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高い感受性を持つ人は暗記が得意になるそうです(万能鑑定士Qの事件簿/空海の風景/観智院)

 ども、歳のせいか記憶力がめっきり衰えてきてるおぢさん、たいちろ~です(歳の成果だけか?)
 ”万能鑑定士Qの事件簿”を読みました。けっこう売れているシリーズのようですし、ハマーン様を彷彿とさせる(*1)表紙も気になってたんですが、なんせ冊数も多いんで(*2)ためらってたんですが、読んでみると面白いんですな~これが。まだ2巻までですがはまりそうです。
 ”ビブリア古書堂の事件手帖(*3)”なんかもそうですが、博学強記で美人のおねいさんが探偵役の話ってけっこう好きなんですが、”万能鑑定士Q”の鑑定家”凜田莉子(りんだりんこ)”も気に云っちゃいました。あらゆるものに超絶的な知識を持ち、抜群の観察力と推理力、これで美人となればまさにストライクです。


150096s
写真はたいちろ~さんの撮影。京都 観智院にある”五大の庭”です。


【本】万能鑑定士Qの事件簿(松岡圭祐、角川文庫)
 東京に貼られている謎の“力士シール”。週刊角川の記者”小笠原”は”万能鑑定士Q”の店主”凛田莉子に依頼する。超絶的な知識と観察力によりあらゆるものを鑑定する莉子。やがて二人は日本経済を破壊する一万円札偽造事件に巻き込まれてゆく・・
(第一巻、第二巻)
【本】空海の風景(司馬遼太郎、中公文庫他)
 中国より真言密教をもたらした真言宗の開祖”空海”(弘法大師)の生涯を描いた司馬遼太郎の傑作。
 同じ時代で天台宗の開祖である”最澄”と並び称される知の巨人ですが、どっちかというとエリートコースの”最澄”に対し”空海”はなかななに苦労人だったようです。
【旅行】観智院
 東寺真言宗の総本山”東寺”北大門を出てすぐにある真言宗全体の勧学院(学校、研究所)。本尊は五大虚空蔵菩薩。”五大の庭”は空海が唐から帰朝する際に海が荒れ難破しそうになった時の様子を描いた庭。築山の石に五大虚空蔵菩薩の梵字が刻まれています。家にもこんな庭、欲しいなぁ。詳しくは観智院のhpをどうぞ。


 で、ちょっとユニークなのが凜田莉子がこの知識(記憶力)を持つにいたった経緯が書いてあること。頭の良くなる薬とか、ビックラッド(*3)みたく、SFのガジェットはありますが受験生向けにでもできそうなやり方ってのは珍しいんじゃないかと。
 ネタバレになりますが、アルバイト先の社長”瀬戸内陸”が凛田莉子に教えた方法がこれ。

  私が思うに、高い感受性を持つきみのような人は
  暗記が大の得意になるはずなんだ
  感受性の高さが記憶力の高さにつながるからだ
  感動を伴う記憶は強い印象を残すんだよ
  つまり、書かれている内容に感動すべきなんだ
  自分のすなおな感情に身をまかせることだ
  難しく考える必要はない
  感動といっても泣くことばかりじゃないよ
  喜怒哀楽、なんでもいいから強い感情を得ることだ
  そして、四割ほど忘れたころに、もういちど同じところを学習すること

   (”万能鑑定士Qの事件簿”1巻より抜粋)

 まあ、莉子の推理って記憶力だけではなく観察力とかさまざまな能力に支えられていますが、落ちこぼれで天然な彼女が一流の鑑定士兼探偵になってるんだから、受験生だったらやってみたくなりそうな”記憶術”ではあります。

 そんなにうまく行くはずがないと思われるかもしれませんが、ふと思い出したのが”空海の風景”に出てる”虚空蔵救聞持法(こくうぞうくもんじほう)”。これは密教の雑密(ぞうみつ)の一つで万巻の経典をたちまち暗誦できるという秘術です。これはある真言を、ある場所に行って、一定時間の間に百万べんとなえるというやり方をします。実際、空海は苦労の末、室戸岬でこの秘術を体得するわけですが、こういった苦行や大自然しかない環境って感受性を高めるには役立ちそうです。

 空海という人は元々頭の良かったようですが、司馬遼太郎はこれに加え巫人能力(超自然的な力に感応しやすい能力)を持っていたんではないかと推測しています。こう言われるとなんとなく瀬戸内社長が言っていることと原理的には同じようなモンかと思えちゃいます。

  土佐ノ室生門岬ニ寂留ス
  心ニ観ズルニ、明星口ニ入リ、
  虚空蔵光明照シ来テ、菩薩ノ威ヲ顕ス

    (本書より”御遺告”から)

 これは空海が虚空蔵救聞持法を成就した時の描写ですが、やはり神秘的な体験だったんでしょうね。司馬遼太郎をして

  この超事実が、
  この若者をしてのちの空海たらしめるところの
  重大な出発点になった

 と言わしめています。”虚空蔵救聞持法”はまあ、受験生が簡単に身につけられるシロモンではなさそうです。空海並みの偉人を目指して一発当てる人向けかもしれませんが、相当ハイリスク。瀬戸内社長のノウハウあたりで真面目に受験勉強したほうがいいかもね。

 今回は本編の内容とあまり関係なくなっちゃいましたが、”万能鑑定士Qの事件簿”はけっこう気に入りましたんで続きも読んでみるつもりです。

PS.
 最近は”万能鑑定士Qの事件簿”を始め、どっちかというと人が死んだり怨念がどうこうといった内容じゃない”さらっと系”の推理小説を読むことが多かったんでそろそろ”どろどろ系”のを読もうかと思ってたところ、高校時代の友人でこのブログにつっこみをくれるYO~YO~氏から京極夏彦の”百鬼夜行シリーズ”が届きました、しかもダンボール箱一箱分!。このシリーズは気になってたんですが”境界線上のホライゾン(*4)”並みに多いわ厚いわでなかなか手が出ませんでしたが、この機会に読んでみよっと!
 ということで、YO~YO~、連絡遅くなったけど、ちゃんと本届いたからね!!


《脚注》
(*1)ハマーン様を彷彿とさせる
 ”機動戦士Ζガンダム”&”機動戦士ガンダムΖΖ”に登場するネオ・ジオンの実質的な指導者にして超美人。凜田莉子と違ってショートカットですが、ややきつめな印象が良く似てると思うんですが・・・
(*2)なんせ冊数も多いんで
 第一部 12冊、第二部 4冊、短編集 2冊、姉妹編 4冊とけっこうなボリューム(2013年8月現在)。シリーズ物って読みだすと全部読むタイプなのでうっかり手を出すと大変なことになります。
(*3)ビックラッド
 ”サンダーバード”を作成したジェリー・アンダーソンが作った特撮人形劇”ジョー90”に登場する機械。くるくる回る球体”ビックラッド”の中に入った少年”ジョー”へ専門家の知識がインストールできるというスグレモノ。日本の放送は1968年ごろですが、当時の小学生は”これさえあれば、テストで簡単に100点取れるのに!”と憧れたものです。
(*4)境界線上のホライゾン(川上稔 電撃文庫)
 既刊14巻(2013年8月現在)でかつ1冊が多いのだと1000ページを超えると言う超分厚さ。フツーだったら3~4分冊にするだろ~ ライトノベルの棚ではそれだけで目立ちまくっているシリーズ、読んでないけど。
 ”百鬼夜行シリーズ”はさすがに分冊版がでましたが、こっちはまだ厚さで勝負のノリで頑張っています(何を?)

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