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いやー、見た目でデザインしたら偶然空を飛ぶ形をしてたんだと思うよ(ナウシカの飛行具、作ってみた/メーヴェ)

 ども、折りたたみ式携帯電話でスタートレックごっこをやっちゃった(*1)おぢさん、たいちろ~です。
 小説であれ、漫画であれ、アニメであれ作品に登場したモノを実際に見てみたいという思いはまあ、誰にだってあります。コスプレに向かえばおとなしいモンですが(おとなしいか?)、ガンダムなんかだとシャレにならない人が集まるし(*2)、鉄腕アトムだとコンプレックスになったりなんかします(*3)
 まあ、この手のものは現在の技術では初手から”出来ね~”ってのから、出来そうで出来ないものも多いです。が、”出来なさそうで、作ってみたらで来ちゃった!”ってものもたまにはあります。
 ということで、今回ご紹介するのは実際には飛びなさそうで実は飛んじゃったものを作っちゃった人の本”ナウシカの飛行具、作ってみた”であります。
 飛びます! 飛びます!! (片岡鶴太郎のモノマネ風に)

Photo

上の画像は”風の谷のナウシカ”に登場するメーヴェ
下の動画はYouTubeより。ナウシカのメーヴェを飛ばす八谷和彦さん。


【乗り物】メーヴェ
 宮崎駿監督の”風の谷のナウシカ”(スタジオ・ジブリ)に登場する架空の飛行機というかモーターパラグライダーみたいなもの。”メーヴェ”とはドイツ語で”カモメ”のことだそうですが、確かにカモメを彷彿とさせる美しいフォルムです。ナウシカもこれに乗って”私はカモメ(*4)”とか言ったんでしょうか?
【本】ナウシカの飛行具、作ってみた(八谷和彦、幻冬舎)
 サブタイトルが”発想・制作・離陸--- メーヴェが飛ぶまでの10年間”とあるように、ナウシカに登場するメーヴェを10年がかりで作成した八谷和彦による”OpenSkyプロジェクト”のノンフィクション。八谷和彦という人は実は”ポストペット(*5)”の開発者でもあります。


 さて、このリアルメーヴェ、アニメに登場するよりはやや大ぶりですが(*6)(アニメ版は推定全幅5m 重さ12kg、リアル版は9.63m 88.6kg)、ちゃんと飛びます。しかしまあ、アニメ雑誌”アニメージュ”への連載開始が1982年、ジブリの映画の公開は1984年ですからほぼ30年がかりでジェットエンジン付きメーヴェが初飛行したことになります。実際に八谷和彦がメーヴェを作ろうと思い立ってからでも10年がかりですがら、大したモンです。

 あと下世話な話ですがお金。試作用リモコン機、人が搭乗できる初号機のM-01、エンジンなしのM-02、エンジン付きのM-02Jと合わせて9,000万円以上の費用がかかってるんだとか。会社の事業としてだそうですが、利益の見込めないプロジェクトにも関わらずここまでお金をかけるってのは、けっこういい性格してます。

 でも好きなんですよね~~、こういったバカバカしいプロジェクト(褒め言葉です!)に突っ込んでって完成させちゃう人って。まあ、”おちゃめなプロジェクトX(*7)”とでも言いましょうか。
 それに、この人はメディアアーチストだからか形から入るってものあって、ナウシカのコスプレ作って女性に着せたりとか。こういうのがあるとコスプレってのもまんざら捨てたモンじゃないかと(ご本人はコスプレではないと言ってますが・・)

 加えてすごいのはやはり宮崎駿監督。メーヴェというのは形としては無尾翼機という分類になります。巻末にあさりよしとおの”無尾翼機のひみつ”という”まんがサイエンス(*8)”の出張版がついてますが、その中で無尾翼のことを評して

  あさりちゃん:この飛行機の場合は?
  あやめちゃん:そんなの カッコいいからに決まってるでしょ!!
  あさりちゃん:なるほど-- そういう設計思想だったのね
  まなぶくん :いやー、見た目でデザインしたら偶然空を飛ぶ形をしてたんだと思うよ
  よしおくん :それを言っちゃオシマイよ

てな会話をしています。本書では宮崎監督は”メーヴェは実際には飛ばないと思っている”といった話を書いていますが、それでも実際に飛ぶものができちゃうんだから、やっぱり宮崎駿って人はずば抜けたデザインセンスの持ち主なんでしょうね~~

 本書は、日本の航空技術史の話だとか、東日本大震災の話だとか、上記のあさりよしとおや堀江貴史も参加する”なつのロケット団”の話だとか寄り道もいっぱいあって面白い本です。風の谷のナウシカファンにはぜひ。


《脚注》
(*1)折りたたみ式携帯電話でスタートレックごっこをやっちゃった
 ”スタートレック”(製作 ジーン・ロッデンベリー)に登場するコミュニケーターという通信機はパカッと蓋が開く構造になってて、折りたたみ式携帯電話みたいな形をしています。このタイプの携帯電話を初めて持った時に
  カークより エンタープライズ
とか言って遊んだのは私だけじゃないと思うんですが・・・
Photo_2
(*2)ガンダムなんかだとシャレにならない人が集まるし
 2009年に開催された”GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト”では当初予想の150万人を大幅に上回り415万人以上の人が集まったんだとか。その一人が私です、すいません。
(*3)鉄腕アトムだとコンプレックスになったりなんかします
 何かで読んだんですが、ロボット工学をやってる人って自分の作ったロボットを”鉄腕アトム”と比較されるのってとってもつらいんだとか。
 まあ、なんとか二足走行をクリアした技術レベルからすりゃ、10万馬力で空を飛び、善悪を見分けられる電子頭脳なんかを期待されるのはつらいでしょうなぁ・・
(*4)私はカモメ
 1963年にボストーク6号に搭乗した女性としては世界初の宇宙飛行を行ったソ連の宇宙飛行士テレシコワの言葉。この言葉は彼女が宇宙で発した最初の言葉で、最初に聞いた時は”ロマンチックな人だな~”とか思ってましたが、これは彼女の個人識別用コールサイン”チャイカ(ロシア語でカモメ)”だったから。知らん方が良かった知識かも・・
(*5)ポストペット(PostPet)
 ある世代には懐かしいかわいい系メールソフト。今のLINEユーザーには想像しにくいかもしれませんが、1990年代後半の愛想もなんもないメールソフトの中で、かわういテディベア”モモちゃん”がメールを運んでくれるというソフトは画期的でした。
(*6)アニメに登場するよりはやや大ぶりですが
 本書によると飛行機が飛ぶ重量は速度の2乗と翼面積に比例するので、条件にもよりますがおおむねこれぐらいの大きさになるんだそうです。
(*7)プロジェクトX
 NHKで2000年~05年に放映されたドキュメンタリー番組。技術者達が苦労の末にプロジェクトを成功させるという物語は実に中年のおぢさん達の琴線に触れるモノでした、はい。
(*8)まんがサイエンス
 学研の”5年の科学”、”6年の科学”に連載されていたあさりよしとおの科学学習漫画(現在は”大人の科学マガジン”に連載)。子供向けの本ですが、大人が読んでも面白いんですね~、これが。お勧めです。
 ちなみにあさりよしとおは”なつのロケット(白泉社)”というマンガも書いています。

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