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2014年5月18日 - 2014年5月24日

あのギャグ漫画を力技で怪奇ミステリーの世界に持ってくか!?(こちら葛飾区亀有公園前派出所/小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所/神田川)

 ども、最近はめっきり少年ジャンプも読まなくなったおぢさん、たいちろ~です。
 先日、京極夏彦(*1)ファンで高校時代の友人YO~YO~がこのブログに”小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所”がオススメってコメントくれました。探してみると京極夏彦や石田衣良などけっこうなメンツ。そりゃ読んでみねばなるまいということで、今回ご紹介であります。

写真はたいちろ~さんの撮影。
神田近く、JRお茶の水駅付近の神田川です。

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【本】こちら葛飾区亀有公園前派出所(秋本治、集英社)
 亀有公園前派出所のお巡りさん”両津勘吉”を主人公としたギャグ漫画。通称”こち亀”。連載開始が1976年で現在も連載中、少年誌の最長連載記録のギネス記録保持だそうです。
 しかし両津って失敗ばかりしてる印象ありますが、体力、悪知恵、趣味の分野で見せる驚異的な知識とテクニックと意外にスーパーユーティリティなんですな。
【本】小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所(監修 日本推理作家協会、集英社)
 人気推理作家(大沢在昌、逢坂剛、今野敏、東野圭吾、石田衣良、京極夏彦、柴田よしき)がこち亀を題材にしたアンソロジー
〔ぬらりひょんの褌(京極夏彦)〕
 両津勘吉の上司、大原巡査部長は部下の寺井と中野を訪れた。なんでも昔中野に一週間だけ住んでいたことがあるらしい。だが、そのアパートに妖怪”ぬらりひょん”が出て褌をの残していくという事件が発生。これを契機に大原巡査部長は大いなるトラウマとともに警察官を目指すことになる。長い時を経て、古本屋の老店主から明かされる事件の真相とは? 
【旅行】神田川
 三鷹市の井の頭池から隅田川に合流する東京都内を流れる川。都心の川で全区間で”開渠(蓋などがない水路)”ってのはめずらしいんだそうです。”ぬらりひょんの褌”ではこの川を泳ぐ謎の少年ってのが出てきますが、流路延長24.6kmなのでまあ泳げなくはないかも、やってみたいとは思いませんが。


 本歌取り系コミックアンソロジー(*2)って時々読みますが、ギャク漫画の”こち亀”に本格ミステリーの京極夏彦の組み合わせとはねぇ。なんせ”こち亀”というと山止たつひこの時代の人だから(*3)、読んでわかるかな~と不安を持ちつつ読んで見たんですが、けっこう面白いんですな、これが

 作品的には大原巡査部長に寺井に南極夏彦(*4)というカス作家、そして謎の老人によるかけあいで構成されてます。で、この老人こそとなった京極堂こと中禅寺秋彦! だって”この世の中に不思議なことなど何もないのですよ”で名推理を始めるんですモン! 明には書いてませんが南極夏彦が”版元や媒体を超えた決めゼリフじゃあ”と叫んでますしが、なにか大人の事情があるんでしょうか?
 しかしまあ、あのギャグ漫画を力技で怪奇ミステリーの世界に持ってくか!?

 意外だったのは、作家の京極夏彦そのもので、解説ではこち亀全単行本を精読してるんだとか。それ以外にもこまわり君とか大山昇太とか(*5)さらりと往年のマンガネタを出してくるし、詳しいの妖怪だけじゃないんだな~~
 この小説読んで初めて京極夏彦の顔写真見ましたが、イメージ違ってましたね。写真見るまでは芥川龍之介ばりの苦虫かみつぶしたような顔かと思ってましたが、ご本人は往年の筒井康隆を彷彿とさせる面立ち、なんとほとんどの写真は中禅寺秋彦のコスプレというおちゃめな人だったんですね~~

 意外ついでに言うと、この作品のキーになっているのが”神田川を泳ぐ謎の少年”ですが、地方出身者の私が初めて”神田川”を見た時の印象は”えっ、神田川ってコレ?!” だって、もっと大きい川だと思ってたんですが、実は小川(ドブ?) 有名な川だから単純におっきくて、かぐや姫の”神田川”(*6)みたいなロマンがあるかと思ってたら そんなんね~し。作品中で”塀をよじのぼって”うんぬんの話がでてきますが、まさにコンクリートの塀に周りを固められた川でした。見て見んとわからんもんですな~~

 本書は、京極夏彦意外にも大沢在昌、東野圭吾、石田衣良など人気作家が書いてるだけあってけっこう面白かったです。でもその作家そのものを意外に読んでなかったりして。大沢在昌の”新宿鮫シリーズ(光文社文庫) ”とか東野圭吾の”容疑者Xの献身(文春文庫)”とかなんでまだ読んでないんだろ?
 ああっ、読みたい本がどんどん増えていく!!!

《脚注》
(*1)京極夏彦
 ”百鬼夜行シリーズ(京極堂シリーズ)”を出している推理(怪奇?)小説家。
 YO~YO~がダンボール箱で私んちに送りつけて以来、私もハマってしまいました。
(*2)A本歌取り系コミックアンソロジー
 有名な和歌(本歌)の一節を自分の和歌に取り入れるという表現効果のこと。このようにある作品の主人公や世界観を取り入れてオリジナルの作品にしてるのを集めたアンソロジーってけっこう出版されてます。まあ”パクリ”ではなく”二次著作物”と主張するにはそれなりのクオリティが必要でしょうか? でもボーイズ・ラヴ系はちょっと手が出ません・・・
(*3)”こち亀”というと山止たつひこの時代の人だから
 秋本治は連載当初のころは当時”がきデカ”で人気のあったギャグ漫画家”山上たつひこ”をもじったペンネーム”山止たつひこ”を使ってましたがいりろあって現在のペンネームに変更しました。単行本は現在”秋本治”で出てますが、もし古本屋で”山上たつひこ”名義を見かけたら買い。ちょっとトリビアで遊べるかも。
(*4)南極夏彦
 京極夏彦の小説”どすこい”、”南極”(集英社)に登場するキャラだとか
 こんど読んでみよ!
(*5)こまわり君とか大山昇太とか
 作品中にでてくる某少年警察官が”がきデカ(山上たつひこ 秋田書店)”の主人公”こまわり君”、下宿にいた九州出身の青年は”男おいどん(松本零士 講談社)”の主人公大山昇太かと。
 両方とも出版社が違うので、名前書いてないのかも。
(*6)かぐや姫の”神田川”
 改めて歌詞を読むと若い恋人同士が三畳一間の下宿から赤い手ぬぐいマフラーにして銭湯に行くという現在基準からするとビンボ生活な内容ですな。でも当時の若者はこういった生活にロマンを感じてたんだよな~

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