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この世界は精巧で美しすぎるんだ。何を撮ったって正解にきまっている(東京シャッターガール/手塚治虫記念館)

 ども、小学校の時には写真部だったおぢさん、たいちろ~です。
 というわけでもないんですが、高校時代に写真部の先輩や同期の知り合いがけっこういます。まあ、写真部というより光画部(*1)といったメンツでしたが・・
 私自身もけっこう写真を撮るほうですが、どっちかつ~とブログのネタ用。このブログ自身が本やDVDにからんで花とか風景とかを掲っけてるんですが、文書が主で写真が従って感じなんで。お世辞にも真面目に写真に向き合ってる人とは言えんでしょうが・・
 芸術だろうがブログのネタだろうが綺麗に撮れるにこしたことはないし、人の心の琴線に触れるものであればなおのこと。でもまあ、どんな写真であっても、写真への人の接し方は人それぞれあってもいいんじゃないかと思いますけど、どうでしょうね。
 ということで、今回ご紹介するのはそんな写真が好きな高校生を主人公とした漫画”東京シャッターガール”であります。

写真はたいちろ~さんの撮影。宝塚市の”手塚治虫記念館”です
手前は歩さんも撮影していた”火の鳥”のモニュメント

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【本】東京シャッターガール(桐木憲一、日本文芸社)
 写真部に所属する女子高生”夢路歩(ゆめじ・あゆみ)”。趣味は街の風景やそこにクラス人々や動物を撮影する”街撮り”。同じクラブには”撮り鉄”の玉城(たまき)君やデジカメ派の河合美佳子さん、幽霊部員ながら写真誌投稿の常連と自由奔放な春名窓花さんたち。今日もカメラを片手に街を散策しながら写真に残していきます・・・
【旅行】手塚治虫記念館
 兵庫県宝塚市で約20年間を過ごした手塚治虫のマンガやアニメなどを展示したミュージアム。JR宝塚駅から徒歩8分。なぜ”東京シャッターガール”なのに宝塚かというと、写真部の合宿が宝塚で歩さんと玉城君が訪れているからてのと、作者の桐木憲一氏が手塚治虫先生の長女、手塚るみ子さんとつい先日ご結婚されたので。おめでとうございます


 本書は前々から一度読もうと思ってたんですがamazonのキャンペーンやってたのでイッキ読みしました、いや~名作でしたね。ストーリーもそうですが、作風はどっちかというと静的というか写真的というか。マイブームだった”平凡&陳淑芬(*2)”の画集を思い出しちゃいました。

 さて、写真への向き合い方ってそれぞれですが、本書の人たちの例だとこんな感じでしょうか。

〔出会いや想い出、驚きを記録したい人〕
 誰でも目の前に流れる風景や人々に何がしか感じる一瞬ってのはあろうかと。それを記録にとどめたいと思うってのは写真を撮りたい動機の一つではないでしょうか。歩さんってそんな感じの人でしょうかね。綺麗に撮りたいとか、珍しいものを撮りたいっていうより、そこにある心象風景を正直に撮りたいってことかな。気負いがない分だけ写真を撮ることそのものを楽しんでいるんじゃないかと

〔チョロスナの人〕
 おもいっきし肩の力の抜けているのがチョロスナの人。”チョロスナ”ってのは
宝塚の合宿の時に心斎橋であった撮影研究部の川西君から窓花さんが教わった言葉で”チョロっと撮ったスナップ写真”の事。まあ、カメラはクラブの備品でしかもデコレーションしちゃってる自由な人ですが、写真という点では実はこの人が一番評価が高いんでいかな。写真投稿の常連で、写真甲子園ので優勝するうるま高校の与那原さんから”凄く期待してる”って言われたり。

〔勝負写真の人〕
 チョロスナと対極をなすのが上記のうるま高校の与那原さん。大会に向けて”勝つための写真の撮影”の仕方を先生が指導してくれているんだそうです。常連校の宿命なんでしょうが、技術の向上を勝負の文脈で考えるのってなんだかな~。歩さんは”写真で勝負する”ってことがこの大会で少し分かったといった話をしていますが、歩さんにはあんまし似合わないんでないかと・・・

〔ネットへアップする人〕
 本書は2010年頃からの不定期連載ですから、デジカメやスマホで写真を撮るってのはもう普通だったんじゃないかな? で、写真部はというとさすがに銀塩アナログ派とデジカメ派が半々。この中でも進歩派なのが美佳子さん。バレンタインチョコを撮った写真をネットにさっさと上げるとこなんか、FaceBookやインスタグラムの先駆者(*3)ってとこでしょうか。今はこっちが主流派なのかな

 ”ネットへアップする人”で、ちょっと気になっているのが昨今のインスタグラムを中心とした写真ブーム。2017年度の”ユーキャン新語・流行語大賞”の有力候補に”インスタ映え”が入ってるぐらい盛り上がってます。ただニュースとかで”ここはインスタ映えする若者の人気スポット”とか紹介されるとなんだかな~と思っちゃうのはおぢさんだからですかねぇ。綺麗な写真をみんなに見てもらいたいとか、”いいね”で賛同を得たいという気持ちはOKなんですが、そのために”インスタ映え”を求めて回るのってなんだか写真の楽しみとはちょっと違うんじゃないかな?っと、ちょっと心配。単なるおぢさんのぼやきです、すいません

 思うところ、歩さんのつぶやいた

  時々考えるんだ いい写真ってなんなのかなって

に対する玉城君のお返事

  うーん・・
  答えなんかないんじゃないか?
  俺はこう考えてるよ カメラは「神の目」だってね
  空の色 木々のざわめき 渡り鳥の群れ 街行く人々の表情・・
  どこをどんなに切り取ったって そこには必ず光に映し出された生命の影がある
  アニミズムの精神に近いのかもしれないよ
  神様が七日間で創造したかどうかはわからないけど
  それにしてもこの世界は精巧で美しすぎるんだ
  何を撮ったって正解にきまっている

なかなかの名言だと思います

 本書は予想以上に面白かったです。東京都内の近場が中心の街撮りですんで、近郊の人なら休みの日にカメラでもスマホでも持ってお出かけしようかって気にさせてくれる本
 また、インスタグラムにちょっと疲れた人が休憩して飲む清涼剤にもなるかもです。ご一読の程を

《脚注》
(*1)光画部
 ”究極超人あ~る”(ゆうきまさみ、小学館)の主人公達が所属する高校のクラブ。一般的に言う写真部ですが、個性的なメンバー(+OB)ぞろいのクラブです。
 2017年10月に発売された”アニメと鉄道(旅と鉄道2017年増刊12月号”に飯田線の撮影旅行という本作のOVAが特集されていて、ちょっと驚きました。
(*2)平凡&陳淑芬(ピンファン&チェン・シュウフェン)
 台湾のイラストレーターのご夫婦。一時期はまって画集集めてましたねぇ。今はほとんど絶版ですが2012年出版の”ヒヤシンス”はまだ入手可能なようなので、今度読んでみよう。
(*3)インスタグラムの先駆者
 インスタグラムの登場が2010年10月なのでまさにこの頃。2017年4月には7億人を突破したそうです(公式HPより)

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