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2015年2月1日 - 2015年2月7日

本読みには本読みにしか分からんツッコミってのがあるモンで・・・(読書狂の冒険は終わらない!/梅/好文亭)

 ども、ヲタクではありません、単なるビブリオマニア(*1)なおぢさん、たいちろ~です。
 以前にも書きましたが、最近読んだ本を肴にぐだぐだ酒を呑む会ってのをやってます。まあ、堕落した文芸部とでも言いましょうか。本をあんまり読まない人から見れば”それの何が面白いねん?”と言われそうですが、それはそれで特異な世界があるわけで。好きな作家がかぶっているとみょ~に嬉しかったりとか、未知のジャンルがちょっと気になったりとかそういった類のモンですが、話がどこに飛んでってもそれなりに話ができるってのが面白いんですな。
 で、この手の人種の中でもトップクラスな二人が対談するとどうなるか? ということで、今回ご紹介するのは超絶クラスのビブリオマニアなヒロインを主人公にした小説を書いた人、三上延と、倉田英之による”読書狂の冒険は終わらない!”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。
上は水戸偕楽園の梅(月宮殿)、下は偕楽園の好文亭の庭です。

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【本】読書狂の冒険は終わらない!(三上延、倉田英之、集英社新書)
 こなた超絶的な本の知識を持つ美貌の古本屋店主”篠川栞子”さんが探偵役を務める古書ミステリー”ビブリア古書堂の事件帖(*2)”の作者、かなた大英図書館特殊工作部のエージェントにしてビルを丸ごと本棚にする重度のビブリオマニア、ザ・ペーパーこと読子・リードマンを主人公とする”R.O.D(*3)”の作者。こんな本の読み手二人が”本”をネタに対談を行ったらどうなるか?!
 これを企画した編集者、偉いゾ!
【花】
 バラ科サクラ属の落葉高木。梅の別名を”好文木(こうぶんぼく)”と言います。これは晋の武帝が学問にはげめば梅の花が咲き、学問をやめると開かなかったという故事から。まあ、読書=学問とは限りませんが。
【旅行】好文亭
 梅で有名な水戸偕楽園には”好文亭”ってのがありますが、これは元々水戸藩第九代藩主徳川斉昭の別荘。こんな所で本の置き場を気にせず読書三昧の生活を送りたいモンですなぁ・・・


 さて、稀代のビブリオマニアなヒロインを生み出したお二人による対談ですから、さぞや面白い本を勧めてくれるんだろうかと思ってたんですが、のっけから(三上延のまえがき)でいきなり”勧めベタ”ですって話から。この本は延々”こんな本が面白かった”という話をだべってるって感じ。読んだ話がどうだとか、本にまつわるあるあるネタがこうだとか、まさにぐだぐたとって雰囲気。でも、これがまた面白いんですな。さすがにビブリオマニアは一味違います。
 ということで、本の話は本書を読んでもらうとして、心に残った本のあるあるネタからいくつかを。

〔三上:そうなんですよ。切り絵の表紙がかっこいいんですよ〕
 本の印象ってけっこう表紙に左右されるんですね。でも、意外と表紙を描いた人は誰かってわかんないの多いんですね。最近でこそライトノベルの表紙の萌え絵が売れ行きを左右するってぐらい認知度が上がってきてますが、一昔前だとそんな話ってあんましなくって。その中でも例外的なのが角川文庫。わりと定番化してたり、ころころ替えたりとか。本書で出てきてる話題だと横溝正史シリーズの杉本一文。エアブラシによるおどろおどろな表紙って、さも怖そげなミステリーって感ありましたね。Kindle版の表紙でも使われてますんで定番中の定番かと。
 これに対する双璧が江戸川乱歩シリーズの表紙を担当した宮田雅之。上記の三上の発言がこれ。私も好きで画集とか持ってましたねぇ。本書の中で三上が”一寸法師”の表紙で”小学校三年生で、なんでこんな不気味な表紙の本を買ったんだろう”って言ってますが、とっても良くわかります。こちらもKindle版の角川文庫で今でも使っていますんで定番なんでしょう。

〔三上:長いと挫折しますよね〕
 一般の評論と決定的に違うのがこれ。本書の中で倉田が言ってますがガイドブックって”分からない”とは書けないけど、この本では好き嫌いや個人的体験ベースなんで挫折話もありって。確かに本の話をすると途中で止まっているとか、あきらめたとかの話って以外に盛り上がるんですよね。初手から手を出さないとか(*4)。一概に長いから挫折するわけではないですが、やっぱし長いと切れやすい。倉田は”指輪物語”は全部読んだけど”ホビットの冒険”はダメだったとか(*5)、三上は”指輪物語”の三冊目までだったとか。この人達でもそんなんですから、まあ一般人でいたしかたないことでしょう。ちなみに私は1冊目で挫折しました

〔倉田:昔、講談社文庫に挿入されていた栞にマザーグースの詩を載せてましたよね〕

 上記のように表紙の話ってのは時々出てきますが、さすがに栞ってのはねぇ。こんなの話題に出てくるのって初めてじゃないかなぁ・・ まあ、”ビブリア古書堂の事件帖”には栞を使ったトリックってのをやってるぐらいだしなぁ・・
 よく使っていたのは確かハンプティ・タンプティだったかな。マザーグースって、最初は北原白秋訳、スズキコージ表紙(旧版)の”まざあ・ぐうす”があって、谷川俊太郎訳、堀内誠一表紙の”マザー・グースのうた”が出てその後谷川俊太郎訳、和田誠表紙の”マザー・グース”が出たんだっけ。和田誠版だとCDなんかもあってちょっとしたブームだったかなぁ。クックロビン聞きたくで買いました(カセットテープだっけ?)(*6)
 栞の話題になっているのは谷川俊太郎訳、和田誠表紙版。スズキコージ版、堀内誠一版だと絵本っぽかったけど和田誠版になると急にイラストテイストだったんでけっこう驚きましたけど。

〔倉田:古書のリサイクルセンターを呼んで運んだら、1トンあったって〕
 さすがに三上も”1トン? 冊数じゃなくて重さなんですか?”とのお返事。まあ、紙の表示って重さも使うんであながち間違っちゃいないんですが・・・(*7)
 だいたい本の量を聞かれて冊数で答えられるのはまだまだ少ない方メートルで答えるのもアリですが、このあたりだと本棚に収納できるとか床に積んであるレベルでしょうか。私とか友人だと”ダンボール箱でXX箱”って言い方になってきます。まあ、収納が立体的にできるとか一応箱単位で整理ができるってメリットはありますが、現実問題引っ張り出して探すとなると相当体力が要ります(なんせ重いんで)
 先ほど測ってみましたが、箱の大きさや何を入れるかにもよりますダンボール箱にいっぱい本を入れると18~25Kg程度。単純計算だと、ダンボール箱5~60箱ぐらいになります

〔倉田:三上さんの本棚を見て嬉しかったのは、同じ本が何冊もあったこと〕
 三上はこれに続けて”見つからないと、買わざるをえないんですよね”、とか”ネットで届いてから「ああ、買ってたっけ」と気づくんですよ”とか言ってますが、そうなんですよね~~ 私は読む用、保存用、布教用って買い方はしませんが、ダブリはけっこう出ます。特にBOOKOFFなんかを利用してると、中身を見てても”これ買ったっけ? まあ、次はないかもしれんから買っておこう!”みたいなノリで買っちゃって、家に帰って見たらやっぱしあったとか・・・ さすがにダンボール箱開けたら全部同じ漫画の同じ巻だったってのはないですが。

〔倉田:本が主で、余ったお金でご飯を食べるという考え方でした〕
 ”なんでオタクっていつも食費から削るのよ!”(*8)と言いますが、そうですか、本が主で食費が従ですか。単身赴任を始めた時に”せめて本代ぐらいリミッターをかけずに買いましょうか”とか考えた程度ですから、私もまだまだですなぁ・・・

 まあ、あまり本を読まない人には何が面白いんだかわからん話でしょうが、本読みには本読みにしか分からんツッコミってのがあるモンで・・・ お殿様みたいにお金があって別荘に梅のある庭園なんぞ持てる身分であればまた違うネタにでもなるんでしょうがねぇ・・・
 実は対談っていう文体を読むのってあんまり得意じゃないんですが、これは面白かったというかスイスイ読めましたね。 本好きの人にはお勧めの1冊、そうじゃない人には冷ややかに見られるだけかもね。


《脚注》
(*1)愛書狂・読書狂
 ビブリオマニアってのは愛書狂、読書狂、いわゆる”本を愛している人”のこと。本オタク。世界大百科事典によると愛書家(ビブリオフォリア bibliophile)が極端に高じた状態が愛書狂(ビブリオマニア bibliomania)。wikipediaでは”強迫神経症の一種で、社会生活もしくは当人の健康に悪影響を及ぼすもの”ってありますが、ずいぶんな言われようだなぁ
(*2)ビブリア古書堂の事件帖(三上延、メディアワークス文庫)
 北鎌倉にある古本屋”ビブリア古書堂”の美貌の女主人”篠川栞子”さんを主人公にしたミステリー。本にまつわるネタ満載のとっても面白い本です。
(*3)R.O.D(倉田英之、集英社スーパーダッシュ文庫)
 世界の歴史を影であやつる”ジェントルメン”は大英図書館特殊工作部の責任者”ジョーカー”に不老不死の秘密が書かれていると言われる”グーテンベルク・ペーパー”の輸送と護衛を命じる。ジョーカーがその任務に選んだのは特殊工作部のエージェントにして”紙”を自在に操る”読子・リードマン”だった・・・
 OVAを含めいろんなシリーズがメディアミックスされていますが、本編は中断中。お~い、続きどうなってる?!
(*4)初手から手を出さないとか
 この前の本の呑み会で”グイン・サーガ(栗本薫、ハヤカワ文庫)は読まんのか?”と言われましたが、栗本薫が死去するまででも正伝、外伝合わせて152巻。ちょっと勘弁してください状態です。
(*5)”指輪物語”は全部読んだけど”ホビットの冒険”はダメだったとか~
 ともにトールキンで評論社文庫より出版。”指輪物語”は新版で10巻ですが、1977年の旧版だと全6巻。現物が手元にないんですが、すんごいびっしり活字で埋まってたように記憶しています。ちなみに私が挫折したのは旧版のほうです。
(*6)クックロビン聞きたくで買いました
 ”誰が駒鳥殺したの”(原題はWho Killed Cock Robin)”。政治家などが失脚した時に”Who Killed XXX”は常套句だそうです。”僧正殺人事件”(ヴァン=ダイン)、”ポーの一族”(萩尾望都)など引用も多数。まあ、魔夜峰央の”パタリロ”に出てくる”クックロビン音頭”のモトネタ聴きたかったんですけど・・・
(*7)紙の表示って重さも使うんで
 紙を表すには質(上質紙とか再生紙とか)やサイズ(A4とかB5とか)などのほかに重さ(坪量、連量)があります。会社のコピー用紙にもちゃんと書いてありました
(*8)なんでオタクっていつも食費から削るのよ!
 ”宮河家の空腹”(美水かがみ、角川書店)より。しっかり者の”宮河ひかげ”とその姉でオタクな”宮河ひなた”な姉妹を描いたマンガ+アニメ。後先考えずに本や同人誌などを買ってくるひなたに対するひかげちゃんのツッコミより。これに対するひなたの切り返し
  大人になればわかるわよ 食よりも優先すべき何かがあるって


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