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ぴーがーぴょーろろろろろろー 80~90年代にパソコン通信をやってた世代には感慨深いネタですな(℃りけい/FM-8)

 ども、娘がリケジョなおとうさんのおぢさん、たいちろ~です。
 ”リケジョ”すなわち”理系女子”ですが、どんなイメージをお持ちでしょうか?
 論理的、専門分野にはやたら詳しい、頭の回転が速そうとかポジティブな反面、ファッションには無頓着で常に白衣に眼鏡、コミュニケーションはやや下手だけどマニアックな会話は得意みたいな。
 まあ、ここまで書くと”色眼鏡の狂詩曲(*1)”やカップヌードルのCM(*2)みたいな偏見に満ちたモンでしょうが、うちの娘を見ている限りリケジョも普通の女性です、たぶん。
 ということで、今回ご紹介するのはそんなリケジョな高校生のお話”℃りけい”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。富士通の初期のパソコン”FM-8”です。

Fm84010103


【本】℃りけい。(わだぺん。、青木 潤太朗 (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)
 ゴーグルに耳にスパナな物理部部長の伊藤トノエ、飛行機オタクの曾野彩、全国模試トップレベルだけど変なシャツがお好みの菊池蘭、パソコン大好きな堀聖、怒らせると怖い科学部部長の武者小路真理、”地学マイナー上等”の白衣が似合う”ザ・優秀”な地学部部長の丹波鮎、いつも瞑目する生物部部長の加賀冬美。
 物理部、化学部、生物部、地学部と理系の”サイエンスクラブ(通称 サイクラ)”に集う高校生たちの日常を描く漫画。
【道具】FM-8(FUJITSU MICRO 8)
 1981年に富士通が初めて発売した8ビットパソコン。メインCPU MC6809(モトローラ)、メインメモリは64KB(Mではない!)、外部記憶装置はカセットテープ(これも死語?)を使ってたという今から思えば古色蒼然たるシロモノ。
 当時のパソコンといえばPC-8001(NEC)、MZ-80(シャープ)、ベーシックマスター(日立)、Apple II(アップル)、ちょっと遅れてMacintosh(アップル)という時代。でもこの前ってハードごと自分で組み立てるか、TK-80(*3)みたく基盤むき出し、ディスプレイもなしの時代でしたから・・・


 一言で”リケジョもの”といってもけっこうバリエーションに富んでいます。まあ、物理と化学だけでもやってることはぜんぜん違う訳で、細分化された現代科学では分野だけジャンルがあるんでしょうね。コミック系で私が読んだだけでも

 数学系:数学女子(安田まさえ、竹書房)
     数学ガール(日坂水柯、結城浩(原作)、メディアファクトリー)
 理論物理学:神様のパズル(内田征宏、機本伸司(原作)、ソフトバンククリエイティブ
 水産系:サイエンス・ガールズ! (みりんぼし、飛鳥新社)

 アニメや特撮で女性科学者が出てくるのも、MAGIシステムを開発したエヴァンゲリオンの赤木ナオコ・リツコ母娘とか、ちょっとマッドなロケットガールの化学主任三原素子とか、特捜戦隊デカレンジャーのメカニック担当白鳥スワン(演じるは石野・狼なんか怖くない・真子)とかまあ探せばけっこう出てきます。
 確かに私が現役大学生のころは理系女子って希少生物扱いでしたが、今や4人に一人がリケジョの時代(*4)。女性が機械に弱いなんて今は昔のこと。パソコンだってサクサク使っちゃいます(*5)。

 ということで、今回ご紹介の”℃りけい。”にもパソコン少女が出てきます。自作もok、”ホーリー”こと堀 聖さん、成績優秀、三代続くパソコンオタクの菊池 蘭さん。
 蘭さんの発言から

  かちちち・・・ かちちち・・・ かちちちちちかちちかちちちー
  ぴーがーぴょーろろろろろろー
  ザービヒャランツンヒャランツン ガーーザーージーー
  ・・・ってダイヤルアップトーン式でテレホーダイしてた あの頃よ
  ・・・しかし、「ウッハ これで世界中の人たちとボーダーレスにコミュニケーションだぜ」
  って広まってきたネットがねぇ・・・
  ひきこもりやら匿名のテロリズムやらを助長する技術になろうとはよ・・
  ITとは難しいのう ---

 いや~、80~90年代にパソコン通信をやってた世代には感慨深い発言ですな。前半の擬音なんて、今のインターネット世代にはわからんネタだろうなぁ・・・(*6)
 これに対する物理部部長の伊藤トノエと副部長の曾野彩のツッコミ

  トノエ:・・・久しぶりに蘭ちゃんの「理系ハイ・タイプ懐古」がはじまったな
  彩  :・・・長いんだよな このモードに入ると

 そうなんだよな~ 往年のパソコン少年って年とるとこのタイプになるんだよな~
 オタクという言葉の発生と時期を同じくするパソコン少年って(*7)、時代の先端にも関わらずやれ暗いだのパソコンに向かってぶつぶつやってるだの、チャットなんて文字のやりとりの何が面白だのいわれた迫害の歴史
 まあ、言ってみれば戦中の苦しい時代の話をトクトクとするぢぢいと同じ感覚でしょうか? 本書の中では”理系ハイの中で一番やっかいで、手に負えない”扱いになってますが、暖かい目で見てやってください。今回のブログネタのことです・・・

 ”℃りけい。”は、理系モノの中でも、学問ではなくてクラブ活動として理系やってる作品。その分だけ肩に力が入ってなくて気軽に楽しめるかな。理系離れがうんぬんされている昨今。これで理系に興味を持つ学生が増えればいいかな~~

《脚注》
(*1)色眼鏡の狂詩曲(筒井康隆 中央公論社)
 カリフォルニアのSFファンから送られてきた日本をテーマにしたSF。そこには偏見に満ちた日本人像が・・・
 偏見も突き抜けると笑えるという筒井康隆初期の名作
(*2)カップヌードルのCM
 ”現代のサムライ”篇に登場するお侍さん&集団ヲタク&でんぱ組inc(アキバ系のアイドルらしいです)のコラボによる日本を紹介する?CM。ここまで突き抜けると感心しちゃいます。映像はこちらからどうぞ
 ちなみに日清食品グループの海外売上比率は約18%(総売上4,176億円 内海外737億円 2013年3月期決算より)。グローバルに展開してるんですよね~~ このCMも海外でやってるんかしら?!
(*3)TK-80
 NECが1976年に発売したワンボードマイコンキット。TKはトレーニングキットの略みたいです。CPUはインテルの8080A互換のNEC製μPD8080Aを採用。懐かしい型番やな~~
(*4)4人に一人がリケジョの時代
 理学・工学・農学・医歯薬学の大学学部学生のうち女性の比率は25%(理学26.4%、工学12.0%、農学44.3%、医学32.5%、歯学39.2%、薬学57.6% 2014年度文部科学省学校基本調査より)。さすがに工学系は少ないようですが、農学部なんて半分弱が女性って学問もあるんですね
(*5)パソコンだってサクサク使っちゃいます
 実は私の奥様もブログなんぞをやってまして、奥様友達の中では”パソコンに強い人”ってことになっとるんだそうです。だったら、ファイルのコピペぐらい覚えてくれよ~
 奥様ブログはこちらからだうぞ
(*6)前半の擬音なんて~
 当時はまだ接続先のアクセスポイントに電話をする方式でした。電話をするには黒電話(死語)のようにダイヤルでパルスを発生させるパルス式とボタンを押すトーン式がありまして、”かちちち”はダイヤルを回す(これも死語なんだろうなぁ)音を発生させたものです。”ぴーがー”以下はセッションを確立するための定番の音。
 当時はパソコンのデジタル信号をアナログデータに変換して電話回線に送る方式でしたのでこんな音が聞こえてたんですね。
(*7)オタクという言葉の発生と時期を同じくするパソコン少年って
 ”おたく”の語源については、コラムニストの中森明夫が”漫画ブリッコ”でコミックマーケットに集まる人を”おたく”と命名したのが定説。1983年のことです。
 パソコン史ではベストセラーとなるPC-8001の発売が1979年、写真のFM-8はこのちょっとあとの発売。商用パソコン通信のはしりであるアスキーネットの実験運用が開始されたのは1985年、定額制電話料金の”テレホーダイ”のサービスが始まったのはちょっと下って1995年のことです

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