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2018年3月

原作を読んでからDVDを見るのに向いた作品かも(アウトロー/ライフル銃)

 ども、”読んでから見るか、見てから読むか(*1)”に悩むおぢさん、たいちろ~です。
 後先はともかく、映画化された小説の原作ってのはわりと読むほうなんですが、困るのが小説の第一作が映画の第一作とは限らないこと。たとえば最近第3作が公開された”ススキノ探偵シリーズ(*2)”。映画化第1作”探偵はBARにいる”は原作第2作の”バーにかかってきた電話”、映画化第2作の”探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点”の原作は第5作”探偵はひとりぼっち”、映画化第3作”探偵はBARにいる3”はオリジナルストーリー。ああ、ややこしい。
 ところが映画第1作にして原作は第5作(未邦訳をいれると8作目)という困ったちゃんが!
 ということで、今回ご紹介するのは放浪するハードボイルド”ジャック・リーチャーシリーズ”から”アウトロー”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影
横須賀の海軍基地で開催されたフレンドシップ・デー(*3)(2012年)でのライフル銃の展示。場所はあの”ミサイル駆逐艦 フィッツジェラルド”の艦上です。
銃器詳しくないんで種類までわかりませんが、どなたかご存知?

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【本】アウトロー(リー・チャイルド、講談社)
【DVD】アウトロー
 (原作 リー・チャイルド、監督 クリストファー・マッカリー、主演 トム・クルーズ、パラマウント)
 ダウンタウンで発生したライフル狙撃による無差別殺人事件。容疑者の元アメリカ陸軍のスナイパー”ジェイムズ・バー”は6時間後に逮捕された。彼は黙秘したうえこういった”リーチャーを呼んでくれ
 元米軍憲兵隊捜査官で、現在は放浪の旅を続けるリーチャーはある過去の因縁からバーの元を訪れる。狙撃の証拠がそろっていて有罪確実と思われた事件だが、弁護を引き受けた地方検事の娘であるヘレン・ロディンとリーチャーは事件の裏にある真相に近づく・・・
 DVD見てから真面目に原作第1作から読み始めました。結構長かったよ~~
【道具】ライフル銃
 ライフル銃(小銃)とは兵士が両手で保持し照準して発射する火器のこと。(wikipediaより)。銃に疎い日本人なんで”銃身”が長いとみんなライフルってイメージでしょうか。
 細かく言うと狙撃専用なのが”狙撃銃(スナイパーライフル)”戦車相手にぶっ放す”対戦車ライフル”全自動射撃能力を持っているのが”突撃銃(アサルトライフル)”などがあるそうです。
 日本でもっとも有名なライフルといえBSはゴルゴ13愛用の”アーマライトM16”でしょうか。これは”狙撃用へとカスタマイズされたアサルトライフル”という設定。まあ、腕がよければ長期距離射撃でも当たるということで・・


 映画を見て原作を読む理由って人さまざまですが、私の場合はまあ”両方楽しむ”ってとこでしょうか。原作者の映画監督へのスタンスの違い(脚本も含めてガチで関与する人から映画監督丸投げまで)もありますが、比較的原作に忠実な作品であっても映画化するとけっこう違いがあるもんで

 ひとつには映像表現と文章表現の違い。”アウトロー”の場合でも映画ではけっこう長時間でカーアクションやガンとナイフのバトルシーンやってますが、原作ではそんなのほとんどなし。確かにこの手のシーンって文章表現するの難しいんだろうなぁ。

 もうひとつはページ数にあまり制限のない小説に対して、映画は2時間程度に収めないといけないといけないというきつい縛りがあって、原作に比べるとかなり圧縮しないといけないから。だから原作にある要素をはなりはしょっちゃったりするんですな。”アウトロー”の場合でもリーチャーの側には弁護士ヘレンのほかにジェイムズ・バーの妹だのニュースキャスターだの調査員だのチームが出てきますが映画ではいっさいなし。映画見てから時間たってたんで、”あれ、こんな人出てきたっけ???” まあ、映画でこんなに人がでてたら確かに時間足りなくなるんだろ~な~
 まあ、人は一人の役に集約しちゃうって手もありますが、これが重要な伏線をさらっと流されちゃったりすると・・・

 

リーチャーという人は”物的証拠”よりも”状況証拠”を重視して推理するタイプ。なんたって、”バーにしては射撃の腕がうますぎる”だの”普通のスナイパーだとこんなところを射撃ポイントにしない”だのが推理の根拠ですから。ヘレンが困ってしまうのもあたりまえです。で、そんな推理手法の話を映像化するのってけっこう難しいのかも。”物的証拠”ってのはその”モノ”ずばりで映像化しやすいでしょうが、”状況証拠”ってのはセリフで説明しないといけないので映像を流してみているとわかりにくいのかも。実際初めてDVDを見た時はストーリーがすんなり頭に入んなかったんですが、原作を読んだ後再度DVDを見てみると、けっこうストンと頭に入ってくるんですな。そういう意味では原作を読んでからDVDを見るのに向いた作品かも

 原作、DVDの違いはあってもお気に入りのキャラってのもいます。本作の場合は射的場のオーナーの”キャッシュ”。なんたってリーチャーを気に入ったという理由だけでドンパチに参加するわ、狙撃の名手に”ナイフ1本で戦え!”とのたまうわ。ノ~テンキな上にムチャぶりのおっさん。DVDでは”ロバート・デュヴァル(*4)”がいい味出しています。

 ”ジャック・リーチャーシリーズ”はシリーズ内で前後の関係があまり強くないので途中から読んでも大丈夫みたい。原作、DVDとも面白いのでぜひご一読のほどを

《脚注》
(*1)読んでから見るか、見てから読むか
 メディアミックスの雄”角川映画”の第二作”人間の証明(原作 森村誠一、主演 松田優作、1977年公開)のキャッチコピー。本と映画をセットにして売るというビジネスモデルを大々的に広げたのが当時角川書店社長だった角川春樹です。
(*2)ススキノ探偵シリーズ(東直己、早川書房)
 ススキノのバー”ケラー・オオハタ”を事務所代わりにしている探偵兼便利屋の”俺”を主人公としたハードボイルドシリーズ。初登場時点では20代ですが、シリーズ後半では立派な中年男に・・・ けっこう面白いです
(*3)フレンドシップ・デー
 ”よこすか開国祭”に合わせて8月第一土曜日に開催される横須賀米軍基地が一部開放されるイベント。軍艦に乗せてくれるわ、アメリカ~ンな出店がいっぱいあるわと非日常的な空間。お勧めのイベントです。
(*4)ロバート・デュヴァル
 寡聞にして知らなかったんですが、”地獄の黙示録”のキルゴア中佐役でゴールデングローブ賞を受賞しアカデミー賞にノミネート、”ゴットファーザ”でもアカデミー賞にノミネート、他にも数々の映画賞を受賞している名優だとか。こんど”地獄の黙示録”も見てみよっと

やあ! 便利さを無制限に追求するとどんなに悪魔的な結果を見るかわかってきたかな?(スティール・キス/ブルーハイビスカス)

 ども、そろそろボケ防止に英語でもやってみようかな~なおぢさん、たいちろ~です。
 よく使う英語の形容詞にしては、英語と日本語でビミョ~にニュアンスが違うってのがままあります。代表的なのが一時期流行った”クール(cool)”。なんたって、ガムといったら”クールミントガム”(*1)の世代としては”クール=冷たい”ですが、昨今は”イケてる”、”カッコいい”のほうが主流でしょうか。
 同様なのが”スマート(smart)”。”痩せている”という使い方は誤訳だそうで人に使うと”頭が切れる、高知能、粋”、機械だと”高性能”の意味。”スマートフォン”を薄い=痩せているからだと思っていたおぢさんとしては自分のスマートでなさを恥じ入るばかりです(実際に太ってますが・・・)
  ということで、今回ご紹介するのはそんなスマートなテクノロジーを犯罪に使うというお話”スティール・キス”であります。
 ネタバレすれすれで書いてますので、まだ本書を読んでない方は読んでからのほうがお勧めです


写真はamazonで売っている”ブルーハイビスカス”です

Photo


【本】スティール・キス(ジェフリー・ディヴァー、文藝春秋)
 連続殺人犯”未詳40号”を追う刑事”アメリア”の目前で、通行人を巻き込んだエスカレーターの事故が発生、その男性は死亡、殺人犯も逃走してしまった。警察の顧問を引退した科学捜査のスペシャリスト”リンカーン・ライム”の協力を得られないまま捜査は進展する。その事故について民事訴訟のために調査を依頼されたライム。まったく関係のないと思われていたアメリアの捜査とライムの事件だが実はある関係でつながっていた・・・
 名作”リンカーン・ライムシリーズ”の第12作。帯のアオリは”身近な道具が牙を剥き、あなたを殺す
【花】ブルーハイビスカス
 本書の中で証拠物件として青いハイビスカスが出てきます。普通、ハイビスカスは赤い印象があって青いものがあるのは知りませんでしたが、実はこれは別の種類のもの。ブルーハイビスカスはハイビスカス属ではなくアリオギネ属だそうです。
 花がハイビスカスとよく似ているからこの名前がついたようで、誤用とまではいいませんが・・・


 さて、最近はやりの”スマートXXX”をいくつか

〔スマートカー〕
 今だと”AI技術を使った自動運転車技術”って感じでしょうか。自動車メーカーを始め名だたるITベンダーが巨額の投資をしてる新聞記事を読まれたことがあるかと。実際には高度道路交通システム(ITS)(*2)などと連携してるので単体の技術ではなさそう。安全性の向上、ドラーバー不足への対応、運転負荷軽減、省エネなとを狙っています。

〔スマートグリッド/スマートメーター〕
 スマートメーター(電力をデジタルで計測し、通信機能を持たせた次世代電力量計)を使ってエネルギー供給源から末端消費部分を通信網で管理するのがスマートグリッド。電力ってのはただ単に作って供給すればいいってシロモノではないそうで電力網内での需給バランスの最適化調整する必要があるんだとか。
 そういえば、私んちも前の家ではこれをつけに工事の人がきてたなぁ

〔スマート家電〕

 賢い家電の総称(説明になってないなぁ)。エアコンを遠隔操作でオンにすることで帰宅する頃には快適な室温になってるというおひとり様向けのものから、冷蔵庫内の食材を見てレシピ検索ができるという奥さま向け仕様までさまざま。
 お話相手になってくれる”スマートスピーカー”なんつーのも流行ってますなぁ。早晩スピーカーを美少女うフィギュアに組み込んで”スピ香は俺の嫁!”なんってのも出てくんだろうな~~

 それぞれのデバイスがスマート化してネットワークを介して情報交換や相互に制御する仕組みがこっちもはやりの”モノのインターネット(IoT、Internet of Things)”ってとこでしょうか。
 まあ、いいことずくめのようですが、光あるところに影がある、ってことでこのダークサイドがハッキングなどによる犯罪に利用されるリスクがあること。実際に車載システムをハッキングする実証実験?は成功していますし、スマートグリッドのセキュリティ問題はすでに指摘されているところ。
 まあ、簡単にできる話ではないんでしょうが、この手のセキュリティ対策ってのはいたちごっこが常ですんで、いかに継続的に対策が打てるかが重要かと。

 で”スティール・キス”ですが、なにが凄いかと言うと2016年の発刊(原書)時点でこのあたりの事情をかなりのリアリティをもって書いてるんですな。10年前だったら”推理小説”というより”SF”のジャンルに入れられそうなネタですよ、これ。現実がフィクションの後ろから全力で追いかけてきて、丸頭ハンマーで後頭部をドツキきまわしているような・・・


  やあ! 便利さを無制限に追求するとどんなに悪魔的な結果を見るか
  わかってきたかな?

 これは、未詳40号の犯行声明の一節。”スマートXXX”が便利さだけを追求しているってわけではないんですが、その裏に潜むリスクへの対応についてアメリアたちが再発防止にセキュリティの強化をメッセージしたりといろいろやってるのが現代的というか。
 推理小説がこういうテーマで語られるようになったんですねぇ
 ”リンカーン・ライムシリーズ”はいずれ劣らぬ名作ですが、開始からもう20年になるんだとか(*3)。この20年のテクノロジーの進化はすごいもんがありますが、それを取り入れて名作を書き続けるんだから、ディヴァーってやっぱりすごい作家なんだな!

《脚注》
(*1)ガムといったら”クールミント”の世代としては
 ブルーのパッケージにペンギンのイラストが特徴のガム。LOTTEのhpによると誕生は1960年で、南極観測隊用ガムとしてビタミンCを配合したものを贈呈したのはきっかけだとか。知らなんだな~
(*2)高度道路交通システム(ITS、Intelligent Transport Systems)、
 ナビゲーションシステム、ETC、安全運転支援(AHS、DSSS等)など交通の輸送効率や快適性の向上に寄与する一連のシステム群を指す総称
(*3)開始からもう20年になるんだとか
 シリーズ第一作の”ボーン・コレクター(ジェフリー・ディヴァー、文春文庫)”の発刊は1997です。

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