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2015年3月

そのうち、エマージェンシーに”This is not a virtual!”なんてのが出てきそうだな~~(宇宙軍士官学校 -前哨-/ドリル)

 ども、英語がと~~っても苦手なおぢさん、たいちろ~です。
 以前、とあるしがらみがあってTOEIC(*1)の勉強をしたことあるんですが、そん時の問題にこんなのが出てきました

 

 This is not a drill!

 日本語に訳すと

  これは訓練ではない!

になりますが、ドリルと言われると小学校の時の国語や算数のドリルを思い出しちゃって”なんだか緊迫感ないな~~”という感想。もっとも社内放送なんかでリアルにこれが流れたらシャレにならんわけですが・・・
 ということで、今回ご紹介するのは訓練モードからいよいよ実戦に突入した”宇宙軍士官学校 -前哨-”の第五巻であります。


写真はたいちろ~さんの撮影

近所の本屋さんにあった”ドリル” 
ドリルは漢のロマンだ!(*2)” あっ、違うか・・・

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【本】宇宙軍士官学校 -前哨-(鷹見一幸、ハヤカワ文庫)
 宇宙軍の士官となるべく集められた有坂恵一たち。練習生との訓練ミッションのさなか敵対する”粛清者来襲”の警報が。有坂たちは既存の宇宙軍を一蹴した粛清者の偵察機と初陣を戦うこととなる・・・(第5巻より)
【本】ドリル
 日本語に訳すと”問題集”ぐらいでしょうか? ちなにみ英語の類語を並べるとこんな違いだそうです
  drill   :指導者の下で規則的に行なわれる集団の訓練
  exercise:習得した技能・技術についての組織的な練習
  practice:技能・技術を習得するために規則的に繰り返す練習

 (web版 研究社 新英和中辞典より)


 ”宇宙軍士官学校”ってのは軍人を育成するための学校ですので、当然のことながらいろいろな訓練が行われています。さすがにオーバーテクノロジーの世界ですので、今の学校とはかなり違うノリですが。いくつか並べてみるとこんな感じ

〔アバターを使ったバーチャル&リアルな訓練〕
 単なるシミュレーションであれば今でもありますが、こちらは実際(リアル)な戦艦にアバター乗っけて、実際にドンパチやるというシロモノ。かなりコストかかってそうだな~~ 本体の人間は基地の中のポッドの中にいてアバターと精神感応みたいなのでつながっているんで実際に死ぬことはない(バーチャル)です。

〔負けたら反省〕
 死亡判定(負け)を受けると、それまでの経過を追体験してどこが悪かったかを反省するというシステム。単なるリプレイではなく、まさに現場に幽体離脱しているような感じになります。なんとなく”男大空”に似たようなのがあったような・・(*3)
 まあ、成績を伸ばすのには次々と新しい問題をやるより間違った所をやり直す方がいいっていうので効果はあるんでしょう

〔部下はビミョ~に人間くさいドローン〕
 ”士官学校”は士官つまり幹部社員を養成する機関です。組織によって”幹部社員”がナニカは違うので難しいんですが(*4)、少なくとも部下ぐらいはいそうです。で、教育期間中に部下の役目をするのがバイオチップ搭載の”ドローン”ってロボット。こいつがやたらオタクなノリがあったり、指示の仕方が悪いとモチベーションが下がったりとビミョ~に人間くさいんですな。まあ、イエスマンだらけのロボットだったら実戦指揮になったら役にたたんのでしょうが。

 で、第五巻ではいよいよ敵である”粛清者”が太陽系に進出。今風に書くと

   敵 キタ━━━━━━(|||゚Д゚)━━━━━━!!!!!!

って感じでしょうか。といっても無人探査機が2機来ただけなんですが。とはいっても”粛清者”ってのは太陽をふっとばして恒星系そのもの生存不可能にするっていうち超絶レベルのテクノロジーの持ち主。初戦は先輩の顔を立てろということで従来装備の宇宙軍が対陣しますがお約束通り一発負け。
 この戦いをバーチャルリンクしていた有坂恵一指揮下の訓練生はパニックになりますが、それを立て直していよいよ実戦=初陣へ。ここからは訓練=バーチャルではなくリアルの戦いに突入です。

  This is not a virtual!
  これはバーチャルではない!

なんてアナウンスが流れるんでしょうかね。

 この戦いが超絶的といえる点の一つに”コスト”の概念が根底から違うってのがあります。まず”粛清者”から。迫ってくる人類側戦闘機に散弾ばら撒くってのをやるんですが、散弾がニュートロニウムという1平方センチあたり1億トン、中性子星のコアと同じっつ~剣呑なシロモノ。1発で小惑星並みの質量をもつ弾を一万発近くぶちまけていますが、この散弾作るのにいったいいくらかかるんだ? 原材料費がタダかもしれんが、恒星レベルの建造物だぞ!

 方や有坂恵一がこの散弾を無力化するのに使ったのが対消滅して敵を破壊する”光子魚雷”200本をぶつけるというやり方。有坂艦長と副官のバーツとの会話

  バーツ:探査機一機に、一艦隊分の光子魚雷二百本をぶっ放すつもりか?
      すげえ贅沢な戦いかただな・・・ めちゃくちゃコストが高いぞ?
  有坂 :なに、人命のコストを払うよりマシさ・・・

 この戦いに関しての旧世代の将官、ナイツ少将とマドセン少将の会話

  ナイツ少将 :はっきり言って、おれにはそんな戦法など思いつきもしなかった・
         そんなむちゃくちゃな、無駄使いというか、
         装備の濫費ともいえるような方法は、おれには無理だ
  マドセン少将:そう言われてみればそうだ・・ おれにも無理かもしれん
         おれの意識の中には、限られた予算の中でなんとかしよう
         なんとかするのが良い軍人だ・ みたいな規範ができあがっている

 

戦略ってのは環境によって変えてく必要がありますが、コスト意識もその一つ。なんせ地球側が所属する銀河文明評議会の生産能力ってのが年間戦闘用宇宙船の年間5000万隻だそうなので、こんなん無駄遣いに入らんって発想の切替がいるんでしょうな(*5)。

 ”宇宙軍士官学校”はいよいよ実戦&保護者”ケイローン”との生存をかけた試験?に突入。ますます面白くなりそうです。


《脚注》
(*1)TOEIC
 英語が母語語でない人向けの英語テスト”国際コミュニケーション英語能力テスト(Test of English for International Communication)”の略。社会人になってやっと英語の呪縛から離れたと思っている人の悪夢。うちの会社だと就活対象者で500点以上を要求してます(クリアしないと受けられないってことでもなさそうですが)。でもな~、幹部社員登用にも500点クリアを課すのはやめて欲しいんですが・・・
(*2)ドリルは漢のロマンだ!
 ”海底軍艦”(監督 本多猪四郎、円谷英二)に登場する万能戦艦”轟天号”や、ゲッターロボ(原作 永井豪、石川賢)で活躍する左手がドリルアームの”ゲッター2”など、男の子は”ドリルが大好き”という話から。実際にはドリルが生み出すトルクを打ち消すだけの支えがないと自分の方が回転してしまうため、運用は難しいようです。
(*3)”男大空”に似たようなのがあったような・・
 ”男大空”(原作 雁屋哲、作画 池上遼一、小学館)より。
 新興コンツェルンの跡取り息子で喧嘩上等のに~ちゃん”祭俵太”が、巨大財閥の一人息子で日本支配を企むあんちゃん”鬼堂凱”に喧嘩で負けてリベンジを果たすのに武闘派の寺の坊主にお願いして催眠術みたいので戦いの場を再現して、これを勝てるまで繰り返す ってな内容だったような・・・
 お互いにゴルゴ13をダース単位で雇えるほどの金持ちなのに素手で殴り合うようなことをするのかは謎です、はい。
(*4)組織によって”幹部社員”がナニカは~
 現代の士官学校を防衛大学校相当だとすると、卒業後に3尉(少尉)に任官されるとのこと。wikipediaでいろいろ調べてみると少尉ってのはだいたい小隊長ぐらいの立場で、小隊が2~4個の分隊10~50人ぐらいで構成されるそうですから、入社いきなりの新人が課長以上の地位にあるって感じでしょうか?
(*5)こんなん無駄遣いに入らんって発想~
 防衛省HP”我が国の防衛と予算(案)”によると
 イージスシステム搭載護衛艦1隻建造&2隻目のイージス・システム搭載
           : 1,680億円
 潜水艦     1隻:   643億円
 F-35A戦闘機6機: 1,330億円
なんて数字が並んでいます。けっこうな金額ですんで無駄遣いしないように願います

植物相で犯人の居場所を特定するのは簡単じゃなさそうです(エンプティ・チェア/モウセンゴケ)

 ども、高山植物なんかを愛でるおぢさん、たいちろ~です。
 山登りなんぞをやっていますと、自分のいる標高や位置を特定するのに植物を観察するってのがあります。標高でいうとおおむね下から

  高木→低木→ハイマツなどの特定種→高山植物→植物が生えない

というふうに植物相が遷移しますし、下から見上げるとだいたい色(緑から茶色)の違いもありますんで、”この辺まで登ってきた”ってのがわかります。高山植物にしても登山地図には”○○の群生”みたいのが書いてあったりするので、ちゃんと見てれば場所がわかるケースもままあります。まあ、登山を楽しむ分には牧歌的でよろしいんですが、これが犯罪捜査となれば話は別。
 ということで、今回ご紹介するのは植物を始めとする残留証拠を捜査に活用する本、リンカーン・ライムシリーズの”エンプティ・チェア”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。
尾瀬牛首十字路付近で見かけたナガバノモウセンゴケです

Photo


【本】エンプティ・チェア(ジェフリー・ディーヴァー、文藝春秋)
 男性一人を殺害し、女性二人を誘拐して逃亡した町の問題児”ギャレット”。脊椎手術のためにノースカロライナ州を訪れていた”リンカーン・ライム”と”アメリア・サックス”は”ギャレット”の捜査協力を依頼される。分析機材も充分ではなく土地勘もないライムだが残された証拠物件をもとにギャレットの行方を追うが・・・
 ”リンカーン・ライムシリーズ”の3作目
【花】モウセンゴケ
 モウセンゴケ科に属する植物。葉に粘液を分泌して虫を捕獲する食虫植物としても有名。本書内では”サンデュー (sundews) ”の名前でも呼ばれています。
 日本では北海道から九州まで湿地帯に自生してますが絶滅危惧種のためあんまり見る機会はないのかも。6~8月に白い花が咲くそうですが、尾瀬で見た時は見かけませんでしたね。


 ”エンプティ・チェア”での捜査の特徴は前2作と違って容疑者を特定することではなくてどこに逃亡しているかを残留証拠をもとに特定する、言ってみれば”鬼ごっこ”です。ライムは植物だの土だの石灰岩だの薬品だの酵母だのありったけ使って”容疑者がどこに逃げているか?”を推理することになります。発見された残留証拠の中にある植物を推理に活用しようとしますが、土地勘がないので地元に詳しい社長ダヴェット氏に協力を依頼。でも、これがなかなか難しいんですな。そもそも植物相で場所を特定するのってのはある程度範囲が限定できるものの、ピンポイントで”ここ”って示すのは難題
 ギャレットのズボンの裾の折り返し部分から発見された”切り落とされた松葉”に関してのダヴェットのコメント

  ダヴェット:松葉が見つかっているなら、この辺かな
         (中略)
        マツの林があるのは、私の知る限りでは北東部だけだ。この辺りですよ            (中略)
        捜索範囲は数百平方キロメートルもある。

 数百平方キロメートルがどの程度か調べてみると、おおむね横浜市が438平方キロ、名古屋市が326平方キロ、千葉市が272平方キロ、大阪市が223平方キロですんで、ほぼほぼ日本の大都市圏の県庁所在地の市ぐらい。つまり”犯人は名古屋市にいます”と言ってる感じ。まあ、まったくわからんよりはマシでしょうが絞り込むにはまだまだ。

 で次のステップに行きます。同じく発見されたモウセンゴケに関するコメント。

  ダヴェット:いいかね、カロライナベイのもっとも興味深い特徴の一つは
        周辺に食虫植物が生育するところなんだ。
        たとえばハエジゴク、モウセンゴケ、サラセニア
(*3)
        たぶん、水辺には昆虫が豊富に生息しているからだろう
        粘土や草炭と一緒にモウセンゴケが見つかっていることから考えて
        犯人の少年がカロライナベイの近くに行ったことは間違いないと思う

これでだいたい180~200平方キロメートル岐阜市が203平方キロ、徳島市が192平方キロ、足利市が178平方キロですから、やや大きめな地方都市ってとこでしょうか。ちょっとは絞り込めましたかね?
 アメリカはハンパなく面積が広いので(*2)、これでもマシでしょうか。日本だったらモウセンゴケが生えている場所ってだけでかなり絞り込めそうですが・・・
 ギャレットはライムの推理で自分のいる場所をかなり早い時間で良い当てられて驚いている話がでてきますが、まあ、そうでしょうなぁ

 本書でライムはギャレットを1度逮捕、逃亡された後に再逮捕に成功しています。後にこの実績をひっさてて司法取引(というか闇取引?)であれこれやっていますが、これは本書を読んでのお楽しみ。相変わらず二転三転するストーリーが面白い一冊です。

《脚注》
(*1)ハエジゴク、モウセンゴケ、サラセニア
〔ハエジゴク〕
 別名”ハエトリグサ”。モウセンゴケ科ハエトリグサ属の食虫植物。二枚貝のような形で周辺にはトゲが並んでいる葉の部分で虫を捕獲します。
〔サラセニア〕
 ウツボカズラ目サラセニア科に属する食虫植物。筒状の葉が落とし穴になっていてそれで虫を捕獲します。仮面ライダーの登場する改造人間”サラセニアン”のモトネタ
 wikipediaによると食虫植物が虫を捉えるのは”日光や水は十分であるが、窒素やリン等が不足しているため他の植物があまり入り込まないような土地、いわゆる痩せた土地に生息するものが多く、不足する養分を捕虫によって補っている”そうなので、ダヴェットの説明の”水辺には昆虫が豊富に生息しているから”という説明はあまり正確ではありません。念のため。
(*2)アメリカはハンパなく面積が広いので
 今回舞台になっているノースカロライナ州の面積は約13万9400平方キロ。日本だと北海道と九州、四国の面積の合計(約13万8500平方キロ)に匹敵します。これで全米第28位なんですからねぇ

桜だけじゃなく、サルスベリの下にも死体が埋まっているらしいです(百日紅の下にて/サルスベリ)

 ども、推理小説もけっこう好きなおぢさん、たいちろ~です。
 先日、ある本に(あれ、なんだっけ?)横溝正史の”百日紅の下にて”の話がでてました。横溝正史っておどろおどろな雰囲気が多いのに花の名前がでてくるなんて珍しいな~ってのと、最近”リンカーン・ライムシリーズ(*1)”の科学捜査なんぞを立て続けに読んでたんでたまには古典もいいかな~ってので読んでみることにしました。
 ということで、今回ご紹介するのは戦後金田一耕助復帰の第一作”百日紅の下にて”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。
お台場のサルスベリの花。下はサルスベリの樹の全容です

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【本】百日紅の下にて(横溝正史、角川文庫)
 終戦間もない9月の夕刻、佐伯一郎は廃墟となった自分の家にたたずんでいる。雑草とがれきの中に一本だけ焼け残った百日紅の木が紅い花をつける庭。そこに一人の復員兵が訪れる。彼は出征中に起こった愛人”由美”の自殺とその一周忌に起こった殺人事件の謎を解くよう、この男の戦友であり佐伯の友人でもある”川地謙三”から頼まれたという。
 彼の名は金田一耕助。戦前に名探偵と呼ばれ、戦後数々の難事件を解決する男である
(”殺人鬼”に収録)
【花】サルスベリ
 ミソハギ科の落葉中高木。”百日紅(ヒャクジツコウ)”と書いて”サルスベリ”と読みます。漢字の名前は8月頃に紅の濃淡色または白い花が長い間咲き続けることから、サルスベリの名はつるんとした感じの樹皮が”猿が登ろうとしても滑ってしまいそう”ってことからついたんだそうです。特徴的な樹皮なので、花が咲いていなくても種類が特定できるという樹でもあります。


 さて、今回金田一耕助が解決する事件のあらましというと

 若い女性が苦手な佐伯一郎(24歳)は理想の妻を育てるため、9歳になる美貌の美少女”由美”を引き取る。美しく育った由美だったが、佐伯が36歳の時召集令状が届き出征することになる。残された由美は川地謙三、五味謹之助をはじめ4人の友人に託された。
 召集解除になり佐伯が家に戻ってきた一週間後、由美は毒を仰いで自殺をしてしまう。さらに由美の一周忌の法事の席で青酸カリにより五味謹之助が殺されてしまう。結局事件は容疑者の川地が戦死したこともあり、五味の自殺ということで決着したが・・

 ネタバレになりますが、五味殺人の裏にあるのは由美への復讐。彼女は誰かに襲われ重い性病に侵されれていて、佐伯を拒まざるをえなくなったため。佐伯の苦悩を知る川地が真相を解き明かすべく金田一に依頼をしたことが背景にあります。
 しかしまあ、名探偵”金田一耕助”の戦後復帰初めての事件がロリコン野郎の悩み解決とはねぇ。佐伯は30歳になるまで童貞を守り続けて、6年間待ち続けて由美が初潮を迎えた15歳の直後に”いただきます”しちゃったんですが(*2)、まだしも良識があったほうでしょうか。本人は”非人道的なけだもののようにお思いでしょう”と自覚はあるようですが・・・

 さて、もうひとつの謎ですが、なぜ横溝正史はこの小説のタイトルに”百日紅”を付けたのか? サルスベリは写真のようにかなり紅い色の花をつけますんで、これから”血”の赤の連想かと思ってましたが、調べてみるとどうもサルスベリには”待ち人間に合わず”という伝説があるようですな。それにサルスベリの樹の下には死体が埋まっているようですし。

 昔々、中国の漁村に、海難事故を防ぐため若い娘を竜神に捧げる風習が有りました。 その年は村一番の美しい娘が選ばれ、娘と家族は嘆き悲しんでいました。そこにこの国の王子が船で通りかかり、事情を訊いた王子は娘を不憫に思い、竜神を退治し討ち果たしました。 
 娘は王子に恋心を抱きましたが、王子は 「王の使命を果たし100日後に戻って来る」と言い残し旅立ちました。娘は王子に恋焦がれ、王子が戻って来るのを待ちきれず亡くなってしまいます。100日後、戻って来た王子の涙が娘の墓地に落ちた時、そこから出た芽が成長し、この木になったといいます。
 娘が王子を待つ100日間の長きに渡り、咲き続けるのに因み、「百日紅(ヒャクジツコウ)」と名付けられたと云う事です。
 (有限会社”創園”のhpより転載)

 原典の物語はわかりませんでしたが、いくつかのhpに似たような話が載ってましたんで、まああったんでしょう。
 最初は、横溝正史と花の伝説の組み合わせってちょっと意外感あったんですが、良く考えてみると、横溝正史って手毬唄の歌詞に合わせて人が殺される”悪魔の手毬唄”とか、俳句を使った見立て殺人”獄門島”とか、けっこうこの手のネタが好きなのかも。この小説のエンドは、獄門島に急ぐ金田一の後ろ姿だしね


《脚注》
(*1)リンカーン・ライムシリーズ(ジェフリー・ディーヴァー、文藝春秋)
 科学捜査の専門家で四肢麻痺の”リンカーン・ライム”と美貌の警察官”アメリア・サックス”を主人公とした推理小説。現場に残された証拠物件から犯人を推理するリンカーン・ライムは首から上と指一本しか動かないというアームチェア・デティティブモノ。ストーリーが二転三転するというとっても面白いシリーズです。
(*2)由美が初潮を迎えた15歳の直後に~
 民法第731条の規定で女性は満16歳になれば結婚できますが、今どき高校1年生が結婚した日にゃ大騒ぎになるでしょうね。ただ、昔はかなり若い人のエッチはあったんでしょうか。童謡”赤とんぼ”では”ねえやは15で嫁に”いっちゃってるし、シェイクスピアの名作”ロミオとジュリエット”ではロミオ16歳、ジュリエット14歳。現代に直せば男子高校生と女子中学生の心中事件、マスコミの格好のネタだろうなぁ・・

Newボンドは”ウォッカ・マティーニ”以外、いろんなので呑んだくれています(007 白紙委任状/レモン)

 

ども、委任状なんてマンションの管理組合のぐらいしか書いたことないおぢさん、たいちろ~です。
 相変わらず○塚家具の父娘喧嘩、もとい会長と社長の経営方針をめぐるごたごたが続いています(*1)(2015年3月14日現在)。株主総会に向けて”プロキシーファイト(委任状争奪戦)”をやってるそうですが、これは”自分の意見に賛成します=委任状”をかき集めて多数決で勝ちを狙うってやり方。まあ、委任する側から見ると”あなたを信じて任せます”、悪く言っちまえば”丸投げ”と言えなくもないですが・・ しかしまあ、”プロキシーファイト”なんてゴルゴ13で知ったぐらいなんだけどな~~(*2)
 てな話をしてる時に最近読んだので”白紙委任状”のがありまして。ということで、今回ご紹介するのはジェフリー・ディーヴァーの手による世界一有名なスパイ・アクション”007 白紙委任状”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。近所のレモンの花です。

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【本】007 白紙委任状(ジェフリー・ディーヴァー 文春文庫)
 イギリス通信本部は大規模な襲撃計画を告げるメールを傍受した。事態を重く見た政府は阻止作戦のために一人のエージェントに指令を下す。表の顔は”海洋開発グループ(ODC)”に所属するセキュリティ・アナリスト、裏の顔は”白紙委任状を持つ男”ジェームス・ボンド、暗号名”007”に・・・
 ”リンカーン・ライムシリーズ”で明晰な推理を展開するジェフリー・ディーヴァーによる新しい”007”の誕生です。
【花】レモン
 ミカン科ミカン属の常緑低木。
 ちょっとごつごつしててとっても酸っぱい実がなりますが、その花は意外に可憐な白い花が咲きます。花言葉は”愛の忠誠、愛に忠実”


 007シリーズはけっこう好きでよく観ます。スタイリッシュなスパイ像を確立した初代”ショーン・コネリー”、アメコミっぽくってコミカルな”ロジャー・ムーア”、アクションバリバリの”ピアース・ブロスナン”、なんとなく暗くっておぢさんっぽい”ダニエル・クレイグ”(*3)。(単なる印象です。007ファンの方、すいません)
 で、今回ご紹介のディーヴァー版”007”はというと、アクション派というより頭脳派・推理派とでも言いましょうか。あと女性関係についてはいたって真面目な方のようです(やることはやってるけど)。このあたりのテイストはディーヴァーが色濃くでてるんでしょうかね。イメージでいうとクレイグあたりが近いんでしょうか。

今回の表題”白紙委任状”(CARTE BLANCHE、カルト・ブランシュ)ですが、最初は”カルト”で危ないカルト集団を連想したんですがこれは間違い。カルト(carte)はフランスで献立表のこと。適当?に料理を選ぶ”ア ラ カルト”のあれです。ブランシュ(blanche)は”白い”で直訳すると”白い献立表”、好きに書いてください=白紙委任ってとこでしょうか(ちなみにカルト集団のカルトは”cult”) 一昔前なら”殺しのライセンス”とか”殺人許可証”とか言ってたヤツのようです。しかも今回は”国外限定(*4)”。時代の流れとともにいろいろ制約がでてくるんでしょうかねぇ

 今回、変わったな~~と思ったのがお酒の話。かつてのボンドの飲む酒といえば、”ウォッカ・マティーニ”。

  ウォッカ・マティーニを、ステアではなくてシェイクで
  Vodka Martini,Shaken,not stirred

いや~、かっこいいですな。私も一度だけ(カクテルはけっこう高いので)頼んだことありますが、気分はもう007!。ちなみに作り方はといいますと、ジンとベルモット、さらにウォッカを加え、冷やしたものをステア(かき回す)のではなくシェイクしてレモンの皮を入れたもの。味は確か美味しかったような気が・・・

 このウォッカ・マティーニ、ボンドはドバイのバーで注文してますが、本書ではそれ以外にもけっこういろいろ飲んでます。
 本書の題名にもなっているのもカクテル。クラウンロイヤル(ウイスキー)のロックにトリプルセック(ホワイトキュラソー)、ビターズ、オレンジピールを加えたもの。オレンジについては

  オレンジのピールをツイストして添えてくれ
  スライスではなく、ピールだ

とのこだわりよう。こういったとこがボンドらしいですなぁ。ボンド曰く”名前はまだない”ですが、後に国際飢餓対策機構代表の美女(ボンド・ガール?)のフェシリティ・ウィリングと食事で飲む時に”カルト・ブランシュ”と命名。曰く

  あなたの賛同者にこのカクテルをたっぷり飲ませたら、
  あなたの一存でいくらでも金を持っていっていいという内容の
  カルト・ブランシュをその場で書いてよこすだろうから

そ~んな不思議なカクテルが欲しい、そ~んな不思議なカクテルが欲しい♪

 敵のボス”ヘイト”の所に潜入して飲むウィスキーにも一言

  ボンド:ウィスキーを頼む。スコッチがいい。できればシングルモルト
  ヘイト:オーヘントッシャンでは?
  ボンド:いいね。水を一滴落としてもらえればなおいい

こだわるよな~~ カッコよく

 ほかにもクラウンロイヤルのロックだのベイカーズ・バーボンのロックだの、グラハム・ベック・キュヴェ・クライヴ(スパークリングワイン)だの、けっこう高そうなお酒をのんだくれてますなぁ。

 それ以外にも変わったな~~ってのがハイテク化。昔からボンドと言えば”秘密道具”ですが、ずいぶん方向が変わっちゃいましたね。”ボンド・カー”なんかはカーチェイスや攻撃用でしたが、今や偵察衛星で備考をするわ、ビックデータ解析で敵の動きを分析するわ、フラッシュドライブに内蔵された盗聴器があるわ。極め付きはiPhoneそっくりで秘密機能てんこ盛り、Q課謹製(*5)”iQPhone”?!
 思えば、”スカイフォール”でオタクっぽい新任の”Q”が、秘密道具を”古い”といってコンピューターバリバリ使って敵を追い詰めるとかやってますんで(*6)。まあ、こういう時代なんですかねぇ スパイにとってやりやすいんだかやりにくいんだか・・・

 冷戦時代を色濃く反映するボンドと、ハイテク機器を使いこなすボンドとどっちがいいかは評価の分かれるところでしょうか。まあ、古い時代のボンドも捨てがたい魅力もあるんですけどね、幼馴染みたいなもんで・・・

  幼なじみの思い出は、青いレモンの味がする♪(*6)

《脚注》
(*1)○塚家具の父娘喧嘩、もとい~
 高級路線を継続したい創業者の親父と、カジュアル路線に転換したい現社長の娘が対立。親父は親父で幹部社員をずら~っとならべて記者会見するわ、娘は娘でアメリカの助言会社から自分の経営方針を評価しているコメントを出すわとステークホルダー巻き込んでの壮大な親子喧嘩の様相。まあ、社員はたまったもんじゃないでしょうけどね。
(*2)ゴルゴ13で知ったぐらいなんだけどな~~
 ハワイの一流ホテル乗っ取りの依頼を受けたヤクザ立花は、委任状争奪戦を指揮する。一方、立花により娘を自殺に追い込まれた大富豪は復讐にため、ゴルゴ13に狙撃を依頼する。
 ”プロキシー・ファイト”より。ゴルゴ13(さいとう・たかお、 リイド社)60巻に収録
(*3)スタイリッシュなスパイ像を確立した~
 ボンド役を演じた俳優別の代表作を上げてみると
・ショーン・コネリー:ドクター・ノオ、ロシアより愛をこめて、ゴールドフィンガー
・ロジャー・ムーア:黄金銃を持つ男、ムーンレイカー、オクトパシー
・ピアース・ブロスナン:ダイ・アナザー・デイ、トゥモロー・ネバー・ダイ
・ダニエル・クレイグ:カジノ・ロワイヤル、慰めの報酬、スカイフォール

(*4)国外限定
 本書の用語解説によると”MI6(情報局秘密情報部)”が国外を、”MI5(情報局保安部)”が国内を担当ということで、範囲が分担されているとのこと。ボンドが所属するODGは外務連邦省(FCO)の下部組織なので海外担当です。昔は国内外を問わずドンバチやってたような気がしますがねぇ・・・
(*5)Q課謹製
 ボンド用の秘密道具を次々開発するQ課。以前の”Q”は人の名前でしたが、本作ではQ課というセクションになりました。映画版では人のよさそうなおっちゃんでしたが、今考えると元祖オタクだったんでしょうかね。
(*6)コンピューターバリバリ使って敵を追い詰める
 ”白紙委任状”が出版されたのは2011年、”スカイフォール”が公開されたのは2012年ですから、順番的にはこっちが先なんですが、はい。
(*7)幼なじみの思い出は、青いレモンの味がする♪
 この曲の題名はそのものズバリの”おさななじみ”。作詞は永六輔、作曲は中村八大の黄金コンビ。他にも”上を向いて歩こう”、”遠くへ行きたい”、”こんにちは赤ちゃん”など名曲が多数。昭和だなぁ・・・

”ヤマノススメ”、このお父さんはお勧めです(ヤマノススメ/ニッコウキスゲ)

 ども、昔はそこそこ山の上級者だったおぢさん、たいちろ~です。最近は体力がありませんが・・
 アニメ”ヤマノススメ”、ダメ出しシリーズでNGツッコミしてましたが、ここにきてなんとパーフェクトな山登りおぢさんが登場! それは倉上健一さん(*1)。ひなたさんのお父さんです。娘達へのアドバイスや山の装備を豊富にお持ちですのでかなりの上級者とお見受けしましたが霧ヶ峰のハイキングではその完璧ぶりを発揮!
 というとこで、今回ご紹介するのは”ヤマノススメ”セカンドシーズン第4巻より”お母さんと霧ヶ峰!(*2)”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。尾瀬に咲くニッコウキスゲです。

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【DVD】ヤマノススメ(原作 しろ、監督 山本裕介、アース・スターエンターテイメント)
 富士登山で高山病で登頂できずへこんでいたあおいさん。やっと復活しましたがお母さんに心配をかけたことが気がかり。ひなたさんの提案でお母さんを誘って霧ヶ峰に行くことに。(十四合目”お母さんと霧ヶ峰!”より)
 女子中高生4人組による山登り”ゆるふわアウトドア”アニメです。
【花】ニッコウキスゲ
 ススキノキ科の多年草。一般には”ニッコウキスゲ”と呼ばれていますが正式名称は”ゼンテイカ(禅庭花)”。5月上旬から8月上旬にかけてラッパ状の山吹色の花をつける高原を代表する綺麗な花です。
 アニメの霧ヶ峰の草原に咲いているのはおそらくニッコウキスゲです。名前に”ニッコウ(日光)”が付いていますが日光の固有種ではなく、日光の霧降高原以外でも今回登っている霧ヶ峰や、尾瀬ヶ原などでも見ることができます。


 さて、お父さんチョイスの霧ヶ峰。20数年前に車山高原に行ったことがありますが確かにあまりアップダウンもなくって風光明美な高原だった気がします。ただ並行して走るスカイラインを横目で見ながら延々ハイキングコースを歩かせたので奥様がぶ~たれてたのは覚えてますが。でも体力・技術的には初心者向けで山気分の味わえる良い所です。
 さて、パーフェクトお父さんの発言からいくつか

〔無理をしなければめったに事故は起こらないもんです〕
 おおむね子供が山に登ると言いだすと、親の心配は”事故にあわないか”ということ。事故にこそあわなかったものの富士山からぼろぼろになって帰った娘のあおいを目の当たりにして心配するお母さんですが、そんなお母さんに対するお父さんのアドバイス

  お父さん:それほど心配することもないですよ
       時間に余裕を持って、ちゃんとした装備で、
       悪天候や難しい場所は避けて、
       要するに、無理をしなければめったに事故は起こらないもんです

まあ、どんなに注意しても事故の可能性はゼロにはなりませんが、それ以上得ることも多いのが山というもの。

  お母さん:自分の足で歩いて、私の知らない景色をどんどん知っていく
       どんどん大人になっていく
       嬉しいけど、ちょっとさびしいわね

ちゃんとお母さんを納得させているのがさすがです。

〔インスタントラーメンは山のオススメ!〕
 山では歩いているとけっこう汗をかきますが、外気温自体は低いので休憩するとすぐ寒くなります。そんな時ありがたいのが暖かいもの。やっぱり”インスタントラーメン”は外せません。娘のひなたさんは”山まで来てインスタントラーメン?!”と文句を言っていますが美味しいんですよ、これが。
お父さん流山でのインスタントラーメンのコツ

  お父さん:スープが残らないよう、水は少なめに
       具材はあらかじめ切って用意しておくのがコツだ

 スープが残らないようというのは、山では残ったスープを捨てると環境破壊になるのでNG。まあ、水分補給もあるので規定の量で飲み残さないというのもありますが、コッヘル(鍋)があまり大きくないという問題もあります。通常のインスタントラーメンの水の量は600ccで作るには1リットル程度の鍋が必要。お父さんは荷物を少なくするためか小ぶりのコッヘルを使っているので、実際に規定の水ではちょっときついかも。また水が少ない方が速くできるっていうメリットもあります。
 具材を事前に用意しておくのは、出るゴミの量を減らす、包丁等の調理器具がいらない、調理の時間を短縮できる、燃料が少なくて済むなどのメリットが。お父さんはちゃんとジップロックに入れて持って行ってます。めんどくさがらずにひと手間かけることが楽をするコツです。
 お父さんは、インスタントラーメンのメリットを

  お父さん:高カロリーで楽、軽い、安いと四拍子揃ってる
        疲れている時は格別だ

と言ってますが、プラスけっこう美味しいんですよね。文句を言ってたひなたさんにも好評です。
 行動中の昼食にとって、これ以外にも早くできるのもメリット。お腹が減っている時に食べるまでに時間がかかるのはつらいもの。お湯さえ沸かせばすぐできるインスタントラーメンは確かにスグレモノです。
 唯一の欠点はかさばること。特に大人数のパーティなんかで数が増えるとけっこうなボリュームになります。実は作る手間からいうとカップラーメンのほうが楽なんですが、こっちはもっとかさばります。体積を減らしたいならストレートな棒状のラーメンがお勧め。かなりコンパクトに収まります。私の大学時代のクラブではマルタイの”棒ラーメン”(*3)をよく使っていました

 そのほかにも、ニッコウキスゲの咲き乱れる女性の好みそうなコース選択山への興味をひきたてるような知識初心者のお母さんへの心配り娘達を見守るようなオーダー(*4)などなど。やっぱり山のお父さんはこうありたいものです。


《脚注》
(*1)倉上健一さん
 本編では”お父さん”としか呼ばれてませんが、DVDのエンドロールで初めて名前を知りました。
(*2)お母さんと霧ヶ峰!
 ひなたさんが”霧ヶ峰”と聞いて”エアコンじゃないの?”とボケをかましていますが、これは三菱電機のエアコンのこと。調べてみるとこの命名は1967年だそうでもう半世紀近くなるんですね。ちなみに昔は床置き型の”志賀”、”上高地”、窓用の”軽井沢”なんつ~のもあったそうです(現在は生産中止)
(*2)マルタイの”棒ラーメン”
 福岡にある”マルタイ”が作っているインスタントラーメン。調べてみると”棒ラーメン”は1959年の発売という超ロングセラーのラーメン。ちなみに日清食品のインスタントラーメンの元祖”チキンラーメン”の発売が1958年ですからほぼ同時期ってことになります。
 ちなみに”棒ラーメン”はマルタイが商標登録をしてるんだそうですがほとんど一般名詞だよな~
(*4)オーダー
 山での並び順のことをオーダーといいます。リーダーはパーティ全体が見渡せるような最後尾につくのが定番。お父さんは先に歩いている娘さんたちを見守れるポジションをちゃんとキープしています

”ヤマノススメ”はお勧めですが、この行為はお勧めできません(3)(ヤマノススメ/富士山)

 ども、最近ちょくちょく山登りしてるおぢさん、たいちろ~です。
 アニメ”ヤマノススメ”です。いよいよ目標の富士登山編。実は私は子供の頃車で五合目までしかいったことないんですね。山屋からいうと登って登って下りて下りての富士山ってコース的にはあんまし面白くなさそうなんですが、やっぱり日本一の山となると一回は行ってみたいモンです。まあ、今となっては体力がな~~~
 ということで、今回のお話は”ヤマノススメ”セカンドシーズンのDVD版3巻と4巻、富士登山編です


写真はたいちろ~さんの撮影。
丹沢山塊塔ノ岳 尊仏山荘付近から見た富士山です

290075


【DVD】ヤマノススメ(原作 しろ、監督 山本裕介、アース・スターエンターテイメント)
 高校1年生”雪村あおい”に”倉上ひなた”。山登りの先輩の”斉藤楓”、天然系の中学生”青羽ここな”の4人組。いよいよ憧れの富士登山に挑戦することに。スタートは順調な4人ですが、高度があがるにつれあおいさんの様子が変に・・・
 山ライフを満喫してる女子中高生たちの”ゆるふわアウトドア”アニメです。
【旅行】富士山
 代表的な富士登山のルートには静岡県側からアプローチする富士宮ルート須走ルート御殿場ルート、山梨県側から吉田ルートがあります。あおいさん達が登ったのは、五合目登山口が標高2,300mで小御嶽神社でお参りしていることから吉田ルートと思われます。丹沢山塊は富士山の東北東に位置しますので、上の写真では右側から登ったことになります。
 余談ですが、富士登山駅伝つ~11人で御殿場市陸上競技場から富士山頂を経て帰ってくるというコース長47Km、標高差3200mを駆け抜けると言う常軌を逸した登山?もあります、はい。


 さて、”ヤマノススメ”ダメ出しシリーズも3回目となりましたが、相変わらずいろいろツッコミどころがあったりします。特にかなりヤバい話もあるので、しばしお付き合いのほどを。

〔山登りに日焼けは厳禁です〕
 夏になれば山以外にも、海に、川にプールにと水遊びを楽しみたいのが人情。でも山登りをしたいのなら厳に避けたいのが”日焼け”。特に避けたいのが肩と背中の日焼けです。日焼けしたところは物が擦れると痛みを伴いますのでザックが背負えなくなるんですな。ですので露出の多いセクシーな水着とかは(個人的には好きですが)避けた方が無難。昔、大学のクラブでは日焼け防止に泳ぐ時にはTシャツを着てました(まあ、プールではNGでしょうが・・・)

〔装備表には行動食(おやつ)も入れましょう。甘く見てはいけません〕
 さていよいよ明日は富士登山。”おやつとか用意しとかなくて良いかな?”というあおいさんに対し”いらないんじゃない、ばくばく食べると太っちゃう”と答えるひなたさんですが、これはNG。作中で楓さんが説明していますが、おやつ=行動食は重要、お腹がすき過ぎると低血糖状態になって動けなくなります。これを”ハンガーノック(hunger knock)”と言ってますが、これは”hunger=飢え”で”knock out=ノックアウト”される状態のこと。うちのクラブでは”シャリバテ(*1)”と言ってました。
 行動食にはすぐにエネルギーに変わる食べやすいものが良いので、チョコレートやアメ、ドライフルーツ、羊羹、甘納豆などでしょうか。あとは好みの問題です。

〔水分は多めに。ただし、あまりたくさんだと重くなります〕
 おやつと一緒にペットボトルの飲みモノを買っている娘さんたち。バテないように水分はちゃんと摂りましょう(*2)。で、どれぐらい持って行くかというとこれはなかなか難しい所。水は1リットル=1Kgですんで、足りないと困りますがあまり大量だと重量が増えます。ひなたさんは500ミリリットルを2本買っていますが、まあ最低限でしょうかね。
 あおいさんが”水は売店で売ってるけど、上に行くほど値段が上がる”と言っていますが、これはまあ、仕方のないところ。稜線上の小屋だと下の水場からポンプアップしていますんで、リッターいくらというガソリン並みの扱いになります。ペットボトルになると下から人力やヘリコプターで上げますからもっと高額に。まあ、コース上に水場があれば途中で補充もできますので、コースの状態で判断することになろうかと。
 私は汗かきなので500ミリリットルを3本は持って行くようにしています。これだと、1本は飲む用、1本は空になったら途中の水場で補充、1本は予備用にしています。種類は好みですが最近だったらスポーツドリンクなんかがいいんでしょうか。あと、パーティに1本は普通の水を持っておいた方が良いでしょうか。ケガをした時に傷口を洗ったりするには普通の水が必要です。

〔登山に寝不足は大敵。とっとと寝ましょう〕
 富士登山前日、不安と期待で眠れなかったあおいさん。”羊を12,552匹まで数えたのは覚えてるんだけど”と言ってますが、これだと4時間ぐらい眠れなかったことになります(*3)。これではバテるのも当たり前。基礎体力がある人でも、寝不足だとけっこうバテたりします。出発前の家はいうに及ばず、電車やバスの中でも寸暇を惜しんで寝ることこそ、登山を成功させる第一歩です。

〔リーダは一番最後、歩く順番を変更してはいけない〕
 山のパーティで、歩く順番を”オーダー”と言います。
 五合目の歩き出しでは”あおい、ひなた、ここな、楓”の順番ですが、画面を見ているとだんだんひなたさんの順番が後ろへ落ちてきて、八合目手前では”楓、ここな、ひなた、あおい”の順番に。あおいさんがばてばてで遅れてるだけだと思われるかもしれませんが、これはとってもNG。バテで遅れている人間を最後尾にするのは事故につながりかねないとっけも危険な行為です。
 一般的なオーダーでは

  先頭 :サブリーダー(又はコースリーダー)。コースを先導する人
  2番目:体力の弱い人
  3番目:メンバー
  最後尾:リーダー。パーティ全体を見たり、コースが間違っていないかをチェック

にします。これは、先頭の人はコースをちゃんとて、体力の弱い人が遅れないペースをキープするためにサブリーダークラスをあて、最後尾がパーディ全体の様子を見れるようにするためです。この手の話って学校のクラブや山岳会のようにパーティを組む山行でないと出てきません。単独行派っぽい楓さんが知らなかったのもわからんではないですが、押さえておきたい基礎知識です。
 ちなみに、この4名でオーダーを組むならメンバでは最年少ですが体力もあり、気働きもできそうなここなちゃんがトップ、体力的に劣るあおいさんが2番目、3番目がひなたさんで、経験豊富で人望もある楓さんが最後尾ってのが順当でしょうか(*4)。

〔高山病になったら、とにかく下山させること〕
 八合目付近でばてばてのあいおさん。頭が痛い、体がしんどい、眠い、めまいがする、これは典型的な高山病の症状です。私もキリマンジェロでこれになったことがありますが(ちょっと自慢話?!)、けっこうつらいモノです。高山病とは低酸素状態、平たく言うと酸素が薄くなる高度にいると発生する状態です(*5)。高度順化など予防する方法はありますが、なってしまったら早めに下山させるしかありません。その代わり高度を下げるとウソのようにコロっと治ります

〔パーティーを分散させるのはあまり好ましくありません〕
 高山病にかかってしまったあおいさんと、リーダーの楓さんは八合目でリタイア。余力のあるひなたさんとここなちゃんが山頂を目指すことになります。
 状況によりますので、絶対にNGとはいいませんが、パーティを分けるってのはあまりお勧めできません。今回のように初心者2人だけで行かせるならばなおさら。私がリーダーなら全員ここでリタイアさせてたかもしれませんね。

〔いままで頑張ってきたからといって、さらに頑張ればいいというものではない〕
 朝起きて、ご来光を見に行くと言い張るあおいさん。引きとどめる楓さんとの会話

  あおい:だって、だって、ずっとここまでがんばってきたのに!
  楓  :無理してこれ以上行って、帰れなくなくなったらどうするの
      山は逃げない。何度だってチャレンジできるんだから、あせらないで、ね

 ビジネスの世界では”サンクコスト(sunk cost 埋没費用)”というのがあります。これは投下した資金のうち、事業の撤退・縮小を行ったとしても回収できない費用のこと。簡単に言うと今までこんだけコストをかけたからという理由で、さらにコストをかけて完成させてもそのコストを回収できない、つまり傷口を広げるだけという状態です。この二人の会話がまさにそれで、せっかくこんだけしんどい目にあって上がってきたんだからといって、さらにしんどい目をして上がるコスト=リスクを犯すなら、撤退したほうが安全といくこと。きっぱりあきらめるのも山登りの内。楓さんの言うように山は逃げません

〔登頂できなかったからといって、へこんでてはいけない〕
 結局、途中でリタイアしたあおいさん。かなりの落ち込みようです。はっきし言って山頂に着けるかどうか、ご来光が見れるかどうかはお天気次第、運次第ってコトです。実際、若いころはけっこういろいろ登りましたが、雨で登れないこともありましたし、登っても雨や霧でな~~んも見えん! ってこともままありました。むしろ事故もなく無事に下山できたことのほうが重要なんですよ!
 山屋たるもの、誰かのせいで登頂できなかったからといって責めたりはしないですし、もし責めるような人がいたら、と~~っても人間の小さい人。無理に付き合う必要はないぐらいです。

〔帰ったら荷物はとっとと片付ける〕
 帰ってからも無気力モードのあおいさん。ザックの荷物も片付けてないご様子ですが、帰ったらなにより荷物はとっとと片付けましょう。着替なんかは臭くなりますし

 富士山は楓さんが”富士山は楽なイメージがある”と言っていますが、4人が登った吉田ルートは五合目からでも標高差約1,500m(*6)、登りだけでも6時間近くかかるハードなもの。アクセスや小屋が整備されていているので初心者でもサクっと行けそうなメージがありますが、安易に考えるのは事故のモト。登山される方は充分注意して登ってきてください。


《脚注》
(*1)シャリバテ
 白米の御飯の事を”銀シャリ(またはシャリ)”と言います。つまりシャリバテとはご飯=栄養が足らずにバテるってこと。山でご飯が食べれないとまず間違いなくバテますんで、無理やりにでもご飯は食べさせられてました。
(*2)バテないように水分はちゃんと摂りましょう
 昔は”水を飲まずに根性でがんばる!”なんてのもありましたが、はっきりいってやめた方がいいです。山は楽しむために登るンであって苦行を求めるのは目的が違います
(*3)これだと4時間ぐらい眠れなかったことになります
 まあ、1匹あたり1秒ちょっととしてこれぐらい。ちなみに、羊を数えるのは”sleep(眠る)”と”sheep(羊)”が似ているからという説があるようで、日本人がやっても効果あるんでしょうか? まあ、単純作業の繰り返すと思えば確かに眠くはなりそうですが・・・
(*4)経験豊富で人望もある楓さんが~
 夏休みが始まったとたん
  じゃあ、北アルプスを縦走してくる 大キレット超えてくるから!
と嬉々て出かけていく楓さん。コースは明確に言っていませんが
 上高地~槍が岳~南岳~大キレット~北穂高岳~上高地
あたり、だいたい2泊3日コースでしょうか。特に南岳~北穂高岳の間にあるの”大キレット”はとっても危険な難所。痩せて切り立った岩稜に鎖場の連続、激しいアップダウンと体力、技術ともに上級者コースです
(*5)低酸素状態、平たく言うと酸素が薄くなる高度に~
 途中でポテトチップスの袋がパンパンに膨れているというシーンがありますが、これは平地の状態で密閉されている袋に対し周りの気圧が下がっている(空気が薄い)ため相対的に気圧差が発生することで起きる現象。逆に高い所で蓋をしたペットボトルが平地に持ってくると潰れてしまうということもあります。
(*6)標高差約1,500m
 東京スカイツリーの上の天望デッキは高さ450mですんで、あの高さまで3回以上登り降りする計算になります。さらに水平方向の移動距離も加わりますので、簡単に登れるハズがありません。

咲いた花なら散るのは覚悟、とっとと引退して年金暮らしがしたいオジサンだっているはずです(働かないオジサンの給料はなぜ高いのか/桜)

 ども、サラリーマンは気楽な稼業と きたもんだ♪(*1) なおぢさん、たいちろ~です。
 先日、同期入社の同期会をやりました。入社以来30年、考えてみりゃ奥様より付き合いの長いメンツ、腹は出るわ髪の毛は薄くなるわと長年の風雪が休むことなくオッサン化を進めておりますが会ったら会ったで気持ち(だけ)は若いママです。みんな”ちゃんと仕事をしとるんかい?”ってのは微妙ですが、まあ、クビになってないとこ見ればそこそこやってるんでしょうかね。
 ということで、今回ご紹介するのはそんな働かないおぢさんの謎に迫る”働かないオジサンの給料はなぜ高いのか”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。舎人公園の河津桜です

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【本】働かないオジサンの給料はなぜ高いのか(楠木新、新潮新書)
 ”二日酔いでも 寝ぼけていても タイムレコーダーガチャンと押せば どうにか格好が つくものさ♪”な働かないおじさん、なんでこんなんがオレより高い給料を貰ってるんだ?!という若者の疑問、もっともです。で、こんな疑問に答える本。納得するかどうかは別ですが。
【花】
 バラ科モモ亜科スモモ属の落葉樹の総称。一斉に咲いて散って行く潔さが日本人の感性に合うんでしょうか、日本を代表する花の一つです。
 同期の話に合う花と言えばやっぱり

  貴様と俺とは 同期の桜  同じ兵学校の 庭に咲く

の”同期の桜”(原詞 西條八十、作曲 大村能章)でしょう。


 さて、”働かないオジサンの給料はなぜ高いのか?”という疑問ですが、この疑問を分解すると、”働かないオジサンがなぜ発生するのか?”と”なぜ働き=成果よりも給料が高いのか?”となります。さらに言うと”ホントに働いていないのか?”、”ホントに給料が高いのか?”ということもツッコミ所であります。本書からひも解くとこんな感じです。

〔働かないオジサンがなぜ発生するのか〕
 これを本書では”新卒一括採用という雇用形態”と”管理職のピラミッド構造”にあるとしています。一言で言うと”出世レースのあり方”なんですな。

  新入社員を一括に採用し、スタートラインを揃えて一斉にレーススタート
  役職が上がるにつれてポストは少なくなる(役員>本部長>部長>課長>係長)
  少ないポストをめぐり絞り込みが行われる
  終身雇用なので、選抜に残った幹部社員と外れた非幹部社員が発生

非幹部社員=働かないオジサンってわけではないですが、まあ偉い人とかに比べて(偉い人になればなるほど)働かないように見えるんでしょうか。それに、社員というのは自分の能力評価を2~3割ぐらい高く見積もる傾向があるので、”あのオジサンよりオレのほうが良く働いているゾ”というバイアスがかかりがちなようです。まあ、実際に働いていないだけのオジサンもいるかもしれませんが・・

〔なぜ働き=成果よりも給料が高いのか〕
 本書では、こんな解説

  賃金・企業への貢献度を縦軸、年齢を横軸のグラフにすると共に右肩上がりになる
  賃金は比較的低い位置から始まって上昇する線となる
  企業への貢献度は比較的高い位置から始まって賃金より緩やかな上昇する線となる
  ゆえに両線の交差する点より左(若い人)は賃金<貢献となり
  左(オジサン)は賃金<貢献となる

 理屈の上では”若い時は安い賃金で働いてたんだから、オジサンになってモトを取る。生涯でおしなべればトントン”みたいな考え方。まあ貯金とみるか年金と見るかはありますが(*3)。若い人にとっては”納得できん!”と思われるでしょうけどねぇ・・

 ここまでは、本書の内容ですが、あとの2つはちょっと私的な意見です

〔ホントに働いていないのか〕
 こればっかりは個人差が大きいんでなんとも言えませんが、まあ一般論として考えるとオジサンにはオジサンの、若い人には若い人の働き方があってもいいんじゃないかと
 オジサン、まあリーダーになればなるほどその仕事って

  意思決定をすること & 出てきた結果のケツを拭くこと

のウェイトが大きくなるんじゃないかと思っています。働くといっても意思決定のような経験値が必要なことでオジサンをこき使かって、問題が発生すれば責任を取らせるのも給料のうちとか。責任から逃げ回る人も出そうですけど・・・
 ただこういった仕事はおしなべて時間で測れるシロモノではないんですな。それに時間が必要なルーチンワークを時間単価の高いオジサンに期待してもコスト的にムダといえないこともないです。
 正直、若い人と同じパワーを出せと言われてもそれはしんどい、だって体力が持たないモン。私だって若い頃は月100時間近く残業してましたが、この年でそんなことやったら1ケ月も持ちましぇん!
 以前何だかで読んだんですが、若い指揮者が老齢のフルトヴェンクラー(だったかな?)の指揮方法をマネして省エネ型の指揮をやったら”フルトヴェンクラーは高齢だからあれでいっぱいいっぱい。若いモンがそんなのマネしてどうする!”と怒られたって話がありました。だからひょっとしたら外目は頑張っていないように見えても、実際はけっこう頑張ってるンかもしれませんよ。まあ、実際に働いていないだけのオジサンもいるかもしれませんが・・

 極論ですが、オジサンには普段ぼ~~っとしてても、イザという時にはちゃんと意思決定をして、やるこたやるぜ! みたいな中村主水型(*3)の働きでもまあ、良しとしませんか? 

〔ホントに給料が高いのか〕
 これも個人差が大きいんでしょうが、平均値で言えばまあ若い人よりたくさん貰ってるんでしょう。が、”金銭的に豊か”かどうか、まあ自由になるお金とみるとどうなんでしょうね? 実はオジサンのほうが実は貧乏だったりしてないか? 
 給料っていうのは収入側の話であって、金銭的な豊かさって支出側もあわせて見ないと不公平ではないですか? オジサンって家族の生活費だ住宅ローンだ子供の学資だと実はとっても物入り。式にすると

  自由になるお金=給与-(生活費+子供の教育費+ローン返済費)-貯蓄

 カッコの中のお金が少ない若者のほうが、実は自由になるお金は多かったりして。だって、若い人って毎年海外旅行に行ってたりするの聞くけど、オジサンがそんなに行くってことほとんど聞いたことないけどなぁ

 どうも、今回の話は愚痴と良い訳っぽくなってすいません。
 ぶっちゃけ聞きますが、”じゃあ、オジサンが若者以上に(給料に見合っただけ)働けばいいか?”というとこれも微妙じゃないかと。会社的にはOKかもしれませんが、実際身近にバリバリ働くオジサンがいたらかえって煙たがられりゃしませんかねぇ ”オジサンがあんなに頑張って働いているのに、若いモンが何だ!”とか言われたら、”いい加減に枯れろよ、親父!”とか言っちまいませんかねぇ(*4)

  咲いた花なら散るのは覚悟 見事散りましょ国の為

 オジサンだって、本音は後身に道を譲って、自分はとっとと花の年金暮らしをしたいと思ってたりして。ただ、年金が出ないから引退できないだけで・・・

 人事の問題ってのは100人いて100人が納得するってことはまずありません。ですが、どのようなメカニズムで動いているかを知ることはけっこう重要。本書は”出世する人はどんな人?”みたいなのもの載っていますがむしろ人事畑の人のぶっちゃけ話を楽しむって読み方のほうが肩がこらんでいいかもね


《脚注》
(*1)サラリーマンは気楽な稼業と きたもんだ♪
 ハナ肇とクレイジーキャッツの昭和の名曲”ドント節”(作詞 青島幸男、作曲 萩原 哲晶)です。”二日酔いでも 寝ぼけていても”もこの曲です。この曲の3番に
  社長や部長にゃ なれそうもねえが 停年なんてのァ 未だ先のこと
ってありますが、先日部長職を定年退職いたしました。まだ先のことだと思ってたんですがねぇ・・・
 曲を聞きたい方はこちらからどうぞ。
(*2)まあ貯金とみるか年金と見るかはありますが
 年金になると若い人から”払った分だけ貰えない”という意見が出ますが、年金というのは元々そういう制度設計になっていないのでそこを突っ込んでも議論になりません。
 貯金:自分の預けた分+金利が返ってくる(金融機関が破綻しないかぎり元本保証)
 年金:定年退職後の収入補てんを働く世代でカバー(リスクリターンの世代間移転)

つまり年金問題って少子高齢化による人口の不均衡と景気後退による主に若年世代の収入減少が原因であって、ここを解決しないと解決しないと思うんですがねぇ
(*3)中村主水型
 ”必殺仕事人シリーズ”に登場する江戸北町奉行所勤務の平同心。奉行所では”昼行燈”と呼ばれ、家では嫁と姑にいじめられる情けない人ですが、裏稼業では仕事人チームのリーダーにして悪人を一刀のもとに切り捨てる凄腕の持ち主。ある意味オジサンの理想形なのかも。
(*4)”いい加減に枯れろよ、親父!”とか言っちまいませんかねぇ
 ニュースでO塚家具の経営をめぐる親子ゲンカ(会長と社長と対立って扱いじゃない?!)をやってますが、娘の社長から見ればこんな感じじゃないかと・・・

ミスター・スポック、天国でも長寿と繁栄のあらんことを(宇宙大作戦)

 ども、”宇宙大作戦”世代のSFファンのおぢさん、たいちろ~です。
 俳優のレナード・ニモイ氏がお亡くなりになりました。”スター・トレック”でバルカン星人”ミスター・スポック”を演じた方です。享年83歳。バルカン星人って長命って設定だったんで、まさかお亡くなりになるとはなぁ。”スター・トレック”のリブート版(*1)で久しぶりにお見かけしましたがまだまだお元気だと思っていたんですがねぇ・・


写真はミスター・スポック。上から
 ”宇宙大作戦”より(右はカーク船長)
 ”スタートレックⅣ 故郷への長い道”より
 ”スター・トレック イントゥ・ダークネス”より

1
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【本】宇宙大作戦(ジェイムズ・ブリッシュ、ハヤカワ文庫)
【DVD】宇宙大作戦(製作 ジーン・ロッデンベリー、パラマウント)
 宇宙、それは人類に残された最後の開拓地である
 そこには人類の想像を絶する新しい文明、新しい生命が待ち受けているに違いない
 これは人類最初の試みとして、5年間の調査飛行に飛びたった
 宇宙船”U.S.Sエンタープライズ号”の脅威に満ちた物語である

  (”宇宙大作戦”オープニングより)


 ”宇宙大作戦”ってはまって見てたのは中学、高校のころだったかなぁ。今でこそ”スタートレック”の名前が定着してますが、当時はまだ”宇宙大作戦”。”スタートレック”が一般化したのって1979年の映画公開”Star Trek:The Motion Picture”からでしょうか。オリジナルのメンバーの登場ですが、キャラクターは全員お兄さんっぽい年齢から大人っぽくなってたり、ユニフォームがスタイリッシュになってるし、エンタープライズ号も洗練されてますが(*2)それでも、映画化さたるだけでもうれしかったですね。映画館にも友人とこぞって観に行ってたし。
 そもそも、DVDどころかビデオデッキすら一般化していない時代。TVを観ようとしても再放送しかないンですから、コンテンツの量は圧倒的に少ないしそもそも観る側だって集中力が違います。そんな中でも圧倒的な存在感があったのが”宇宙大作戦”。

 SFシーンでエポックメイキングだった1978年以前(*3)、マイナー(今風に言うならサブカルチャー)なSFファンに圧倒的に支持を受けていたのが”宇宙大作戦”。センス・オブ・ワンダーな世界の中でのインテリジェンスとユーモアあふれる会話。その中でも知性を代表するのがレナード・ニモイ氏が演じた”ミスター・スポック”。バルカン星人という論理に生きる宇宙人ながらときおり見せる感情的な面がまた魅力。今の若い人向けに説明するなら、長門有希のおじいちゃん(*3)ってとこでしょうか?

 ”宇宙大作戦”のノベライズといえばジェイムズ・ブリッシュ(*5)の時代。”見えざる破壊者”を始めハヤカワ文庫で12冊。表紙は懐かしい金森達画伯。カーク船長役のウィリアム・シャトナーを始め錚々たるメンバーが書いてますが、やっぱしブリッシュなんだな~ おぢさん的には。

 ”宇宙大作戦”での思い出といえば高校で仲良くさせてもらった先輩のこと。この先輩って高校3年生の大学受験のさなかに”Star Trek”を原書のペーパーバックで読んでるんですな。受験英語で”Transporter(転送装置)”なんつ~のが役に立つとも思えませんが、それでもすんごいな~って思いました。この先輩は病気で若くして亡くなりましたが、今頃レナード・ニモイ氏相手にスタートレックの議論なんかやりそうですねぇ

 この場をかりまして、レナード・ニモイ氏のご冥福をお祈り申し上げます
 できうれば、天国でも長寿と繁栄のあらんことを


《脚注》
(*1)”スター・トレック”のリブート版
 2009年に公開の”スター・トレック”&2013年公開の”スター・トレック イントゥ・ダークネス”のこと。スポックを演じたのは”ザカリー・クイント”。オリジナルのスポックに比べると、ケンカっ早いわ、大声で絶叫しちゃうわ、あまつさえウフーラと恋愛しちゃうわとなかなかおちゃめなキャラクターです。
(*2)エンタープライズ号も洗練されてますが
 宇宙船といったらほとんどロケット型しかない時代に、複数の筺体をパイプで接続したようなフォルムってかなり斬新。映画版になると単なる筒型だったワープナセル(推進部)がSFっぽく変わっただけでも、おぉ!って感じです。
 ちなみに、エンタープライズ号の上下をひっくり返したフォルムになっているのが”機動戦士ガンダム”に登場するジオン軍巡洋艦”ムサイ”です。
(*3)1978年以前
 SFが社会現象として一般化するきっかけだったのが1978年に公開(日本)されたジョージ・ルーカス監督の”スター・ウォーズ”とスティーヴン・スピルバーグ監督の”未知との遭遇”。”大人が観るSF”が定着したのがこの2作って感じです。
(*4)長門有希のおじいちゃん
 長門有希ってのは”涼宮ハルヒシリーズ”に登場する美少女無口キャラな対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース。論理的な思考にポーカーフェイス、スーパーユーティリティな能力の持ち主ながらどきどき見せる天然な大ボケがなんとなくミスター・スポックを彷彿とさせます。
(*5)ジェイムズ・ブリッシュ
 この人は都市ごと宇宙船化して旅をするという”宇宙都市シリーズ”(ハヤカワ文庫)の作者でもあります。これも読もうと思ってまだ読んでないんだよな~

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