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江ノ島で猫見て思い出したんですか、あのネットの事件ってどうなってるんでしたっけ?(ネットフォース/江ノ島の猫)

 ども、ネット犯罪ができるほどITリテラシーが高けりゃいいな~と思っているおぢさん、たいちろ~です。
 会社の同僚がペーパーバック(*1)を読んでました。”ナニ読んでるの?”と聞くと”トム・クランシーのネットフォース”との答え。おおっ、トム・クランシー! 初期のころのライアン・シリーズ(*2)なんか良く読んでたんですが、最近はご無沙汰。
 ということで、久々のトム・クランシーということで、今回ご紹介するのは”ネットフォース”、英語で読む根性がないので(というか、それ以前に英語力がないので)日本語版です。


写真はたいちろ~さんの撮影。やる気のない江ノ島の猫です
(事件とはなんの関係もありません、たぶん)

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【本】ネットフォース(トム・クランシー、スティーブ・ピチェニック、角川文庫)
 2010年、FBIはインターネット犯罪に対処すべくコンピューターのエキスパートによる特殊部隊”ネットフォース”を設立した。
 テロリストにより、”ネットフォース”の司令官が暗殺された。司令官を引き継いだ”アレクサンダー・マイケルズ”は副官で武術シラットの達人”トニー・フィオレラ”、スーパープログラマーの”ジェイ・グリッドリー”、実戦部隊の指揮官”ジョン・ハワード”らとともに、捜査を開始する・・・
【動物】江ノ島の猫
 元々、江ノ島って猫の多いとこだったそうですが、ネットで見ると最近減ってきているとのこと。どうも何者かが連れ去っているらしいです。野良猫が多くて問題になることもありますが、平和に生きてる猫を無理やり連れ去るってのもどうかと思います。
(写真家 関根啓介氏のブログを参考にさせていただきました)


 さて”ネットフォース”ですが、さすがにネットのスペシャリスト集団だけあって、バーチャル・リアリティ(VR)上で偶然遭遇したネットワーク・テロリストの”ヴラディミール・プレハーノフ”をスーパー・ハカーの”ジェイ・グリッドリー”がプログラミングのスタイルで特定してくなんてのが出てきます。

  やつのスタイルはつかんでいるので、ネットで出くわせばわかります
  画家と同じです。ピカソの作品は、見ればわかるし、
  ルノワールとはぜんぜんちがうこともわかります
  スタイルを見れば正体がわかります。
  やつは腕がよすぎて、才能をぜんぶ隠しきれてない
  どんなに隠そうとしても、ある程度は表にしみ出てくるものです

 昔、プログラミングの教育を受けたことがあるんですが、その時”職人芸的なプログラムを書いてはいけない”ってなことを言われました。これは、ほかの人がメンテナンスが出来なくなるから。まあ、標準化する(だれが読んでもわかって修正しやすい)ことでメンテナンス性を向上させよってことです。
 ですんで、スタイルで犯人が分かるってちょっと違和感があったんですが、考えてみりゃ、犯罪的ハッキングのプログラムなんてほかの人がメンテするなんて考えちゃいないでしょうし。プレハーノフは芸術的なまでの凄腕プログラマーなんでしょうな。実際社会インフラにひょいひょい侵入してパニックを引き起こしたりとネットでやり放題な人だし。

 一方、司令官のマイケルズって、あんましプログラムがど~のこ~のってエピソードはなくて、趣味は車いじりで、別れた奥さんに未練たらたらのおじさん。もてるみたいだけど。元司令官の敵をとるとか言いながら、事件が解決できないと首が飛ぶとか、仕事といえばグリッドリーの報告を聞いて、ハワードに他国から犯人を拉致ってこいという無茶ぶりな幹部社員。まあ、うちの会社だって幹部社員自らプログラムを組むなんてこたやってませんが・・・

 ユニークだな~と思ったのは、”ネットフォース”という組織、ネットのスペシャリスト集団にも関わらず実戦部隊が指揮下に組み込まれてるってこと。言って見ればネット上の捜査機能とリアル社会の逮捕機能が一体となってるってことです。まあ、日本で言えば科捜研の指揮下に土門警部補がいるようなモンでしょうか(*3)。
 確かに、”ネットフォース”は現場捜査もやっちゃいますが、ネット上ではあくまで犯人を捜査・特定するだけで、実際に逮捕するのはリアルワールドでやること。ネット上で”犯人めっけ!”ってやっても実際に身柄を拘束しないと逃げられたと同じです。ですんで、逮捕する人が同じ指揮命令系統にいるほうが効率的っちゃ効率的です。実戦部隊のハワードにチェチェンでプレハーノフを拉致らせたのは自分の指揮下にいたからでしょうが、ちょっとやりすぎじゃないかと・・

 ネット上の犯罪を逮捕したので思い出されるのが”パソコン遠隔操作事件”。人のパソコンを遠隔操作、踏み台としてネット上に襲撃や殺人などの犯罪予告載せるという典型的なサイバー犯罪の一つ。で、容疑者がネット上の捜査で逮捕されたかっつーと(*5)、猫の首にSDカードをくっつけたって犯人の証言から江ノ島での防犯カメラの映像で逮捕に至るというべたべたなリアルワールドでの話。ネット犯罪って、ネットやらストレージやらのログデータなんかで犯人に迫る!ってんでしょうが、実際にはそんだけでは犯人に迫るの難しいんでしょうねぇ 思わず江ノ島で猫を見て思い出しちゃいました。

 ”ネットフォース”の裏表紙には

クランシーが圧倒的なリアリティで現代社会に警告する近未来サスペンス

 って書いてありますが、この小説の舞台は2010年。書かれたのは1998年(*6)のこと(日本の出版は1999年)。まあ、今読むと過去から見た未来をすでに過去として見てることになります。まあ、バーチャルリアリティの描写なんかはそこそこ実現してるし、AR(*7)なんて小説を追い抜いちゃってるし。ネット上のバーチャルワールドはそこまではいってない感はありますが(そういや”セカンドライフ”ってど~なってんだっけ?)、ちょっと前の人が見てる未来図がハードに展開される世界観ってのも読みどころかも。全6作のシリーズなんでぼちぼち読んでみましょう。


《脚注》
(*1)ペーパーバック(paperback)
 日本でペーパーバックというと厚紙の表紙でない洋書のことを指します。高校時代に”スタートレック”(当時はまだ”宇宙大作戦”と言ってましたが)をペーパーバックで読んでた先輩がおりまして、カッコイイ~とか思ったモンです。
 本来は硬いカバーの表紙で覆われた”ハードカバー”の対義語なんだそうですがこの区分で言うと最近コンビニで売ってるカバーなしのコミックも”ペーパーバック仕様”なんですが、ずいぶんイメージ違うな~~
(*2)ライアン・シリーズ
 CIAの情報分析官”ジャック・ライアン”を主人公とするトム・クランシーの小説。”レッド・オクトーバーを追え”、”愛国者のゲーム”、”いま、そこにある危機”とか初期の作品は原作も読んだし、DVDも見たな~
 後に大統領補佐官を経て大統領に就任。って、アメリカ版”島耕作”(弘兼憲史、講談社)みたいな人?!(こっちは読んでないけど)
 ”エージェント:ライアン”としてカーク船長こと”クリス・パイン”がライアン役で映画が公開。
(*3)科捜研の指揮下に土門警部補が~
 ”科捜研の女”(テレビ朝日)では京都府警科学捜査研究所(科捜研)の榊マリコ(沢口靖子)らの鑑定に基づいて、京都府警捜査一課の土門警部補(内藤剛志)が犯人を逮捕するという機能分担になってます。
 そういや、”怪奇大作戦”(円谷プロダクション)に”SRI(Science Research Institute 科学捜査研究所)”ってのが出てきましたが、こちらは民間組織なので逮捕とか以前の話です。
(*5)容疑者がネット上の捜査で逮捕されたかっつーと
 調べて見ると2014年3月に保釈されたとのこと。
 逮捕された時の映像では眼鏡、小太りの30男、家にはパソコンが4台といかにもオタクっぽい雰囲気。これで誤認逮捕だったらシャレにならんわな~(誤認逮捕事態、シャレにならんですが)
(*6)1998年
 長野オリンピックとFIFAワールドカップ・フランス大会が開催され、郵便番号が7桁になり、金融監督庁が発足し、北海道拓殖銀行が営業を終了し日本長期信用銀行と日本債券信用銀行が経営破綻で国有化され、明石海峡大橋が開通した年です。ちなみにWindows 98とiMacが発売され、iモードがサービスインしたのもこの年です。
(*7)AR(拡張現実 Augmented Reality)
 スマートフォンをかざすと画面上に、その場所に関する情報が現実の映像に重なって出てくるなんてのがこれです。

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