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ビブリオバトル部の高校生の物語ですが、おっさん連中も魅力的です!(翼を持つ少女 BISビブリオバトル部 1/表紙のイラスト)

 ども、毎週図書館に通う読書好きなおぢさん、たいちろ~です。
 時々、図書館のイベントで”ビブリオバトル”の案内ってのが出ています。ビブリオバトル? バトルだからなんかと闘う? 料理の鉄人みたいの?(*1) 参加してみたいと思ってんですけどまだ行けてません。そんなこんなしてるうちに”ビブリオバトル”が表題についた本みっけ!
 ということで、今回ご紹介するのはとある高校のビブリオバトル部の活躍を描いた青春小説”翼を持つ少女 BISビブリオバトル部”であります。


写真は”翼を持つ少女”表紙のイラスト
pomodorosaさんのHPより。私、この人の絵、けっこう好きです

Photo


【本】翼を持つ少女 BISビブリオバトル部 1(山本弘、東京創元社)
 美心国際学園(BIS)高校のビブリオバトル部。<燃える氷(バーニング・アイス)>埋火武人、<双面の話者(ヤヌス・トーカー)>安土聡、<科学の魔女(ウイッチ・オブ・サイエンス)>菊地明日香など、いずれ二つ名を持つ濃ゆい本好きが集まるクラブ。SFマニアの伏木空はふとしたきっかけでこのクラブに入部することになり・・・
 本好き話好きな高校生が集まりビブリオバトルを繰り広げる青春小説てかライトノベルでしょうか
【本】表紙のイラスト
 本を選ぶ基準とか思い出に”表紙のイラスト”って意外と重要です。本書の中でも武部本一郎の話だとか、松本零士、石森章太郎、モンキー・パンチなどなど名だたる漫画家が表紙のイラストを書いてる話が出てきます。にもかかわらず、本書の表紙の作者の記載がないってどゆこと?! なめとんのか、うりゃ! (まあ、キャラクターイラストの記載はありますが・・・)
 本書に限らず表紙の絵を描いてる人調べるのってけっこう大変なんですね。この辺の話は”SF挿絵画家の時代(大橋 博之、本の雑誌社)”のネタで書いてますので、よろしければこちらもどうぞ


 内容に入る前に”ビブリオバトル”とはなんぞや。簡単に言うと、自分が読んで面白いと思った本を持って集まり、5分間で紹介して、参加者の投票で一番面白かった”本”(発表者ではない)を決める、というゲームです。(ビブリオバトル公式ウェブサイトより抜粋)。詳しくは公式ウェブサイトをご覧ください。

 物語は、上記のほかにも<天然の狙撃手(ナチュラル・スナイパー)>輿水銀、<愛の伝道師(ラブ・ミショナリー)>小金井ミーナ、メルマガ部員としてビブリオバトル部をサポートする金髪碧眼の美少女中学生 流冥弐久寿(ルメイ・ニクス)。上記の二つ名の名づけ親もこの子です。いずれ劣らぬディープな面々が勢ぞろい。きっと楽しい高校生活だろ~な~
 本来はこの子達の話を紹介すべきなんでしょうが、それは本書を読んでいただくとして印象深かったのは、登場する3人の中高年。これがまた濃いいんですな~

〔埋火武雄(埋火武人の祖父)〕
 もう故人で本人自身は登場しませんが、大正15年生まれですので、本書発刊時(2014年)にご存命なら80代後半。表の顔は造り酒屋の経営者にして酒税をめぐって国税局と戦った闘志。裏の顔は超弩級のSFマニア。なんせ部屋いっぱいのSF本のコレクション。創刊号から亡くなるまで36年間のSFマガジンのバックナンバー、稀覯本やらサンリオSF文庫やらてんこ盛り。なんせ伝説のSF人”柴野拓美(*2)”とも交流のあったという人ですからハンパじゃないですね~~
 お母さんが”古本屋に持っていっても二束三文”と言ってますが、とんでもありません! ぜひ大切に保管していただくか、公的機関に寄付していただきたいものです(*3)。

〔流冥無頼庵 ブライアン・T・ルメイ(流冥弐久寿の父)〕
 レスラーのようにごつい中年の白人男性。年齢の記載はありませんが、13歳の娘がいて奥様より10歳年上とのことですのでおそらく40代半ばぐらいでしょうか。
 大の日本マニアで日本に奥様ともども日本に帰化した人。お仕事は”日本の文化を海外に紹介する”こと。なんの紹介をしていることやら。私だって”直球表題ロボットアニメ”なんて知らんかったゾ! 伏木空をして”弐久寿さんの中二病的ネーミングセンスはお父さん譲り”といわしめています。

〔朝日奈光〕
 BIS世界史教師。昭和40年生まれですんで、だいたい50歳。堅物なキャラクターとして有名な先生ですが、その実態は初代仮面ライダーから見るというけっこうな特撮オタク。このおっさんがまた美味しいとこ持ってくんですな~~
 小金井ミーナの”仮面ライダークウガ”が平成初の「仮面ライダー」シリーズとの発言に”仮面ライダーBLACK RXは平成に放送されてた”だの、”真・仮面ライダー序章”は平成の作品だとか、いいオヤジが突っ込むか、ソコ!みたいな。
 だいたいこのおっさん、仮面ライダー以外でもけっこうな知識の持ち主。埋火武人が伏木空のしょーもないSFの知識に”脳の記憶容量の無駄遣い”と言ってますが、このおっさんだってたいがいです。
 でも、このおっさん、終盤では物語を決定づける愛すべきキーマンでもあります(この辺は本書でお楽しみを)

 本書自体も面白いですが、ビブリオバトル自体が本を紹介するイベントということもあり、読んでみたい本を探したい人にもお勧め。部員それぞれが得意ジャンルがあるのでけっこう広範にカバーしてます。ぜひご一読のほどを

《脚注》
(*1)料理の鉄人みたいの?
 私の記憶が確かならば、”料理の鉄人”は1993年~99年にフジテレビで放送された料理番組。料理の作り方ではなく、料理人が与えられた食材をベースにどちらが美味しい料理を作るかという”バトル”の要素を加えたという点では画期的な番組。
 アーレ、キュイジーヌ!
(*2)柴野拓美
 SF翻訳家、SF作家(ペンネーム 小隅黎)であり、日本初のSFファングループ”宇宙塵”の主宰者として多くのSF作家を世に送り出した人です。
(*3)公的機関に寄付していただきたいものです
 コミックマーケット代表の故・米沢嘉博の蔵書の寄贈をベースに明治大学が解説した”米沢嘉博記念図書館”なんていう例もあります。行ってみたいんなよな~~ ここ

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