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あ~あ~デブ~ マイスイートウイルデブ~ う~うう~ 太った悪魔~♪(どすこい/走る取的/銀杏)

 ども、中年になったらデブってもしょうがないかな~~と思ってるおぢさん、たいちろ~です。
 カラオケってあんまし好きでないんですが、モチネタの中に”○○さんに捧げる替え歌シリーズ”ってのがあります。まあ、会社の人をネタに替え歌を作るってたわいのないモンですが、この中にデブのSさんネタ(*1)でこんなんあります。

 あ~あ~デブ~ マイスイートウイルデブ~ 
 う~うう~ 太った悪魔~♪

元の曲はご存知、キャンディーズの往年の名曲”やさしい悪魔(*2)”です。
 ということで今回ご紹介するのはそんなデブ話、京極夏彦の”どすこい”&筒井康隆の”走る取的”であります。

上の写真はたいちろ~さんの撮影。名古屋銀杏並木の銀杏
下の写真は四季通販のhpより。お相撲さんの髪型”大銀杏”です。

08120802
Photo

【本】どすこい(京極夏彦 集英社)
 元禄時代、12月14日雪の降る夜、吉良家を目指して進む四十七人の男たちがいた。主君、浅野内匠頭の敵を撃つべく大石内蔵助に率いられた四十七士・・・ ではなく四十七人の力士であった。四十八手を次々決め吉良家の侍たちを倒す力士たち。そして最後に残った吉良上野介と横綱大石山との結びの一番が始まる(四十七人の力士
 ”地響きがする―と思って戴きたい”という出だしで始まる力士パロディ小説集。
【本】走る取的(筒井康隆 新潮社)
 学生時代の友人とスタンド・バーで呑んでいたおれは太った友人を相撲取りみたいだと笑っていた。ところがそのバーに相撲取りが居合わせており、俺達をすごい眼で睨んできた。彼を挑発したおれ達は店を出たが、そのあと相撲取りに追いかけられるはめになった。逃げても逃げても追いかけてくる相撲取り。追い詰められたおれと友人は・・・
(”懲戒の部屋―自選ホラー傑作集”、”メタモルフォセス群島”に収録)
【花】銀杏(いちょう)
 裸子植物門イチョウ綱の木。葉っぱが扇形なので見ればわかります。
 お相撲さんの髪型で”大銀杏(おおいちょう)”というのがありますが、確かに後ろからみればそんな感じです。wikipediaで見て初めて知ったんですが、”取的”というのは通常序二段や序ノ口などを指す言葉で、髷(まげ)は丁髷姿大銀杏が結えるのは一部を除けば十両以上の関取が結うもんだそうです。本書の中で”大銀杏じゃなく、丁髷だものね。取的ってやつさ”という発言が出てきますが、なるほどね~


 さて、推理作家にして妖怪研究家、膨大な知識と明晰な頭脳で憑物を落とす京極堂を主人公とする”百鬼夜行シリーズ”の作者である京極夏彦が何故にこのような小説を書いたのか? その謎は”脂鬼”の中で京塚昌彦をして語らせたこの一言にある

  笑かそうと思って書いたんだよう
  僕だってたまには書きたいよギャグ

 いや、気持ちはわかりますがここまでやりますか! なんせ題名が”パラサイト・デブ”に”すべてがデブになる”に”土俵(リング)・でぶせん”だもの。で、登場するのがすべてデブ=相撲取りなんだもの。ここまでよ~やるってのが正直な感想。出色なのが美人で優秀な編集者でプッツンすると凶暴にキレまくる”Cちゃん”。これがモデルになった編集者がいたらお会いしてみたいな~ってキャラ。いや、いそうだけど。なんせ、へたれぞろいの作者たち(月極夏彦とか南極夏彦とか)をしばきあげつつ真相に迫る(迫っているか?)迫力は満点。この本を勧めてくれた友人のYO~YO~氏が(*3)”筒井康隆”と評してましたが、このぶっ飛び具合はまさに往年の筒井康隆ですな~~
 それでも、最後の最後で妖怪モノで落とすのは、さすがに京極夏彦と言うべきか。

 筒井康隆が出てきたところで、こっちからも相撲取りネタを一本。モダンホラーの傑作”走る取的”であります。今の若い人だと筒井康隆って”時をかける少女”の原作者かもしれませんが、この小説は発表された1975年ごろって、ナンセンス、ブラックユーモア、スラップスティックなSFでノリノリだったころ。ストーリーは上記の通りですが、そりゃあもう、相撲取りがトラウマになりそうな一品。京極夏彦もだいたい私と同じぐらいの歳なんですが、若いころ読んでたんじゃないかな~

 最後に取的に追っかけられないようにフォローを一つ。
 相撲取り=デブというのは実は間違いで、お相撲さんってすごい筋肉質なんだそうです。ずいぶん昔の”所さんの目がテン!”(*4)でやってたんですが、お相撲をCTスキャンで調べたところ、厚い脂肪の下にすごい筋肉が隠されてるんだとか。まあ、そうじゃなければあんな巨体を投げたりできんわな~


《脚注》
(*1)デブのSさんネタ
 私んとこの部署では”3大デブ”の一人だったんですが、転勤でしばらく見ないうちにすんごい痩せてました。何があった、Sさん!
(*2)やさしい悪魔
 1977年にリリースされたキャンディーズの13枚目のシングル。作詞は喜多條忠、作曲は吉田拓郎。原曲は下記のとおり。聴きたい方はこちらをどうぞ。
  AH! Devil my Sweet Little Devil
  UH やさしい悪魔

(*3)この本を勧めてくれた友人のYO~YO~氏が
 最初に勧めてくれたのが”小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所”(監修 日本推理作家協会、集英社)に収録された”ぬらりひょんの褌”というこち亀のパロディ小説。こっちも面白かったです。詳しくはこちらをどうぞ。
(*4)ずいぶん昔の”所さんの目がテン!”
 日本テレビの科学番組”所さんの目がテン!”の”相撲の科学”(1998年1月25日放映)です。HPのアーカイブで見れますのでご興味のある方はこちらをどうぞ。

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コメント

どすこいを読んだのなら、お気楽に読める”豆腐小僧”はいかが?
妖怪小説なんですけど、ぜんぜん怖くないし妖しくもない。
京極夏彦の妖怪観がわかります。
ちなみにこれ、アニメ映画になってますので。豆腐小僧の声はあの深キョンです。

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