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2015年1月25日 - 2015年1月31日

鷽=嘘を鳥替え=取り替えのシャレですけど、風情のある神事です(佐武と市捕物控/うそ替え神事 亀戸天神社)

 ども、東京在住が20年近くなるのに一向に江戸情緒に縁のないおぢさん、たいちろ~です。
 会社で1~2月にもなってくると来年度の計画策定ってが始まります。年度決算もまだなのに、来年度の売上目標をうんぬんするのもどうかと思いますが、それ以前に年初の目標が目標どおりにいったためしなぞありません。あれが受注できなかっただの、これが予定外に獲得できたなど見込み違いなんぞ山ほどでてきます。まあ、合計で目標達成できてれば(できてればですが)OKてなもんですが、当初目標が”嘘”というかどうかはビミョ~な所です。予測、予知、予言、預言(*1)、まあいいろいろありますが、不確実な未来を”たぶんこうだろう”なのが外れたからといって”嘘”扱いは酷いです。それに、目標達成できないからと言ってそんなに怒んなくてもな~~
 ということで、今回はそんな”嘘”を”嘘”にしてくれるお祭り、亀戸天神社の”うそ替え神事”であります


写真はたいちろ~さんの撮影(2015年1月24日)
うそ替え神事当日の亀戸天神社の様子。
左側のテントが”鷽(うそ)”の売り場です

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【本】佐武と市捕物控(石ノ森章太郎、小学館、講談社)
 江戸の下っ引きで捕縄術の名手”佐武”と、盲目の按摩師で居合抜きの達人”市”の二人を主人公にした捕物帖。
 漫画的なデフォルメがされた”少年サンデー版(縄と石捕物控)”の後リアルなデザインで”月刊ビッグコミック”に連載(一般的にはこちらがメジャー)、後者をベースにしたアニメ版(*2)などがあります。
【祭】うそ替え神事 亀戸天神社
 鷽という鳥をかたどった木製玩具のお守りを、大ぜいの参拝客が、鷽をかえましょうとどなりあって、たもとからたもとへとどんどんとりかえてゆく・・ ウソと鷽を結びつけて去年の災いはすべてウソ。ことしは運がよくなる・・ という縁起をかついだ。亀戸天神一月二十四日、二十五両日の行事である(”佐武と市捕物控”より)


 ということで、1月24日に亀戸天神社(*3)に行ってきました。なんと二時間半の大行列! 毎年来ている人は”こんなに混んだのは初めて”と言ってました。日程は曜日にかかわらず1月24、25日と固定のようですが今年は土日なので日が良かったからでしょうか。(それともテレビで紹介されたとか?)

 奥様と一緒に行ったんですがけっこう寒い中の立ちっぱなしなので、奥様けっこう疲れ気味。それでもなんとか本殿横の売り場までたどりついてちっちゃいのをご購入(*4)。”けっこうかわいい!”と思いのほか好評でした。
 この”鷽”という鳥はスズメ目アトリ科ウソ属に分類される鳥類で、口笛のような鳴き声を発するそうですが、口笛を吹くことを昔は”嘯く(うそぶく)”といってたことからこの名がついたんだとか。漢字が”學”(”学”の旧字)に似ていることから天神様の使いというかなり強引なつながりで天神様のお土産の定番なんだそうです。奥様は”これで500円とかなら良い商売”とのコメントですが、亀戸天神社の“鷽”は檜が材料で神職の人の手作りでうそ替え神事の時しか入手できないレアアイテム? 印刷のお札や大量生産のお守りでも5~600円しますから良心的な商売でしょうか?
 (写真は売店で売っている鷽)

Photo

 その代わり、うまくできているのが亀戸天神社では前年神社から買った”鷽”を新しいものと交換するってルール。まあ、前年にあった災厄・凶事などを嘘とし、本年は吉となることをお祈りする行事ですから理屈には合っているのかも。まあ、これだって”鷽=嘘を取り替え=鳥替え”のシャレですけどね。
 前年の鷽を納めるのが売店の手前にある鷽の石像の所で、祭壇のようなものが用意されています
 (写真は鷽をお納めする祭壇)

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 ところで、私が”うそ替え神事”ってのを知ったのは石ノ森書太郎の”佐武と市捕物控”から。”めでたさも中位なり江戸の春”というお話です

 やくざ者の新吉は正月のある日、侍に襲われ殺され、一緒にいた弟分の利吉は九死に一生を得る。一方、新吉の恋人のおしのは新参舞(*5)のさなか襲われ逃げ出したところを通りかかった市に救われる。おしのと利吉はうそ替え神事に出かけると、おしのの袂に金の鷽が入っていた。鷽売りの商人曰く”それに当たったもんは今年一年運がええことになっとるんじゃぞエ!!” おしのは”新吉さんが死んだってことは・・・ うそだったら!!”とつぶやく。その二人に襲いかかる侍。間一髪でふたりの窮地を救ったのは佐武と市だった

 といっった内容。昔は着物の袂から袂へと替えていくモンだったようですが、さすがに洋服の現代ではそれはなし。今でも懐中用ってのは売ってますが、これはどっちかというと携帯ストラップでしょうか?

 ”佐武と市捕物控”は当時の石森章太郎が”ジュン(*6)”など前衛的な表現に取り組んでた時代でビジュアルとしても美しい仕上がりになっています。紙の本では小学館他から出版されていますが、講談社から”石ノ森章太郎デジタル大全”として電子書籍で出版されましたので、こちらの方が入手しやすいです。ただし収録されている話がまちまちですのでご注意ください(今回ご紹介の話は私の読んだ旧小学館文庫版では第一巻、新小学館文庫版では第二巻でしたがKindle版でどれだか結局わかりませんでした) ご一読のほどを。


《脚注》
(*1)予測、予知、予言、預言
 きっちりした定義があるわけではないようですが、一般的に未来を知る方法論では
  予測:経験則や情報(時系列的な観測)などによる
  予知:超能力や啓示などの超越的感覚などの手段を含む
  予言:合理的には説明することのことのできない推論の方法による
  預言:神と接触し、直に聞いた神の言葉を人々に伝え広める
 予知能力者はエスパー扱いですが、予測能力者とは言いませんし、予言は外れてもその人の責任ですが、預言は外れると”神は間違えない”ことが大前提ですので外した人(預言者)は神の名を語った極悪人ということになります、はい。
(*2)アニメ版
 1968~69年に放映されたモノクロアニメ。ナレーションは仮面ライダーのムラマツ隊長や仮面ライダーの立花藤兵衛を演じた”小林昭二”が担当
  罪は憎いが憎まぬ人を 切るも縛るも人のため
  闇を切り裂く男粋 朧月夜の佐武と市

小林昭二の名調子とスキャット風の渋いオープニング曲を覚えておられるご年配もいらっしゃるかと。お聴きになりたい方はこちらをどうぞ
(*3)亀戸天神社
 菅原道真を祀った東京都江東区亀戸にある天満宮。住所は亀戸ですが、錦糸町駅、亀戸駅からともに徒歩15分ですので、総武線快速、地下鉄の停まる錦糸町駅からのほうがアクセスはいいかも。公式hpはこちらから
(*4)ちっちゃいのをご購入
 一から十までの10種類+懐中用の11種類。一が600円、九が5,000円、懐中用が500円です。一番大きい十は私が行った時には売り切れでわかりませんでした
(*5)新参舞
 ”佐武と市捕物控”では正月11日に前年に大奥御膳所(台所)で召し抱えられた女中や仲居に裸踊りをさせたもので彫り物や刀傷がないかを確認するためのもので、これをまねた商家の旦那が真似したって説明になってます。今どきこんなことやったらセクハラで訴えられた上、ブラック企業の烙印を押されること間違いありません。
(*6)ジュン
 ”ジェニーの肖像”(ロバート・ネイサン、創元推理文庫)をベースとした漫画。台詞はほとんどなく、絵だけの話というかなり実験的な作品。昔豪華本で読んだんだけどなぁ。紙の本でも入手可能ですがKindle版のほうが割安です。

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