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呪いは既に術者の手を離れて、それ自身が意思を持つようになった・・・(魔女は甦る/カラス)

 ども、一時期ハーブ作りにはまっていたおぢさん、たいちろ~です。
 あれば料理にいろいろ使えるだろうってことで、ローズマリーやらセージやらディルやらフェンネルやらマジョラムやらと手あたり次第に植えてみました。でもまあ、考えてみりゃけっこう大きく育つわりには料理に使うのは少量なわけで、結局残ったのはシソ、山椒、バジルぐらいです(*1)。
 この手のものを作っている分には趣味の園芸の世界ですが、これが脱法ハーブとなりゃ話は別(*2)。さすに”ハーブ”って名前がやさしすぎるのか呼び方を見直す動きが出てるようですが、これは麻薬の一種なんでしょ! こんなもん摂取して精神がアジャパ~な状態になるようなモンを使って車の運転なんかしちゃいかん訳です。
 ということで今回ご紹介するのは、”脱法ハーブ”どころじゃないアブナイ薬の出てくるお話”魔女は甦る”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。舎人公園にいたカラスです。
(花の写真を載せたかったんですが、さすがに、麻薬系の植物の写真なんかもってませんので・・)

3240043


【本】魔女は甦る(中山七里 幻冬舎文庫)
 製薬会社の”スタンバーグ社”の研究員”桐生隆”が肉片となった死体になって発見された。埼玉県警の”槙畑啓介”らは捜査を始めるが、研究所は2ケ月前に閉鎖され会社からは立ち入り検査さえ拒否、研究所員らの消息すらつかめない状態だった。また、桐生の死の原因を追う彼の恋人で薬科大学生”毬村美里”の存在が・・・
【動物】カラス(烏、鴉)
 スズメ目カラス科の総称。鳥類のなかでも最も知能が発達しているんだそうで、ある程度の社会性を持って協力したりするんだとか。
 カラスのイメージっていうと良いモンと悪いモンの両極端のようで、前者が神武天皇の東征に登場する”八咫烏(やたがらす)”や、ノアの洪水で最初に放たれたのが鴉とか。後者は悪魔や魔女の使い魔など。


 ハーブの効用ってのは、胃腸の調子を整えたり利尿効果があったりお肌に良いといういわゆる”薬”に近いものから、気分を落ち着かせリラックスさせるというのもあります。つまり精神に作用するってとこだけで括ると、違法だろうが合法だろうが脱法だろうが同じ。じゃあ何が違うかというと効果が社会生活において良い方向に向かうかヤバイ方向に向かうかと、効果が極端に走るかどうかということ。心をリラックスさせるのは良い方向だし、ハーブティーをがぶ飲みしたって暴れまわることはないでしょうが、麻薬みたく正常な判断を無くして車で暴走するなんてのは悪い方向。
 ところがやっかいなのが、悪い方向が必要とされるような状況ってのがあるワケでその最たる例が”戦争”。つまり殺人を犯す禁忌の判断能力を奪って、恐怖に対する感覚を無くした、つまり”攻撃本能”を拡大した兵士ってのはまあ、求められるワケです。
 ネタバレになりますが、こんなことができる”ヒート”ってのが本書に出てくるスタンバーグ社の開発した薬で、これをめぐって桐生隆バラバラ殺人事件やら嬰児誘拐事件が発生するのが本書のストーリーです。

 で、この手の薬のもう一つの問題点ってのは、コントロールが効かずに暴走し始めること。正常な判断能力を失うってことは服用した人そのものがコントロールできない状態になるわけですが、それが社会に与える影響もまたコントロールできなくなるってコトです。槙畑啓介が毬村美里に語った言葉

  これは現代に甦った魔女の物語だ
  人間不信に陥っていた○○という魔女の末裔が、
  その怨念から人の世に災いを為すような呪いをかけてしまった
  途中で気が変わって呪いを解除しようとしたが、
  呪いはすでに術者の手を離れて、それ自身が意思を持つようになった・・・
  人が憎悪の呪縛から逃れられない限り、魔女はいつでも何度でも甦る

 まあ、憎悪だけでなく銭儲けなんかもあるんでしょうが、思惑を外れて制御できなくなった状況てのはだれも幸せにしないんでしょうねぇ 麻薬やドラッグの恐ろしさってのはまさにここにあるんじゃないかと。
 本書ではこれに”カラス”の暴走までからんできて謎が謎を呼ぶ状況に・・・

 しかし、作者の中山七里って本書や”連続殺人鬼 カエル男(*3)”みたいな救いのない話もあれば”岬洋介シリーズ(*4)”みたいに音楽を通じて癒しのある推理小説もありと両極端な資質の持ち主なんだな~~ どっちかこの人の本質に近いんだろう?
 最近この人の作品はまっててて、暴走ぎみに読んでます。ひょっとして中毒?!
 面白い本ですので、ご一読のほどを

《脚注》
(*1)シソ、山椒、バジルぐらいです
 シソはシソジュースに、山椒は新芽をおすそわけ。バジルはオリーブオイルと混ぜてジェノベーゼソースにして、こちらもおすそ分け。まあ、使いでと保存がきくかどうかで残ったっててこでしょうか。
(*2)脱法ハーブとなりゃ話は別
 ”脱法ハーブ”ってのは、合成カンナビノイド(マリファナなどの主成分)を含んでいる薬物の中で法律の取締りの対象外のもの。つまり法の規制が追いついていないだけの麻薬なんでしょ?
 ちなみに合法、違法を問わず正常な運転が困難な状態やその恐れのある状態で車を運転して人を死傷させると”危険運転致死傷”に問われるそうです。
(*3)連続殺人鬼 カエル男(中山七里、宝島社文庫)
  口にフックをかけられ全裸で吊るされた死体。これが飯能市連続殺人事件の始まりだった。”きょう、かえるをつかまえたよ”という幼児性を持った犯人はマスコミから”カエル男”と名付けられた。埼玉県警捜査一課の渡瀬警部と若手刑事の古手川は捜査に従事するが犯人の手掛かりは杳として知れず、警察への不信はつのる一方だった・・・
 詳しくはこちらをどうぞ。
(*4)岬洋介シリーズ
 若手ピアニストであり、名探偵でもある岬洋介を主人公としたシリーズ。
  さよならドビュッシー、おやすみラフマニノフ、いつまでもショパン
 要介護探偵の事件簿(ともに宝島社)
 いずれも面白いので、ご一読のほどを

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