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オタクとは、自己充実こそが人生の目的であると理解した、新しい人類 任せるとそのうち人類滅ぶけど(乙女の読書道/SFのSは、ステキのS/本棚の色)

 ども、オタクじゃありません、単なる愛書狂のおぢさん、たいちろ~です。
 こんな益体もないブログではありますが一応”本”がテーマになっております。ですんで人並みには本を読んでる方ではありますが、時々とんでもない本の読み手ってのがいたりします。どうも、この手の人ってSF系の人に多いような気がすんですが(まあ、気のせいかもしれませんが)。

 「一冊読んでもダメ、百冊読んでもダメ、
 千冊読んだらSFってなんだかそろそろ分かるんじゃないかな」
(*1)

と言われてた業界なんで、元々本を読むのが当たり前だったのかもしれません。
 ということで、今回ご紹介するのは声優にして稀代の本の読み手”池澤春菜”によるエッセイ集”乙女の読書道”&”SFのSは、ステキのS”であります。


 写真は”乙女の読書道”表紙。裏表紙まで見るともっと青いです
Photo


【本】乙女の読書道(池澤春菜、本の雑誌社)
 ”今日の早川さん(*2)”CD版で超SF小説オタクの”早川量子”を、宇宙人侵略SF(か?)”ケロロ軍曹(*3)”では二重人格のヒロイン?”西澤桃華”を演じた声優”池澤春菜”による初のエッセイ集。本のチョイスはというと、早川書房に創元文庫に国書刊行会(*4)にとかなり歪んでいるような・・・ ”本の雑誌”や”週刊プレイボーイ”で連載したものだそうですが、読者の傾向とあってるんでしょうか?
【本】SFのSは、ステキのS(池澤春菜、早川書房)
 同じく池澤春菜による超ディープなSFエッセイ(こっちは確信犯)。まあ出るわ出るわのSF本の数々と、この本に出てくる本を網羅して読んでる人がいたらかなりの人物ではないかと。
 イラストは”今日の早川さん”の作者の”COCO”。その時点で終わっていると言えなくもないですが・・・
【道具】本棚の色
 本の背表紙って、出版社によってカテゴリーごとに色分けしてたり、作者ごとに違ったりとさまざまですが、本棚がなんとなく青っぽかったらまず間違いなくSFマニア。ハヤカワSF文庫が多い証拠です。逆にカバーがない肌色っぽい古めかしい本がならんでたらオールド岩波文庫かな。尊敬の目で見ましょう。
 しかし書籍が電子化していくと、この手の直観認識が消えてくんだろうなぁ・・


 さて、池澤春菜という人は自他共に認める重度の活字中毒者。”ビブリオマニアというより書痴。超のつく読書狂(乙女の読書道より)”。今でも日に1~2冊は読むというお方。こんな人がSF中心に書いたエッセイなんで面白くないはずがない!(ただし、一部の人に限る?)。文章は新井素子っぽくって(*5)するする入っていきます(わかる人にはわかる例えです・・・)
 読書好きの”あるある”満載ですが、いくつかツッコミしてみます

蔵書整理という名の死亡遊戯(SFのSは、ステキのS)〕
 本好きにとってなにがたいへんかっていうと”本を片付ける”ということ。私はすでにこの努力を放棄して引っ越した時のダンボール箱に入れっぱですが(おけげで本があるはずなのに探せない(泣))。池澤さんは本棚の写真を撮ってくるようにとの指令を受けて本棚の整理を始めますが、腰痛で起き上がれないハメに。本の少ない人にはピンとこないかもしれませんが、本って重いんだよ~~
 年末大掃除で”今年はやります”の決意のもと、整理をしようとする話が出てきてますが、きっとできなかったんだろうなぁ

モテを目指す層のトキメキは気化するけど、オタク層のトキメキは発酵するのです
 (SFのSは、ステキのS)〕
 オタクの人ってモテナイってイメージがあります。イメージだけじゃないかもしれませんが。この章の標題も”我が赴くは非モテの大海(*6)”。まあ、オタクという種族は寸暇を惜しんで本を読みたい、DVDを観たいってのがDNAに刻み込まれてます。この”寸暇”の中にはステキな異性を探したり、イチャラブする時間も含まれているので、よっぽど同好の士でもないかぎり非モテの魔道に落ちるんじゃないかと・・
 オタクについてのコメント

  これが発酵です。暗くて狭くて湿ったところで長い時間をかけて寝かせ、
  最高のビンテージに仕上げるのです。こじらせる、とも言います
  要するに、エンジンにくべる燃料が違うのです。
  オタクとは、自己充実こそが人生の目的であると理解した、新しい人類
  (任せるとそのうち人類滅ぶけど)
  好きなことにしかエネルギーを使わない、
  嫌いなことは自分の中からささと消去、忘却、見ないふり

まさに至言ですな~~ まあ、非モテ当たり前ですけど。そういやこれと同じようなのに”腐女子”ってのもあるし。ちなみに、微生物の作用の中で人の役に立つのが”発酵”、役に立たないのが”腐敗”、何の救いにもならないコメントですが・・・

もう一週間、紙の本禁止令を続けて欲しいと言われたら、その人をグーで殴るかもしれない
 (乙女の読書道)〕
 これはまったく本を読まないってネタじゃなくて”紙の本”禁止。iPadでの電子書籍で一週間すごしましょうという企画です。初出は”野性時代”2010年8月号。調べてみるとiPadは第一世代の頃。iPad版のKindleアプリは使っていないご様子。どうも操作性は気にいらなかったようで、さらに持って行った台湾ではネットにつながらずともうさんざん。まあ、出始めのころだからな~
 同じく電子書籍ネタが”SFのSは、ステキのS”が載ってますが、こちらは電子書籍アワード2013に発表会の話がでているので、たぶん2013年3月頃。で、池澤さんのこの時の評価は

  なんでしょうね・・・ 電子書籍だと、頭にあんまり入ってこないのですよ
  活字の上を目が滑る感じ

   (中略)
  つまりは、お菓子。ちょっと小腹が空いた時に気軽につまめる気の利いたスナック
  そう言う意味でも、紙の本と電子書籍は別物なのかなぁ

この辺の感じ方は人それぞれ。私自身はあんまし違いを感じないですけどねぇ。むしろ”これ以上本を増やすな!”という奥様のプレッシャーの方が強いですが・・・

 この章でもう一つ印象深かったのはお値段のお話

  (紙の本 VS 電子書籍)VP 古書

まあ、時間と手間をかけてB○○K○FFで探せば一番安く上がるんですけどねぇ、他に見つけた本を山ほど買わなければ。でも、見つけた時が読みたい時ってのもあってついついボチっとなしてると量がどんどん増えてくしな~~

ビデオデッキ え、この注釈必要?(SFのSは、ステキのS)〕
 ”SFのSは、ステキのS”とこのブログにはある共通点があります。それは本文に比べて異常に多い注釈(本書では”ステキな用語集”)。なんたって、だいたい400ページの本書の中で本文が約50%、COCOのイラスト+4コママンガで25%、残り25%、約100ページが注釈なんですぜ!(*7) だいたい本の話をすると相手の人がそれを読んでるとは限らない(むしろ読んでない可能性のが高い)んで、多少なりとも説明が必要になるんですね。ましてやこんだけディ~プなSF話になると。まあ、実は注釈のほうがノリノリで書いてたりして
 悩むのは、どこまで注釈がいるかってこと。ビデオデッキだってあと5年もたてばマジで説明しないとわかんない世代がでてくんだろ~な~(*8)

 この2冊は本を扱った本ですが、紹介している本の内容の紹介ってあんまし書いてないです。ほとんど投げっぱなしジャーマン状態。書評というより”本ってこんなに楽しいんだ!”ってのを感じる本かも。この本を読んでSFファンが少しでも増えることをオールドなSFファンは望むのであります。その結果については責任持ちませんけど・・・


《脚注》
(*1)一冊読んでもダメ、百冊読んでもダメ~
 ”オタクはすでに死んでいる (岡田斗司夫 新潮新書)”より。古き良き時代の昭和SFオタクによるオタク評論であります。SFファンとそうでない人はぜひどうぞ
(*2)今日の早川さん(COCO,早川書房)
 SFオタクの早川さん、ホラーマニアの帆掛さん、純文学読みの岩波さん、ラノベ好きの延流ちゃん、希覯本収集家の国生さん、本をこよなく愛するお嬢さんたちを描いたCOCO4コママンガ。このコミックを元に作成されたCD版のジャケットで池澤さんが

  あ、そのまま私が、早川さんだったんだ・・・

と言ってますが、内容は推して知るべしです。
(*3)ケロロ軍曹(吉崎観音、カドカワコミックス・エース)
 「ケロン星」から地球侵略のために派遣された”ケロロ軍曹”以下5人の兵士。その超科学により地球はあっというまに占領される・・・はずであったが・・・
 勘違いにより撤退した本隊に取残されたケロロ軍曹は趣味のガンプラ作りにはまり、タママ二等兵は西澤桃華の居候にと、おい、侵略の話はどこ行った?!
(*4)国書刊行会
 神道、仏教、国文学関係の学術資料の出版社なんですが、どっちかというと幻想文学ラヴクラフトの”ク・リトル・リトル神話”関連を出している出版社といったほうがマニアの方には通り易そう。すいません、あんましこの手の本は読んでいないんで・・
(*5)新井素子っぽくって
 高校2年生の時に”あたしの中の・・・(集英社コバルト文庫)”でデビューしたライトノベルの御先祖様。それがもはや”銀婚式物語(中公文庫)”なんて書くんだから時の流れがはやいなぁ
(*6)我が赴くは非モテの大海
 アルフレッド・ベスターの”我が赴くは星の大海”(改題”虎よ!虎よ!(早川文庫)”)のパロディ。さらにはDVD”銀河英雄伝説外伝 わが征くは星の大海(原作 田中芳樹、徳間書店)”にも行ってます。
(*7)だいたい400ページの本書の中で
 実はこの本、Kindle Fire HDで読んでます。ですんでページは私の見てる文字の大きさで表示させた画面数。ま、注釈が膨大だってイメージがわかっていだければ結構です
(*8)ビデオデッキだってあと5年もたてば~
 調べてみると開発元の日本ビクターがVHS方式の方式単体機の生産を終了したのが2008年、他のメーカーも2011年末には生産終了とのこと。さびしいモンですなぁ

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