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作品そのものが”双子のトリック”とでも言いましょうか(犬神家の一族/菊人形)

 ども、莫大な遺産を残すことなくくたばっちまいそうなおぢさん、たいちろ~です。
 ここんとこミステリーを立て続けに読んでます。友人のYO~YO~(*1)が貸してくれた京極夏彦の”百鬼夜行シリーズ”(*2)に始まって、今は横溝正史に行っちゃってます。てのも、このシリーズの”塗仏の宴(*3)”に出てくる”津山事件(津山三十人殺し)”に興味をもってついつい”八つ墓村(*4)”に手を出して”ミステリーの系譜(*5)”も読んじゃいました。で、八つ墓村も読んだことだしということで、今回ご紹介するのは同じく横溝正史のメジャー作品”犬神家の一族”であります

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写真はたいちろ~さんの撮影。福島駅で見かけた二本松の菊人形の宣伝です(菊人形はなかったけど)


【本】犬神家の一族 (横溝正史、角川文庫)
【DVD】犬神家の一族 1976年版 (主演 石坂浩二、監督 市川崑、角川春樹事務所)
【DVD】犬神家の一族 2006年版 (主演 石坂浩二、監督 市川崑、東宝)
 信州財界の大物・犬神佐兵衛が亡くなった。佐兵衛の残した莫大な遺産をめぐり連続殺人事件が発生する。遺産相続の鍵を握る美女”野々宮珠世”、佐兵衛の娘達に追われ行方不明になっている佐兵衛の息子”青沼静馬”、そしてこの謎に立ち向かう金田一耕助の推理とは・・・
 映画版は角川映画(*6)の第一作というメディアミックスの草分け的作品
【花】菊人形
 菊の花を着物に見立てて作る人形のこと。
 関西人としてはひらかたパーク(通称ひらパー)の”大菊人形展”なんかが思い出されますが、調べて見ると2005年で大規模なのは終わっちゃったんだとか。秋の風物詩だったんですけどねぇ


 いきなり話は飛びますが、推理小説には”双子のトリック”ってのがあります。”犯罪が発生する場所には犯人がいる”という前提なので(まあ、そうでないのもありますが)、犯人側から見ると”いかにその場にいない(不在証明=アリバイ)状況を作り出すかがポイントであり、探偵から見るとこのアリバイをいかに崩すかが推理小説の魅力でもあります。で、この”双子のトリック”ってのは犯人と良く似た人が存在して現場以外の場所にいる状況を作り出すというものです。まあ、どっちかつ~と安直な解決なのでソッコー却下されてギャグにされるようなネタですが、思いこみなんかが重なると以外とありだったりします。
 なんでこんな話をしてるかというと、実は映画版でものの見事に間違ったんですね~~ せっかくだから映画版も見ましょうということでTSUTAYAで借りました。1976年版の角川映画のつもりだったんですが、実はこれが2006年版。エンドロール見るまで変だな~~と思いつつ、エンドロール見るまで分かりませんでした。
 映画見ながら、”若い時の島田陽子って松嶋菜々子に似てたんだ”とか、”坂口良子って深田恭子ぽかったんだ”とか思ってたんですが、そりゃ似てるわな~本人だもの。(島田陽子、松嶋菜々子は野々宮珠世を、坂口良子と深田恭子は女中のはるさんを演じてます)
 なんでこんなことになるかというと実によく似てるんですな~~ なんといっても主演の金田一耕助を演じてたのが同じ石坂浩二(*7)。ほかにも神官役が同じ大滝秀治だったり”よし、わかった”の署長さんが同じ加藤武だったりしてるし。他の役者さんも同じようなテイストの人が演じてるし(まあ、同じ原作だから当たり前っちゃ当たり前ですが)。それに監督も同じ市川崑だからストーリーの仕立てや映像の雰囲気も良く似てるし。なんといっても。主題曲が大野雄二の”愛のバラード(*8)”だし・・・

 まあ、考えてみりゃ1976年版なんて35年以上も前の映画だし、大ヒットしたとはいえDVDどころかVHSさえ一般家庭になかった時代、流れては消える画像の印象だけで話をすれば間違えることもあるわな~~

 なんだか、内容に関係のない言い訳なブログになりましたが、本編も面白いですよ。作中に出てくる菊人形も犬神一族の見立てになっているとか、佐清がある意味双子のトリックになってるとか。まあ、時代背景が終戦直後ということで復員がどうのとか現代モノとは違うテイストもいいし。たまに読み返すには面白い本です。

《脚注》
(*1)YO~YO~
 私の高校時代の友人にして、このブログにつっこみを入れてくれる数少ない(というか唯一の)人です。借りてた本、もうちっとで読み終わるので待っててね。
(*2)百鬼夜行シリーズ(京極夏彦、講談社文庫)
 憑物落としの”京極堂”こと中禅寺秋彦を探偵役とした怪奇ミステリーシリーズ。膨大な知識に支えられたウンチクが魅力の作品ですが、なんせ分厚い。1作品1000ページ超えがあたりまえというシロモノですが、面白いんですな~~これが。こいつを読みだすとほかの本がほとんど読めなくなるぐらい時間食います。
(*3)塗仏の宴 (京極夏彦、講談社文庫)
 宗教団体、徐福の研究者、武道家集団、占い師。事件にかかわる人々は存在しないはずの”戸人村”に向かう。妹の中禅寺敦子は誘拐され、友人の関口巽は逮捕され、刑事の木場修太郎は行方不明。そんな中憑物落としの”京極堂”こと中禅寺秋彦もまた事件の解決のために戸人村へ向かう。自分の黒歴史と対峙するために・・・
 詳しくはこちらをどうぞ
(*4)八つ墓村 (横溝正史、角川文庫)
 大正時代、八つ墓村で田治見家当主の要蔵が発狂し、村人32人を惨殺するという事件が発生した。昭和になり要蔵の子孫である寺田辰也が八つ墓村に帰郷すると、次々と殺人事件が発生する。村人たちは恐れ、犯人と思われる辰也を鍾乳洞に追い詰める・・
 詳しくはこちらをどうぞ
(*5)ミステリーの系譜(松本清張、中公文庫)
 本書に収録された”闇に駆ける猟銃”が津山事件を扱ったルポタージュ。さすがに社会化ミステリーの巨匠”松本清張”の作品だけあって、抑揚を抑えた淡々とした語りぶりがクールです。こっちもけっこうお勧めです。
(*6)角川映画
 当時角川書店社長だった角川春樹が大々的に始めた本と映画をミックスして大宣伝して売るというビジネスモデルの代名詞です。まあ、古い映画ファンには懐かしい言葉ですが、今じゃ当たり前にやってるもんなぁ・・・
(*7)石坂浩二
 さすがに2本続けて見るとお年を召したのがわかります。まあ、堺正章が演じた”西遊記”(1978~80年 日本テレビで放映)の孫悟空を今見るようなものと思っていだだければ
(*8)愛のバラード
 若い人には”ダイハツ Mira e:s”のCMの曲と言った方が通りがいいかも
 ちなみに大野雄二は”ルパン三世 カリオストロの城”(1979年公開)も手掛けていますが、BGMの使い方が良く似てます、はい。

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コメント

京極夏彦はどうも横溝正史を相当リスペクトしているんじゃないかなぁ、と思うことがある。日本のミステリー界の巨人であることはまちがいないけど、それ以上のものを感じるんですよね。
小説やアニメの影響で、聖地巡礼とかする人もいるけど、犬神だけは絶対だめですよ!間違っても犬神ゆかりの地に行きたいとか思わない様にね。なんたって”呪詛”をつかさどる一族だから、乱暴な言い方をすると陰陽師の真逆といったらわかりやすいかな。創作でも伝説でもない、本当に今でも”実在する”一族ですからね。

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