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2016年10月9日 - 2016年10月15日

やっと出ました”R.O.D”12巻! 長かったよ~ 長かったよ~~よ(R.O.D/折り紙飛行機)

 ども、大英図書館特殊工作部のエージェントのおぢさん、たいちろ~です。(ウソです)
 小説やコミックとかで未完に終わる作品ってのがままあります。作者がお亡くなりになったとか(引き続き誰かが書くこともありますが(*1))、掲載誌や出版社がつぶれちゃったとか(掲載誌を変えて続きを書くこともありますが(*2))、人気がなくなって打ち切りになったりとか、作家がやる気をなくしちゃったのかな~とか。
 まあ、読む方からすると復活に一縷の望みをかけて続編を待ってたりなんかしちゃう訳です。しかも10年以上も・・・
 ということで、今回ご紹介するのは前回の発刊から10年間の刻を超え、やっと続編が出版された小説版”R.O.D”12巻であります。


写真はたいちろ~さん撮影。シンプルな折り紙飛行機であります。

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【本】R.O.D(倉田英之、羽音たらく、集英社スーパーダッシュ文庫)
 大英図書館特殊工作部のエージェントで”ザ・ペーパー”の異名を持つ紙使い”読子・リードマン”を主人公に、不老不死の秘法が書かれている”グーテンベルク・ペーパー”と解読可能な人間”ファウスト”を奪取せんとする西洋世界の裏の支配者”ジェントルメン”と読子の上司”ジョーカー”、それを阻止せんとする東洋世界の裏の支配者”おばあちゃん”と”読仙社”の戦いを描いた壮大なSFアクションビブリオマニア小説?
 小説版の正式名称は「R.O.D  READ OR DIE YOMIKO READMAN ”THE PAPER”」(読むか、死ぬか)
【道具】折り紙飛行機
 折り紙の一種で、紙を折って作った飛行機。意外と長く滑空可能で、ギネス・ワールドレコードでは室内の最長飛行距離が69.14m、最長飛行時間29.2秒も飛んだそうです。最大の紙飛行機は全長5.16m、羽幅10.2mで実際に約18m飛行したんだとか(HPはこちらから)。
 もっとも本書のように人間2人も乗せて大空高く舞いががるってのムリがありそうですけど・・・

 やっと出ました”R.O.D”12巻! 11巻の発売が2006年2月と10年半前長かったよ~ 長かったよ~~
 前回の終わりが裏の支配者”ジェントルメン”が若返って、”グーテンベルク・ペーパー”とファウストを求めて中国に上陸、それを迎え撃つ”おばあちゃん”と”読仙社”。ジェントルメンとおばあちゃん達を殲滅するために核攻撃を企むジョーカーにそれを止めるべく戦いの場に急行する読子・リードマンにと、ドラマはクライマックスに向けて大いに盛り上がる! この状態で10年半もほたっとくかよ~~

 でも、待っちゃうのって、やっぱり好きなんだよな~ この小説。特に主人公の読子・リードマンって私のお気に入りキャラのベスト3に入る人。紙を自由に操れる最強の超能力者なんですが、本以外のこととなるとまったくのダメ人間。亡くなった恋人のドニー・ナカジマを思い続ける純情乙女ながら、ムダに巨乳(同僚のナンシー・幕張 談)。
 本書でも、ジェントルメン VS おばあちゃんという人類の存亡をかけた戦い(まあ、壮大な夫婦喧嘩でもありますが)の真っ只中に、緊張感をぶち壊す登場。ま~ったく空気を読まない”皆さんっ! ケンカはやめましょうっ!”というおまぬけな発言。こういう完璧超人に程遠いアンバランスさって好きなんでよね。

 なにより好きなポイントは、この人超のつく重度なビブリオマニア(愛書狂)本を保管するためだけにビルやらアパートやらを借りているとか、本屋さんの本を丸ごと一軒分大人買いとか(*3)。なんせ第1巻が出たのが2000年と”Amazon Kindle”出る7年も前だしな~~(*4) まあ、本読みにとってはあこがれの人、こんな生活がしてみたい! と思わせるヒロイン?であります。

 12巻の内容って、上記のように、ジェントルメン VS おばあちゃんの因縁の決着とか、ファウストの持つ”グーテンベルク・ペーパー”の謎ときとか、迫りくる核ミサイルの危機とか、10年半前に盛り上げるだけ盛り上げてぶん投げ状態だった物語のクライマックス編。嫌が上にも増す緊張感の中、核ミサイルの迎撃に向かうのはなんと紙飛行機?! というジェットコースター状態

  冗談だろ・・? そんなミッション、ハリウッドのバカ映画でも見たことねぇぞ?
  まあ、普通は脚本段階でボツにするよな

とツッコまれてますが、これが通っちゃうのが読子・リードマン! まあ、それ以前に対外天然系やらかしている人ですから。書いてる原作者の倉田英之がアニメ脚本家ってのがまた笑えます。

 12巻あるシリーズですがけっこうサクっと読めますし絶版にもなっていないので、まだの方はぜひご一読いただきたいシリーズです。ビブリオマニアでなくとも楽しめること請け合いです。

 ところで本シリーズ、この12巻で終わりかと思ってましたら、13巻目が出るそうです。著者紹介に

  次巻を必ず1年以内にお届け・・・。本当。たぶん

とありますが、今度こそお約束守ってくださいね! せめてダッシュエックス文庫があるうちに・・・(*6)


《脚注》
(*1)引き続き誰かが書くこともありますが
 先日読んだ”屍者の帝国(河出文庫)”がこのタイプ。34歳で早逝したSF作家の伊藤計劃が残した草稿を、生前親交の深かったSF作家の円城塔が遺族の了解を得て完成させたSF小説。詳しくはこちらからどうぞ
(*2)掲載誌を変えて続きを書くこともありますが
 私が読んだ中での代表例はSFコミック”強殖装甲ガイバー”。1985年の”少年キャプテン(徳間書店)”創刊号から連載開始、同誌が97年に休刊後、1999年創刊の”エースネクスト(角川書店)”で再開するも2002年に同誌もまた休刊。2007年の”少年エース(角川書店)で連載再開。高校生の深町晶が偶然拾った”殖装体”でガイバーに変身するというヒーロー物がいつの間にやら人類創生の謎までいっちゃってる大風呂敷。ぜひたたむまで突っ走っていただきたいものです。
(*3)本屋さんの本を丸ごと一軒分大人買いとか
 先日読んだ”ひまわりさん”(菅野マナミ、メディアファクトリー)の7巻で本屋さんをやってるひまわりさんに”店ごと全部の本 買ってもいいわよ”という作家に対し”読子さんか”とツッコミ入れるシーンがあります。この作品も面白いですよ
(*4)”Amazon Kindle”出る7年も前だしな~~
 電子書籍が一般化する大きなトレンドとなった”Amazon Kindle”の第一世代が出たのが2007年。新刊を含め全ての本が電子化されてるわけではないですが、旧作・名作のたぐいも電子化されつつあるので、収納スペースに苦しむ本読みにはとってもありがたい存在です。
(*5)せめてダッシュエックス文庫があるうちに・・・
 ”R.O.D”は元々”スーパーダッシュ文庫”という2000年に始まった集英社のライトノベル系レーベルから出てましたが(創刊第一号!)、このレーベルって14年で事実上廃止このレーベルを引き継いだのがダッシュエックス文庫
 ”R.O.D”はというと消滅しているスーパーダッシュ文庫をこの本だけのために復活させて、公式hpはダッシュエックス文庫に載ってます。あぁ、ややこしい・・
 公式hpはこちらからどうぞ

現代におけるコンピュータゲームの歴史、あるいは”時間とCPU能力の無駄遣いの叙事詩”かな?(現代ゲーム全史/ファミコン)

 ども、こう見えてゲームはほとんどやんないおぢさん、たいちろ~です。
 別に信念があってやんないわけではないですが、ゲームをやってると本を読む時間がなくなるとか、ゲームを買うお金がないとか、運動神経と動体視力が残念な人なのでやっってもすぐ終わっちゃうとかそんな理由ですかね。
 そうは言ってもまったく知らないってこともなく、学生時代や新入社員のころがスペースインベーダーやファミコンブームの時代(*1)、最近だってあんだけガンガンにCMが出てくりゃ、まあ”いっぱいあるな~~”ぐらいはわかります。
 ということで、今回ご紹介するのはそんなコンピューターゲームの壮大な歴史をつづった”現代ゲーム全史”であります。


写真はたいちろ~さん撮影。
某温泉にあったファミコンボックスと光線銃。
写真撮ったのが2011年ですから、5年前時点でも現役で動いとったんですね~~

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【本】現代ゲーム全史(中川大地、早川書房)
 チャールズ・バベッジ(*2)から、ファミコン、ポケモン、プレイステーションを経てスマホのゲームマシン化からポケモンGOにいたるコンピューターゲームの歴史を技術史的側面と社会的側面、さらには日米の比較文化論までを加えて俯瞰した本。サブタイトルは”文明の遊戯史観から”
 たかがゲームと思うなかれ。相当はしょって書かれていますがそれでも570ページのボリュームですぜ!
【道具】ファミコン
 任天堂が開発した家庭用ゲーム機。累計販売台数は6,191万台とプレステ2などの後塵を拝してますが、これは当時ゲームマーケットが日本や北米以外になかったからではないかと(ゲーム業界.COMより
 写真のファミコンボックスは1986年にリリースした業務用で主にホテルや旅館に設置されたもの。光線銃はガンシューティングゲームに使うもので、ブラウン管側ではなく、銃口のセンサーが命中判断を行うというモノ。オリジナルの発案者は任天堂の技術者”横井軍平(*3)”

 さて、本書の内容を歴史的に私見も含めてバクっとまとめるとこんな感じ

〔理想の時代〕1912~59年
 コンピュータが世界で初めて開発されたころ。コンピュータの理論構築を行ったバベッジやフォン・ノイマンが”ゲーム理論”の研究を行ってたように、研究という場面ですでにゲームが登場してます。ハード的にもほとんど時を同じくして”ゲーム”を開発しているところを見るとゲームって”コンピューターの誕生と共にあった”んですねぇ。

〔夢の時代〕1960年~74年

 コンピュータの開発目的の一つが”宇宙開発”だった時代。MIT(マサチューセッツ工科大学)に寄贈されたDECのPDP-1(*5)(おおっ!!)。これに原初コンピュータマニア、のちのハッカーが飛びついて始めたのがゲームを作って遊ぶことヒッピー文化だのカウンターカルチャーだのありますが、世界最高水準の頭脳がやってんのがゲームですから、まあ良い時代にはなったんでしょうね。

〔虚構の時代〕確立期:~70年代後半、本格期:80年代前半、変貌期:80年代後半
 アーケドゲームの時代からファミコンの爆発的普及を迎えた時代。スペースインベーダーだのブロック崩し、ギャラクシアンだののレトロなソフトから、現在も続くスーパーマリオ、ドラゴンクエスト、ファイナルファンダジーなどのビックタイトルが生まれた時代でもあります。

〔仮想現実の時代〕確立期:90年代前半、本格期:90年代後半、変貌期:2000年代前半
 ハード的にはプレステ~プレステ2の時代。スーパーファミコン~NINTENDO64~Wiiセガサターン~ドリームキャストも加えて戦国時代、ある意味日本のゲームが一番輝いていた時代から終焉期まで。
 印象深いのはやっぱりプレステ2(2000年)でしょうか。プレステ2用に開発された”Emotion Engine”ってのがとにかくバカっ速いCPU128ビットRISCマイクロプロセッサなんつー当時のPCをはるかにしのぐスペックでしたね~~。さらには”Graphics Synthesizer”なんていうグラフィック専用CPUまで搭載していて”たがだかゲームになんでこんなCPUがいるねん?!”と思ったもんです。このあたりはハード性能で勝負をかけるソニーと、”枯れた技術の水平思考”でゲームそのものの面白さを追求するニンテンドーの違いがはっきり出てましたねぇ。
 ソフト的にはアーケードゲームで一世を風靡した”ストリートファイターⅡ(1991年)”や”バーチャファイター(1993年)”なんか。特にアーケード版の”バーチャファイター”の3D画像って、今の水準からするとポリゴン見え見えですが、当時としては結構感動モノでした。
 あと、パソコンゲームの”ときめきメモリアル(1994年)”に代表される美少女恋愛シミュレーションゲームの登場もこの時代。いわゆる”萌えゲー”の登場です。それ以前にも”脱衣麻雀(*6)”ていう、スケベ心全開のゲームなんかがありましたが、これをソフティフィケイト(つまりスケベを隠して)恋愛にしちゃったってのが秀逸、プレイしたことないけど。

〔拡張現実の時代〕確立期:2000年代後半、本格期:10年代前半
 この前の時代がVR(仮想現実 バーチャル・リアリティ)なら、ここからはAR(拡張現実 オーギュメンテッド・リアリティ)の時代。SNSに代表されるネットワークとデバイスとしてのスマートフォンをプラットフォームにした時代です。
 代表的というか行くとこまで行っちゃったのが”ポケモンGO”でしょうか。スマホの画面に現実の風景に重なってポケモンが出てくるわ、GPS情報で出てくるポケモンが変わるわ、あまつさえ”どこそこでレアポケモンが出た”つ~内容がSNSで拡散して警察が出動するほど人が集まるわ。現実社会にゲームの世界を融合させてくってのは確かに”拡張現実”なんでしょうねぇ。
 ちなみにこの次に来るのは、ゲームの世界に現実社会を重ねていくMR(複合現実 ミクスド・リアリティ)じゃないかという話もありました。

 あんましきちんと要約はできてませんが、こんなような時代区分で社会変化と技術発展は進んできたって内容です。で、あらためて感想。ゲーム史って

  時間とCPU能力の無駄遣いの叙事詩

だな~~ いや、悪い意味でなくて。
 ホイジンガの”ホモ・ルーデンス”よろしく、遊戯(遊ぶこと)が人間活動の本質で、文化を生み出す根源だとすると、ゲームに入れ混むのは本質的に正しい行動。でもな~、昔、ドラクエはまってた人って、会社休んでゲームを買うのに並んで、徹夜ではまりこんでたもんな~~ あの情熱には頭が下がりますが、やれといわれてもちょっとついてけないノリでしたねぇ
 技術史的にいうとCPUを含めたコンピューターの能力って、”何かをしたいから高性能が必要”ってのと”高性能のコンピューターを作ったけど何に使おう?”ってのと両方ありそう。前者の代表がCG性能を格段に向上させたプレステ2で、後者がスマホでしょうか。なんたって、今のスマホって一昔前のスーパーコンピューター並みの性能なんですぜ! そんだけ凄い性能を使ってやってんのがスマゲーですから、技術で売ってる会社の人から見ると”なんとCPUの無駄遣い!”とか思っちゃいます。

 本書は、戦後高度経済成長期の終焉からこっち、一大マーケットを形成した”ゲーム”という産業を振り返るのには良い本かと。ちょっと堅い目の内容も含んでますが、ゲームを休んで読んでみるのもいいかも。
 あと、ゲームの画像なんかも載ってると良かったんですけどねぇ 記憶の薄れているおぢさんとしては・・


《脚注》
(*1)スペースインベーダーやファミコンブームの時代
 スペースインベーターの登場が1978年、ファミコンの発売が1983年。記憶の感覚と若干ずれているのは、周りの人ややり始めたり、ブームになったりした時期までに若干タイムラグがあるから。決してボケてきてる訳ではないはずです。
(*2)チャールズ・バベッジ
 世界で初めて”プログラム可能な計算機”を考案、初期の機械式計算機”階差機関”を発明したイギリスの数学者。本書では”コンピューターの父”であるとともに”ゲームの理論的研究の父”とも記されています。
(*3)横井軍平
 ”ゲームウオッチ”、”ゲームボーイ”を始め”ラブテスター”や”光線銃シリーズ”などおぢさん世代には懐かしい数々のゲームを開発した人。”枯れた技術の水平思考”という”既存の技術を既存の商品とは異なる使い方をしてまったく新しい商品を生み出す”ことで新しい製品を開発しました。詳しく”ゲームの父・横井軍平伝”をどうぞ
(*4)フォン・ノイマン
 コンピューターの基礎理論及び開発に多大な影響を与え”ゲーム理論”という意思決定問題を数学的モデルで研究する学問にも貢献したたアメリカの数学者。
 実は、私の卒業論文のテーマが”金融機関におけるゲーム理論の応用について”みたいな話だったりして・・・
(*5)DECのPDP-1
 アメリカのコンピュータ企業(コンパックに買収され、今はヒューレット・パッカード)。1970~80年代で”PDP”や”VAX”といったシリーズは憧れと共に語られたモンです。私も入社面接受けに行きましたが・・・
(*6)脱衣麻雀
 文字通り勝ったら相手が一枚ずつ服を脱いでく(脱衣)”野球拳”みたいなゲーム。今考えるととんでもなく荒い(表示能力が低かった)CGですが、けっこう喜んで遊んでた人いましたね~~ 私は麻雀できないんでいつも横で見てましたけど。

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