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”宇宙の戦士”がガンダムの元ネタなら、”エンダーのゲーム”はエヴァンゲリオンの原点でしょうか?(エンダーのゲーム/ファミコン)

 ども、昭和の時代のSFファンのおぢさん、たいちろ~です。
 ”エンダーのゲーム”、やっと読みました。なぜ”やっと”かというと、1990年頃に高校時代のSF読みの友人がこれがお勧めって言ってたのがオースン・スコット・カードの”エンダーのゲーム”に”死者の代弁者(*1)”、デイヴィッド・ブリンの”知性化戦争(*2)”。まあ、勧められてから四半世紀近くほっといたんだから”やっと”だよな~ やっぱり。
 今回、 エイサ・バターフィールドとハリソン・フォード主演で映画化されたのでこれを機会にやっと読んだ次第です

写真はたいちろ~さんの撮影。作並温泉にあったファミコンボックスハンドガン型インタフェースです。
写真撮ったの2011年だけどまだおいてあるのかなぁ

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【本】エンダーのゲーム(オースン・スコット・カード、ハヤカワ文庫)
【DVD】エンダーのゲーム
 (監督: ギャヴィン・フッド、出演 エイサ・バターフィールド、ウォルト・ディズニー・ジャパン)
 人類はコミュニケーションの取れない未知の異星人”バガー”の侵略をからくも二度にわたり阻止した。る侵攻をかろうじて撃退した。その第三次攻撃に備るべく艦隊指揮官を養成するバトル・スクールを創設、天才少年”エンダー”を育成した・・・
 ヒューゴー賞、ネビュラ賞を受賞したSFの名作
(13年に田中一江による新訳版が出ましたが、私の読んだのは野口幸夫の版です)
【道具】ファミコン(ファミリーコンピュータ)
 累計約6300万台を販売したニンテンドーのゲーム機の名作。
 写真のはコインを入れて複数のゲームが遊べるタイプ。選べるのはマリオブラザース、スーパーマリオブラザース、ドンキーコング、ワイルドガンマンなど。懐かしいラインナップですな~ やってないけど。

 さて、”エンダーのゲーム”ってのは名前に合わず実は士官学校モノ(*3)のジャンルでしょうか。主人公のエンダーも小さいころにその才能を見いだされバトル・スクール→コマンド・スクール(司令科)に進み、司令官としてのシミュレーションを行うという流れです。まあ、徴兵制度がなく、エリート養成としては防衛大学校(*4)ぐらいしかない日本ではあんましなじみのないジャンルです。

 本書を読んで最初に思ったのがガンダムネタの”ニュータイプ幻想”とでも言いましょうか。エンダーが国際艦隊(International Fleet IF)から正式にオファーが来たのは6歳!の時。いわゆる”選ばれし子供たち”の話かなと。まあ天才児(*5)なんで確かにそうなんですが。こういうのを読んで”俺(や俺の息子)もなれるかな?!”と思っちゃうんじゃないかと。読み進んでいけば、以前読んだ”僕たちはガンダムのジムである(*6)”じゃないですが、みんな凡人なんだから、そりゃ無理ってもんです。

 てなことを考えて読んでくと、なんとなくこの本って”エヴァンゲリオン”あるいは”ガイナックス(*7)”の原点じゃないかと思いましたね~
 ネタバレになりますが、こんな感じ

〔主人公がいじめられっ子〕
 後半で指揮官となったあとはともかく、前半のエンダーってけっこういじめられっ子。スクール校長のグラッフ大佐が意図的にそうしている点もありますが、そりゃ6歳(小学校1年生!)でエリート養成学校にいれば軋轢はあるんでしょう。でもはみ子にされて孤独になってるって碇シンジ君? そういえば、映画公開に伴って作成されたポスターで自信なさそうな表情のエンダーや、”僕はいらない子なんだ”ってなんとなくシンジ君っぽいしな~ まあ、やられっぱなしじゃないとこは似てませんけどね

Photo

〔大人にいいように扱われる子供たち〕
 学校なんで先生の言うことを聞くのはわかりますが、先生=大人がなかなかの曲者。最終のバトルシーンなんて子供たちを罠にかけてるようなもんだもんな~~
 グラッフ大佐なんて冬月先生の仮面をかぶった碇ゲンドウみたいなとこあるし

〔コミュニケーションのとれない訳のわからん敵〕
 人類vs人類の戦いってのは異なる国家間であれコミュニケーションは取れるし、多少なりとも同一の共通認識はあるわけです。で、SFの世界ではコミュニケーションは取れても共通認識がないのでまったく話がかみ合わないケースがあります。でも、コミュニケーションすら取れない(ていうか意思を伝達する手段がない)ってのもありまして、本書での”バガー”がこれ。まったく話し合いの余地なく攻めてくる敵って”使徒”そのものです(カオル君を除く)です

〔バガーの脅威が終わったらすぐ人類同士でドンパチ〕
 エンダーの世界では、エンダーのおかげでバガーの脅威が去ったとなるや、いきなりアメリカとワルシャワ条約機構(*8)が覇権をめぐって戦争状態に。エヴァンゲリオンでも最後の使徒がいなくなるとゼーレによる特務機関NERVのせん滅作戦が発動。
 そんなアホなと思われるかもしれませんが、リアル社会でも冷戦構造が終結し米ソの脅威がなくなると民族紛争が続発してるんだから、まんざら絵空事でもないのかと・・

〔バガーの母星を攻撃するってカルネアデス計画?〕
 ”エンダーのゲーム”では第三次侵略を防ぐためにバガーの母星を攻撃するって話が出てきますが、これってまさに同じガイナックスが作成した”トップをねらえ!”で出てくる”カルネアデス計画”の相似形。木星を圧縮して建造された超巨大ブラックホール爆弾”バスターマシン3号”を使って宇宙怪獣の巣を中心核ごと消滅させるという作戦。

 こうやって見てくと”選ばれし子供たち”ってのもエヴァンゲリオンのパイロットかもしんないなぁ

 ガイナックスの創設メンバーってのは元々関西の大学SF研究会の集まりで”エンダーのゲーム”が出版された1987年(原書は1985年)は30歳前後。絶対にこれ読んでたんだろ~な~
 ついでながら,ファミコンがアメリカで販売されたのが1985年(日本では1983年)、アタリのテレビゲーム”Atari 2600”はそれに先立つ1977年。ちょうどソフトを交換してゲームができるようになる黎明期のころ。やっぱりSFも時代を反映してるんだろ~な~。
 まあ、ガンダムのモビルスーツの元ネタになった”宇宙の戦士”(ロバート・A・ハインライン ハヤカワ文庫)が書かれたのが1959年とバリバリ冷戦時代だったんだから、やっぱりSFも時代の申し子ということで。

PS.DVD版について一言
 冒頭で出てくるエンダーに喧嘩を売ってくるいじめっ子”ディンク・ミーカー”(原作ではスティルスン)。なんと日本語版でこの人の声を演じているのが、ドラえもんのジャイアンの声の人(木村昴)
 この時点で一気に緊張感がぬけちゃって、そのまま最後まで観ちゃいました・・・

《脚注》
(*1)死者の代弁者(オースン・スコット・カード、ハヤカワ文庫)
 ”バガー”との戦争から3000年後。銀河に進出した人類は第2の知的生命体”ピギー”と遭遇した。バガーとの戦いの反省から慎重にピギーとのコンタクトを図る人類。しかし、異類学者のピポがピギーに残忍極まりない形で殺されてしまった・・・
 ”エンダーのゲーム”の続編。次に読む予定です
(*2)知性化戦争(デイヴィッド・ブリン、ハヤカワ文庫)
 太陽系外に進出した人類は銀河系が”列強諸属”と呼ばれる異種生命体たちによって制覇されていることを知る。”列強諸属”は準知的生物を知性化して自らの従僕”類属”として自らを”主属”として君臨していた。
 すいません、まだ読んでません
(*3)士官学校モノ
 いわゆる軍隊のエリートを養成する学校でのお話。アメリカだと”愛と青春の旅だち”(監督 テイラー・ハックフォード、主演 リチャード・ギア)や、”トップガン”(監督 トニー・スコット、主演 トム・クルーズ)なんてメジャーなのがあります。SFでも”スタートレック”(監督 J・J・エイブラムス、出演者 クリス・パイン)でジェームス・カークが宇宙艦隊アカデミーに入学するなんて話が出てきますが、けっこうメジャーなジャンルなんでしょうか?
(*4)防衛大学校
 自衛隊の幹部自衛官を養成する学校。代々木ゼミナール合格難易度だと人文社会/前期・後期が偏差値63、理工/前期が59、後期が57となかなかの難関校。高校時代の友人が行きましたが、どうしてんだろ~な~
(*5)天才児
 英語では天才児を”gifted child ”というんだそうです。”天賦の才”という感じでしょうか。
(*6)僕たちはガンダムのジムである(常見陽平 ヴィレッジブックス)
  世の中は1%の「すごい人」(ガンダム)ではなく
  99%の「その他大勢」(ジム)が動かしている。
(本書オビ説明より)
 世の中の大半は凡人なんだから、あんまし大それたことは考えないように、という本
(*7)ガイナックス
 ”新世紀エヴァンゲリオン”、”ふしぎの海のナディア”、”トップをねらえ!”などを作成した会社。メンバーには岡田斗司夫、山賀博之、庵野秀明などのちのアニメシーンに多大なる影響を与えた才能がてんこ盛りです
(*8)ワルシャワ条約機構(正式名称は”ワルシャワ相互防衛援助条約機構”)
、リアル世界での”ワルシャワ条約機構”は冷戦期の1955年にソビエト社会主義共和国連邦を盟主に東ヨーロッパ諸国が結成した軍事同盟。1991年に解散しましたが、”エンダーのゲーム”が書かれたのが1985年ですので、まだこの条約が生きていた時代。もっとも、このころに冷戦構造がなくなるなんてだれも考えてなかったしな~

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コメント

選ばれし子供というと、母親の胎内にいる状態で、将来男女の双子として生まれるはずの二人を1人に合成されてしまい、子供の頃はランダムに男女が入れ替わるのでいじめられ、大人になってからは自由に男女を使い分けられるようになったという人。
これでわかる人はえらい!そうです、”ベルクカッツェ”ですね。受胎の段階で総裁Xに選ばれてしまったというのはどうなの?20年くらいあとで地球征服の指揮を執らせるためにとは、なんとも気の長い話ではあるよね。

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