« メガソーラーのケーブル盗難って、今どきあんたらアパッチ族ですか!(日本アパッチ族/大阪砲兵工廠跡地) | トップページ | だって本棚買う金で 一体 何冊の本が買えると・・・(レモネードBOOKS/レモン) »

インターネットの時代でも、可能性と不信の中で我々は生きてきゃならんのだ(第五の権力/ジャスミン)

 ども、インターネットのそこそこヘビーユーザーなおぢさん、たいちろ~です。
 こんなやくたいもないブログですが、そんでも書き出して6年にもなるんだよな~ なんでこんなこと始めたかというと単に”面白そう”だし”ヒマ”だったから。”インターネットにおける情報発信の意味は”とか”ネットの未来に一石を投じる”なんてしちめんどくさいこと考えてたわきゃありません。
 でも、これが国家だとか社会の改革を目指す勢力にとっちゃ話は別。今までとは別の次元での”力”があるわけです。
 ということで、今回ご紹介するのはそんな人達(とそれに影響される私たち)にとってのインターネットのありようを論じた本”第五の権力”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。近所のジャスミンです

0380


【本】第五の権力(エリック・シュミット、ジャレッド・コーエン、ダイヤモンド社)

  国家権力は”行政、立法、司法”いわゆる三権で統治されている。
  これに加え、20世紀型の報道機関は政府を監視する役割をになう
  ”第四の権力”といわれた
  これからの時代は誰もがオンラインでつながることで
  私たち一人ひとり、80億人全員が新しい権力、つまり”第五の権力”を
  握るかもしれない
 (本書より抜粋)

 インターネットによる国家、革命、戦争、復興などの未来を考察した本
 サブタイトルは”Googleには見えている未来”ですが、内容的には原題の
  The New Digital Age
   Reshaping The Future Of People,
   Nations And Business
 (新しいデジタル時代 人々,国家、ビジネスの未来の再構築)
のほうがしっくりきます
【花】ジャスミン
 モクセイ科ソケイ属の植物の総称。ちいさな白い花をつけてかぐわしい香がします
 チュニジアにおける革命(民主化運動)を”ジャスミン革命(*1)”というのはジャスミンを代表する花が”ジャスミン”だからだそうです。


 この本の感想を一言でいうと

  インターネットやコネクティビティ(*2)の生み出す新しい可能性と
  いにしえから引きずっている国家や反体制への不信の中で
  我々は生きてきゃならんのだ

ということです

 この本の作者は二人で、インターネット世界の諸王のひとりGoogle会長の”エリック・シュミット”と、アメリカ国務長官の政策アドバイザー、米国外交問題評議会や国家テロ対策センター所長諮問委員会のメンバーでもある”ジャレッド・コーエン”。つまり、経済・政治の中枢にある人が書いてる本です。さすがにそんな人達の本ですのでそのへんにあるインターネット論とは一味違います。国家から反体制、革命といった話題までこんだけリアルに語れるのってなかなかないもんなぁ

 この本でユニークだったのは”絶対に正しい主体ってのはない”って前提に立ってるように感じたこと。ネットの遮断や検閲、ハッキングにネット偽装、犯罪や反社会的な行為ですが、これを犯罪者もやれば国家もやる(可能性がある)んですな。国家は政治体制の安定のためにやるし、テロリストは革命のためにやる、ある人や団体はより良い社会を作ろうと(本人は考えてる)したらやるし、犯罪者は利益のためにやる。
 確かにインターネットが生み出す可能性って、個人の生活を良くするし、今までなかった絆ができたりイノベーションを生み出したり、復興なんかでも大きな効果があります。
 一番大きな例としては、全体としては良くない国家を打倒する革命を支援したりもあります(*3)。しかし問題はインターネットは所詮は”技術”であって、それを何のためにどう使うかは”人”がどう考えるかってこと。でもってそれを現実世界にどう反映させてくか。
 かつて(といっても3~4年前ですが)”ジャスミン革命”ってのがありました。この革命であったのが、暴動側が情報共有にFacebookを使っただのYoutubeやTwitterなどのネットメディアも重要な役割を果たしたとか、テクノロジーが革命を後押ししたって話題です(*4) でも、重要なのはテクノロジーがあって革命が起った訳ではなく、元々革命を誘発するような社会的な不満があって、テクノロジーは革命の発露を後押しした(やりやすくした)に過ぎないってことです。

 本書ではそのへんをうまくまとめていて

 ・技術はそれ自体では諸悪を解放する万能薬にはならないが、
  賢明に利用すれば大きな違いを生む
 ・仮想世界は既存の世界秩序を覆したり、組み替えたりすることはないが、
  現実世界でのあらゆる動きを複雑にしていく
 ・国家は2種類の外交政策と2種類の国内政策を、
  つまり仮想世界と現実世界でそれぞれ異なる政策を実行することになる

 本書はどちらかというとインターネットの未来に楽観的ではありますが、かといって楽観的にすぎないだけの見識もあるかな(むしろ国家によっては辛辣かも)。300ページ近い本であんましうまく説明できませんが、ネットの話をするんなら読んどいた方がいいかも。惜しくらむは、もうちょっといい邦題が付けれんかったのかなぁ ぐらいです


《脚注》
(*1)ジャスミン革命
 2010~11年にかけてチュニジアで起こった民主化運動。一青年の焼身自殺事件に端を発する反政府デモが国内全土に拡大し、軍部の離反によりザイン・アル=アービディーン・ベン=アリー大統領がサウジアラビアに亡命し、23年間続いた政権が崩壊した事件(wikipediaより)
(*2)コネクティビティ
 ネットワークへの接続のしやすさなど、複数のものを連結する際の簡易性のこと。本書では携帯電話やスマホとほぼ同義に使われてます
(*3)全体としては良くない国家を打倒する~
 民主主義国家が必ずしも正しい選択をするとは限らないし、独裁者やその一族が支配する国家が絶対的な悪ってのは短絡的すぎるんではないかと。民主主義だって短期的な人気取り政策に迎合すれば中長期的にはあかんたれの国家になっちゃうしねぇ・・・
(*4)テクノロジーが革命を後押ししたって話題です
 よその国の話だと思われるかも知れませんが、社会的な大事件でテクノロジーが大きな役割を果たすってのはままあります。日本でも1995年に発生した阪神・淡路大震災で当時普及期だったパソコン通信やインターネットが災害情報提供に威力を発揮したなんて話題もありましたし。


« メガソーラーのケーブル盗難って、今どきあんたらアパッチ族ですか!(日本アパッチ族/大阪砲兵工廠跡地) | トップページ | だって本棚買う金で 一体 何冊の本が買えると・・・(レモネードBOOKS/レモン) »

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/528774/60768483

この記事へのトラックバック一覧です: インターネットの時代でも、可能性と不信の中で我々は生きてきゃならんのだ(第五の権力/ジャスミン):

« メガソーラーのケーブル盗難って、今どきあんたらアパッチ族ですか!(日本アパッチ族/大阪砲兵工廠跡地) | トップページ | だって本棚買う金で 一体 何冊の本が買えると・・・(レモネードBOOKS/レモン) »

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

無料ブログはココログ