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2014年9月7日 - 2014年9月13日

京大型カードの考え方って、ビックデータの元祖なのかもしれんなぁ(知的生産の技術/京大型カード)

 ども、情報整理はまったく苦手なおぢさん、たいちろ~です。
 夏休みに思い立って遠野に行ってきました。で、これはやっぱり柳田國男の”遠野物語(*1)”を読まねばなるまい(てか、行く前に読まんか、普通)ということで読みだしたんですが、この本って”物語”とういより短い文章の集まりなんですな、読むまで知らなかったんですが。長いものもありますがだいたい数行から十数行程度
 はて、この長さってなんかで見たな~と思ってたら、これって京大型カードに収まる情報量なんですな。
 ということで、今回ご紹介するのは京大型カードの元祖である梅棹忠夫の古典的名著”知的生産の技術”であります。


上の写真はたいちろ~さんの撮影。近所の文房具屋さんの京大型カード(コレクト製)
下はスタンダードな京大型カードのフォーマットです

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Photo


【本】知的生産の技術(梅棹忠夫、岩波新書)
 カードにによる情報整理、整理の仕方、読書法、文章の書き方など、京都大学教授で民族学、情報学の泰斗”梅棹忠夫”による情報活用に関する古典的名著
 手帳やカード、切り抜きなどによる情報整理のやり方、原稿や手紙などの書き方など、情報管理の基礎をわかりやすく解説した本です。
【道具】京大型カード
 京大式カード、B6情報カードとも言います(本ブログでは本書にあわせて”京大型カード”に統一します)。B6サイズのやや硬めの用紙に罫線を引いただけのシンプルなフォーマット(無地のもあります)ですが、なかなかに使い勝手のよいシロモノ。
 梅棹忠夫が研究のため資料を整理をするのに利用、本書で紹介することで広がりました。

 いや~、懐かしいなぁ京大型カード。受験生のころに方程式とか覚えるのに使ったな~(*2) さすがに今では使ってませんがまだ売ってるのかなと思って文房具屋に行ってみたんですがまだ売ってましてね、ちゃんと。
 このカード、どの程度の情報量が書けるかというと書く人の字の大きさとか罫線のサイズとかで差はありますがだいたい片面で200~400文字(日本語ベース)、両面使えるので400~800文字といったところでしょうか。前出の遠野物語だと1行40文字ですので、10行以下の文章が多いこの本からの連想ってあながち間違ってるわけではなさそうです(角川文庫 新版のケース)

 最近ではB版って会社でほとんど使わなくなりましたが、身近な例だとこれってiPad miniとかKindle Fire HDXあたりとほとんど同ザイズです。

 iPad mini:16.05cm × 12.04cm(7.9インチ)
 Kindle Fire HDX:15.3cm × 9.0cm(7.0インチ)
 B6カード(フルサイズ):18.2cm ×  12.8cm

 まあ、縦横比は違いますが京大型カードに余白も残さずみっちり字を書く人もそうそういないでしょうから、実効サイズとしては同じぐらいと考えてもいいかも。今の若い人にとってiPad miniが京大型カードの代わりになってるんでしょうか?!

 梅棹忠夫が京大型カードの使い方で示唆しているのは

  1)常に持って歩き、どこでも書ける
  2)1枚1項目
  3)写真も貼って同じように扱う

 記入するフォーマットとしては”表題”、”本文”、”記載日”、”連番(複数枚にまたがる場合)”。写真を除けば一昔前ならカード型データベース(*3)ってとこです。

 これって、良く考えると、今スマホや小型のタブレットでツイッターやFacebookしてるのととあんまし変わんないような感じしちゃいますね。1)は携帯性のことだし、3)はまさにマルチメディアだし。2)はというと、ツイッターやFacebookなんてそんなに長々文章書かないから(*4)、おおむね1項目1テーマだし。

 ”いやいや、ツイッターで情報管理なんかしないし”とおっしゃる向きもありましょうが、分析は別の人がやっています。これが今流行りの”ビックデーター”分析ってやつ。ツイートの中身が”本文”、ハッシュタグが”表題”あたりと読み替えるとほぼほぼ似たようなモンかと。これを膨大に集めてきてコンピュータでぶんぶん回していろいろ分析してるのがビックデータってやつ。
 こうやってみると、京大型カードの考え方って、ビックデータの元祖なのかもしれんなぁ・・・

 ”知的生産の技術”は1969年の発行と45年も前の出版(*5)。さすがに”カナタイプライターの勧め”は時流に合わないんでしょうが、これとてワードプロセッサ登場前夜の時代(*6)から見れば先見性とも言えるかも。若い人にもぜひ読んで欲しい名著です。

《脚注》
(*1)遠野物語(筒井康隆 中央公論社)
 岩手県遠野の民話蒐集家であった佐々木喜善によって語られた遠野の説話を民俗学者”柳田國男”が編纂した本。天狗や河童、座敷わらしといったメジャーな妖怪からオシラサマといった土着の物語なんかも載っています。
 詳しくはこちらをどうぞ
(*2)方程式とか覚えるのに使ったな~
 今でも時々高校生らしいのが単語を覚えるのに単語カードを使ってるのを見ますが、さすがに京大型カードは見ませんなぁ。方程式とか歴史の関連なんかを書くには単語帳だと小さすぎて使いづらいですが、京大型カードだと適当な情報量か記入できます。
(*3)カード型データベース
 項目だけが決まっていて関連付けとかはあんまり考慮していないデータベース構造のこと。パソコンの能力が低かった時代はそれでも重宝したんですがねぇ。
 Accessで作るとするとテーブル設定はこんな感じです
   項目名   データ形式   サイズ    備考
  カード番号 オートナンバー  長整数型 主キー設定
  表題     テキスト型     255       任意
  本文    メモ型          (固定)    最大65,536文字
  日付    日付/時刻型   (固定)
  カード連番 テキスト型      13       カード番号+連続番号2桁(間にハイフン)
(*4)そんなに長々文章書かないから
 ツイッターは1つに140文字以内という制限がありますが、実際に効果的な文章というのはツイッターで100文字、Facebookで40文字ぐらいだそうです(Twitter公式ページ)。これは英語の場合ですが、行数(視認性)でいうとまあ日本語でも似たりよったりでしょうか。
(*5)45年も前の出版
 驚いたことに、今でもamazon.comで新品が入手可能。この本学生時代(それでも30年以上前!)に読んだんですが、そのころの本って軒並み絶版。おぢさんの本読みにしかわからん感動かもしれませんが・・・
(*6)ワードプロセッサ登場前夜の時代
 wikipediaによると日本で初めて発売されたワープロは東芝の”JW-10”。本書に遅れること10年後の1987年です。価格は630万円だったそうですが当時の大卒男子の初任給が14.8万円程度でしたので現時点で換算すると900万円弱、メルセデス・ベンツのEクラスあたり(高級車らしい?)が買えそうな価格です。

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