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2016年8月7日 - 2016年8月13日

”ああ、伊藤さんなら、こっちで新作書いてるよ”、”それは・・・ 私が読みたいです”(幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部 2/地獄八景亡者戯)

 ども、心の持ち方だけは青春のおぢさん(*1)、たいちろ~です。
 世の中には”青春××”というサブジャンルがあります。青春ミステリーとか青春恋愛小説とか。特徴としては主人公自体は高校生だったり大学生だったりすることでしょうか。でも、小説にまったく大人が登場しないってことはまれなわけで、むしろ主人公を超えちゃうような大人のバイプレーヤーってのがいたします。
 ということで、今回ご紹介するのは高校生のビブリオバトル部がメインの小説なのにおじいちゃんやらおかんのがキラリと光っちゃってる小説”BISビブリオバトル部 2”であります。


写真はたいちろ~さん撮影。
日本テレビのイベント”超汐留パラダイス! 2016SUMMER”より
笑点(*2)”のブースです

20160810


【本】幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部 2(山本弘、東京創元社)
 美心国際学園(BIS)高校ビブリオバトル部。<驚異の翼(ウィング・オブ・ワンダー)>伏木空、<燃える氷(バーニング・アイス)>埋火武人、<双面の話者(ヤヌス・トーカー)>安土聡、<愛の伝道師(ラブ・ミショナリー)>小金井ミーナ、<科学の魔女(ウイッチ・オブ・サイエンス)>菊地明日香など、本好きが集まるクラブ。今回のビブリオバトルのテーマは”戦争”。このテーマに対しそれぞれがチョイスした本は・・・
【DVD】地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)
 死んだ喜六が冥土への旅で三途の川や、賽の河原など地獄の風景出てくる前半、閻魔様の裁定で地獄行になるものの得意技で乗り切る後半とフルに演じると1時間を超える落語の大ネタ映像はこちらからどうぞ


 主人公の高校生からして二つ名を持つ本好きの集まりなんですが、そんな若者を手玉にとるんだから大人だってけっこうマニアックなのかも。今回のご紹介は埋火武人のじーちゃん、おかん、クラブの顧問(予定)の学校の先生です

〔ああ、伊藤さんら、こっちで新作書いてるよ(by じーちゃん)〕
 次回のビブリオバトルのテーマ”戦争”の本を考えていたSFマニアの”伏木空”。そこでであったのが死んだはずの埋火武人のじーちゃん(埋火武雄)。この人がまた弩のつくSFマニアでさっそく2人は意気投合。最近のSF作家の話をする空との会話

  じーちゃん:そうかあ。いいなあ。そんなにいろんな作家がデビューしてるのか
        もう少し長生きして、読んでみたかったなあ

  伏木空  :あと、亡くなられたけど、伊藤計劃さんという方も・・・(*3)
  じーちゃん:ああ、伊藤さんなら、こっちで新作書いてるよ
  伏木空  :それは・・・ 私が読みたいです

 これはもう”地獄八景亡者戯”の世界だ! ”地獄八景亡者戯”にあの世の寄席ってネタがあって、古今東西の名人上手が勢ぞろい、これは面白くないはずがない! 桂米朝師匠が生前に演じているくすぐりに、”桂米朝”という看板がかかっているのを見て

  米朝という名前で死んだ噺家はないと思いますが、あれはまだ生きてるンとちゃいますか?
  よう見てみなはれ、肩のところに”近日来演”と書いてある

 まあ、あの世で笑点の大喜利やってると思えば想像つくかも。なんてたって司会だけでも七代目立川談志、前田武彦、初代三波伸介、5代目三遊亭圓楽と超豪華なラインナップ。これで面白くなければウソでっせ! 近日来演(自主規制)とか・・・

〔でも、意外ねえ。武人って、このメンバーの中じゃ”受”っていう認識なの?
 (by おかん)〕

 埋火武人の家で合宿をすることになったビブリオバトル部の面々。男性陣は2人ひと組でお風呂を使わせてもらうことに。ここで目がランランなのがボーイズラブ大好きの小金井ミーナ。どういう組み合わせになった興味しんしん。

  だってえ、気になるじゃないですかあ。
  サト×ギンか、サト×タケか、ギン×タケか

空から”だから実在の人間で掛け算しないでください(*4)”のツッコミに対して武人のおかん(埋火いずみ)がつぶやいたのが上記の

  でも、意外ねえ。武人って、このメンバーの中じゃ”受”っていう認識なの?

埋火武人は食卓に突っ伏しかけていますが、おかんからこのツッコミされればまあ、気持ちはわからんでもないです。でも、おかん世代ってけっこうこの分野ではあなどれんかもしれんな~~ 高校生の息子(次男)がいるってことはだいたい40代後半ぐらい? 1970年代の生まれだとすると、少年愛の世界だとか耽美だとかホモネタご幼少のみぎりにはけっこうこのてジャンルに手を出してたかもしれません。なんたって、1970年代と言えば”トーマの心臓(萩尾望都 1974年)”、”風と木の詩(竹宮惠子 1976年)”、”パタリロ!(魔夜峰央 1978年)”とそうそうたる名作が登場、耽美派の雑誌”JUNE(ジュネ)”の創刊は1978年”人間で掛け算”カルチャーの源流がこのあたりかもしれないしね。

〔『2199』じゃ、ガミラスを滅ぼさなかったから、カットされたけど(by 先生)〕
 最後に登場願うのは世界史の教師にしてビブリオバトル部顧問(予定)の朝日奈先生。第一作”翼を持つ少女 BISビブリオバトル部1(山本弘、東京創元社)”では堅物教師という評判ながら実は特撮オタクをカミングアウト。まあ、真面目一辺倒と思っていた先生がいきなり”仮面ライダークウガ”の蘊蓄たれだしたら驚くだろ~な~
 で、今回は伏木空の紹介した”馬の首風雲録(筒井康隆、扶桑社文庫)”に対するツッコミ。空に対して”現実の戦争で、兵士を殺した敵のために泣くなんてあると思いますか?”という質問をするんですが、この質問に対しての空と先生の会話

  朝日奈先生:我々がしなければならなかったのは戦うことじゃない。愛し合うことだった
  伏木空  :?
  朝日奈先生:ああ、お前らの世代じゃ知らないか
        昔の『宇宙戦艦ヤマト』の台詞だ。ガミラスを全滅させた後、
        古代進が自分たちのやったことを後悔して言うんだよ
        『2199』じゃ、ガミラスを滅ぼさなかったから、カットされたけど

 ”宇宙戦艦ヤマト(監督 松本零士)”は1974年放映(もう40年以上前!?)で昭和40年生まれの先生がリアルタイムで観てた世代ってのはわかりますが、”宇宙戦艦ヤマト2199(総監督     出渕裕)”って2012年ごろなんでホント直近ですぜ! 当時ブームを起こした作品なんで旧作を引き合い出すのはいいとして、いいおっさんが”2199”をさらっと引き合いに出すあたりなかなかあなどれません。まあ、私も観ましたけど・・・

 本来のビブリオバトルのテーマ”戦争”とは関係のない話をぐだぐだ書いてますが、本本来のバトルの本の紹介も面白いです。本好きのぜひご一読のほどを


《脚注》
(*1)心の様相だけは青春のおぢさん
  青春とは人生の或る期間を言うのではなく、心の様相をいうのだ。
  優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、
  怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心
  こういう様相を青春と言うのだ

 サミュエル・ウルマンの”青春”という詩です。だいたいこの詩を引っ張り出した時点ですでにおぢさんです。青春まっただ中の若者は青春について語ったりなんかしませんって。
(*2)笑点
 日本テレビで放映中、放送開始50周年を迎えた超長寿お笑い番組。このたび”笑点50年史(ぴあ)”という本も出ました。まだ読んでないけど。
(*3)伊藤計劃さんという方も・・・
 伊藤計劃(いとうけいかく)は日本のSF作家。デビュー2年、34歳で病没。代表作は”虐殺器官(早川書房)”、”屍者の帝国(河出書房新社)”、”ハーモニー(早川書房)”など。読みたい作家なんだけど、まだ読めてないな~~
(*4)だから実在の人間で掛け算しないでください
 ボーイズラブの世界では”攻×受”がお約束。どっちを受にするか攻にするかは逆カプ不可の深刻なテーマみたいです、ようわからんですが・・・

でも、実際、疑問なんですよねえ。何で当時の日本人が、アメリカと戦って勝てると思ったんだろって。SF読んでると、しみじみそう思います(幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部 2/横須賀 フレンドシップデー&サマーフェスタ)

 ども、今年も横須賀のフレンドシップデー&サマーフェスタに行ってきたおぢさん、たいちろ~です。
 このイベント、実はあまり事前に情報が流れてこなくて、いきあばったり感満載で毎年出かけております。で、今年面白かったってのが、サマーフェスタでは乗艦イベントのあった護衛艦”いずも”、フレンドシップデーでは対岸に停泊していた空母”ロナルド・レーガン”。でかいんわ~これが。
 ということで、今回のネタは”横須賀 フレンドシップデー&サマーフェスタに行ってきました 2016”&彼我の戦力差を考える”BISビブリオバトル部 2”であります。

写真はすべてたいちろ~さんの撮影です

【本】幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部 2(山本弘、東京創元社)
 美心国際学園(BIS)高校ビブリオバトル部。<驚異の翼(ウィング・オブ・ワンダー)>伏木空、<燃える氷(バーニング・アイス)>埋火武人、<双面の話者(ヤヌス・トーカー)>安土聡、<科学の魔女(ウイッチ・オブ・サイエンス)>菊地明日香など、本好きが集まるクラブ。今回のビブリオバトルのテーマは”戦争”。このテーマに対しそれぞれがチョイスした本は・・・
【旅行】横須賀 フレンドシップデー&サマーフェスタ
 毎年8月第一土曜日ごろに開催される”よこすか開国祭”に合わせて開催されるイベント(2016年は8月6日開催)。サマーフェスタは海上自衛隊横須賀地方隊が、フレンドシップデーはアメリカ海軍が主催でそれぞれの基地を一般公開してくれます。
 私は午前中にサマーフェスタ、午後にフレンドシップデー、夜はそのまま海軍基地内で花火見学。炎天下でほとんど一日中立ちっぱという体力勝負のイベントになってます。


 今回見ることのできた艦艇を紹介するとこんな感じです

〔ヘリコプター搭載護衛艦”いずも”〕
 写真は上から全景、上部飛行甲板、航空機用昇降機

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 排水量 1.95万トン。全長 248.0m、全幅 38.0m
 以前、2015年の観艦式に参加してたので見たのは2回目ですが、さすがに近くで見るとでかいですな~~ 他の護衛艦と比べると全長で2倍弱、排水量で3~4倍程度の差。飛行甲板もやたらでかくて、サッカーフィールド(105m×68)と比べても縦なら2倍、横1/2ってサイズです。甲板には格納庫から昇降機(エレベーター)で上がるんですが、これが一度に300~400名程度が乗れるシロモノ。思わずサンダーバードのテーマをかけたくなっちゃいます
 同型艦は建造中の”かが”のみ

〔護衛艦”てるづき”〕
 写真は上からてるづきに近づくゴムボート、後部甲板(奥側が”てるづき”手前が同じく護衛艦”たかみな””たかなみ”)。前部甲板のレーダーシステム。

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 排水量 0.5万トン。全長 150.5m、全幅 18.3m
 イージズ艦についている”アクティブ・フェーズド・アレイ方式”レーダーを備えていて僚艦を防衛する”LAD機能”がある艦艇。大きいのが索敵・追尾用アンテナ、ちいさいのがミサイル誘導用アンテナだそうです
 同型艦は”ふゆづき”など4艦

〔原子力空母”ロナルド・レーガン”〕
 写真は上から後方からの全景、真横からの全景(パノラマ機能で撮りましたが、歪んじゃいました)、艦橋部遠景(海上自衛隊基地に停泊している砕氷船”しらせ”からの撮影)

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 排水量 10.1万トン。全長 333.0m、全幅 76.8m
 横からの写真は後に出てくる”ミサイル駆逐艦 カーティスウィルバー”からのもの。横から見るとハンパなくでかいです。上記ででかいといった”いずも”と比べても全長で1.2倍弱、排水量で5.2倍弱の大きさ。
 だいたい映画とかで”空母”が出てくるとこのタイプのイメージ。垂直上昇のできるヘリコプターと違って滑走路が必要な艦載機を離着陸させるため滑走路が船の上にあるんですからでかいのは当たり前っちゃ当たり前ですが。
 ”ニミッツ級航空母艦”という艦級で、同型艦は”カール・ヴィンソン”、”ジョージ・ワシントン”など10艦

〔ミサイル駆逐艦”カーティス・ウィルバー”〕
 写真は上からバース側から艦橋部、前部甲板。

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 排水量 0.84万トン。全長 153.9m、全幅 20.1m
 アメリカ海軍のミサイル駆逐艦。”ロナルド・レーガン”と比べるとかなり小さい感じしますが、これでもミサイルの垂直発射システム90セルには対艦ミサイル(ハープーン)発射筒4連装×2基などけっこうな戦力なシロモノ
 ”アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦”という艦級で同型艦はネムシップの”アーレイ・バーク”など69艦

 艦艇数や性能差が絶対じゃないですし、ましてや戦争なんて総力戦なんでこれだけで勝ち負けが決まるわけがないと百も承知であえていいますが、この国とガチで戦ったら勝てる気しませんな~~ 
 まあ、”戦ってみたら勝てるんじゃね?”で戦争始めるなんで愚の骨頂ですが、勝てないまでもイーブンの戦いができそ~かどうかの情報収集力と分析力ぐらい持ってることの方が抑止力になるんじゃないかと。
 で、今回ご紹介する”幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部 2”のお話。”戦争”というテーマでどんな本を選ぶかという話をしてる時にSF大好きの伏木空が

  でも、実際、疑問なんですよねえ。
  何で当時の日本人が、アメリカと戦って勝てると思ったんだろって。
  SF読んでると、しみじみそう思います

と言いだします。1940年代の前半、アメリカが日本と戦争やってる時に、アメリカではSFブームで何十冊もSF雑誌が出版されていて、アシモフやハインラインなんかが活躍していて、半裸の女性が光線銃かまえてる絵が表紙を飾っていて、戦争やってる雰囲気がまるでない。かたや日本は”欲しがりません、勝つまでは”の耐久生活を強いられていて、雑誌なんかも休刊したりページを減らされたりと。要は余裕がぜんぜん違っていたと

  SF雑誌の表紙を見たら、国力の圧倒的な差を感じるんですよ
  日本はぎりぎりまで追い詰められてたのに、
  アメリカはこんなものを出してられたんだ
  まだ全力を出してなかったんだって

SF雑誌なんて大したことじゃないと思われるかもしれませんが、趣味的な面に金をまわせるかどうかって家計の余力に直結しているんだから、マクロ的に見ても国家レベルでの重要なファクターだったりするんじゃないかと。

 ”普通、そんなこと考えんだろう”と言われるかもしれませんが、実を同じこと考えた事あんですよね、ディズニーの”ファンタジア(*1)”見て。映画自体を見た事ない人は多いでしょうが、赤いだぼ~っとした服に三角の帽子をかぶったミッキーマウスのイラストを見た事はあろうかと。これはこの映画の中の”魔法使いの弟子(デュカス)”のモチーフです。
 作成されたのは1937年頃からで公開は1940年。公開時はアメリカはまだ第二次世界大戦には参戦してませんが(参戦は1941年12月の真珠湾攻撃から)、世界大戦自体は1939年に始まってるわけで安穏としてられる時代ではなかったはず。でも、そんな時代ですらこれだけの作品を生み出せる余力があるんだから”そんな国力の国と戦争するなんて、無謀だなぁ”とこの作品を見て思ったモノです

 世界レベルでなんだか危なっかしい方向に行ってるような昨今、彼我の戦力差を見ながらしみじみ思うのであります


《脚注》
(*1)ファンタジア(監督 ベン・シャープスティーン、ウォルト・ディズニー・ジャパン)
 クラシック音楽をバックにした8つのショートアニメ。指揮のレオポルド・ストコフスキーに音楽はフィラデルフィア管弦楽団が担当。”組曲 くるみ割り人形(チャイコフスキー”、”はげ山の一夜(ムソルグスキー)”など。かれこれ80年近く前の作品とは思えないすばらしさです

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