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2013年10月13日 - 2013年10月19日

”発育途上の女の子が好きで”と供述されてもねぇ・・・(鉄鼠の檻/青い果実)

 ども、品行方正な単身赴任生活を送るおぢさん、たいちろ~です。
 単身赴任なんぞをしていると風俗関係のお世話になっているんじゃないかとおっしゃる向きもあろうかと思いますが、生まれてこのかたそういうとこにいったことがありません。まあ、その手のお店に興味がないのも確かですが、最大の原因はお金がないからです。B○○K○FFやTSU○A○Aに使っているお金を1ケ月分でも貯めときゃ行けないこともないんでしょうが・・・
 で、テレビのニュースを見てますと最近の風俗で”JKお散歩”というものがあるんだとか(*1)。なんでも女子高生(JK)とお散歩するというお店だそうですが、次から次へとよく考えるものです。正直言って、何が悲しゅ~て女子高生相手にお金を払ってお散歩したいのかよくわかりません。で、このお店の少女とわいせつ行為をして逮捕された容疑者が”発育途上の女の子が好き”と供述してるそうですが、なんだかなぁ。まあ、貧乳がブームになりそうな時代らしいので(*2)、なんでもありなんでしょう。ぶっちゃけ個人がどんな趣味趣向を持ってるかなんて人様がどうこう言う話ではないんでしょうが(*3)、これが坊主となるといかがなものか。ということで、今回ご紹介するのはそんな坊主の登場する話”鉄鼠の檻(てっそのおり)”であります。

0429
写真はたいちろ~さんの撮影。
長野県善光寺近くで見つけた発育途上の姫りんごです。


【本】鉄鼠の檻(京極夏彦、講談社文庫)
 古本屋の主人にして憑物落とし(つきものおとし)を営む”京極堂”こと中禅寺秋彦は知人に頼まれ埋もれていた古書の鑑定のために妻の千鶴子と友人の関口、その妻の雪絵を伴い箱根を訪れる。一方、”姑獲鳥の夏(*4)”の事件で妻と娘を亡くした久遠寺嘉親が居候をしていた旅館で、忽然と坊主の死体が現れると言う事件が発生。またそこには13年前と同じ姿で現れる少女”鈴”の姿が。久遠寺は事件解決のため東京から探偵榎木津礼二郎を呼び寄せる・・・
 ”京極堂”を主人公とする”百鬼夜行シリーズ”の第四作
【花】青い果実
 上の姫りんごのの場合だと青い実が成熟して赤くなるように、発育途上の状態を”青い”と表現する場合がままあります。おぢさん世代だと山口百恵の”青い果実”(*5)なんかを思い出す所でしょうか。
 ”あなたが望むなら、私、何をされてもいいわ、いけない娘だと噂されてもいい♪”とか歌ってますが、今どき、こんな言葉に迷わされて何かをしちゃったらとんでもないことになります


 で、本作はというと、

  憑物落とし、坊主集めてさてと言い

状態。作中でも”箱根山連続僧侶殺害事件”と呼ばれているように被害者、容疑者ともども坊主がてんこ盛り。なぜなら、この事件は存在するはずのない禅寺での事件だから。もちろん”百鬼夜行シリーズ”の特徴である禅宗のウンチク満載です。
 でも、その話は横に置いといて、今回ネタにするのは登場する坊主の性癖。ネタバレになりますが、一言でいうと”ロリコン”に”シスコン”に”ホモ”(こう書くと身も蓋もないなぁ)

 で、今回の事件で殺された一人が”ロリコン”の坊主。”姑獲鳥の夏”の事件の遠因を作り失そうした人です。その人物がこの寺で土牢に閉じこめられているのを久遠寺嘉親が発見し、問い詰めるシーンから。

 ○○坊主:お察しの通り、野拙は若き頃より他人に云えぬ性癖を持っておりました。
      性愛の対象を幼女にしか見いだせぬ-- そういう男でありました。
      それは悪いことだと、若いうちはそう思っていた。
      しかしそれは本当に悪いことなのだろうかという疑問も同時に湧いた。
        (中略)
 ○○坊主:その時は悪いことだなどと思わないのです。お解かりいただけるとは
      思わないが、本当に思わないのです。道徳も倫理も知性もない訳ではない
      欲情だけがある訳でもない
        (中略)
 ○○坊主:子供が限りなく清らかなものに見える
        (中略)
      そして自分が最悪の冒涜者であることを思い知るのです。
      汚い、けがらわしい汚物のように見える
      罪悪感と云うか、嫌悪感と云うか---
        (中略)
 ○○坊主:鬼--いや、怖かったのです。同じでした。昔と同じでした。
      道徳も倫理も知性もちゃんと働いている。しかし止められぬ。
      それが違う娘だと、理屈では解かっている。
      でも、止まらぬ。止まらぬ---
 久遠寺 :修行なんか役にたっていないではないか。十年何をしておった!
      おのれ、儂はいい。娘も死んだ。しかし、あの鈴さんは--
 ○○坊主:解かっております
 久遠寺 :何が解かっとるか!
 ○○坊主:解かっております。己がどれ程浅ましき畜生道に堕ちておるかは
      善っく承知しております。
      野拙は三度鈴を辱め、止める托雄和尚を殴りここに入れられた。
      その時にはもう、凡ては終わった
 久遠寺 :終わった?
 ○○坊主:そして私は半ばのぞんで壊れたのです。佯狂ではない。
      本当に狂うた。意思の力で狂うたのです。

 引用が長くなりましたが、別にロリコンの擁護をしたいわけではないわけで。およそ修行の厳しいであろう禅寺で10年修行をしてもぬぐい去りえない煩悩のなんと恐ろしいことか
 これに対する探偵榎木津の容赦のないツッコミ

 榎木津 :早い話あんたは幼女強姦魔と云われたくないだけだろうが
      いい加減に認めろよ、幼女強姦魔なんだから
      世間には同性愛者も倒錯者もいっぱいいるんだ。
      あんただけ苦悩を背負っている訳じゃないぞ幼女強姦魔!
        (中略)
      何がそんなに気に入らないんだ。
      その気になれば幼女強姦魔だって立派な医者や坊主になれるだろうが!

なれるのかなぁ?と疑問ではありますが、それでもこの坊主が”大悟致しました”と言ってるところを見ると、榎木津の発言は救いになってるんでしょう。

 まあ、今回のJKお散歩事件?!はここまで大げさではないんでしょうが、容疑者のやったことの割には失ったものた大きいんでしょうねぇ。社会的信用とか。なんせ全国ネットのニュースで実名報道だし。まあ、どんな趣味を持つかは自由ですが、実行するには自制も必要ということで。

 ”百鬼夜行シリーズ”はお勧めの名作なんですが4作目の”鉄鼠の檻”までこればっか読んで約1ケ月かかりました。まあ、根性を決めて読んでみてください。

《脚注》
(*1)”JKお散歩”というものがあるんだとか
 17歳の女子高校生から着用していた下着を購入し、わいせつな行為をしたとして東京都青少年健全育成条例違反の疑いで30歳の男が逮捕されたそうです。もっとも、JKお散歩の店で働いていた少女のほうもは、ネットの掲示板で下着を購入する客を募ってたそうなので、どっちもどっちですが。
(*2)貧乳がブームになりそうな時代らしいので
 ”AERA”の広告では”ヒンヌー教”というんだとか、記事は読んでないけど。まあ”貧乳はステータスだ!”という名言もあるので、一定の需要はあるんでしょう、たぶん。
(*3)個人がどんな趣味趣向を持ってるか~
 趣味趣向を持っていることと実行するのは別。18歳未満の未婚者にわいせつ行為をすると青少年保護育成条例によって6ケ月~2年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます(県により罰則はことなります)。
(*4)姑獲鳥の夏(京極夏彦、講談社文庫)
 戦後間もない昭和二十七年夏、作家の関口巽は古くからの友人”京極堂”こと中禅寺秋彦の家を訪ねる。関口は”二十箇月もの間子供を身籠っていることができると思うか”と京極堂に問う。身籠った女性”久遠寺梗子”、梗子の姉”久遠寺涼子”、その母”久遠寺菊乃”・・・ 憑物筋の家系”久遠寺”にまつわる呪いを京極堂は祓うことができるか?(詳しくはこちらをどうぞ)
(*5)山口百恵の”青い果実”
 1973年にリリースされた山口百恵のセカンドシングル。これを歌っていたのが当時”花の中三トリオ”と呼ばれた年齢ですがら、けっこう物議をかもしたもんです。


”芋虫”に”ドウエル教授の首”に”魍魎の匣”に。手足のない人間ってけっこうゾクゾクするものなのかも(魍魎の匣/イワシイケス)

 ども、嘘と坊主の頭は結ったことがないおぢさん、たいちろ~です。
 私の趣味の中に”冗談のカタログ”を創るってのがあります。アニメや小説なんかのキャラクターと会社の製品なんかを組み合わせて”ありえね~~”な製品紹介をするってなシロモノです。ここで公開するとお縄になりかねないので(*1)お見せはできませんが、最近受けたのは銀行向けの

  半沢直樹監修 融資支援システム
  黒崎駿一監修 経営管理システム
(金融庁検査対応)

ってシロモノ。まあ、やってるこた女子高生がボーイズラブの同人誌作ってるようなレベルなので身内で遊んでる分にゃそんなに目くじら立てるような話じゃないわけで(だから黙認してください)
 この手の遊びのミソは一見すると”うっそで~”と思うものも、90%実在するものに10%のウソを混ぜた小ネタをてんこ盛りにすると”ひょっとしてアリかもしんない?!”と思っちゃうこと。けっこうホントにありだと思っちゃう人もいました(*2)
 ということで、今回ご紹介するのはこんなウソ話の秀作”魍魎の匣(もうりょうのはこ)”であります。


Photo
写真はたいちろ~さんの撮影。勝浦にあるイワシイケス(エビイケス)です。


【本】魍魎の匣(京極夏彦、講談社文庫)
 戦後間もないある日、中央線武蔵小金井駅で発生した美少女”柚木加菜子”が転落事故を起こす。たまたま居合わせた刑事”木場修太郎”はその事故に巻き込まれていく。一方、手足をバラバラにして箱詰めされて遺棄されるという連続殺人事件が発生する。穢れ封じ御筥様、新進幻想小説家、不死を研究する科学者、あやしげな人物が交錯する中、拝み屋”京極堂”の推理した真実とは・・・
 ”京極堂”こと”中禅寺秋彦”を主人公とした”百鬼夜行シリーズ”の二作目。
【旅行】イワシイケス
 看板の説明によると、写真の四角いくぼみは大きなものが大量に獲れたイワシを畜養したイワシイケス、小さなのがイセエビを捕まえるエビイケス。なんとなく函のように見えるのは私だけでしょうか? 勝浦海中展望塔のすぐ近くにありますので訪問の際にご覧ください。


 まだ2冊しか読んでませんがこの”百鬼夜行シリーズ”の特徴って、”京極堂”の語る圧倒的な知識量。宗教の話は出るわ、古典文学の話はでるわ、最新科学の話は出るわとそりゃあもう膨大。こっちはそれほど物知りではないので話の真贋はわかりませんが、ついつい”これは本当のことなのか?!”と思っちゃいます。
 ”穢れ封じ御筥様”という怪しげな宗教には伊勢神宮たらなんたらの知識を披露し、呪術についてはそのノウハウ?を語り、脳科学についてのウンチクをかたむけと、飲み屋でOL相手にやったら絶対に相手にされなくなるような話が延々と。でも京極堂のシチュエーションでやると面白いんですなぁ、これが。聞き役の関口君なんか、簡単にけむに巻かれちゃう。(物知らず扱いでいぢめられているようにも見えますが・・・)

 ”御筥様”というのは、穢れを封じこめる単なる箱(まあ、それっぽいいわく因縁を語ってますが)なんですが、それでも信じる者は救われるってなもんです。まあ、”鰯の頭も信心から”みたいなもんで、信じない人の目から見るとつまらないものでも、信心する人にとっては尊くありがたい存在になるということ(*2)。しかしまあ、まがりなりにも”武蔵晴明神社”の宮司たる京極堂がこんなん言っててええんかいな?
 、
 ネタバレになりますが、人間を箱詰にする犯人というか理由ってのが2つあります。一つは箱の中にみちみちに詰め込まれた人体を愛する変態さん。もう一人は延命のために手足を切り落としちゃう科学者。で、前者の変態さんの美意識が歪んでいるかというとあながちそうでもないんかも。だって美術の時間にビーナスの胸像とか、トルソー(胴体)のデッサンとかやりませんでしたか? 全身像ですがルーブル美術館に展示されている”サモトラケのニケ像”にしたって、”ギリシア美術を代表するの彫像”という目で見ているから美しいと思っているだけかもしれませんし。私んちにもガチャポンでゲットした”キューティーハニーの胸像”ってのがありますが、けっこう美しいと感じてしまします。いや、私、変態ではないですから。

 どうも、この”手足のない人間”というモチーフはどうも妖艶なイメージがあるようで、代表的なのが江戸川乱歩の”芋虫”(*3)。戦争で両手両足、聴覚、味覚を失い視覚と触覚のみが無事な夫を虐げて快感を得る奥様のお話です。学生時代に乱歩にはまった時に読みましたが、けっこうゾクゾクしましたねぇ。いや、私、変態ではないですから。

 もう一人の科学者はというと、この人は”頭(脳)さえ生きてりゃ人間は生きてる”という割り切った考え方の持ち主。まあ、たしかにそうなんでしょうが。上記の変態さんが最後にこの意見への反論を提示してますが、まあ、生きてりゃいいってもんでもないわけで。
 この手の話のモチーフで思いだされるのがベリヤーエフの”ドウエル教授の首”(*4)。死んでしまった”ドウエル博士”を首だけで生きてるってイメージは子供心にけっこうインパクトありました。映画版(*5)の最終シーンで首だけになった変態さんが出てきますがこっちのイメージに近いかな、かなりグロテスクなつくりになってますが。ラストシーンで登場する白磁器のような美少女の胸像は美しいんですがねぇ。だから、変態じゃないってばよ

 ”百鬼夜行シリーズ”はやたら長いわ、理屈っぽいわと、読み手側の気合はいりますがけっこうお気に入りになってるシリーズ。面白かったぞ、YO~YO~(*6)


《脚注》
(*1)お縄になりかねないので
 原作に登場するキャラクターを利用して、二次的に創作された作品を”二次創作物”といいます。原作者の許諾を得ていない場合、著作権侵害となる可能性があります。”コミックマーケットなんかで山ほど売ってるやんか!”と言われそうですが、著作権侵害は親告罪なので、訴えらえれていない=”黙認”されているだけだからです。
 なお、堺雅人(半沢直樹)の写真を使った場合、これはパブリシティ権(氏名・肖像から生じる経済的利益ないし価値を排他的に支配する権利)の侵害になります。
(*2)”鰯の頭も信心から”みたいなもんで~
 節分の夜に鰯の頭を柊の枝に刺して門口に飾っておくと、鰯の臭気が邪鬼を追い払うという一応、理屈はあるようです。まあ、ドラキュラがニンニクを嫌うようなモンかと。
(*3)芋虫(江戸川乱歩 角川文庫他)
 もう使われていませんが、江戸川文庫の表紙で使われていた宮田雅之の切り絵版が出色。やはり乱歩の表紙と言えばこの人が最高です。

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(*4)ドウエル教授の首(ベリヤーエフ 岩崎書店)
 別名”ドウエル博士の首”、”合成人間ビルケ”、”生きている首”。今ではほとんど絶版状態です。子供の頃読んだSFでは定番だったんだけどねぇ・・
(*5)映画版
 2007年に公開の実写版。監督 原田眞人、主演 堤真一、椎名桔平、黒木瞳。
 小説版とはかなりストーリーが違ってますので、観られる方はご注意を。
(*6)YO~YO~
 このブログにつっこみを入れてくれる高校時代の友人。”百鬼夜行シリーズ”もダンボール箱一杯、まとめて送ってくれました。でも、週1冊ベースでこれ読むのしんどいぞ~~っと。

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