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2017年8月6日 - 2017年8月12日

良くも悪くも”ブロックチェーンと共にあらんことを”ってノリでしょうか?!(ブロックチェーン レボリューション/ちょいと古い日本銀行券)

 ども、ビットコインどころが紙のお札にも事欠くおぢさん、たいちろ~です。
 先日、ブロックチェーンの第一人者”ドン・タプスコット”という人の講演がありました。行けなかったんですが。その講演の事務局の人と話をしてる時に”この人の本を図書館で予約してんですけど、何カ月も順番回ってこなくてね~~”と言うと、”ご存知なんですか?!”とのお言葉。ご存知ってほど詳しくはないんですが、まあ本は読んでみようかと思った訳で。
 ことほど左様に、モノやコト、人の価値感っていうのは共有できる認識、知識、あるいは共同幻想の上に成り立っているモンです。
 ということで、今回ご紹介するのは、私自身はイマイチ価値の認識ができてない”ビットコイン(*1)”の技術的バックボーンのひとつ”ブロックチェーン”を扱った本”ブロックチェーン レボリューション”であります


写真はたいちろ~さんの撮影。
日本銀行旧小樽支店金融資料館に展示されているちょいと古い日本銀行券

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【本】ブロックチェーン レボリューション
 (ドン・タプスコット、アレックス・タプスコット、ダイヤモンド社)
 サブタイトルが”ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか”、紹介文が”世界経済に将来、最も大きなインパクトを与える技術が誕生した。人工知能でも、自動運転車でもない。IoTでも、太陽エネルギーでもない。それは、「ブロックチェーン」と呼ばれている”とあるように、ブロックチェーンの可能性と課題についてを論じた本。
 でも帯のアオリの”社会の全分野で起きる革命の予言書(*2)”はちょっとやりすぎ。凄く真面目な本なのになぁ
【道具】ちょいと古い日本銀行券
 なんだかを読んでた時にちょいと古い日本銀行券を見た若者が”おもちゃのお金だと思った”ってネタがありました。まあ、これが”お札”だという知識(認識)がなければ”日本銀行券”といえどおもちゃ扱いだもんな~~ ”聖徳太子”と言えばお金の代名詞だった時代もあったんですけどねぇ・・ ちなみに上記の写真のお札はお金としてちゃんと通用します。
 一万円札、五千円札、千円札は1986年、五百円札は1971年に発行停止(日本銀行hpより)


 ”ブロックチェーン”というのは”データ”を”ブロック”という形で取引を記録した帳簿みたいなもので、サーバを介さないP2Pネットワーを使って、ネットワークの参加者が取引の正しさを承認するというもの。その特徴は”分散されている”、”パブリックである”、”高度なセキュリティが備わっている”こと。技術的にはかなり難しそうなんで、とりあえずこんなもんと思ってください。

 さて、”ブロックチェーン レボリューション”という本は”ブロックチェーン”というテクノロジーをかなりポジティブに捉えています。金融、契約、企業活動、政治、ビジネスモデルなどさまざまな分野でイノベーションを引き起こし、いろんな問題解決の糸口につかうことができるだろうとの論調です。まあ、課題もちゃんと整理されているので、明るさ一辺倒ではないですが全体的には”レボリューション(revolution 革命)”を引き起こし、より良い社会を生み出すだろうと。
 読んだ感じとしては、ちょっと楽観的すぎかな~と思いつつ肯定的に受け取っています。まあ、テクノロジーだけでいろんな問題が解決するワケでもないですが、人や社会がうまく使っていければ道具としてはかなり使えそうだと。

 いろんなテーマが満載の本ですが、ちょっち気になったのを一つ。”ブロックチェーン”に記録されたデータってのは”改竄”あるいは”消去”できないんですな。まあ、できないからこそ”ビットコイン”のような”通貨”としての価値が保全できるし、”契約”などの利用もできるわけで、それ自体は良い事です。ただ、これがインターネット上での”忘れられる権利(*3)”と重ね合わせるとちょっと複雑。それこそ若い時のやんちゃの自慢話からリベンジポルノみたいな犯罪性の高いものまで”消したい過去”ってのはあるものです。今の仕組みだと、GoogleやYahoo!のような大手の検索会社の検索結果からはずせば、あるいは掲載hpを削除すれば、過去の記録をほぼほぼ消去できなくはなさそうですが、これが”ブロックチェーン”となるとほほできなさそう。
 フィナンシャル・タイムズ紙のイザベラ・カミンスカがユーロの例をあげていた言葉が印象的

  お金の世界では、記録を消去することも一つの伝統です
  なぜなら、人は10年以上も前の行動で責められつづけるべきではないからです
  人生はやり直しがきくものでなくてはいけません
  ですから、記録が永遠に消えないシステムというのはどこか異常な感じもするのです

 確かに、相手が病んだり自殺したりならともかく小中学校でいじわるされた(した)記録なんて中高年まで引っ張られたら嫌でしょうし、離婚訴訟まっただ中に、若い時の元カノとよろしくやっている写真が発見されるなんてのはできれば避けたいモノです。今だってSNSやHP上にある消せないんが問題になってるのに、こんなんがさらに堅確になったらどうなんでしょうねぇ・・・
 まあ、”M.I.B(*4)”みたく職業的に過去を消す人ってのもいるのかもしれませんが、こんなんもある程度集中的なデータ管理がなされているからこそ。ブロックチェーン時代になると難しいんでしょうなぁ

 別にこの点をあげつらって”だからブロックチェーンはダメなんだ”とか言うつもりはないです。むしろ技術面ではいろんな可能性を秘めていると考えています。ただ、功罪考えておかないとまずいんじゃね~かな~と思った次第。

  行く手には希望と危険が待ち受けている
  世界は光の側に進むのか、それとも闇に堕ちるのか
  それを決めるのは、今の僕たち一人ひとりの行動だ

   (本書より)

 まさに、

   May the Blockchain be with you(*5)
    (ブロックチェーンと共にあらんことを)

ってノリかと。繰り返しますが、テクノロジーだけで解決する問題はそんなに多くはありませんぜ! 問題を解決するのはあくまで価値認識、知識あるいは幻想を共有する人や社会であります

人の価値っていうのは共有できる認識、知識、あるいは共同幻想
 本書は400P近くある本ですが、素人にも読みやすい本です。ぜひご一読のほどを

《脚注》
(*1)ビットコイン(bitcoin)
 コンピューターシステム上に存在する”仮想通貨”。通常のお金と違って国家などの権威の裏付けがないのが特徴の一つ。ビットコインの仕様変更に伴うなんだかんだで”ビットコイン”と”ビットコインキャッシュ”に分裂(2017年8月1日)。まあ、民主的ちゃ民主的なプロセスなんでしょうが、素人にはよくわからん・・・
(*2)予言書
 未来の物事を予測して言うこと。また、その言葉。が”予言”。
 キリスト教で、神託を聴いたと自覚する者が語る神の意志の解釈と予告。また、それを語ることが”預言”(デジタル大辞泉)
 ”予言”が外れてもごめんなさいで済みますが(済まないか?)、”預言”が外れると”神の代弁者を語る詐欺師”として断罪されます、はい
(*3)忘れられる権利
 データそのものを完全に消すことはできませんが、少なくとも”検索結果”から外すことで過去のデータを見られなくすること、これが”忘れられる権利”です。
最高裁で初の判決が出たんで(2017年1月31日)、一定の指針は固まったようです。個別案件ごとにプライバシーと公共の利益を判断することになるので、ほいほい検索されなくできるシロモノではなさそうです
(*4)M.I.B(メン・イン・ブラック)
 (主演 トミー・リー・ジョーンズ、ウィル・スミス、監督 バリー・ソネンフェルド)
 UFOや宇宙人の目撃者の記憶をピッカリ光線で消してまわって、宇宙人との共存を秘密裏に図る黒づくめの集団”M.I.B”の活躍を描いたSF映画。ウィル・スミス演じるエドワーズが”エージェントJ”になる場面でコンピュータ上の記録を削除するってシーンが出てきます。
(*5)May the Blockchain be with you
元ネタはスターウォーズの
 May the force be with you
  (フォースと共にあらんことを)

ここでもフォースの暗黒面がどうのってやっていましたな

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