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2013年12月1日 - 2013年12月7日

地図を見て発想の転換をしてみましょう!(県庁おもてなし課/逆さ日本地図)

 ども、地図の読めるおぢさん、たいちろ~です。
 先日、大阪から会社の知り合いのお嬢さんが仕事で地元に来ることになりまして、”せっかく来るんだからドライブにでも”とおもてなしをすることになりました。ジモッティのお嬢さんと奥様と4人でやれ温泉だ、観光地だ、ウイスキーの工場見学だと(呑んベのお嬢さんだったので)半日ほどぐるぐると。
 で、そのお嬢さんから

  この車、カーナビついてないんですか?(*1)

 すいません、貧乏なのでつけてません。そういえば、最近読んだ本でこんなエピソードもあったな~(*2)ということで、今回ご紹介するのは地元の観光振興をする県庁職員の本”県庁おもてなし課”であります。


Photo
画像は”環日本海諸国図”、通称”逆さ日本地図”です


【本】県庁おもてなし課(有川浩、角川文庫)
【DVD】県庁おもてなし課(原作 有川浩、主演 錦戸亮、堀北真希、船越英一郎)
 高知県の観光振興のために新しく設立された”おもてなし課”。若手職員の掛水史貴は地元出身の人気作家”吉門喬介”に観光特使を依頼する。吉門から多くの駄目出しをされ、彼の”スタッフに若い女性を入れる”というアドバイスにより”明神多紀”を、そして観光コンサルタントとして”清遠和政”を参画させることになる・・・
 高知県観光振興部”おもてなし課”(*3)をモデルにした観光振興ラブコメ
【旅行】逆さ日本地図
 富山県が国土地理院長の承認を得て製作した日本海を中心に南北をひっくり返した地図。別に特殊な加工をしたわけでもないのに、まったく別な場所のような印象を受けます。


 さて、本書の真の主役は何と言っても”清遠和政”! かつて高知県への”パンダ誘致論”を唱え、失意のうちに県庁を去ったおぢさん。まあ、高知県の懐具合もわからんでもないですが(*4)、要は発想の転換と実行力があるかどうかがプロジェクトの成功を決めるということです。
 有川浩の小説って、けっこう魅力的なおぢさんがいっぱい出てきます。烏丸参事官とか、玄田隊長とか、鷺崎室長とか(*5)。清遠和政もまさにこの系譜。”高知県まるごとレジャーランド化”を初手から吹くかまし方は烏丸参事官のごとく、若い職員の掛水と多紀ちゃんをあちこちひっぱりまわして実体験をさせる行動力は玄田隊長のごとく。それに高知の自然を”開発下手”(失礼!)の行政の遺産と言いきる口車のうまさは鷺崎室長のごとく。

  何も『開発下手』やき今まで持て余してきて自然が残っちょりました、
  らぁて言う必要はない。
  高知は元々自然との共存を重視しちょったき都市開発には積極的やなかった、
  と吹いちょったらえいがです。
  イメージ戦略はホラ吹いとったが勝ちじゃ

 DVDで高知の美しい自然のカットがたくさん出てきますが、これらを点々の単体で差別化するってのは実は難しそうです。でもこれを線でつなげて”高知が丸ごとアウトドアのレジャーランド”というイメージで面に展開するって発想は”パンダ誘致論”なんつ~ぶっとんだこと考える人じゃないとできないだろうし、それを実現できそうだと思わせる弁舌ってのは魅力あふれるホラ吹きじゃないとできないのかも。
 ここでうまく使われているアイテムが”地図”。

  こうやって地図で見ると一目瞭然ですろう。自然が多い。
  海、山、川、仰げば自然を見下ろす空。何でもある。
  しかも、それらが全部かなりきれいに保たれちゅう。
  高知が自慢できるものといえば豊かな自然です。
  その反面、高知には自然しかない

 だから発想を転換せねばならんと。地図での発想の転換という意味で思い出したのが上記の”逆さ日本地図”。あるセミナーでこの地図を見たんですが、まさにぶっ飛びましたね。日本海とか東シナ海がまるで内海。竹○や尖○列島の領有権争いだって”何をご近所同士でちまちまと・・”って気になります。この地図見ながら交渉すれば、防○識○圏だってもうちっと違った展開がありそうな・・

 もう一人面白かったのはおもてなし課の状況を作った作家の”吉門喬介”。DVDでは”暗いに~ちゃん”ってイメージが強いですが、原作ではもっと策士な人、ラブコメしてるけど。原作では最後にインタビューへ吉門をひっぱり出した掛水に対して

  吉門:人を客寄せに使おうとしたんだ、自分だけ楽が出来ると思うなよ。
     乗るか乗らないかどっちだ、今決めろ
  掛水:選択の余地ないやないですか!
     対談苦手だとか言ってたくせに自分で話大きくしてきて!
  吉門:労力が一緒なら箱は大きいの選ぶよ、当たり前じゃん

 この人も年とりゃ、清遠みたいになるんだろうな~~

 原作もDVDもそれぞれ面白かったです。ぶっとび具合を楽しみたいなら原作を、映像としての遊びゴコロを楽しみたいならDVDを(*6)。どっちもお勧めです。


《脚注》
(*1)この車、カーナビついてないんですか?
 SBIホールディングスのアンケート調査によると2013年現在のカーナビ普及率は80.2%と8割を超えているんだとか。スマホのカーナビ機能も入れると100%近いんじゃないかなぁ。でも、スマホでカーナビすると電池食うんだよな~
(*2)こんなエピソードもあったな~
 ヒロインの多紀ちゃんが、カーナビなしに目的地にいくのに案内板の不備に気がつくというエピソードです。電通の調査だと、1997年のカーナビ普及率は5.1%だそうですので、一昔前は当たり前だったんですけどねぇ
(*3)高知県おもてなし課
 ”高知県おもてなし課”は高知県に実在する部署。HPも工事中だらけではなくちゃんとできています。設立は2007年だそうですが、当時の県知事は元NHKのキャスターで現在コメンテーターとしても活躍する橋本大二郎です。
(*4)高知県の懐具合もわからんでもないですが
 なにかというと”金がない”話のでてくる高知県ですが、高知県の2013年度一般会計予算は4,456億円。高知市は1,387億円ですから足しても6,000億円に足りません。パンダ誘致に成功した神戸市は単体で7,101億円ですから高知県だけだと2/3以下、足しても8割強といったところ。
 ちなみにパンダを誘致するには中国へのレンタル料などを含めつがいで年間約1億円ぐらいかかるんだそうで、入園料だけで採算考えててはとても誘致できるシロモノではなさそうです。
(*5)烏丸参事官とか、玄田隊長とか、鷺崎室長とか
 玄田隊長 :”無法は無茶で叩き潰す”図書特殊部隊の隊長。
       キャチフレーズの”喧嘩屋中年”はだてではない実戦力の人。
       ”図書館戦争シリーズ”(角川文庫)に登場
 烏丸参事官:巨大甲殻類に襲われる横須賀という”非常識事態”に対処する警察庁参事官。
       ”状況を自衛隊に引き渡す”という警察官僚とは思えない作戦を企図した人
       ”海の底”(角川書店)に登場
 鷺崎室長 :”詐欺師 鷺坂”の異名を持つ航空自衛隊広報室長。
       植木等を彷彿とさせるスチャラカなくせに状況を作り出すおちゃめな人
       ”空飛ぶ広報室”(幻冬舎)に登場。
 いずれ劣らぬ魅力的なおっさん達です。
 そういや”三匹のおっさん”というぢぢいのシリーズもあったなぁ
(*6)映像としての遊びゴコロを楽しみたいならDVDを
 こまかな演出ですが、吉門の本が有川浩の本のパロディーになってますし
  クジラの啓示  ← クジラの彼(角川文庫)
  海の声     ← 海の底(角川文庫)
  フリーターの・・← フリーター、家を買う(幻冬舎文庫)
  ピエロの翼   ← 空飛ぶ広報室(幻冬舎)
  さよならヘブン ← ヒア・カムズ・ザ・サン(太陽は来ました)(新潮文庫)

腐ってない納豆は ただの大豆っしょ(うちのトコでは/納豆)

 ども、関西出張の際は551の豚まん(*1)を買って帰るおぢさん、たいちろ~です。
 食文化は地方によって異なるものの代表です。私も関西から東京に転勤になった時に東京では”豚まん”のことを”肉まん”と呼んでいて、へぇ~と思いました。これはどうも関西では”肉”と言えば牛肉がデフォで関東では豚肉だからだようです。
 ということで、今回ご紹介するのは各県を擬人化した漫画、”うちのトコでは”であります。
  ××県民都民 カミングアウト!(*2) 


0469

写真はたいちろ~さんの撮影。水戸の偕楽園で売っていた”納豆”です。


【本】うちのトコでは(もぐら 飛鳥新社)
 各県の県民性をネタに擬人化した漫画。
 いつもノリノリの”大阪さん”、”タカビーな京美人”京都さん”、ファッションブルな”神戸さん”、姐御肌の”福岡さん”と美少女県民キャラが満載。わらわら表れる岐阜さんもかわいいけど。
 県民性が他県の人からどう見られているかよくわかります
【食べ物】
 大豆を納豆菌によって発酵させた発酵食品。昔は
  アッコちゃん 来もせず 用もないのに 納豆売りが
  ハーハー ナットオー!!
 (*3)
 と歌われたように行商もあったそうですが、現在は冷ある蔵施設のスーパーマーケットが主流。生産量日本一は茨城県、意外なことに消費量日本一は福島県。逆に消費量最下位は和歌山県です。


 さて、地方ネタ満載の本書ですが、今回は第3巻から食べ物ネタをいくつか

腐ってない納豆は ただの大豆っしょ
 私が単身赴任で東京の寮に入った時に”関西出身です”といったらまず聞かれたのが

  納豆、食べれますか?(*4)

 まあ、”関西人=納豆を食べない”というのがお約束でしたので。本書によると、納豆は時間がたつとまずくなるので、流通時間が長く温暖な西日本はダメだったそうです。西日本の納豆に、

  こんな納豆は腐っている!!

と怒りをあらわにする茨城さんに対し

  腐ってない納豆は ただの大豆っしょ

というボケを返す和歌山さんってのが出てきますが、関西人の感覚ってこんなモンです。


〔俺の伊勢海老は日本一ーっ!〕
 先に言っときますが、本書は2013年2月の発刊ですので百貨店やレストランで相次いだ”メニューの虚偽表示事件(*5)”より前の話です。

  俺の伊勢海老は日本一 ーっ!

と千葉さんが自慢するように、実は伊勢海老の漁獲量日本一は三重県ではなく千葉県。伊勢海老はエビ目イセエビ科に属するエビの一種で房総半島以南から台湾まで、九州、朝鮮半島南部に広範囲に分布するエビのこと。だから”伊勢”で採れたエビではないんですね~~(*6) もっと言うと英語では”Japanese spiny lobster”ですんで、日本で採れてればALL OK!みたいな。欄外で千葉の人のコメントとして

  偉い人が安房海老だか千葉海老だか房総海老じゃダサいからということで
  伊勢海老という名前をつけたらしいです
  ディズニーも同じ原理です。ひどいです偉い人(笑)

というのが載ってますが、今だったらけっこう物議を醸すでしょうなぁ


〔「喫茶店」に求めるモノは何ですか?〕
 上記の質問に対するお答えがこれ

  大阪さん:適切な客単価と回転率やろ!!
  愛知さん:主人(ホスト)感覚で連れをもてなす居心地のよさ!
  東京さん:マンガにメイドに猫 喫茶店に必要なのは独自の付加価値!

まあ、”漫画喫茶は名古屋発祥だで”とつっこんでいますが。
 ちなみに、ノーパン喫茶(*6)の発祥の地は大阪ではなく京都だとか。当時、”あべのスキャンダル”というチョ~有名なお店があったので、大阪だと思ってました。どうでもいい話ですが、安倍首相の経済政策は”アベノミクス”と呼んでるから、スキャンダルで失脚したら”アベノスキャンダル”とか言われんダろうなぁ、きっと


〔さんまにはかぼすかすだちか?!〕
 さんまに合う柑橘はどっちかと言い争う大分さんと徳島さん

  大分さん:さんまには かぼすっちゃー
  徳島さん:いいや すだちじゃー

大分はかぼすの生産量トップ、徳島はすだちの生産量トップですが、どっちも美味しいです、はい。
 さんまといえば落語ネタの”目黒のさんま”が有名ですが、目黒区の”目黒のさんま祭”では宮城県気仙沼市のさんま+大分県臼杵市産のかぼす品川区の”目黒のさんま祭”では岩手県宮古市のさんま+徳島県神山町のすだちの組み合わせで出てきます。


〔卵焼きは甘く、だし巻きは塩辛いです〕
 単身赴任寮で驚いたことのですが東京の卵焼きは甘いんですな~~
 関西のだし巻き(東京で言う卵焼き)は名前の通り出汁をいれるので塩辛いです。京都さんが

  日本食において卵焼きとだし巻きは違うモンやと断言します!

といってますが、違うモンです。地元に行かれた時はぜひお試しください

 まあ、マンガとはいえ県の特徴をよく捉えているので、地理の勉強にもなります(なるかなぁ?) ご一読のほどを


《脚注》
(*1)551の豚まん
 大阪の定番のお土産。日経新聞の”何でもランキングランキング”で喜ばれる土産の1位、みんなで食べたい取り寄せ点心の2位になってました。
 会社名は”蓬莱”で、”551(ごーごーいち と読みます)”はお店のニックネーム。関西では”551はどこ?”で通用します。
(*2)東京都民 カミングアウト!
 日本テレビで放映されているバラエティ番組”秘密のケンミンSHOW”の司会者、みのもんたの決め台詞。みのもんたのバッシング全盛期でもこの番組だけは出演自粛してませんでした。だって、楽しそうなんだモン!
(*3)アッコちゃん 来もせず 用もないのに 納豆売りが~
 赤塚不二夫の少女漫画”ひみつのアッコちゃん”のアニメ第一作のエンディングテーマ”すきすきソング”より。オープニングは今でもよくかかりますが、エンディングも水森亜土の歌声のりのりで結構いい曲です。カラオケなんぞで彼女相手に歌ってみてもいいかも。フラれても知らんけど
 ちなみに作詞 井上ひさし、山元護久、作曲 小林亜星とけっこうな顔ぶれ。曲はこちらからどうぞ。
(*4)納豆、食べれますか?
 当時は、寮の朝食に納豆を出すのが規則だったです。一応”健康に良いから”という理由からだそうですが・・・
(*5)食材の虚偽表示事件
 2013年10月に阪急阪神ホテルズが行った”表示と異なった食材を使用したメニューがあった”と発表以来、まあ、出るわ出るわのオンパレード。たった1ケ月かそこら前のことですが、改めて調べて見ないと最初がどこだったかさえ覚えてませんでした・・
(*6)”伊勢”で採れたエビではないんですね~~
 ただし、”松阪牛”は黒毛和種、未経産雌牛、三重県・中勢地方の産地限定などなど定義が明確になっているので、この定義に外れる牛肉を”松坂牛”を呼ぶと偽装表示になります。
(*6)ノーパン喫茶
 ウエイトレスのお姉さんがノーパンでコーヒーを運んでくれるという喫茶店。行ったことないけど。
 ちなみにこれのバリエーションとして”ノーパンしゃぶしゃぶ”というのもありました。当時の大蔵官僚がここで接待を受けていたということをマスコミが暴露、大蔵省解体から財務省&金融庁再編の遠因になったという日本金融財政史に残る風俗になりました。

いやー、見た目でデザインしたら偶然空を飛ぶ形をしてたんだと思うよ(ナウシカの飛行具、作ってみた/メーヴェ)

 ども、折りたたみ式携帯電話でスタートレックごっこをやっちゃった(*1)おぢさん、たいちろ~です。
 小説であれ、漫画であれ、アニメであれ作品に登場したモノを実際に見てみたいという思いはまあ、誰にだってあります。コスプレに向かえばおとなしいモンですが(おとなしいか?)、ガンダムなんかだとシャレにならない人が集まるし(*2)、鉄腕アトムだとコンプレックスになったりなんかします(*3)
 まあ、この手のものは現在の技術では初手から”出来ね~”ってのから、出来そうで出来ないものも多いです。が、”出来なさそうで、作ってみたらで来ちゃった!”ってものもたまにはあります。
 ということで、今回ご紹介するのは実際には飛びなさそうで実は飛んじゃったものを作っちゃった人の本”ナウシカの飛行具、作ってみた”であります。
 飛びます! 飛びます!! (片岡鶴太郎のモノマネ風に)

Photo

上の画像は”風の谷のナウシカ”に登場するメーヴェ
下の動画はYouTubeより。ナウシカのメーヴェを飛ばす八谷和彦さん。


【乗り物】メーヴェ
 宮崎駿監督の”風の谷のナウシカ”(スタジオ・ジブリ)に登場する架空の飛行機というかモーターパラグライダーみたいなもの。”メーヴェ”とはドイツ語で”カモメ”のことだそうですが、確かにカモメを彷彿とさせる美しいフォルムです。ナウシカもこれに乗って”私はカモメ(*4)”とか言ったんでしょうか?
【本】ナウシカの飛行具、作ってみた(八谷和彦、幻冬舎)
 サブタイトルが”発想・制作・離陸--- メーヴェが飛ぶまでの10年間”とあるように、ナウシカに登場するメーヴェを10年がかりで作成した八谷和彦による”OpenSkyプロジェクト”のノンフィクション。八谷和彦という人は実は”ポストペット(*5)”の開発者でもあります。


 さて、このリアルメーヴェ、アニメに登場するよりはやや大ぶりですが(*6)(アニメ版は推定全幅5m 重さ12kg、リアル版は9.63m 88.6kg)、ちゃんと飛びます。しかしまあ、アニメ雑誌”アニメージュ”への連載開始が1982年、ジブリの映画の公開は1984年ですからほぼ30年がかりでジェットエンジン付きメーヴェが初飛行したことになります。実際に八谷和彦がメーヴェを作ろうと思い立ってからでも10年がかりですがら、大したモンです。

 あと下世話な話ですがお金。試作用リモコン機、人が搭乗できる初号機のM-01、エンジンなしのM-02、エンジン付きのM-02Jと合わせて9,000万円以上の費用がかかってるんだとか。会社の事業としてだそうですが、利益の見込めないプロジェクトにも関わらずここまでお金をかけるってのは、けっこういい性格してます。

 でも好きなんですよね~~、こういったバカバカしいプロジェクト(褒め言葉です!)に突っ込んでって完成させちゃう人って。まあ、”おちゃめなプロジェクトX(*7)”とでも言いましょうか。
 それに、この人はメディアアーチストだからか形から入るってものあって、ナウシカのコスプレ作って女性に着せたりとか。こういうのがあるとコスプレってのもまんざら捨てたモンじゃないかと(ご本人はコスプレではないと言ってますが・・)

 加えてすごいのはやはり宮崎駿監督。メーヴェというのは形としては無尾翼機という分類になります。巻末にあさりよしとおの”無尾翼機のひみつ”という”まんがサイエンス(*8)”の出張版がついてますが、その中で無尾翼のことを評して

  あさりちゃん:この飛行機の場合は?
  あやめちゃん:そんなの カッコいいからに決まってるでしょ!!
  あさりちゃん:なるほど-- そういう設計思想だったのね
  まなぶくん :いやー、見た目でデザインしたら偶然空を飛ぶ形をしてたんだと思うよ
  よしおくん :それを言っちゃオシマイよ

てな会話をしています。本書では宮崎監督は”メーヴェは実際には飛ばないと思っている”といった話を書いていますが、それでも実際に飛ぶものができちゃうんだから、やっぱり宮崎駿って人はずば抜けたデザインセンスの持ち主なんでしょうね~~

 本書は、日本の航空技術史の話だとか、東日本大震災の話だとか、上記のあさりよしとおや堀江貴史も参加する”なつのロケット団”の話だとか寄り道もいっぱいあって面白い本です。風の谷のナウシカファンにはぜひ。


《脚注》
(*1)折りたたみ式携帯電話でスタートレックごっこをやっちゃった
 ”スタートレック”(製作 ジーン・ロッデンベリー)に登場するコミュニケーターという通信機はパカッと蓋が開く構造になってて、折りたたみ式携帯電話みたいな形をしています。このタイプの携帯電話を初めて持った時に
  カークより エンタープライズ
とか言って遊んだのは私だけじゃないと思うんですが・・・
Photo_2
(*2)ガンダムなんかだとシャレにならない人が集まるし
 2009年に開催された”GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト”では当初予想の150万人を大幅に上回り415万人以上の人が集まったんだとか。その一人が私です、すいません。
(*3)鉄腕アトムだとコンプレックスになったりなんかします
 何かで読んだんですが、ロボット工学をやってる人って自分の作ったロボットを”鉄腕アトム”と比較されるのってとってもつらいんだとか。
 まあ、なんとか二足走行をクリアした技術レベルからすりゃ、10万馬力で空を飛び、善悪を見分けられる電子頭脳なんかを期待されるのはつらいでしょうなぁ・・
(*4)私はカモメ
 1963年にボストーク6号に搭乗した女性としては世界初の宇宙飛行を行ったソ連の宇宙飛行士テレシコワの言葉。この言葉は彼女が宇宙で発した最初の言葉で、最初に聞いた時は”ロマンチックな人だな~”とか思ってましたが、これは彼女の個人識別用コールサイン”チャイカ(ロシア語でカモメ)”だったから。知らん方が良かった知識かも・・
(*5)ポストペット(PostPet)
 ある世代には懐かしいかわいい系メールソフト。今のLINEユーザーには想像しにくいかもしれませんが、1990年代後半の愛想もなんもないメールソフトの中で、かわういテディベア”モモちゃん”がメールを運んでくれるというソフトは画期的でした。
(*6)アニメに登場するよりはやや大ぶりですが
 本書によると飛行機が飛ぶ重量は速度の2乗と翼面積に比例するので、条件にもよりますがおおむねこれぐらいの大きさになるんだそうです。
(*7)プロジェクトX
 NHKで2000年~05年に放映されたドキュメンタリー番組。技術者達が苦労の末にプロジェクトを成功させるという物語は実に中年のおぢさん達の琴線に触れるモノでした、はい。
(*8)まんがサイエンス
 学研の”5年の科学”、”6年の科学”に連載されていたあさりよしとおの科学学習漫画(現在は”大人の科学マガジン”に連載)。子供向けの本ですが、大人が読んでも面白いんですね~、これが。お勧めです。
 ちなみにあさりよしとおは”なつのロケット(白泉社)”というマンガも書いています。

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