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現代におけるコンピュータゲームの歴史、あるいは”時間とCPU能力の無駄遣いの叙事詩”かな?(現代ゲーム全史/ファミコン)

 ども、こう見えてゲームはほとんどやんないおぢさん、たいちろ~です。
 別に信念があってやんないわけではないですが、ゲームをやってると本を読む時間がなくなるとか、ゲームを買うお金がないとか、運動神経と動体視力が残念な人なのでやっってもすぐ終わっちゃうとかそんな理由ですかね。
 そうは言ってもまったく知らないってこともなく、学生時代や新入社員のころがスペースインベーダーやファミコンブームの時代(*1)、最近だってあんだけガンガンにCMが出てくりゃ、まあ”いっぱいあるな~~”ぐらいはわかります。
 ということで、今回ご紹介するのはそんなコンピューターゲームの壮大な歴史をつづった”現代ゲーム全史”であります。


写真はたいちろ~さん撮影。
某温泉にあったファミコンボックスと光線銃。
写真撮ったのが2011年ですから、5年前時点でも現役で動いとったんですね~~

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【本】現代ゲーム全史(中川大地、早川書房)
 チャールズ・バベッジ(*2)から、ファミコン、ポケモン、プレイステーションを経てスマホのゲームマシン化からポケモンGOにいたるコンピューターゲームの歴史を技術史的側面と社会的側面、さらには日米の比較文化論までを加えて俯瞰した本。サブタイトルは”文明の遊戯史観から”
 たかがゲームと思うなかれ。相当はしょって書かれていますがそれでも570ページのボリュームですぜ!
【道具】ファミコン
 任天堂が開発した家庭用ゲーム機。累計販売台数は6,191万台とプレステ2などの後塵を拝してますが、これは当時ゲームマーケットが日本や北米以外になかったからではないかと(ゲーム業界.COMより
 写真のファミコンボックスは1986年にリリースした業務用で主にホテルや旅館に設置されたもの。光線銃はガンシューティングゲームに使うもので、ブラウン管側ではなく、銃口のセンサーが命中判断を行うというモノ。オリジナルの発案者は任天堂の技術者”横井軍平(*3)”

 さて、本書の内容を歴史的に私見も含めてバクっとまとめるとこんな感じ

〔理想の時代〕1912~59年
 コンピュータが世界で初めて開発されたころ。コンピュータの理論構築を行ったバベッジやフォン・ノイマンが”ゲーム理論”の研究を行ってたように、研究という場面ですでにゲームが登場してます。ハード的にもほとんど時を同じくして”ゲーム”を開発しているところを見るとゲームって”コンピューターの誕生と共にあった”んですねぇ。

〔夢の時代〕1960年~74年

 コンピュータの開発目的の一つが”宇宙開発”だった時代。MIT(マサチューセッツ工科大学)に寄贈されたDECのPDP-1(*5)(おおっ!!)。これに原初コンピュータマニア、のちのハッカーが飛びついて始めたのがゲームを作って遊ぶことヒッピー文化だのカウンターカルチャーだのありますが、世界最高水準の頭脳がやってんのがゲームですから、まあ良い時代にはなったんでしょうね。

〔虚構の時代〕確立期:~70年代後半、本格期:80年代前半、変貌期:80年代後半
 アーケドゲームの時代からファミコンの爆発的普及を迎えた時代。スペースインベーダーだのブロック崩し、ギャラクシアンだののレトロなソフトから、現在も続くスーパーマリオ、ドラゴンクエスト、ファイナルファンダジーなどのビックタイトルが生まれた時代でもあります。

〔仮想現実の時代〕確立期:90年代前半、本格期:90年代後半、変貌期:2000年代前半
 ハード的にはプレステ~プレステ2の時代。スーパーファミコン~NINTENDO64~Wiiセガサターン~ドリームキャストも加えて戦国時代、ある意味日本のゲームが一番輝いていた時代から終焉期まで。
 印象深いのはやっぱりプレステ2(2000年)でしょうか。プレステ2用に開発された”Emotion Engine”ってのがとにかくバカっ速いCPU128ビットRISCマイクロプロセッサなんつー当時のPCをはるかにしのぐスペックでしたね~~。さらには”Graphics Synthesizer”なんていうグラフィック専用CPUまで搭載していて”たがだかゲームになんでこんなCPUがいるねん?!”と思ったもんです。このあたりはハード性能で勝負をかけるソニーと、”枯れた技術の水平思考”でゲームそのものの面白さを追求するニンテンドーの違いがはっきり出てましたねぇ。
 ソフト的にはアーケードゲームで一世を風靡した”ストリートファイターⅡ(1991年)”や”バーチャファイター(1993年)”なんか。特にアーケード版の”バーチャファイター”の3D画像って、今の水準からするとポリゴン見え見えですが、当時としては結構感動モノでした。
 あと、パソコンゲームの”ときめきメモリアル(1994年)”に代表される美少女恋愛シミュレーションゲームの登場もこの時代。いわゆる”萌えゲー”の登場です。それ以前にも”脱衣麻雀(*6)”ていう、スケベ心全開のゲームなんかがありましたが、これをソフティフィケイト(つまりスケベを隠して)恋愛にしちゃったってのが秀逸、プレイしたことないけど。

〔拡張現実の時代〕確立期:2000年代後半、本格期:10年代前半
 この前の時代がVR(仮想現実 バーチャル・リアリティ)なら、ここからはAR(拡張現実 オーギュメンテッド・リアリティ)の時代。SNSに代表されるネットワークとデバイスとしてのスマートフォンをプラットフォームにした時代です。
 代表的というか行くとこまで行っちゃったのが”ポケモンGO”でしょうか。スマホの画面に現実の風景に重なってポケモンが出てくるわ、GPS情報で出てくるポケモンが変わるわ、あまつさえ”どこそこでレアポケモンが出た”つ~内容がSNSで拡散して警察が出動するほど人が集まるわ。現実社会にゲームの世界を融合させてくってのは確かに”拡張現実”なんでしょうねぇ。
 ちなみにこの次に来るのは、ゲームの世界に現実社会を重ねていくMR(複合現実 ミクスド・リアリティ)じゃないかという話もありました。

 あんましきちんと要約はできてませんが、こんなような時代区分で社会変化と技術発展は進んできたって内容です。で、あらためて感想。ゲーム史って

  時間とCPU能力の無駄遣いの叙事詩

だな~~ いや、悪い意味でなくて。
 ホイジンガの”ホモ・ルーデンス”よろしく、遊戯(遊ぶこと)が人間活動の本質で、文化を生み出す根源だとすると、ゲームに入れ混むのは本質的に正しい行動。でもな~、昔、ドラクエはまってた人って、会社休んでゲームを買うのに並んで、徹夜ではまりこんでたもんな~~ あの情熱には頭が下がりますが、やれといわれてもちょっとついてけないノリでしたねぇ
 技術史的にいうとCPUを含めたコンピューターの能力って、”何かをしたいから高性能が必要”ってのと”高性能のコンピューターを作ったけど何に使おう?”ってのと両方ありそう。前者の代表がCG性能を格段に向上させたプレステ2で、後者がスマホでしょうか。なんたって、今のスマホって一昔前のスーパーコンピューター並みの性能なんですぜ! そんだけ凄い性能を使ってやってんのがスマゲーですから、技術で売ってる会社の人から見ると”なんとCPUの無駄遣い!”とか思っちゃいます。

 本書は、戦後高度経済成長期の終焉からこっち、一大マーケットを形成した”ゲーム”という産業を振り返るのには良い本かと。ちょっと堅い目の内容も含んでますが、ゲームを休んで読んでみるのもいいかも。
 あと、ゲームの画像なんかも載ってると良かったんですけどねぇ 記憶の薄れているおぢさんとしては・・


《脚注》
(*1)スペースインベーダーやファミコンブームの時代
 スペースインベーターの登場が1978年、ファミコンの発売が1983年。記憶の感覚と若干ずれているのは、周りの人ややり始めたり、ブームになったりした時期までに若干タイムラグがあるから。決してボケてきてる訳ではないはずです。
(*2)チャールズ・バベッジ
 世界で初めて”プログラム可能な計算機”を考案、初期の機械式計算機”階差機関”を発明したイギリスの数学者。本書では”コンピューターの父”であるとともに”ゲームの理論的研究の父”とも記されています。
(*3)横井軍平
 ”ゲームウオッチ”、”ゲームボーイ”を始め”ラブテスター”や”光線銃シリーズ”などおぢさん世代には懐かしい数々のゲームを開発した人。”枯れた技術の水平思考”という”既存の技術を既存の商品とは異なる使い方をしてまったく新しい商品を生み出す”ことで新しい製品を開発しました。詳しく”ゲームの父・横井軍平伝”をどうぞ
(*4)フォン・ノイマン
 コンピューターの基礎理論及び開発に多大な影響を与え”ゲーム理論”という意思決定問題を数学的モデルで研究する学問にも貢献したたアメリカの数学者。
 実は、私の卒業論文のテーマが”金融機関におけるゲーム理論の応用について”みたいな話だったりして・・・
(*5)DECのPDP-1
 アメリカのコンピュータ企業(コンパックに買収され、今はヒューレット・パッカード)。1970~80年代で”PDP”や”VAX”といったシリーズは憧れと共に語られたモンです。私も入社面接受けに行きましたが・・・
(*6)脱衣麻雀
 文字通り勝ったら相手が一枚ずつ服を脱いでく(脱衣)”野球拳”みたいなゲーム。今考えるととんでもなく荒い(表示能力が低かった)CGですが、けっこう喜んで遊んでた人いましたね~~ 私は麻雀できないんでいつも横で見てましたけど。

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