一連のシステム群を指す総称
(*3)開始からもう20年になるんだとか
 シリーズ第一作の”ボーン・コレクター(ジェフリー・ディヴァー、文春文庫)”の発刊は1997です。

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