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セックスはリアルすぎる。誰もが愛する人と直につながれるのならフェイスブックなどいらない(フェイスブック 子どもじみた王国/ニュースフィールド)

 ども、どっちかつ~とフェイスブックよりLINE(*1)のおぢさん、たいちろ~です。
 先日、仕事をしていると3時半ごろに”おい、東海道新幹線が止まってるらしいぞ!(*2)”とのニュースが。どうしてわかったかと言うと、会社で一緒に仕事をしているお嬢さんが出張に行っていて、駅から”新幹線止まっています(T-T)”というコメントとともに駅の電光掲示板の写真がフェイスブックにアップされてたから。それを見てた人の話です。そのあと同じく上司から”駅で足止めになっていて夕方の会議に出席できない”との電話がありました。まあ、若モンがフェイスブックでおぢさんが携帯電話ってことでもないんでしょうが、いかにもフェイスブックらしい使い方でしょうか。
 ということで、今回ご紹介するのはそんなフェイスブックを扱った本、”フェイスブック 子どもじみた王国”であります。


Photo
写真は上記のお嬢さんの撮影。”おくれています”が表示されてる駅の行き先表示板。
もちろん、無断掲載です。


【本】フェイスブック 子どもじみた王国(キャサリン・ロッシ 河出書房新社)
 フェイスブックに51番目に入社し、CEOにまで登りつめた”キャサリン・ロッシ”によるフェイスブック社に在籍していた時代を振り返って書かれた本。
【IT】ニュースフィールド
 フェイスブックの機能の一つで、友達設定された人が近況や写真、動画などを更新すると表示される場所です。本書によると2006年に公開された時は相当物議をかもして拒否反応も強かったそうですが、今では当たり前に使ってます。


 フェイスブックやアップルなどIT企業ってのはいろんな本が出ています。会社自身が新しい分野を切り拓いてるってこともありますし、経営者カリスマだったりってのもあります。会社そのものを扱ったビジネス書や、経営者の伝記(自伝)、経営ノウハウ本から暴露本まで。で、この本はどれかと言うと、実はどれにもあてはまんないんですなぁ。会社の意図にかかわらず内実を描くという点で無理やり分類すれば暴露本ってことになるかもしれませんが、それほど悪意で書いてるわけではないですし。
 誤解を恐れずに言うなら

  ばりばりの理系のベンチャー会社に入社し
  違和感を感じながらも偉くなっちゃった
  文系女子大生の職場体験レポート

っとこでしょうか? 

 今でこそ時価総額では世界有数の大企業のフェイスブックですが、著者のキャサリン・ロッシが入社したのは2005年。フェイスブックの創業は2004年で、創業者のマーク・ザッカーバーグは大学生とまさに学生ベンチャーのノリ。キャサリンは51番目の会社員とのことですが、中小企業もいいとこです。
 で、彼女が担当したのは”カスタマーサポート”。エンジニア偏重でほとんど女性のいないこの会社では下層のカーストだったとか。


  パロアルトのこのオフィスは、彼らにとってクラブハウスのようなものなのだ
  女性はめったに入ってこない。
  そういう場所に、セクシーな落書きがあったからといって
  文句を言うのはおかしい、ということのだろう。
  ここは彼らの王国であり、彼らのクールだと思うもので作られている。

   (中略)
  この種の落書きに象徴される「少年的」な企業文化とつきあえなければ、
  ここではやっていけない

 これは彼女が入社初日のことを書いたコメント。今どき、男子トイレであっても会社でセクシーな落書きなんかした日にゃセクハラだなんだといわれちゃいそうですが(それ以前に間違いなく女性社員に総スカンです)、”これは一種のテストなんだ”とミョーに納得しちゃってます。でも、こういう納得の仕方って違和感の裏返しではないかと。

 元々、フェイスブックは人と人をつなげるプラットフォーム=”ソーシャル・ネットワーク”なわけですが、そのためにはある程度自分をさらけ出す必要があるということ。これを本書では”ポルノ”という言い方をしてます。

  インターネットには
  「欲望の対象となりうるものがあれば、
  何であっても、必ずそれを楽しむためのデジタルのポルノがある」
  という法則が存在する
  この法則に一切の例外はない

まあ、欲望の赴くままに脳内をさらけだせばいいってモンではないわけで(*2)、このへんのバランス感覚は重要。ネットの情報と自分の閾値がずれてれば違和感あるでしょうね。私自身、フェイスブックを見てて、上記のお嬢さんのように読んでて面白い(主に喰いもんネタですが)のもありますが、”これ書きこんで何が面白いんだろう?”ってこともあります。まあ、本人が面白ければOKって見方もありまけすどね。

 なんだかんだで、キャサリンはフェイスブックを退社することになります。

  セックスはリアルすぎる。恐ろしいほど、ぞくぞくするほどリアルだ
  セックスをしてしまうと、すべてが変わってしまう
  本物の交流、全面的な肉体の交流をしてしまうと、もうバーチャルには戻れない
  私たちの運命は、そのバーチャルの世界に委ねられているというのに
  フェイスブックの先頭に立つ者として、私たちは一定の距離を守る必要がある
  人と人の間にこの距離があればこそ、会社は存続していける
  誰もが愛する人と直につながれるのなら
  私たちを含め、誰にもフェイスブックなどいらないし
  遠くにいる「友達」と仮想世界で常時つながっていなくてもいい

 引用が長くなりましたが、これはキャサリンがボーイフレンド(らしい人)とセックスを拒絶する時の言葉。これってセックスへの拒絶だけでなくって、自分の仕事に対する自己否定でもあるんですね。誰だって、”何のためにこの仕事をしてるんだ?”とかなんとか考えたことがあるかと思いますが、企業のトップの一人がこんなこと考え出したらつらいでしょうなぁ。理想と現実とか頭で考えることではなく、ネットというバーチャルな中でお互いの存在を消費し消費される関係ってのは肌感覚として違和感ありそうだし・・・

 ”フェイスブック 子どもじみた王国”はビジネス書を期待して読むならたぶんお門違い。でもITベンチャーに就職して一発当てようかという女子大生は読んどいた方がいいかも。


《脚注》
(*1)LINE
 LINE株式会社が運営する、スマホなど向けのインスタントメッセンジャー。かわういスタンプを送る機能が受けたのか、けっこうブームに。私も娘から”面白いよ!”と勧められてスマホを買ったときに真っ先にインストールしました。
(*2)東海道新幹線が止まってるらしいぞ!
 東海地方を中心に熱帯低気圧による大雨の影響で米原~名古屋間で運転見合わせになってました(2013年9月4日)
(*3)欲望の赴くままに脳内をさらけだせば~
 2013年8月26日に”2ちゃんねる”から書き込みの個人を特定できる情報が流出して大騒ぎになりました。匿名で誹謗中傷や荒らしをやってた人が謝罪することになったそうです。コンサルタントのイケダハヤトの
 「バレたら困ることは、『匿名』だろうがネットに書いてはいけない」
といったコメントを読みましたが当たり前です。

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コメント

携帯のメールすら忘れたころに帰ってくると言われている私にとっては、LINEなんかはうっとうしいだけだし面倒くさい。
その他のSNSもmixiも登録しただけでほったらかしだし、用事があったら電話して来いというアナログ人間ですから。
デジカメもモニター画面を見て撮るのにも違和感があるから、一眼にこだわっているくらいですしね。
どうにもあの小さな画面にいいように操られている気がして、今のIT化というのはなんか間違った方向に向かっている気がする。
こんな昭和の遺産的なアナログおやじがいてもいいんじゃないですか?

PS;京極堂シリーズ、届いたようですね。まだ私も読んでないものも含めあと5冊くらいあるから、またそのうちに送るわ。

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