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2014年1月26日 - 2014年2月1日

この話の結末を知りたくないですか?(ビブリア古書堂の事件手帖5/ブラックジャック/ブラックジャック像)

 ども、ミステリーやSF分野が得意な古本屋(*1)とはな~んも関係ないおぢさん、たいちろ~です。
 やっと出ました”ビブリア古書堂の事件手帖5”! 発売日の1月24日にいそいそと本屋さんへ行ってさっそく購入、一気読みしました。今回ネタになっているのは古本屋さん向けの雑誌”彷書月刊”に寺山修司の”われに五月を”、そしてなんとあの手塚治虫の”ブラック・ジャック”! ”ビブリア古書堂の事件手帖”って、マンガでは2巻で足塚不二雄の”UTOPIA 最後の世界大戦”(*2)を扱ってますが、まさかブラック・ジャックが古書扱いされるとはね~~
 ということで、今回ご紹介するのは”ビブリア古書堂の事件手帖5”より、ブラック・ジャックのネタであります。


Photo_2
写真はたいちろ~さんの撮影。ブラックジャック像です。


【本】ビブリア古書堂の事件手帖5(三上延 メディアワークス文庫)
 就職浪人の五浦大輔は、亡くなった祖母の夏目漱石の本が縁での篠川栞子の経営する古本屋”ビブリア古書堂”でアルバイトをすることになった。栞子は極度の人見知りながらで古書については超絶的な博識を持つ美女。その知識でさまざまな謎を解明していく。
 5巻は4巻に引き続き栞子さんと栞子さんに輪をかけた本の読み手”智恵子お母さん”との確執のお話です。
 2013年に剛力彩芽主演でTVドラマ化されました。
【本】ブラック・ジャック(手塚治虫 秋田書店)
 天才的な技術を持ちながら無免許、高額な手術料を要求する孤高の医師”ブラック・ジャック”を主人公とする手塚治虫の代表作の一つ。
 ”鉄腕アトム”もそうですが、このマンガを読んで医師を志した人がいるぐらい影響力のあるマンガです。
【旅行】ブラックジャック像
 宝塚の”手塚治虫記念館”(*3)にありましたが、あんまり似てないなぁ・・・
 手塚治虫の描く曲線美ってピカソに匹敵する美しさと思っていますが、やっぱり再現するのは難しいんでしょうか・・・


 なんかで読みましたが、手塚治虫は完成した原稿に手を入れる人だったそうで、雑誌の連載時と単行本、単行本でもいくつかのバージョンが存在するとのこと。しかし、ネタバレになりますが単行本に収録されてる作品を入れ替えてるとは思わんかったな~~ ってのも”ビブリア古書堂の事件手帖”で推理のキーになっているのが単行本第4巻に収録された”植物人間”というお話、なぜ依頼人が複数の第4巻を持っているか(*4)、なぜ奥さんが危篤状態だったにも関わらず旦那さんが古本屋に寄ったのかの謎の答えがこの”植物人間”にあります。

 ”植物人間”は、行き違いでブラック・ジャックの治療が遅れて植物人間になってしまい、その息子の脳髄と彼女の脳髄とを電極で接続するという話。どうも脳手術ってのがいろいろと問題がらしく(らしくとしかわからないんですが)、この話って単行本の途中の版数から別の話に差し替えたんだそうです。
 実はこの話、読んだことあります。ブラック・ジャックはリアルタイムで読んでた世代なんですが(*5)、”植物人間”はけっこう印象に残っている作品。ちょうどユリ・ゲラー(*6)が来日するなどサイコキネシスだテレパシーだと超能力ブームのころ。それでなくても超能力に憧れる時期。まあ自分にそんな力がないことは分かってましたが、脳と脳を電線につなげばテレパシーっぽいことができるって科学的だかないんだかわからない設定がみょ~に説得力ありましたねぇ。

 さて、ビブリア古書堂のエピソードで気になったのがこのフレーズ。ファンの会報の投稿欄に載ってた記事で

  横浜のすみっこに住んでる「BJ」の大大大ファンどぇす。
  やっと単行本を集めおわって、親に隠れてよんでます。

 これを受けて

  俺にもやっと理解できた。
  ファンクラブの会報で「相田美香」は文通の相手を募集していた。

とワトスン役の大輔君はコメントします。
 おおっ、文通! SNSまっさかりでLINEでは5秒以内に返事しないとハブられる今の若い人にはピンとこないかもしれませんが、昔は雑誌で募集して手書きのお手紙をやりとりするってのが普通だったんですね~~ そりゃ、スマホどころかパソコンすらなかった時代ですから。”日ペンの美子ちゃん(*7)”が流行るはずです。

 で、気になったってのは”親に隠れてよんでます”の一言。マンガって今やクールジャパンの中核で、ルーブル美術館で手塚治虫のアニメが上映される昨今(*8)、あんましピンとこないかもしれませんが、当時はまだ”悪書追放運動”という名の漫画バッシングだったのが普通だった時代、マンガを集めたり読んだりするのって”悪いこと”って感覚がまだあったんですね。だからこんな発言になるわけです。今やヒューマニズムの作家と思われている手塚治虫にしてもそのやり玉にあがってるぐらいですし。もっとも”ブラックジャック”も初期の単行本では”恐怖コミックス”って表紙に書いてあるぐらいだから作り手もそういう意識だったのかもしれませんが(後半では”ヒューマンコミックス”に変更)
 まあ、そんなこんなを考えると、”ブラックジャック”も古書扱いされてもしょうがないのかなぁ・・・

 本書の中で、栞子さんが

   

この話の結末を知りたくないですか?

 本書では書いていませんが、少年は母と心を通わせ母を直すために医師を志すというものです(”ブラックジャック訳あり未収録作品”のhpで見ることができます)
 この作品は上記のように単行本未収録となっていますので入手が難しそうですが、”栞子さんの本棚”(角川文庫)という絶版も含めた本書に出てきた話を集めた本も出てるぐらいなんで、復刻してくんないかな~とおぢさん世代は思うのであります。

《脚注》
(*1)ミステリーやSF分野が得意な古本屋
 ビブリア古書堂と確執のあるヒトリ書房店主”井上太一郎”さんのこと。
 TV版では佐野史郎が怪演してました。
(*2)足塚不二雄の”UTOPIA 最後の世界大戦”
 足塚不二雄は”藤子不二雄”のペンネーム。本書の発刊は1958年だそうですので古書扱いされるのはわかりますが・・・
 ちなみに、2011年に本書の完全復刻版が小学館から発刊されましたが、本屋で見つけた時は”小学館もよ~やる!”と思っちゃいましたね。ビブリアがなければなかった企画だと思います。
(*3)手塚治虫記念館
 手塚治虫が少年~青年時代を過ごした宝塚市にある記念館。JR/阪急宝塚駅から花のみちを通り宝塚大劇場を抜けた先にあります。ユニバもいいけど大阪に来られた際はこちらもぜひどうぞ。(HPはこちらから)
(*4)依頼人が複数の第4巻を持っているか
 最近のヲタの人は”実用、保存用、布教用”と3冊本を買うってネタがありますが、今回の理由はそれじゃありません。ちなみに私は単身赴任中ですので”自宅用、単身赴任先用”と2冊持ってるのも何冊かあります、はい。
(*5)ブラック・ジャックはリアルタイムで読んでた世代なんですが
 ブラック・ジャックが少年チャンピオンに掲載されていたのは1973年~78年(以後不定期掲載)。ですんで、ちょうど中学生~高校生ぐらいの時だったでしょうか。頭悪かったんで医者を目指すことはなかったですが・・・
 ”植物人間”は雑誌掲載が1974年9月23日号ですんで、たぶん中学校ぐらいで読んでます。
(*6)ユリ・ゲラー
 超能力でスプーンを曲げるという超能力者。1974年に来日し超能力ブームの火付け役になりました。ご年配の方ならカレースプーン擦りながら”曲っが~れ!”なんてやったことあるはず。
 ”ポケットモンスター”に出てくる”ねんりきポケモン ユンゲラー”のモトネタがこれですが、ポケモン世代の子供たちにはわからんと思うぞ~~
(*7)日ペンの美子ちゃん(にっペンのみこちゃん)
 ボールペン習字通信講座を紹介する1ページマンガのイメージキャラクターで、当時の少女漫画雑誌の裏表紙には必ず載ってました。おそらく掲載された雑誌数では手塚治虫をしのぐぶっちぎりの第一位ではないかと。
 手書きしかなかった時代、美しい字が書けるってのは美少女の必須要件でしたので、けっこう流行ってたんでしょうね、”テキストはバインダー式よ!”とか。
 ある世代のお嬢様方には受けるネタです。年齢を突っ込まなければですが・・・
(*8)ルーブル美術館で手塚治虫のアニメが上映される昨今
 アニメ映画「BUDDHA2 手塚治虫のブッダ-終わりなき旅-」(2月8日公開、小村敏明監督)のワールドプレミアが、ルーブル美術館で行われた。世界遺産にも登録されている同美術館で、映画の新作が上映されるのは史上初。(nikkannsports.comより)


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