« でも、実際、疑問なんですよねえ。何で当時の日本人が、アメリカと戦って勝てると思ったんだろって。SF読んでると、しみじみそう思います(幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部 2/横須賀 フレンドシップデー&サマーフェスタ) | トップページ | ”日米開戦で、大国アメリカと戦争やってほんとうに勝てると信じていたのか”との疑問へのひとつの回答です(昭和16年夏の敗戦/タンカー) »

”ああ、伊藤さんなら、こっちで新作書いてるよ”、”それは・・・ 私が読みたいです”(幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部 2/地獄八景亡者戯)

 ども、心の持ち方だけは青春のおぢさん(*1)、たいちろ~です。
 世の中には”青春××”というサブジャンルがあります。青春ミステリーとか青春恋愛小説とか。特徴としては主人公自体は高校生だったり大学生だったりすることでしょうか。でも、小説にまったく大人が登場しないってことはまれなわけで、むしろ主人公を超えちゃうような大人のバイプレーヤーってのがいたします。
 ということで、今回ご紹介するのは高校生のビブリオバトル部がメインの小説なのにおじいちゃんやらおかんのがキラリと光っちゃってる小説”BISビブリオバトル部 2”であります。


写真はたいちろ~さん撮影。
日本テレビのイベント”超汐留パラダイス! 2016SUMMER”より
笑点(*2)”のブースです

20160810


【本】幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部 2(山本弘、東京創元社)
 美心国際学園(BIS)高校ビブリオバトル部。<驚異の翼(ウィング・オブ・ワンダー)>伏木空、<燃える氷(バーニング・アイス)>埋火武人、<双面の話者(ヤヌス・トーカー)>安土聡、<愛の伝道師(ラブ・ミショナリー)>小金井ミーナ、<科学の魔女(ウイッチ・オブ・サイエンス)>菊地明日香など、本好きが集まるクラブ。今回のビブリオバトルのテーマは”戦争”。このテーマに対しそれぞれがチョイスした本は・・・
【DVD】地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)
 死んだ喜六が冥土への旅で三途の川や、賽の河原など地獄の風景出てくる前半、閻魔様の裁定で地獄行になるものの得意技で乗り切る後半とフルに演じると1時間を超える落語の大ネタ映像はこちらからどうぞ


 主人公の高校生からして二つ名を持つ本好きの集まりなんですが、そんな若者を手玉にとるんだから大人だってけっこうマニアックなのかも。今回のご紹介は埋火武人のじーちゃん、おかん、クラブの顧問(予定)の学校の先生です

〔ああ、伊藤さんら、こっちで新作書いてるよ(by じーちゃん)〕
 次回のビブリオバトルのテーマ”戦争”の本を考えていたSFマニアの”伏木空”。そこでであったのが死んだはずの埋火武人のじーちゃん(埋火武雄)。この人がまた弩のつくSFマニアでさっそく2人は意気投合。最近のSF作家の話をする空との会話

  じーちゃん:そうかあ。いいなあ。そんなにいろんな作家がデビューしてるのか
        もう少し長生きして、読んでみたかったなあ

  伏木空  :あと、亡くなられたけど、伊藤計劃さんという方も・・・(*3)
  じーちゃん:ああ、伊藤さんなら、こっちで新作書いてるよ
  伏木空  :それは・・・ 私が読みたいです

 これはもう”地獄八景亡者戯”の世界だ! ”地獄八景亡者戯”にあの世の寄席ってネタがあって、古今東西の名人上手が勢ぞろい、これは面白くないはずがない! 桂米朝師匠が生前に演じているくすぐりに、”桂米朝”という看板がかかっているのを見て

  米朝という名前で死んだ噺家はないと思いますが、あれはまだ生きてるンとちゃいますか?
  よう見てみなはれ、肩のところに”近日来演”と書いてある

 まあ、あの世で笑点の大喜利やってると思えば想像つくかも。なんてたって司会だけでも七代目立川談志、前田武彦、初代三波伸介、5代目三遊亭圓楽と超豪華なラインナップ。これで面白くなければウソでっせ! 近日来演(自主規制)とか・・・

〔でも、意外ねえ。武人って、このメンバーの中じゃ”受”っていう認識なの?
 (by おかん)〕

 埋火武人の家で合宿をすることになったビブリオバトル部の面々。男性陣は2人ひと組でお風呂を使わせてもらうことに。ここで目がランランなのがボーイズラブ大好きの小金井ミーナ。どういう組み合わせになった興味しんしん。

  だってえ、気になるじゃないですかあ。
  サト×ギンか、サト×タケか、ギン×タケか

空から”だから実在の人間で掛け算しないでください(*4)”のツッコミに対して武人のおかん(埋火いずみ)がつぶやいたのが上記の

  でも、意外ねえ。武人って、このメンバーの中じゃ”受”っていう認識なの?

埋火武人は食卓に突っ伏しかけていますが、おかんからこのツッコミされればまあ、気持ちはわからんでもないです。でも、おかん世代ってけっこうこの分野ではあなどれんかもしれんな~~ 高校生の息子(次男)がいるってことはだいたい40代後半ぐらい? 1970年代の生まれだとすると、少年愛の世界だとか耽美だとかホモネタご幼少のみぎりにはけっこうこのてジャンルに手を出してたかもしれません。なんたって、1970年代と言えば”トーマの心臓(萩尾望都 1974年)”、”風と木の詩(竹宮惠子 1976年)”、”パタリロ!(魔夜峰央 1978年)”とそうそうたる名作が登場、耽美派の雑誌”JUNE(ジュネ)”の創刊は1978年”人間で掛け算”カルチャーの源流がこのあたりかもしれないしね。

〔『2199』じゃ、ガミラスを滅ぼさなかったから、カットされたけど(by 先生)〕
 最後に登場願うのは世界史の教師にしてビブリオバトル部顧問(予定)の朝日奈先生。第一作”翼を持つ少女 BISビブリオバトル部1(山本弘、東京創元社)”では堅物教師という評判ながら実は特撮オタクをカミングアウト。まあ、真面目一辺倒と思っていた先生がいきなり”仮面ライダークウガ”の蘊蓄たれだしたら驚くだろ~な~
 で、今回は伏木空の紹介した”馬の首風雲録(筒井康隆、扶桑社文庫)”に対するツッコミ。空に対して”現実の戦争で、兵士を殺した敵のために泣くなんてあると思いますか?”という質問をするんですが、この質問に対しての空と先生の会話

  朝日奈先生:我々がしなければならなかったのは戦うことじゃない。愛し合うことだった
  伏木空  :?
  朝日奈先生:ああ、お前らの世代じゃ知らないか
        昔の『宇宙戦艦ヤマト』の台詞だ。ガミラスを全滅させた後、
        古代進が自分たちのやったことを後悔して言うんだよ
        『2199』じゃ、ガミラスを滅ぼさなかったから、カットされたけど

 ”宇宙戦艦ヤマト(監督 松本零士)”は1974年放映(もう40年以上前!?)で昭和40年生まれの先生がリアルタイムで観てた世代ってのはわかりますが、”宇宙戦艦ヤマト2199(総監督     出渕裕)”って2012年ごろなんでホント直近ですぜ! 当時ブームを起こした作品なんで旧作を引き合い出すのはいいとして、いいおっさんが”2199”をさらっと引き合いに出すあたりなかなかあなどれません。まあ、私も観ましたけど・・・

 本来のビブリオバトルのテーマ”戦争”とは関係のない話をぐだぐだ書いてますが、本本来のバトルの本の紹介も面白いです。本好きのぜひご一読のほどを


《脚注》
(*1)心の様相だけは青春のおぢさん
  青春とは人生の或る期間を言うのではなく、心の様相をいうのだ。
  優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、
  怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心
  こういう様相を青春と言うのだ

 サミュエル・ウルマンの”青春”という詩です。だいたいこの詩を引っ張り出した時点ですでにおぢさんです。青春まっただ中の若者は青春について語ったりなんかしませんって。
(*2)笑点
 日本テレビで放映中、放送開始50周年を迎えた超長寿お笑い番組。このたび”笑点50年史(ぴあ)”という本も出ました。まだ読んでないけど。
(*3)伊藤計劃さんという方も・・・
 伊藤計劃(いとうけいかく)は日本のSF作家。デビュー2年、34歳で病没。代表作は”虐殺器官(早川書房)”、”屍者の帝国(河出書房新社)”、”ハーモニー(早川書房)”など。読みたい作家なんだけど、まだ読めてないな~~
(*4)だから実在の人間で掛け算しないでください
 ボーイズラブの世界では”攻×受”がお約束。どっちを受にするか攻にするかは逆カプ不可の深刻なテーマみたいです、ようわからんですが・・・

« でも、実際、疑問なんですよねえ。何で当時の日本人が、アメリカと戦って勝てると思ったんだろって。SF読んでると、しみじみそう思います(幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部 2/横須賀 フレンドシップデー&サマーフェスタ) | トップページ | ”日米開戦で、大国アメリカと戦争やってほんとうに勝てると信じていたのか”との疑問へのひとつの回答です(昭和16年夏の敗戦/タンカー) »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

小説」カテゴリの記事

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/528774/64050898

この記事へのトラックバック一覧です: ”ああ、伊藤さんなら、こっちで新作書いてるよ”、”それは・・・ 私が読みたいです”(幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部 2/地獄八景亡者戯):

« でも、実際、疑問なんですよねえ。何で当時の日本人が、アメリカと戦って勝てると思ったんだろって。SF読んでると、しみじみそう思います(幽霊なんて怖くない BISビブリオバトル部 2/横須賀 フレンドシップデー&サマーフェスタ) | トップページ | ”日米開戦で、大国アメリカと戦争やってほんとうに勝てると信じていたのか”との疑問へのひとつの回答です(昭和16年夏の敗戦/タンカー) »

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

無料ブログはココログ