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2013年4月7日 - 2013年4月13日

おじさんのジェームス・ボンドよりおばさんの”M”のほうが元気なようで・・・(スカイフォール/鶴岡八幡宮の銀杏)

 ども、順調に50代を突っ走るおぢさん、たいちろ~です。
 いろいろばたばたしておりまして、1ケ月半ほどブログの更新が止まっておりました。もう引退したのかと思われてたかもしれませんが、もうちっと続けます。すいません。
 さて、人間も50代になってきますと定年だ、引退だという話が出てきます。まあセカンドキャリアだの言われても子供の学費だってまだかかるし、第二の人生だの言われても年金受給年齢が逃げ水のように遠ざかってってるし、なかなか引退して楽はさせてくれそうにはありません。とは言っても適当に年寄りがどいてかないと若いモンの席が開かないのも確かであります(*1)。
 ということで、今回ご紹介するのは世代交代を口にするという信じられないジェームス・ボンドのお話”スカイフォール”であります。


Photo
 写真はたいちろ~さんの撮影。鶴岡八幡宮の銀杏です。


【DVD】スカイフォール(主演 ダニエル・クレイグ、監督 サム・メンデス)
 MI6のエージェント”007 ジェームズ・ボンド”は、NATOの諜報部員の情報が記録されているハードディスクの奪還に失敗、本人も行方不明になっていまう。
 その数ヶ月後、ディスクにあった工作員の情報がインターネット上に公表され、MI6本部もサイバーテロに襲われる。復帰を決意したジェームズ・ボンドだったが・・・
【花】鶴岡八幡宮の銀杏
 2010年3月の強風によって倒伏した鶴岡八幡宮の銀杏ですが、元あった所からひこばえ(新しい若木)が出るわ、移植した幹から萌芽するわとなかなかの生命力を見せてくれてます。


 しかし、歴代ジェームス・ボンドの中で最も暗いダニエル・クレイグですが(*2)、まさか引退だ世代交代だとか言い出すとは。真っ先に若返っている研究開発部門の”Q”ですが、ほとんどコンピュータオタク。オールド・ファンとしてはにこにこしながら物騒な新(珍)兵器を説明するデスモンド・リュウェリン(*3)が印象的ですが、これも時代ですかねぇ・・・

 マカオのホテルで相棒のイヴに髭をそってもらうボンドとイヴの会話。

   イヴ :さあ、これでいい。それらしくなった
        Now that’s better
        You look the part now
   ボンド:何らしくなった?
        And what part’s that?
   イブ :(音声版)死ねなかった 老兵
        (字幕版)古株の再スタート
        (原 文)Old dog,new tricks(*4)

 ”カジノ・ロワイヤル(2006年版)”では1968年4月13日生まれという事になっているそうなので、45歳になるはず(ちなみに演じたダニエル・クレイグも1968年3月2日生まれなので同じ年)。
 45歳で老兵だ、古株だ、Old dogだ言われると、50代のおじさんとしてはやるせないですねぇ。それでなくても体力は衰えているは、銃などの技能は落ちているはとさんざんな言われようのボンド氏です。

 で、この映画でやたらと元気なのがおばあちゃんとおじいちゃん。ボンドのボスの”M”とボンド家の猟場管理人”キンケイド”さん。”M”は引退勧告を毅然として拒否しちゃうし、キンケイドさんは家にトラップを嬉々として仕掛けるはショットガンをぶっ放すはの大活躍。

 公聴会で”M”が反対弁論をするシーンでの、テニソンの詩の引用(*5)。

  我らはかつての力を失いたり 在りし日は天と地を動かせし力を
  それが今の我らの姿
  英雄にも並び立つべき雄渾の心は 時とさだめにより弱められぬ
  されど意志に残されし強さは、
  戦わんとする気骨と、真実を求むる気概を失わぬままなり

   (音声版)

 自分の責任を問われている会議の席上でなかなか言えませんぜ、このセリフ。
 やはり、年老いたりといえども、これぐらいかましてみたいものです。

 やはりボンドにしても”M”にしても鶴岡八幡宮の銀杏みたく倒れようが何しようが芽をふくようなしぶとさを見せて欲しいものです。

 引退勧告を受けたスパイといえば“最後のスパイ小説”と言われたフレデリック・フォーサイスの”マクレディ・シリーズ(*6)”なんかを思い出しちゃいますが、やはりいつまでも元気なボンドを見ていたいというのがファン心理。
 かといって、”色あせた紋章(*7)”みたくもう一度活躍したいからと戦争始めちゃおうとするのは困りもんですが・・・


《脚注》
(*1)適当に年寄りがどいてかないと
 若者の雇用問題をうんぬんするなら、年寄りにとっとと年金渡して引退させたほうがいいとは思うんですがねぇ。それに部長や課長のポストだって今そこにいる人がどかないと若い人がつけないし・・・
(*2)歴代ジェームス・ボンドの中で最も暗いダニエル・クレイグ版ですが
 スタイリッシュな初代シューン・コネリーや、ほとんどコミックなノリのロジャー・ムーアまでいろんなボンドがいましたが、はっきし言ってダニエル・クレイグが一番暗いと思いますが、どうでしょう?
(*3)デスモンド・リュウェリン
 ”ロシアより愛をこめて(1963年)”から”ワールド・イズ・ノット・イナフ(1999年)”までの17作に登場。見た目はやさしいおじさん(おじいちゃん)ぽい人ですが、頭ン中はけっこう危ない人かも。
(*4)Old dog,new tricks
 ”trick”の訳は”たくらみ、策略、冗談、芸当、舵手の一交替服務時間”など。どの訳を使ってもそれらしく意味が通りそうな微妙な言い回しです。
(*5)テニソンの詩の引用
 イギリス詩人アルフレッド・テニスンの詩”ユリシーズ”の一節だそうです。
 ”対訳テニスン詩集(岩波文庫)”に載ってるそうなので、今度読んでみよう。
(*6)マクレディ・シリーズ
 イギリスの小説家フレデリック・フォーサイスによるイギリス秘密情報機関SISのベテラン・エージェント”サム・マクレディ”を主人公とする4部作(騙し屋、売国奴の持参金、戦争の犠牲者、カリブの失楽園)。日本版は角川書店より1991年に出版。ちょうど連崩壊によって米ソの冷戦が終結したころで、スパイが不要になるというのがある意味リアリティのある時代ではありました。まあ楽観的すぎてはいましたが。
(*7)色あせた紋章
 ”ゴルゴ13”(さいとうたかお)の第4話”色あせた紋章”より。(第1巻 ”ビッグ・セイフ作戦”に収録) 
 スパイ交換を利用して戦争を勃発させようとする危ないおじさん達のお話です。


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