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5年前のパニック? そんな昔のこと覚えていないね。明日の相場? そんな先のことはわからないよ。(リーマン・ショック 5年目の真実/蛇口)

 ども、最近どんどん物忘れの激しくなってくるおぢさん、たいちろ~です。
 特に最近何があったかなんてのはどんどん思い出せなくなって・・ 若いころだとそうでもなかったと思うんですが。例えば学生や20代前半あたりの人に”2008年=5年前に何があった?”と聞けばだいたいすらすら出てきそうですが、おぢさんはダメですね~~ まあ、学生とかだとイベントベースがはっきりしているので、連想が効くんでしょうが、歳をとると年年歳歳似たようなことの繰り返しが増えるしなぁ
 ということで今回ご紹介するのはそんなちょっと昔の金融大パニックの話”リーマン・ショック 5年目の真実”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。私んちの蛇口です。

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【本】リーマン・ショック 5年目の真実(日本経済新聞社編 日本経済新聞出版社)
 2008年9月15日、アメリカの大手証券会社”リーマン・ブラザース”が経営破綻。後に”リーマン・ショック”と呼ばれる経済パニックの引き金が引かれた。事態を収束すべくアメリカ政府やFRB(*1)、世界の中央銀行関係者、金融業界が懸命の努力を続けるが・・
 日経新聞に掲載された”混沌の先 リーマン・ショック5年”をまとめて加筆した本
【道具】蛇口
 私の今住んでる所は昔の建物なので”上げ止め式”(上げると水が止まる)、比較的新しい自宅は”下げ止め式”。阪神大震災の時に”上げ止め式”だと落下物で水が出っぱなしになったので下げ止め式に変わっていったという話を聞きましたが、けっこう説得力あるんだよな~~
 中央銀行による資金提供蛇口にたとえて表現することがありますが、景気の下落で水が出るなら”上げ止め式”でしょうか?


 さて、2008年に何があったかというと、今回のテーマであるリーマン・ブラザースの破綻以外にも、”Change Yes We Can!”を叫んでバラク・オバマが第44代アメリカ合衆国大統領に就任し、福田康夫首相が”あなたとは違うんです”と捨て台詞を残して辞任し、麻生・ローゼン・太郎閣下がその跡を引き継ぎ、中国四川省で大地震(マグニチュード8.0)が発生し、北京オリンピックが開催され、松下電器産業が”パナソニック”になり、”レッドクリフ”と”崖の上のポニョ”が公開された年です。ちなみに、秋葉原通り魔事件が発生し、続幼女誘拐殺人事件の宮崎勤が死刑執行されたのもこの年です。ちょっとは思い出しましたか?

 前置きが長くなりましたが、政治・経済の本ってのはリアルタイム系と振り返り系ってのがあると思っていましてこの本は後者。本とかマスコミの論調ってのはその時のムードに多大な影響を受けるモンですんで、リーマン・ショックに先行する住宅バブルってのも当時としてはそんなにネガティブな反応一辺倒ではなかったように思いますし、遠因となった金融緩和政策をとったFRBのグリーンスパン議長(*2)だって当時は”マエストロ(巨匠)”といって持ちあげていたし。

 この本は当時の当事者のインタビューを交えて振り返って何が起こってたのかを検証するって内容ですが、こう言う歴史に学ぶって姿勢は結構重要なんですね。なんとなれば、サブプライム問題やリーマン・ショックを見てそのころ思ってたんは”アメリカは日本のバブル崩壊を見てなかったんかい! 反面教師が身近におったやろが!!”ってこと。

 

バブルってのは簡単に言うと、1985年のプラザ合意による急激な円高が引き金になってカネ余りになって、株式や土地にカネが流れて、お金をバンバン使ってもOK!みたいな雰囲気になって、気が付いたら実態経済とかけ離れちゃって、パン!

 

サブプライム問題ってのは簡単にいうと、低金利政策と持ち家推進が引き金になって、貧乏人に金を貸してもリスク分散できる手法(証券化)が開発されて、”家の値段=資産価値が上がるからお金をバンバン使ってもOK!みたいな雰囲気になって、気が付いたらリスクがどこにあるか分かんなくなって、パン! その加害者にして被害者の一つがリーマンブラザースってワケです。

 この手の話ってのは当事者から見える風景ってのはけっこう違うモンで、本書でも元リーマンブラザース証券(日本)元社長やらAIGの元会長やら元金融庁長官やら三井住友FGの会長やらが出てきます。私の感銘が深かった人を一人上げると、サブプライムローンの設計に使われた信用リスク算出式を開発したデビッド・リー(*3)の言葉

  結果的に金融商品の魅力を高めるのに数式が使われたとしても
  金融危機のにして原因を作ったとは思わない
  新たな金融商品はすでに急拡大しており
  (それを正当化する)尺度が必要だったのだと思う

  1種類のリスクを想定した数式を当てはめるのは適当ではない
  そう、何度も訴えたが、理解を得るのは難しかった

  方程式は万能ではない。理論、適用の両面において問題があり
  そのことを皆がしっかり理解すべきだった

  金融工学は常に目の前の問題を解決するために生まれた
  金融商品を売りつけるために開発されたのではない

 たった3ページの記事ですが、なかなか含蓄の深いものがあります。

 余談ですが、お題の”5年前のパニック? そんな昔のこと覚えていないね~”の元ネタがこれ

  イヴォンヌ:昨日なにしてたの?
      Where were you last night?
  リック:そんな昔のこと覚えていないね。
      That’s so long ago.I don’t remember.
  イヴォンヌ:今夜会える?
      Will I see you tonight?
  リック:そんな先のことはわからないよ。
      I never make plants that for ahead.

 これは、往年の名画”カサブランカ(*4)”の名文句。ハンフリー・ボガート演じるリックが付き合っていたイヴォンヌをふる時の会話です。まあ、ボギーがやればカッコイイセリフですが、経済のかじ取りやってる人や人様のお金を預かってる人が同じこと言われてもな~~
 ということで、時々、こういう過去を振り返る本ってを読んでみるのもいいかも。本書の”はじめに”でも”10年後、20年後にリーマン危機を振り返る材料になれば幸いです”と書いてますが、社会を幸いにするためにも読んどいたほうがいいかも。

《脚注》
(*1)FRB
 金融政策の策定と実施を任務とする経済を安定させるために、アメリカに12ケある連邦準備銀行 (Federal Reserve Banks FRB)を統括するのが連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board FRB) 。
 両方とも略称が”FRB”ですが、○○議長(Chairman)と呼ばれるのは連邦準備制度理事会の長の方。
(*2)グリーンスパン議長
 1987年から2006年までFRBの議長を務めた人。
 低金利政策をとったのは確かですが、べつにリーマン・ショックの責任がこの人だけにあるわけじゃないんだから、そんなに手のひら返したような言い方せんでもいいと思うんですが・・・
(*3)デビッド・リー
 証券化商品の債務不履行リスクを算出する”ガウシアン・コビュラ”を開発したJ・P・モルガンの調査担当者。この人の話は”愚者の黄金”(ジリアン テット 日本経済新聞社)にも出てきますので、ご興味のある方はそちらもどうぞ。
(*4)カサブランカ(監督 マイケル・カーティス、ワーナー・ホーム・ビデオ)
 親ドイツのヴィシー政権の支配下にあったフランス領モロッコのカサブランカを舞台にしたラブロマンス映画。”君の瞳に乾杯”の名言に”時の過ぎゆくままに(As Time Goes By)”の名曲にとお勧めの名画です。

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