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電子書籍が星の数ほどある名作たちと出会う扉となることです、だから欲し~よ~(重版出来/iPad)

 あけまして おめでとうございます、たいちろ~です。
 本年もよろしくお願いいたいます。
 さて、年始早々することもないので、郊外の大型書店&TSUTAYAに行って来ました。店内にはなんと楽天の”Kobo(*1)”の展示が! そ~か~、本屋さんも電子書籍とコラボする時代になったんだな~っと。そのあと行った家電量販店でも息子がiPADにハマりまくりだし。”Kindleも欲し~な~(*2)”とか言ってると奥様がめずらしく”買ってもいいわよ”とのお返事。なんでも先日行った海外旅行で、空港でタブレットを見ていた外人さんがすんごくカッコよかったとのこと。もっとも本音は増殖する本の量を少しでも抑えたいってとこでしょうが・・・
 ということで、今回ご紹介するのは出版業界での電子書籍の話題の出ている本”重版出来”であります。


Ipad0314
写真はたいちろ~さんの撮影。
ちょっと懐かしいiPad初期型です(2010年5月28日 銀座Appleストアにて)。


【本】重版出来(松田奈緒子、小学館)
 ”じゅうはんでき”ではなく”じゅうはんしゅったい”と読みます。
 出版社で働く新人女性編集者”小熊”こと”黒沢心”を中心に阪神タイガースの熱狂的なファンの編集長(*3)、人格者の社長、個性的な先輩、書店員、苦悩する漫画家達など本を売るためにかかわる人達を描いたマンガ。出版関連の本ってけっこう好きなのでよく読みますが、ここまで関連の人を広範囲に書いたのはめずらしいかも。
【道具】iPad
 Appleが販売するタブレットPC。上記の初期型から比べると最新の”iPad Air”はCPUの高速化に加え解像度4倍(1024×768ピクセル⇒2048×1536ピクセル)と高性能化にも関わらず重量2/3(680g⇒469g)、厚さ約半分(13.4mm⇒7.5mm)と2年半そこそこで長足の進歩。本読むだけでもいいから欲し~よ~


 さて”重版出来”ですが、年をとってきた漫画家の復活の話や、かつては売れていたが今は零落している漫画家の家族の話、社長が若い時に出会った”聖なる預言者”の話など”え~話や!”ってエピソードが多いんですが、そういう話は他の人が書きそうなんで、ちょっと視点を変えて電子書籍をめぐるお話なぞ。

 私が知らんかっただけかもしれませんが、電子書籍とか漫画家や編集者のSNSのことをちゃんと扱った漫画を読んだのってこれが初めてなんですね。なんせこのブログ書いてる人がい~かげん年をとってきてるのでわりと古い本のことも書いてるんですが、Amazon.comで探しても”出品者からお求めいただけます=絶版(*4)”ってのがけっこうあって。小説なんかだと図書館を探せばなんとかなるものもありますが、漫画だとそれも難しい。そういった人には電子書籍化ってのはありがたいんですが、出版社と電子書籍をする人の対立みたいのが長く続いてて、最近やっと改善してきた状況(*5)。

 本書の中で、大家っぽい岸和田先生ってのが、過去の作品を電子書籍書籍化して”名作アーカイブ”を作るって話に対し

  和田先生:私は過去の作家じゃないぞ、現役だ!! 
       連載ももっとる!! 書店で売ってる!!

        (中略)
  編集者 :残念ながら 今だに・・・ 電子書籍を「都落ち」と思っている、
       作家さんや読者さんがおられます。
       しかし実際には「電子書籍でなければ漫画を読まない層」も出てきており
       無視できない数にのぼっております

        (中略)
       何より素晴らしいのは この一枚(電子ブックリーダー)が、
       星の数ほどある名作たちと出会う扉となることです
       充電さえしていれば、場所を選ばない、国を選ばない、時間を選ばない
       この巨大な図書館に、先生の作品群を置かせていただきたいんです

 この和田先生って人は現実対処能力が高いのか、その後印税の話を初めて”ま、いいか”って了解してこれてます。また別のエピソードでは牛露田先生ってのが

  牛露田先生:電子書籍だのなんだの・・・
        あんな小さな画面で1コマ1コマ漫画は読むもんじゃねえ!
        漫画は紙で読むもんだ!!

 これに対して、編集の人は

  編集者 :ただ、昔からの作家さんは---
       紙に対する思い入れが強いゆえに、電子書籍が苦手な先生も多くて・・
       なかなか許可がもらえなかったり。
       紙にも電子にも特性があって、
       両立させたほうが出版界も出版物も豊かになると思うんだけど。

なんだかこれを読んでて、似たような話があったな~と思ってたら、これって映画からテレビへの過渡期の状況とよく似てるんですね。”映画は映画館で見るもんだ!”という作り手のプライドとか、映画の全盛期に各社専属の監督、俳優の引き抜きを禁止する既得権益の保護のための”五社協定”とか。これにより追放されたり嫌ったりした才能が当時普及・拡大期にあったテレビに流れてって、映画産業の衰退とテレビ業界の盛隆につながったんですね。まあ、現時点と同じ”娯楽の多様化の時代(*6)”でうまく流れを作ったテレビと旧来に固執した映画の違いの相似形のような・・・
 まあ、コマ割の違いとかSNSによる作家とファンの関係性の変化とかいろいろあるんでしょうが、温故知新を含めて新しい時代にあった娯楽を提供していったモンの勝ちなんでしょうかね。

 ”重版出来”は前から気になってたんですが、背中を押したのが日経新聞のプラス1で”マンガを読んで仕事を知ろう(2013年12月28日版)”のテーマでぶっちぎりの1位になってたのを読んだから(このあたりがオールド世代?!)。なんせ、2位の”島耕作シリーズ(弘兼憲史 講談社)”、3位の”宇宙兄弟(小山宙哉 講談社)の約1.5倍の525ポイント!(*7) この記事で読む人増えて重版されると嬉しいです。でも、電子書籍になると印刷量を増やすっていう”重版”そのものが無くなるんでしょうねぇ。そういった意味ではそれはそれで時代の変わり目ではあるのかもね。

 あ~、電子書籍、欲しいよ~~
 iPadかKindleか迷うなぁ~~


《脚注》
(*1)Kobo
 楽天の子会社で電子ブックリーダーと電子書籍を販売する会社名及び、そこから販売されているタブレット型リーダー。何でもできるというより”本を読む”という機能に重点を置いてるようです(ex 電池が長持ちする電子ペーパーの採用)
(*2)Kindle
 ”Kindle”はAmazon.comが販売する電子ブックリーダー端末と電子書籍関連サービス。Amazonでの扱い本数が多いのが魅力。欲し~よ~
(*3)阪神タイガースの熱狂的なファンの編集長
 調べてみると、松田奈緒子のダンナさんて西原理恵子の漫画で熱狂的な阪神タイガースファンの編集者としていじられキャラだった”新保信長(南信長)”なんだとか。狭い業界だ・・・
(*4)出品者からお求めいただけます=絶版
 古書だからといって必ずしも安いとはかぎらないのも難点。先日”ハレンチ学園 (永井豪 徳間コミック文庫)”をBOOKOFFの105円棚で見つけたのでまとめて買いましたが、これがAmazon.comだと安いので6巻セットで3,400円、状態の良い物だと1万円近くします、はい。
(*5)最近やっと改善してきた状況
 てか、出版社や著者者が”さすがにヤバイ”と思いだしたってことかも。
 ちなみに著作物を電子書籍へダウンロードさせることの権利保護を”電子出版権”とする方針を文化庁が決定したのが2013年12月20日。14年の通常国会に法改正案を提出する予定だそうです。 
(*6)娯楽の多様化の時代
 YouTubeやiTunesといった映像・音楽系、パズドラ(やったことないけど)みたいなゲーム、facebookやツイッターといったSNSまで入れりゃ、スマホいっちょで楽しめる娯楽なんて山のようにあります。最近、通勤電車の中でスマホを見てる人はいっぱいいますが、新聞や本を読んでる人がへったような感じがするのは気のせいでしょうか?
(*7)なんせ、2位の”島耕作シリーズ”~
 一般の感覚とちょっとズレてる感があるのは、選者が小野耕世、竹内オサムといった評論家や、電子書籍のバイヤー、本屋さん、編集者、漫画館館長といったその筋の専門家の人だからかも。でも、確かな選択だったと思いますよ。

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