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2013年1月13日 - 2013年1月19日

シュワちゃん版”トータル・リコール”のリメイクというより”ブレードランナー”思い出しちゃいました(トータル・リコール ファレル版/ブレードランナー/未来の車)

えっと、今回何の話をするんでしたっけのおぢさん、たいちろ~です。

 そうそう、前回の”トータル・リコール シュワちゃん版”に続きコリン・ファレル版のお話です。

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 写真は映画からの車のカット。
 上は”トータル・リコール ファレル版”、下は”ブレードランナー”より。


【DVD】トータル・リコール(主演 コリン・ファレル、 ソニー・ピクチャーズ)
 世界大戦により地上の大半は居住不可能となり、富裕層のブリテン連邦と貧困層はコロニーに居住する地球。ダグラス・クエイド(コリン・ファレル)は妻のローリーと平凡な生活を送る労働者だったが、見知らぬ女性と逃亡しようとする夢に悩まされる。ある日、記憶を売るというリコール社を訪れるが・・・
 アーノルド・シュワルツェネッガー主演で1990年に映画化されたもののリメイク版。原作はフィリップ・K・ディックの短編小説”追憶売ります”。
【DVD】ブレードランナー(主演 ハリソン・フォード、 ワーナー・ホーム・ビデオ)
 2019年、酸性雨が降りしきるロサンゼルス。
 強靭な肉体と高い知能を併せ持ち、外見からは人間と見分けが付かないアンドロイド=”レプリカント”が5体、人間を殺して逃亡。解体処分が決定したこの5体の処刑のため、警察組織に所属するレプリカント専門の賞金稼ぎ=”ブレードランナー”であるデッカード(ハリソン・フォード)が、単独追跡を開始するが・・・
 公開は1982年と30年以上前の映画ですが(*1)、傑作です。
 原作はフィリップ・K・ディックの小説”アンドロイドは電気羊の夢を見るか?”。
【乗り物】未来の車
 未来の車のイメージというと、車輪ではなく空中に浮いてるイメージがあります。
 トータル・リコール版のは道路にそって浮く仕様、ブレードランナー版は道路に関係なく飛んでいくんで小型飛行機といた方が良いでしょうが、フォームは完全に”車”です。”ブレードランナー”の舞台は2019年なのであと6年。道路交通法はどうなってるんでしょうか?


 で、コリン・ファレル版の”トータル・リコール”を観た感想ですが、シュワちゃん版”トータル・リコール”のリメイクというより、”ブレードランナー”のイメージじゃね?!

 ネタバレになりますが、ストーリー自体は舞台設定が火星とコロニー、政府との対立構造の違いとか、レジスタンスが普通の人間とミュータント(今なら作れんだろうなぁ)の違いとかいろいろありますが、”かりそめの記憶をインプットされたダグラス・クエイドの戦い”という点で所は同じ。録画されたメッセージをクエイドに送ったり、変装装置のシーンがあったり(*2)、敵のボス”マサイアス”とクエイド=ハウザーの関係とか、3つおっぱいのおねいさんの登場なんかも同じです。追跡用の通信装置が脳内のカプセルから手に埋め込まれた装置に変わったり、仮想空間を装っての対決のヒントが医者の汗から彼女の涙に変わったり、うまく前作をモディファイしてるシーンもあります。

 でも、全体のイメージって、やっぱり”ブレードランナー”なんだよな~~
 映画に出てくるクエイドの住むコロニーのイメージ。設定はオーストラリアですが、しんしんと雨が降る中に傘をさして歩く人々英語、中国語、ハングル語の看板が街にあふれ・・・ このシーンってまさに”ブレードランナー”のロサンゼルスのイメージなんですね。酸性雨の降る街に傘をさして歩く人々看板には日本語に中国語に英語。日本語を話すオヤジのいる屋台もあったりと(*3)オリエンタリズムあふれる街ってとこそっくりなんですが、原作者が同じとは言え(*4)やっぱりディストピアのイメージってこうなるんでしょうか?

 ガジェットなんかもそうで、たとえば映画に出てくる車。シュワちゃん版の流線型の車に対し、ブレードランナーもファレル版もやや丸みを帯びてて前輪部が前方へ突き出してるってのはデザインとしては同じ系列でしょうか?
 写真をよく見ると、ブレードランナーの事務所ビルって、トータル・リコールに出てくるザ・フォールのエレベーターに似てるし

 記憶の操作という意味ではブレードランナーにも、レプリカントを開発したタイレル博士の姪の記憶を与えられたレプリカント”レイチェル”という女性が出てきます。
 デッカードの部屋でレイチェルがピアノを引くシーンがあります。

  デッカード:ピアノが聞こえた
  レイチェル:私が弾いたの。習ったのは タイレルの姪かもしれない
  レイチェル:上手だったよ

 ”トータル・リコール”ピアノが弾けないはずのクエイドが見事に弾きこなし謎を解くシーンがあります。ピアノの上にハウザー(CG)の映像が現れて

  ハウザー:今、これを見ていたら君はかなりヤバい
       だが、ここへ来たなら俺の勘が当たった
       君の中にまだ俺が残っている

 こういったおしゃれな演出はシュワちゃん版にはなくて、むしろブレードランナーからのオマージュっぽいです。ま、筋肉ムキムキのシュワちゃんがピアノ弾くってのも違和感ありますけど。

 そもそも、”トータル・リコール”って映画は”記憶=過去って何?”ってある意味哲学的な命題を含んでるんですが、扱い方が違ってますね。
 まずはファレル版から。リコール社の技師がクエイドに装置の説明をするシーン。

  クエイド:現実そっくり?
  技師  :現実とは脳による”知覚”です。
       我々は視覚情報ではなく、脳に直接記憶させます。本物ですよ。
  クエイド:幻想は しょせん幻想だ
  技師  :そうですね、客観的には。でも、人の心は主観的です。正反対ですよ

 同じシーンのシュワちゃん版だとこうなります。

  クエイド:臨場感は?
  技師  :本物の記憶と同じです
  クエイド:ウソだろう?
  技師  :脳が本物と区別できないリアルな記憶です

シュワちゃん版はどちらかというと”臨場感”という効果を気にしているのに対し、ファレル版の方が”幻想”が主観と客観により異なると言った哲学的な会話になってます。
 これが”ブレードランナー”になるとこんな感じ。タイレル博士がかりそめの記憶を持つレプリカント”レイチェル”の状況をデッカードに説明する会話

  タイレル博士:感情が目覚めてきた。そのために何かいら立っている
         数年分の経験しかないからな
         過去を作って与えてやれば、感情も落ち着き制御も楽になる
  デッカード :過去、記憶のことか、
         (Memories.
          You’er talking about memoires)


”Memories”を”過去”と”記憶”で訳している翻訳が秀逸です。

 ”トータル・リコール”は、シュワちゃん版とファレル版を並べてみて、モトネタをニヤッとするのもいいですが、”ブレードランナー”も合わせて見るのも面白いかも


《脚注》
(*1)30年以上前の映画ですが
 本作と同じ1982年に公開された映画というとSF映画の名作”E.T.”、アニメでは”機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編”、青春映画の傑作、大林宣彦監督の”転校生”や、”鬼龍院花子の生涯”、”蒲田行進曲”など。
 シルヴェスター・スタローンが”ロッキー3”,”ランボー”に、アーノルド・シュワルツェネッガーが”コナン・ザ・グレート”に主演するなど肉体派の時代でもありました。(”ターミネーター”はちょっと遅れの1984年)
(*2)変装装置のシーンがあったり
 シュワちゃん版では物理的なマスクがファレル版では3Dコンピュータグラフィックスに変更されてます。詳しくは前回のシュワちゃん版でどうぞ。
(*3)日本語を話すオヤジのいる屋台もあったりと
 ちょっと気になったのは、”ブレードランナー”の日本語が”トータル・リコール”ではハングルに置き換わってること。日本に対する世界の評価が落ちてきてるんでしょうか?
(*4)原作者が同じとは言え
 3作とも原作はSF作家のフィリップ・K・ディック。
 映画を公開順に並べると”ブレードランナー”が1982年と一番先なのであながちそうでもないんでしょうが・・・

初めてマツコ・デラックス見た時、この映画思い出しちゃいました(トータル・リコール シュワちゃん版/マトリョーシカ人形)

 ども、最近物忘れが激しいおぢさん、たいちろ~です。
 この歳になると、人から”○○しましたよね?”とか言われて、”そ~だったっけ?”というのが増えてきます。特に自分にとって都合の悪い記憶は極端に消えますねぇ(*1)、誰かさんに記憶を上書きされているかのように。
 ま、そんなとこあるわきゃないんでしょうが、SFとなると話は別。ということで、今回ご紹介するのは映画”トータル・リコール”の前編、シュワちゃんバージョンです。


Photo
 写真は楽天のRUINOKⅡより。


【DVD】トータル・リコール(主演 アーノルド・シュワルツェネッガー、ジェネオン)
 ダグラス・クエイドは妻のローリーと平凡な生活を送る労働者だったが、行ったことのない火星の夢に悩まされる。ある日、記憶を売るというリコール社を訪れ”秘密諜報員として火星を旅する”経験をしようとするが・・・
 フィリップ・K・ディック(*2)の短編小説”追憶売ります”をアーノルド・シュワルツェネッガー主演で映画化。1990年公開。
 2012年にはコリン・ファレル主演でリメイクされました。
【雑貨】マトリョーシカ人形
 ロシアの民芸品で、胴体の部分を開けると小さい人形が中に入っていて、それをさらに開けるとまたさらに小さい人形が入っていて・・ という人形。
 ロシア特産だと思ってましたが、箱根細工の入れ子人形がもとになったという説もあるそうです。へぇ~。


 コリン・ファレル版の”トータル・リコール”のDVDも借りてきましたが、まずは温故知新ということで、シュワちゃん版から。
 実はこれ、かなり昔に見たんですが記憶があいまい。っていうか、けっこう複雑なんですね、話の内容が。ネタバレになりますが、ダグラス・クエイドは平凡な労働者をインプットされた人で、実はハウザーと呼ばれる男で事情により記憶を消された仮の姿だったことがわかります。で、本当は反乱分子の首領であるクワトーに接近するための体制側の秘密諜報員が正体と、記憶は三重に操作されてたりします。また、途中で”まだリコール社の記憶操作の途中だから戻ってこい”とかのエピソードがあったり、奥さんが突然襲い掛かるわ、味方だと思っていた男が実は体制側のエージェントだったり、ハウザーの正体を知らない工作員がマジで攻撃したりと、話が入れ子構造になっていて、まるでマトリョーシカ人形を見てるようです。だもんで、注意して見てないと、ストーリを追っかけられないし、現実感の喪失というか何を信じて良いものやらとクラっとしてきます。

 舞台が未来の地球と火星というSF映画ですが、SFXとしての建物や車なんかははさすがに昔のSF映画っぽいな~という感じ。まあ、20年以上前の映画ですから(*3)。むしろ見どころは特殊メイク(*5)のほうかも。火星の薄い大気の中に放り出されて、目ン玉飛び出し状態のシュワちゃんとか、ヌトヌトのミュータント首領のクワトーとかおっぱい3つのおネイさんとか。
 今でこそコンピューターグラフィスク全盛ですが、マイケル・ジャクソンの”スリラー(*4)”をはじめとして、特殊メイクが大ブレイクした時代がありまして、これもその一環かな。特に印象深かったのは、シュワちゃん演じるダグラス・クエイドがマーズポートで密入国しようとしてるシーン。シュワちゃんがでっかいおばさんに化けるんですが、この変装装置が故障。顔が歪んだかと思うと分割されて中からシュワちゃんの顔が!
 だいたい身長が公称188cm、ムキムキのシュワちゃんが女性に化けるって設定自体、かなりムリムリなんですが、インパクトあるんですねぇ~。映画のストーリーよりもこっちの方が記憶に残っていたらしく、マツコ・デラックスを最初に見た時、このシーンを思い出しちゃいました。

 パスポートをみせるおばさんと、その後中から現れるシュワちゃん。

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 どうも、2012年版を監督したレン・ワイズマンも同じなのか、コリン・ファレル版でもステーションでチェックを受けて”2週間”と答えてる太ったおばさんは同じ女優さんなんだそうです。

 なかなか簡単に要約できない映画ですが、シュワちゃん版とコリン・ファレル版並べてみても面白いかも。20年の間でSF映画の表現技法がいかに進化したかが良くわかります。

 ※コリン・ファレル版は次回にて


《脚注》
(*1)特に自分にとって都合の悪い記憶は極端に消えますねぇ
 先日、東京大学で脳研究している池谷裕二准教授の講演を聞いたんですが、人間というのは歳をとってもそんなに記憶力が落ちるものではないそうです。ただ、物事に興味をもたなくなると記憶されなくなるんだとか。気をつけましょう。
(*2)フィリップ・K・ディック
 1960~80年代に圧倒的な支持を受けたSF作家。映画化された作品も多く、ハリソン・フォード主演の”ブレードランナー”(原題は ”アンドロイドは電気羊の夢を見るるか?”)、トム・クルーズ主演の”マイノリティ・リポート”など。
(*3)20年以上前の映画ですから
 本作と同じ1990に公開された映画というと、恋愛映画の名作”ゴースト/ニューヨークの幻”、”プリティ・ウーマン”、ジョニー・ディップの出世作”シザーハンズ”、冷戦構造まっただ中の”レッド・オクトーバーを追え!”など。シリーズ物だと”バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3”、”ダイ・ハード2”、”グレムリン2”などなど。 時代だなぁ。
(*4)スリラー
 1982年のアルバム”スリラー”に納められた楽曲のシングルカット。ホラー映画風のショートフィルムが大ヒットして、ダンスといえばこれみたいな時期がありました。
 ご覧になりたい方はYouTubeでどうぞ。

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