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2015年3月8日 - 2015年3月14日

Newボンドは”ウォッカ・マティーニ”以外、いろんなので呑んだくれています(007 白紙委任状/レモン)

 

ども、委任状なんてマンションの管理組合のぐらいしか書いたことないおぢさん、たいちろ~です。
 相変わらず○塚家具の父娘喧嘩、もとい会長と社長の経営方針をめぐるごたごたが続いています(*1)(2015年3月14日現在)。株主総会に向けて”プロキシーファイト(委任状争奪戦)”をやってるそうですが、これは”自分の意見に賛成します=委任状”をかき集めて多数決で勝ちを狙うってやり方。まあ、委任する側から見ると”あなたを信じて任せます”、悪く言っちまえば”丸投げ”と言えなくもないですが・・ しかしまあ、”プロキシーファイト”なんてゴルゴ13で知ったぐらいなんだけどな~~(*2)
 てな話をしてる時に最近読んだので”白紙委任状”のがありまして。ということで、今回ご紹介するのはジェフリー・ディーヴァーの手による世界一有名なスパイ・アクション”007 白紙委任状”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。近所のレモンの花です。

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【本】007 白紙委任状(ジェフリー・ディーヴァー 文春文庫)
 イギリス通信本部は大規模な襲撃計画を告げるメールを傍受した。事態を重く見た政府は阻止作戦のために一人のエージェントに指令を下す。表の顔は”海洋開発グループ(ODC)”に所属するセキュリティ・アナリスト、裏の顔は”白紙委任状を持つ男”ジェームス・ボンド、暗号名”007”に・・・
 ”リンカーン・ライムシリーズ”で明晰な推理を展開するジェフリー・ディーヴァーによる新しい”007”の誕生です。
【花】レモン
 ミカン科ミカン属の常緑低木。
 ちょっとごつごつしててとっても酸っぱい実がなりますが、その花は意外に可憐な白い花が咲きます。花言葉は”愛の忠誠、愛に忠実”


 007シリーズはけっこう好きでよく観ます。スタイリッシュなスパイ像を確立した初代”ショーン・コネリー”、アメコミっぽくってコミカルな”ロジャー・ムーア”、アクションバリバリの”ピアース・ブロスナン”、なんとなく暗くっておぢさんっぽい”ダニエル・クレイグ”(*3)。(単なる印象です。007ファンの方、すいません)
 で、今回ご紹介のディーヴァー版”007”はというと、アクション派というより頭脳派・推理派とでも言いましょうか。あと女性関係についてはいたって真面目な方のようです(やることはやってるけど)。このあたりのテイストはディーヴァーが色濃くでてるんでしょうかね。イメージでいうとクレイグあたりが近いんでしょうか。

今回の表題”白紙委任状”(CARTE BLANCHE、カルト・ブランシュ)ですが、最初は”カルト”で危ないカルト集団を連想したんですがこれは間違い。カルト(carte)はフランスで献立表のこと。適当?に料理を選ぶ”ア ラ カルト”のあれです。ブランシュ(blanche)は”白い”で直訳すると”白い献立表”、好きに書いてください=白紙委任ってとこでしょうか(ちなみにカルト集団のカルトは”cult”) 一昔前なら”殺しのライセンス”とか”殺人許可証”とか言ってたヤツのようです。しかも今回は”国外限定(*4)”。時代の流れとともにいろいろ制約がでてくるんでしょうかねぇ

 今回、変わったな~~と思ったのがお酒の話。かつてのボンドの飲む酒といえば、”ウォッカ・マティーニ”。

  ウォッカ・マティーニを、ステアではなくてシェイクで
  Vodka Martini,Shaken,not stirred

いや~、かっこいいですな。私も一度だけ(カクテルはけっこう高いので)頼んだことありますが、気分はもう007!。ちなみに作り方はといいますと、ジンとベルモット、さらにウォッカを加え、冷やしたものをステア(かき回す)のではなくシェイクしてレモンの皮を入れたもの。味は確か美味しかったような気が・・・

 このウォッカ・マティーニ、ボンドはドバイのバーで注文してますが、本書ではそれ以外にもけっこういろいろ飲んでます。
 本書の題名にもなっているのもカクテル。クラウンロイヤル(ウイスキー)のロックにトリプルセック(ホワイトキュラソー)、ビターズ、オレンジピールを加えたもの。オレンジについては

  オレンジのピールをツイストして添えてくれ
  スライスではなく、ピールだ

とのこだわりよう。こういったとこがボンドらしいですなぁ。ボンド曰く”名前はまだない”ですが、後に国際飢餓対策機構代表の美女(ボンド・ガール?)のフェシリティ・ウィリングと食事で飲む時に”カルト・ブランシュ”と命名。曰く

  あなたの賛同者にこのカクテルをたっぷり飲ませたら、
  あなたの一存でいくらでも金を持っていっていいという内容の
  カルト・ブランシュをその場で書いてよこすだろうから

そ~んな不思議なカクテルが欲しい、そ~んな不思議なカクテルが欲しい♪

 敵のボス”ヘイト”の所に潜入して飲むウィスキーにも一言

  ボンド:ウィスキーを頼む。スコッチがいい。できればシングルモルト
  ヘイト:オーヘントッシャンでは?
  ボンド:いいね。水を一滴落としてもらえればなおいい

こだわるよな~~ カッコよく

 ほかにもクラウンロイヤルのロックだのベイカーズ・バーボンのロックだの、グラハム・ベック・キュヴェ・クライヴ(スパークリングワイン)だの、けっこう高そうなお酒をのんだくれてますなぁ。

 それ以外にも変わったな~~ってのがハイテク化。昔からボンドと言えば”秘密道具”ですが、ずいぶん方向が変わっちゃいましたね。”ボンド・カー”なんかはカーチェイスや攻撃用でしたが、今や偵察衛星で備考をするわ、ビックデータ解析で敵の動きを分析するわ、フラッシュドライブに内蔵された盗聴器があるわ。極め付きはiPhoneそっくりで秘密機能てんこ盛り、Q課謹製(*5)”iQPhone”?!
 思えば、”スカイフォール”でオタクっぽい新任の”Q”が、秘密道具を”古い”といってコンピューターバリバリ使って敵を追い詰めるとかやってますんで(*6)。まあ、こういう時代なんですかねぇ スパイにとってやりやすいんだかやりにくいんだか・・・

 冷戦時代を色濃く反映するボンドと、ハイテク機器を使いこなすボンドとどっちがいいかは評価の分かれるところでしょうか。まあ、古い時代のボンドも捨てがたい魅力もあるんですけどね、幼馴染みたいなもんで・・・

  幼なじみの思い出は、青いレモンの味がする♪(*6)

《脚注》
(*1)○塚家具の父娘喧嘩、もとい~
 高級路線を継続したい創業者の親父と、カジュアル路線に転換したい現社長の娘が対立。親父は親父で幹部社員をずら~っとならべて記者会見するわ、娘は娘でアメリカの助言会社から自分の経営方針を評価しているコメントを出すわとステークホルダー巻き込んでの壮大な親子喧嘩の様相。まあ、社員はたまったもんじゃないでしょうけどね。
(*2)ゴルゴ13で知ったぐらいなんだけどな~~
 ハワイの一流ホテル乗っ取りの依頼を受けたヤクザ立花は、委任状争奪戦を指揮する。一方、立花により娘を自殺に追い込まれた大富豪は復讐にため、ゴルゴ13に狙撃を依頼する。
 ”プロキシー・ファイト”より。ゴルゴ13(さいとう・たかお、 リイド社)60巻に収録
(*3)スタイリッシュなスパイ像を確立した~
 ボンド役を演じた俳優別の代表作を上げてみると
・ショーン・コネリー:ドクター・ノオ、ロシアより愛をこめて、ゴールドフィンガー
・ロジャー・ムーア:黄金銃を持つ男、ムーンレイカー、オクトパシー
・ピアース・ブロスナン:ダイ・アナザー・デイ、トゥモロー・ネバー・ダイ
・ダニエル・クレイグ:カジノ・ロワイヤル、慰めの報酬、スカイフォール

(*4)国外限定
 本書の用語解説によると”MI6(情報局秘密情報部)”が国外を、”MI5(情報局保安部)”が国内を担当ということで、範囲が分担されているとのこと。ボンドが所属するODGは外務連邦省(FCO)の下部組織なので海外担当です。昔は国内外を問わずドンバチやってたような気がしますがねぇ・・・
(*5)Q課謹製
 ボンド用の秘密道具を次々開発するQ課。以前の”Q”は人の名前でしたが、本作ではQ課というセクションになりました。映画版では人のよさそうなおっちゃんでしたが、今考えると元祖オタクだったんでしょうかね。
(*6)コンピューターバリバリ使って敵を追い詰める
 ”白紙委任状”が出版されたのは2011年、”スカイフォール”が公開されたのは2012年ですから、順番的にはこっちが先なんですが、はい。
(*7)幼なじみの思い出は、青いレモンの味がする♪
 この曲の題名はそのものズバリの”おさななじみ”。作詞は永六輔、作曲は中村八大の黄金コンビ。他にも”上を向いて歩こう”、”遠くへ行きたい”、”こんにちは赤ちゃん”など名曲が多数。昭和だなぁ・・・

”ヤマノススメ”、このお父さんはお勧めです(ヤマノススメ/ニッコウキスゲ)

 ども、昔はそこそこ山の上級者だったおぢさん、たいちろ~です。最近は体力がありませんが・・
 アニメ”ヤマノススメ”、ダメ出しシリーズでNGツッコミしてましたが、ここにきてなんとパーフェクトな山登りおぢさんが登場! それは倉上健一さん(*1)。ひなたさんのお父さんです。娘達へのアドバイスや山の装備を豊富にお持ちですのでかなりの上級者とお見受けしましたが霧ヶ峰のハイキングではその完璧ぶりを発揮!
 というとこで、今回ご紹介するのは”ヤマノススメ”セカンドシーズン第4巻より”お母さんと霧ヶ峰!(*2)”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。尾瀬に咲くニッコウキスゲです。

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【DVD】ヤマノススメ(原作 しろ、監督 山本裕介、アース・スターエンターテイメント)
 富士登山で高山病で登頂できずへこんでいたあおいさん。やっと復活しましたがお母さんに心配をかけたことが気がかり。ひなたさんの提案でお母さんを誘って霧ヶ峰に行くことに。(十四合目”お母さんと霧ヶ峰!”より)
 女子中高生4人組による山登り”ゆるふわアウトドア”アニメです。
【花】ニッコウキスゲ
 ススキノキ科の多年草。一般には”ニッコウキスゲ”と呼ばれていますが正式名称は”ゼンテイカ(禅庭花)”。5月上旬から8月上旬にかけてラッパ状の山吹色の花をつける高原を代表する綺麗な花です。
 アニメの霧ヶ峰の草原に咲いているのはおそらくニッコウキスゲです。名前に”ニッコウ(日光)”が付いていますが日光の固有種ではなく、日光の霧降高原以外でも今回登っている霧ヶ峰や、尾瀬ヶ原などでも見ることができます。


 さて、お父さんチョイスの霧ヶ峰。20数年前に車山高原に行ったことがありますが確かにあまりアップダウンもなくって風光明美な高原だった気がします。ただ並行して走るスカイラインを横目で見ながら延々ハイキングコースを歩かせたので奥様がぶ~たれてたのは覚えてますが。でも体力・技術的には初心者向けで山気分の味わえる良い所です。
 さて、パーフェクトお父さんの発言からいくつか

〔無理をしなければめったに事故は起こらないもんです〕
 おおむね子供が山に登ると言いだすと、親の心配は”事故にあわないか”ということ。事故にこそあわなかったものの富士山からぼろぼろになって帰った娘のあおいを目の当たりにして心配するお母さんですが、そんなお母さんに対するお父さんのアドバイス

  お父さん:それほど心配することもないですよ
       時間に余裕を持って、ちゃんとした装備で、
       悪天候や難しい場所は避けて、
       要するに、無理をしなければめったに事故は起こらないもんです

まあ、どんなに注意しても事故の可能性はゼロにはなりませんが、それ以上得ることも多いのが山というもの。

  お母さん:自分の足で歩いて、私の知らない景色をどんどん知っていく
       どんどん大人になっていく
       嬉しいけど、ちょっとさびしいわね

ちゃんとお母さんを納得させているのがさすがです。

〔インスタントラーメンは山のオススメ!〕
 山では歩いているとけっこう汗をかきますが、外気温自体は低いので休憩するとすぐ寒くなります。そんな時ありがたいのが暖かいもの。やっぱり”インスタントラーメン”は外せません。娘のひなたさんは”山まで来てインスタントラーメン?!”と文句を言っていますが美味しいんですよ、これが。
お父さん流山でのインスタントラーメンのコツ

  お父さん:スープが残らないよう、水は少なめに
       具材はあらかじめ切って用意しておくのがコツだ

 スープが残らないようというのは、山では残ったスープを捨てると環境破壊になるのでNG。まあ、水分補給もあるので規定の量で飲み残さないというのもありますが、コッヘル(鍋)があまり大きくないという問題もあります。通常のインスタントラーメンの水の量は600ccで作るには1リットル程度の鍋が必要。お父さんは荷物を少なくするためか小ぶりのコッヘルを使っているので、実際に規定の水ではちょっときついかも。また水が少ない方が速くできるっていうメリットもあります。
 具材を事前に用意しておくのは、出るゴミの量を減らす、包丁等の調理器具がいらない、調理の時間を短縮できる、燃料が少なくて済むなどのメリットが。お父さんはちゃんとジップロックに入れて持って行ってます。めんどくさがらずにひと手間かけることが楽をするコツです。
 お父さんは、インスタントラーメンのメリットを

  お父さん:高カロリーで楽、軽い、安いと四拍子揃ってる
        疲れている時は格別だ

と言ってますが、プラスけっこう美味しいんですよね。文句を言ってたひなたさんにも好評です。
 行動中の昼食にとって、これ以外にも早くできるのもメリット。お腹が減っている時に食べるまでに時間がかかるのはつらいもの。お湯さえ沸かせばすぐできるインスタントラーメンは確かにスグレモノです。
 唯一の欠点はかさばること。特に大人数のパーティなんかで数が増えるとけっこうなボリュームになります。実は作る手間からいうとカップラーメンのほうが楽なんですが、こっちはもっとかさばります。体積を減らしたいならストレートな棒状のラーメンがお勧め。かなりコンパクトに収まります。私の大学時代のクラブではマルタイの”棒ラーメン”(*3)をよく使っていました

 そのほかにも、ニッコウキスゲの咲き乱れる女性の好みそうなコース選択山への興味をひきたてるような知識初心者のお母さんへの心配り娘達を見守るようなオーダー(*4)などなど。やっぱり山のお父さんはこうありたいものです。


《脚注》
(*1)倉上健一さん
 本編では”お父さん”としか呼ばれてませんが、DVDのエンドロールで初めて名前を知りました。
(*2)お母さんと霧ヶ峰!
 ひなたさんが”霧ヶ峰”と聞いて”エアコンじゃないの?”とボケをかましていますが、これは三菱電機のエアコンのこと。調べてみるとこの命名は1967年だそうでもう半世紀近くなるんですね。ちなみに昔は床置き型の”志賀”、”上高地”、窓用の”軽井沢”なんつ~のもあったそうです(現在は生産中止)
(*2)マルタイの”棒ラーメン”
 福岡にある”マルタイ”が作っているインスタントラーメン。調べてみると”棒ラーメン”は1959年の発売という超ロングセラーのラーメン。ちなみに日清食品のインスタントラーメンの元祖”チキンラーメン”の発売が1958年ですからほぼ同時期ってことになります。
 ちなみに”棒ラーメン”はマルタイが商標登録をしてるんだそうですがほとんど一般名詞だよな~
(*4)オーダー
 山での並び順のことをオーダーといいます。リーダーはパーティ全体が見渡せるような最後尾につくのが定番。お父さんは先に歩いている娘さんたちを見守れるポジションをちゃんとキープしています

”ヤマノススメ”はお勧めですが、この行為はお勧めできません(3)(ヤマノススメ/富士山)

 ども、最近ちょくちょく山登りしてるおぢさん、たいちろ~です。
 アニメ”ヤマノススメ”です。いよいよ目標の富士登山編。実は私は子供の頃車で五合目までしかいったことないんですね。山屋からいうと登って登って下りて下りての富士山ってコース的にはあんまし面白くなさそうなんですが、やっぱり日本一の山となると一回は行ってみたいモンです。まあ、今となっては体力がな~~~
 ということで、今回のお話は”ヤマノススメ”セカンドシーズンのDVD版3巻と4巻、富士登山編です


写真はたいちろ~さんの撮影。
丹沢山塊塔ノ岳 尊仏山荘付近から見た富士山です

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【DVD】ヤマノススメ(原作 しろ、監督 山本裕介、アース・スターエンターテイメント)
 高校1年生”雪村あおい”に”倉上ひなた”。山登りの先輩の”斉藤楓”、天然系の中学生”青羽ここな”の4人組。いよいよ憧れの富士登山に挑戦することに。スタートは順調な4人ですが、高度があがるにつれあおいさんの様子が変に・・・
 山ライフを満喫してる女子中高生たちの”ゆるふわアウトドア”アニメです。
【旅行】富士山
 代表的な富士登山のルートには静岡県側からアプローチする富士宮ルート須走ルート御殿場ルート、山梨県側から吉田ルートがあります。あおいさん達が登ったのは、五合目登山口が標高2,300mで小御嶽神社でお参りしていることから吉田ルートと思われます。丹沢山塊は富士山の東北東に位置しますので、上の写真では右側から登ったことになります。
 余談ですが、富士登山駅伝つ~11人で御殿場市陸上競技場から富士山頂を経て帰ってくるというコース長47Km、標高差3200mを駆け抜けると言う常軌を逸した登山?もあります、はい。


 さて、”ヤマノススメ”ダメ出しシリーズも3回目となりましたが、相変わらずいろいろツッコミどころがあったりします。特にかなりヤバい話もあるので、しばしお付き合いのほどを。

〔山登りに日焼けは厳禁です〕
 夏になれば山以外にも、海に、川にプールにと水遊びを楽しみたいのが人情。でも山登りをしたいのなら厳に避けたいのが”日焼け”。特に避けたいのが肩と背中の日焼けです。日焼けしたところは物が擦れると痛みを伴いますのでザックが背負えなくなるんですな。ですので露出の多いセクシーな水着とかは(個人的には好きですが)避けた方が無難。昔、大学のクラブでは日焼け防止に泳ぐ時にはTシャツを着てました(まあ、プールではNGでしょうが・・・)

〔装備表には行動食(おやつ)も入れましょう。甘く見てはいけません〕
 さていよいよ明日は富士登山。”おやつとか用意しとかなくて良いかな?”というあおいさんに対し”いらないんじゃない、ばくばく食べると太っちゃう”と答えるひなたさんですが、これはNG。作中で楓さんが説明していますが、おやつ=行動食は重要、お腹がすき過ぎると低血糖状態になって動けなくなります。これを”ハンガーノック(hunger knock)”と言ってますが、これは”hunger=飢え”で”knock out=ノックアウト”される状態のこと。うちのクラブでは”シャリバテ(*1)”と言ってました。
 行動食にはすぐにエネルギーに変わる食べやすいものが良いので、チョコレートやアメ、ドライフルーツ、羊羹、甘納豆などでしょうか。あとは好みの問題です。

〔水分は多めに。ただし、あまりたくさんだと重くなります〕
 おやつと一緒にペットボトルの飲みモノを買っている娘さんたち。バテないように水分はちゃんと摂りましょう(*2)。で、どれぐらい持って行くかというとこれはなかなか難しい所。水は1リットル=1Kgですんで、足りないと困りますがあまり大量だと重量が増えます。ひなたさんは500ミリリットルを2本買っていますが、まあ最低限でしょうかね。
 あおいさんが”水は売店で売ってるけど、上に行くほど値段が上がる”と言っていますが、これはまあ、仕方のないところ。稜線上の小屋だと下の水場からポンプアップしていますんで、リッターいくらというガソリン並みの扱いになります。ペットボトルになると下から人力やヘリコプターで上げますからもっと高額に。まあ、コース上に水場があれば途中で補充もできますので、コースの状態で判断することになろうかと。
 私は汗かきなので500ミリリットルを3本は持って行くようにしています。これだと、1本は飲む用、1本は空になったら途中の水場で補充、1本は予備用にしています。種類は好みですが最近だったらスポーツドリンクなんかがいいんでしょうか。あと、パーティに1本は普通の水を持っておいた方が良いでしょうか。ケガをした時に傷口を洗ったりするには普通の水が必要です。

〔登山に寝不足は大敵。とっとと寝ましょう〕
 富士登山前日、不安と期待で眠れなかったあおいさん。”羊を12,552匹まで数えたのは覚えてるんだけど”と言ってますが、これだと4時間ぐらい眠れなかったことになります(*3)。これではバテるのも当たり前。基礎体力がある人でも、寝不足だとけっこうバテたりします。出発前の家はいうに及ばず、電車やバスの中でも寸暇を惜しんで寝ることこそ、登山を成功させる第一歩です。

〔リーダは一番最後、歩く順番を変更してはいけない〕
 山のパーティで、歩く順番を”オーダー”と言います。
 五合目の歩き出しでは”あおい、ひなた、ここな、楓”の順番ですが、画面を見ているとだんだんひなたさんの順番が後ろへ落ちてきて、八合目手前では”楓、ここな、ひなた、あおい”の順番に。あおいさんがばてばてで遅れてるだけだと思われるかもしれませんが、これはとってもNG。バテで遅れている人間を最後尾にするのは事故につながりかねないとっけも危険な行為です。
 一般的なオーダーでは

  先頭 :サブリーダー(又はコースリーダー)。コースを先導する人
  2番目:体力の弱い人
  3番目:メンバー
  最後尾:リーダー。パーティ全体を見たり、コースが間違っていないかをチェック

にします。これは、先頭の人はコースをちゃんとて、体力の弱い人が遅れないペースをキープするためにサブリーダークラスをあて、最後尾がパーディ全体の様子を見れるようにするためです。この手の話って学校のクラブや山岳会のようにパーティを組む山行でないと出てきません。単独行派っぽい楓さんが知らなかったのもわからんではないですが、押さえておきたい基礎知識です。
 ちなみに、この4名でオーダーを組むならメンバでは最年少ですが体力もあり、気働きもできそうなここなちゃんがトップ、体力的に劣るあおいさんが2番目、3番目がひなたさんで、経験豊富で人望もある楓さんが最後尾ってのが順当でしょうか(*4)。

〔高山病になったら、とにかく下山させること〕
 八合目付近でばてばてのあいおさん。頭が痛い、体がしんどい、眠い、めまいがする、これは典型的な高山病の症状です。私もキリマンジェロでこれになったことがありますが(ちょっと自慢話?!)、けっこうつらいモノです。高山病とは低酸素状態、平たく言うと酸素が薄くなる高度にいると発生する状態です(*5)。高度順化など予防する方法はありますが、なってしまったら早めに下山させるしかありません。その代わり高度を下げるとウソのようにコロっと治ります

〔パーティーを分散させるのはあまり好ましくありません〕
 高山病にかかってしまったあおいさんと、リーダーの楓さんは八合目でリタイア。余力のあるひなたさんとここなちゃんが山頂を目指すことになります。
 状況によりますので、絶対にNGとはいいませんが、パーティを分けるってのはあまりお勧めできません。今回のように初心者2人だけで行かせるならばなおさら。私がリーダーなら全員ここでリタイアさせてたかもしれませんね。

〔いままで頑張ってきたからといって、さらに頑張ればいいというものではない〕
 朝起きて、ご来光を見に行くと言い張るあおいさん。引きとどめる楓さんとの会話

  あおい:だって、だって、ずっとここまでがんばってきたのに!
  楓  :無理してこれ以上行って、帰れなくなくなったらどうするの
      山は逃げない。何度だってチャレンジできるんだから、あせらないで、ね

 ビジネスの世界では”サンクコスト(sunk cost 埋没費用)”というのがあります。これは投下した資金のうち、事業の撤退・縮小を行ったとしても回収できない費用のこと。簡単に言うと今までこんだけコストをかけたからという理由で、さらにコストをかけて完成させてもそのコストを回収できない、つまり傷口を広げるだけという状態です。この二人の会話がまさにそれで、せっかくこんだけしんどい目にあって上がってきたんだからといって、さらにしんどい目をして上がるコスト=リスクを犯すなら、撤退したほうが安全といくこと。きっぱりあきらめるのも山登りの内。楓さんの言うように山は逃げません

〔登頂できなかったからといって、へこんでてはいけない〕
 結局、途中でリタイアしたあおいさん。かなりの落ち込みようです。はっきし言って山頂に着けるかどうか、ご来光が見れるかどうかはお天気次第、運次第ってコトです。実際、若いころはけっこういろいろ登りましたが、雨で登れないこともありましたし、登っても雨や霧でな~~んも見えん! ってこともままありました。むしろ事故もなく無事に下山できたことのほうが重要なんですよ!
 山屋たるもの、誰かのせいで登頂できなかったからといって責めたりはしないですし、もし責めるような人がいたら、と~~っても人間の小さい人。無理に付き合う必要はないぐらいです。

〔帰ったら荷物はとっとと片付ける〕
 帰ってからも無気力モードのあおいさん。ザックの荷物も片付けてないご様子ですが、帰ったらなにより荷物はとっとと片付けましょう。着替なんかは臭くなりますし

 富士山は楓さんが”富士山は楽なイメージがある”と言っていますが、4人が登った吉田ルートは五合目からでも標高差約1,500m(*6)、登りだけでも6時間近くかかるハードなもの。アクセスや小屋が整備されていているので初心者でもサクっと行けそうなメージがありますが、安易に考えるのは事故のモト。登山される方は充分注意して登ってきてください。


《脚注》
(*1)シャリバテ
 白米の御飯の事を”銀シャリ(またはシャリ)”と言います。つまりシャリバテとはご飯=栄養が足らずにバテるってこと。山でご飯が食べれないとまず間違いなくバテますんで、無理やりにでもご飯は食べさせられてました。
(*2)バテないように水分はちゃんと摂りましょう
 昔は”水を飲まずに根性でがんばる!”なんてのもありましたが、はっきりいってやめた方がいいです。山は楽しむために登るンであって苦行を求めるのは目的が違います
(*3)これだと4時間ぐらい眠れなかったことになります
 まあ、1匹あたり1秒ちょっととしてこれぐらい。ちなみに、羊を数えるのは”sleep(眠る)”と”sheep(羊)”が似ているからという説があるようで、日本人がやっても効果あるんでしょうか? まあ、単純作業の繰り返すと思えば確かに眠くはなりそうですが・・・
(*4)経験豊富で人望もある楓さんが~
 夏休みが始まったとたん
  じゃあ、北アルプスを縦走してくる 大キレット超えてくるから!
と嬉々て出かけていく楓さん。コースは明確に言っていませんが
 上高地~槍が岳~南岳~大キレット~北穂高岳~上高地
あたり、だいたい2泊3日コースでしょうか。特に南岳~北穂高岳の間にあるの”大キレット”はとっても危険な難所。痩せて切り立った岩稜に鎖場の連続、激しいアップダウンと体力、技術ともに上級者コースです
(*5)低酸素状態、平たく言うと酸素が薄くなる高度に~
 途中でポテトチップスの袋がパンパンに膨れているというシーンがありますが、これは平地の状態で密閉されている袋に対し周りの気圧が下がっている(空気が薄い)ため相対的に気圧差が発生することで起きる現象。逆に高い所で蓋をしたペットボトルが平地に持ってくると潰れてしまうということもあります。
(*6)標高差約1,500m
 東京スカイツリーの上の天望デッキは高さ450mですんで、あの高さまで3回以上登り降りする計算になります。さらに水平方向の移動距離も加わりますので、簡単に登れるハズがありません。

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