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2013年9月

復興って”がんばれ”とか”行政は何をしている”だけじゃなくって、こんな”突き抜けた元気さ”がもっとあってもいいんじゃないかと(リアスの戦士イーガー/おながわさんま収穫祭2013)

 ども、さんまが大好きなおぢさん、たいちろ~です。
 ただいま、仙台に来ております。スーパーの鮮魚売り場で見ますと”なんだか、さんまが高いな~”。普通ですとこの時期、宮城県産のさんまがまあ100円程度で売ってるはずなんですが、今年は北海道産で150円以上。どうしようかと思っていたところ、今年は”おながわさんま収穫祭”が開催されるとのこと。
 ということで、さっそく行ってみました。

 

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写真はたいちろ~さんの撮影。
上:さんまを焼く町内のみなさん。
中:リアスの戦士イーガー
下:左からAKB風司会のおねいさん、仮設の戦士”センガーイッキ”、リアスの戦士”イーガー”、エチゼンクラゲ怪人クララーゲ

 

【DVD】リアスの戦士イーガー・外伝 Episode1
 ”リアスの戦士イーガー”は宮城県女川町の商工会青年部メンバーが町おこしを狙って企画のご当地ヒーロー。金華山の力で伝説のゴールデンウミネコの魂と一体化して生まれ変わったという設定。女川の平和を守るため、ワルワル団と戦っています。
 ”外伝(*1)”として2013年9月22日の”さんま収穫祭2013”で先行発売、10月1日よりネットで販売開始。 (公式HPはこちら
【旅行】おながわさんま収穫祭2013
 毎年秋に行われている女川町のお祭り。”さんま祭り”ではなくて”さんま収穫祭”が正式名称。さんま炭火焼4000匹、すり身汁3000匹の無料提供(13年度は任意で義捐金)や格安販売、さとう宗幸やBiSというアイドルグループのステージなどが開催されました。


 ”おながわさんま収穫祭”は東日本大震災前は女川漁港で開催されましたが津波で甚大な被害を受けた為、13年度は高台にある総合運動場での開催。よく行ってたんですが昨年は地元の人だけで開催ということで行かなかったんですが、今年は本格的に再開したようでしたので行きました。なんでも、2万人が訪れれたんだとか。女川町の人口が7,400人ぐらいだそうですので、ほぼ人口の3倍ですぜ。会場でさんまを焼いたり駐車場の整備をやったりとほとんど町の人総出でやっている勢いです。

 で、まずさんまの格安販売から。20匹の発泡スチロール箱入りでなんと1000円。発泡スチロール箱だってそこそこ原価かかかってるはずですから、1匹あたりの値段でいえば市価の1/3以下です。ご近所のおすそわけ分もあわせて2箱買いました。なんでも1000箱用意して午前中には売り切れたそうです。

 さんま炭火焼、すり身汁もただきました。炭火焼なんか焼いてる煙が遠くからでも見えるほど、大盤振る舞い。大根おろしに酢だちをつけてあつあつを食べると油ののったさんまならでわの美味しさが堪能できました。

 あと、もう一つのお目当ては”リアスの戦士イーガー”。地元新聞の”河北新報”の報道は”ご当地ヒーロー イーガーのDVD発売”だもんなぁ。新聞にDVDのパッケージ写真がでてましたが、けっこうマジな作り。さすがに巨匠”石ノ森章太郎”が若き日を過ごした石巻市の隣町だけのことはあります(*2)。仮面ライダーを彷彿とさせる造形は素人(女川町商工会青年部の企画作成)とは思えないほどのスグレモノ。ネーミングセンスもユニークで、hpによるとヒーローの名前が方言で”いーがー、おめだづ(いいか、おまえたち)”武器が”ギンジャ剣(銀鮭)”、”ホ盾(帆立)”、仲間が”センガーイッキ(船外機)”!

 ネットにUPされていたプロモーションビデオかこんな感じ。なかななのクオリティーであります。


 

 ”震災復興が重要な時に何をやるんだか・・”みたいな意見もあったんじゃなかろうかと思いますが(*3)、こういった”つきぬけた元気さ”って重要じゃないかと。まあ、まわりが”がんばれ”と言ったり”行政は何をやってるんだ!”と憤ってみても、結局は当事者がどんだけ前向きになるかがポイントじゃないかと。こういった被災した状況の中でも”面白い物”を生みだすバイタリティというかしぶとさみたいなものが大切だと思います。また、DVDのパッケージに”Episode1”と書いてあったので”Episode2もあるんですか?”と聞いたら”1が売れたら作ります”とのこと。こういったアバウトさというか(失礼!)、”1コ作ったからいいわ”じゃなくて常に前見てやってる感って好きですね~

 今の女川ですが、街並み自体はまだ更地のままのところも多くて、復興道半ばって言う感じで切ないところも多かったですが、こんな”元気なDVD”を作れる若い人がいるってことにとても期待感を持ちました。
 町の復興も、さんまの収穫も、DVDの販売もぜひ成功させてください

   (ネット販売はこちらから)

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《脚注》
(*1)外伝
 じゃあ、正世(本編)があるのかというとよくわかりません。まあ、”カムイ外伝”(白土三平)みたいに外伝だけがアニメ化された例もあるので、あんまし気にしないか。
(*2)巨匠”石ノ森章太郎”を輩出した石巻市の隣町だけのことはあります
 ”仮面ライダー”や”スーパー戦隊シリーズ”など特撮ヒーローの生みの親”石ノ森章太郎”は高校時代に石巻市の映画館に通っていたというご縁で石巻市に”石ノ森萬画館”が建てられています。こちらのご当地ヒーローは”シージェッター海斗”
(*3) ”震災復興が重要な時に何をやるんだか・・”みたいな~
 2007年に海上自衛隊が”スーパー戦隊シリーズ”みたいなコマーシャルフィルムを作成して物議をかもしたことがあります。けっこうノリノリで受けた人と”ふざけてる”と怒った人と。まあ、とんがった事をやれは批判する人が出るのは当たり前で、それを跳ね返すバイタリティこそが重要ではないかと。

”姑獲鳥の夏”って、押井守監督でプロダクション・アイジーあたりでアニメ化するのも面白かったかもね(姑獲鳥の夏/ダチュラ)

 ども、見たくないものは見ない主義のおぢさん、たいちろ~です。
 最近、”さらっと系”の推理小説ばっか読んでるので、そろそろ”どろどろ系”のを読もうかと思ってたところ、高校時代の友人でこのブログにつっこみをくれるYO~YO~氏から京極夏彦の”百鬼夜行シリーズ”を送ってくれました。前々から読みたいな~とは思ってたんでこれ幸いと読書開始。妖怪の名前のついた本ぐらいしか予備知識がなかったんですが、読むと面白かったんだなあれが。推理小説としては、かなり少ない状況証拠と残された被害者の日記から壮大な推理を展開する拝み屋とか、”過去の記憶が見える”という”見崎鳴か!(*1)”と突っ込みたくなるような探偵とか、けっこう掟破りなとこもありますが、今までにないシロモノです
 ということで、今回ご紹介するのは”百鬼夜行シリーズ”の第一作”姑獲鳥の夏(うぶめのなつ)”であります。


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写真はたいちろ~さんの撮影。近所で見かけた”ダチュラ”です。
私が栽培してる訳ではないですから、いやマジで。


【本】姑獲鳥の夏(京極夏彦、講談社文庫)
【DVD】姑獲鳥の夏
    (原作 京極夏彦、監督 実相寺昭雄、出演 堤真一、永瀬正敏、原田知世)
 戦後間もない昭和二十七年夏、作家の関口巽は古くからの友人”京極堂”こと中禅寺秋彦の家を訪ねる。関口は”二十箇月もの間子供を身籠っていることができると思うか”と京極堂に問う。身籠った女性”久遠寺梗子”、梗子の姉”久遠寺涼子”、その母”久遠寺菊乃”・・・ 憑物筋の家系”久遠寺”にまつわる呪いを京極堂は祓うことができるか?
【花】ダチュラ
 チョウセンアサガオ属の一年草または多年草。別名”チョウセンアサガオ
 全草にアルカロイドを含んでおり、本書で使われているように摂取すると全身の弛緩、意識混濁、見当識障害、譫妄状態、記憶喪失などを引き起こすんだそうです。
 写真は名前札があるわけではないですがたぶん”ケチョウセンアサガオ”。こんなヤバいモンがなぜ普通に道端に生えているかは不明です。


 で、この小説を一言で言うと

  江戸川乱歩のとり憑いた押井守、ちょこっと水木しげる

ってとこでしょうか。おどろおどろしい雰囲気って江戸川乱歩(*2)っぽいし、乱歩の活躍した戦中戦後は”姑獲鳥の夏”の時代設定と同じだし。水木しげるは妖怪つながり。映画版では京極夏彦が”水木しげる”役で京極堂に姑獲鳥のことを会話するシーンが出てきます。
 でも、すんごく似てるな~と思ったのが押井守(*3)。とにかく理屈っぽいんだ、京極夏彦も押井守も。小説の前半では70ページ近く”認知論”みたいな哲学的な話が延々続きます。これが宗教的な話があり~の、脳科学な話があり~の、歴史認識の話があり~の、さらには不確定性原理の話まで飛んじゃってます。このくだりでコロっといちゃいましたね。

 幽霊とか不思議な現象に対する京極堂の言葉

  そうして已むおえず嘘を吐いてしまった脳は、
  その後辻褄合わせの帳簿の改竄を始める。
  プライドが許さんのだ。
  脳は自然科学の通用する世界に存在するものだからね。
  斯くしてこの世に怪異といういい訳と宗教という自己弁護が誕生したのだ

 京極堂は古書店主のほかに”武蔵晴明神社の宮司”でもありますが、宮司さんのセリフじゃないな~。京極堂のスタンスって”絶対的認知の喪失”とでも言いましょうか。推理小説って”たった一つの真実見抜く”って側面と、その真実がさまざまな人からどう違って見えるかをひも解くって側面がありますが、真実ってのが正しく認知されるのが前提。その認知が不確かってのが本書の特徴かと。

  君を取り囲む凡ての世界が幽霊のようにまやかしである可能性は
  そうでない可能性とまったく同じにあるんだ

 これは本書のキャッチコピである”この世には不思議なことなどなにもないのだよ、関口君”の直前に出てくる言葉。夢と現実が脳によって等価であるなら、なんでもありの世界です。押井守の名作”うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー”(原作 高橋留美子、キティ・フィルム)の中で、夢を操る妖怪”夢邪鬼”に”夢と現実がどう違うんだ”といった会話が出てきますが、そんなん思い出しちゃいましたね。

 原書と合わせてDVD版も観ました。監督はウルトラマンなど特撮映画の巨匠”実相寺昭雄”。おどろおどろな作品を単なるホラーにしない雰囲気作り、絶妙なライティング、BGMの使い方など、やっぱし上手いなぁ。でも、この雰囲気、どっかで見たことあるような~と思ってたら、これって”ウルトラマンティガ”の第37話”花”(*4)によく似てるんですよね、テイストが。
 映像としては舞い散る桜の花びらの演出が姑獲鳥の羽毛を連想させるとか、カットバックで登場する子供をお腹に抱いた石仏とか、着物の美女の登場とか。特に効果的なのが音響。拍子木の響きに鐘の澄んだ音色が両作品ともいい雰囲気出しています。まあ、”姑獲鳥の夏”で場面転換の時に流れる”ショワヮヮヮ~~”ってのは単なるお遊びでしょうけど。
 ただ、キャストがね~。別に堤真一や原田知世が合ってないとかヘタだとかって意味じゃなくて、キャラクターとしての”久遠寺涼子”じゃなくて”久遠寺涼子”を演じる”原田知世”と脳が認識しちゃって。この手の現実離れした話ってのは実在のスターが演じるってのは難しいのかもしれません。いっそのこと押井守監督でプロダクション・アイジーあたりでアニメ化するのも面白かったかもね(*5)。
 しかし、原田知世もラベンダーの温室から遠くへ来たもんです・・・(*6)

 ということで、第二作目の”魍魎の匣(もうりょうのはこ)”を読み始めました。読み終わったらまた感想書くからね、YO~YO~


《脚注》
(*1)見崎鳴か!
 綾辻行人のホラー・ミステリー”Another(アナザー)”に登場するヒロイン。腫瘍により失なった左眼で”死の色”が見えるという美少女。
 探偵”榎木津礼二郎”は極度の弱視である代わりに他人の記憶が見えると言う能力の持ち主。両名とも欠損した視力を補うための能力を持っている特殊能力者です。
 ちなみに出版されたのは”姑獲鳥の夏”のほうが先。
(*2)江戸川乱歩
 猟奇・残虐趣味なテイストな日本を代表する推理小説家。学生時代はけっこう入れ込んで読みました。最近では”ビブリア古書堂の事件手帖”(三上延、メディアワークス文庫)のモチーフとして登場しましたが、またブームになんないかなぁ
(*3)押井守
 アニメや実写映画を手掛ける映画監督、作家。代表作は”うる星やつら”、”機動警察パトレイバー”、”攻殻機動隊”など。理屈っぽいセリフと独特の暗い雰囲気がけっこうお気に入りです。
(*4)”ウルトラマンティガ”の第37話”花”
 平成ウルトラシリーズの第一作”ウルトラマンティガ”のエピソード。
 宇宙から地球への移住をたくらむマノン星人が邪魔になるGUTSのイルマ隊長を誘拐するというお話。動画はこちらからどうぞ。
(*5)プロダクション・アイジーあたりで~
 アニメーションの企画・制作会社。上記の”機動警察パトレイバー”、”攻殻機動隊”など押井守監督で作成しています。
(*6)ラベンダーの温室から
 原田知世の映画主演作”時をかける少女”(監督 大林宣彦)でラベンダーの花の咲く温室で深町一夫とお話をするシーンが出てきます。おぢさん世代にとって、原田知世ってどうしても”時かけ”なんですよねぇ

奥様はフラワーデザイナー、上戸彩とはずいぶん違うけど・・・(半沢直樹/藤崎 エフナーレ~宮城に息づく作品たち~)

 ども、花と本のブログを書いているおぢさん、たいちろ~です。
 このブログでも何度か書きましたが、私の奥様は”フラワークラフト作家”という仕事をやっております。一般的にはフラワーデザイン(*1)とか、フラワーアレンジメントと言った方がわかりがいいかもしれませんが、まあ、プリザーブドフラワーや木の実などを使ったクリスマスリースとかを作ったり教えたりする仕事です。
 で、このたび、仙台にある老舗百貨店の藤崎で行われる”エフナーレ~宮城に息づく作品たち~”というイベントで作品展と教室を開催することになりました。2013年9月12日から17日までやってますんで、お時間のある方はぜひご訪問ください。
 (詳しくは奥様ブログ「フラワークラフト作家”Ann”のひとりごと」、藤崎のhpをご参照ください)


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写真は奥様ブログから。
今回教室で作成する”プリザの苔玉アレンジ”と”プリザのバラでシックなアレンジ”です


【TV】半沢直樹(原作 池井戸潤(*2)、主演 堺雅人、上戸彩、TBS)
 バブル入行組の銀行員”半沢直樹(堺雅人)”を主人公とする企業ドラマ。上司や国税局、金融庁の妨害にも関わらず融資事故の解決や企業再建を果たすという破天荒なストーリーで今や大盛り上がりのテレビドラマです。いや~、うちの上司もはまっちゃって・・・
 半沢直樹はなんだかんだで出世してますが、これは結果オーライの話。第一話の最後で及川光博演じる同期の友人が後輩に”マネしちゃダメだぞ”と注意してますが、実際の会社であんなことやりゃ間違いなく左遷です
【旅行】藤崎 エフナーレ~宮城に息づく作品たち~
 仙台の百貨店”藤崎”で開催される宮城在住の作家によるアート展。
 奥様による”松田敦子のフラワークラフト”のほかにもステンドグラスやビーズアクセサリーなんかもやってます。お時間がある方はぜひどうぞ。


 さて、”奥様はフラワーデザイナー”といえば、最近の流行りもんでは”半沢直樹”に登場する主人公”半沢直樹”の奥様で上戸彩演じる”半沢花”。直樹が唯一敵わないしっかりものの奥様で、結婚前はフラワーアレンジメントの仕事をしてました。ドラマ中でも家の中にかわいい花瓶を飾ってますがこれは正解。実はお花ってけっこう高いんですよね~~ 私んとこの奥様も結婚したころにテーブルコーディネーターという百貨店の食器売り場にあるテーブルにお皿とか花を飾る仕事を手伝ってまして、一度見に行った時に”このお花、いくらぐらいするん?(この辺の感覚が関西人)”と聞くと”ん万円”とのお返事。モノによっては1本でそれぐらいするのもあるんだとか。しかも、あまり長持ちしないので、時々入れ替えたりとかのケアも必要とのこと。

 バブル景気華やかかりしころ、トレンディドラマ(*3)では独身のOLがおしゃれなマンションに住んで山のように花が飾ってあったりとかしてましたが、その話を聞いてからは”あんた、なんぼほど給料もらってんねん!”と突っ込んじゃいました。
 一般論で言えば、メガバンクの課長や次長ともなればそれなりにいい給料もらってるはずですが(*4)、それでも昔のドラマみたいにてんこ盛りに花があったらどう見てもウソってもんです。

 ”じゃあ、お前んとこはどやねん?”と言われそうですが、私んとこはプリザーブドフラワーがメインなのでなんとかなってます。これでもお安くはないんですが、保存状態がよければ3年~5年、ものによっては10年持つってシロモノらしいので、1日あたりのコストでいうとかなり割安。色あせない上に水をやったり薬を与えたりもいらないので手間もかかりません。なんだか、宣伝みたいになってますが、宣伝です。すいません。

 しかしまあ、同じフラワーデザイナーであっても、奥様が上戸彩だったらいいよな~  銀行では”倍返しだ!”とか威勢のいい半沢直樹ですが、家では奥様にやりこめられてへろへろ(*5)。でも、上戸彩だったら、まっ いいか。
 もっとも奥様だって”ダンナが堺雅人だったら、もっとやさしくするわよ!”ぐらい考えてるんでしょうけどね


《脚注》
(*1)フラワーデザイン
 今回初めて知ったんですが、これは和製英語で元々は新品種を育種・改良することを示す言葉だったんだとか。SFなんかで遺伝子操作により希望する能力を子供の持たせる”デザイナーチャイルド”というのが出てきますがイメージ的にはこっちに近そうです。
(*2)池井戸潤
 ”池井戸潤”は三菱銀行(現東京三菱UFJ銀行)勤務という経歴の持ち主。
 原作の”オレたちバブル入行組”、”オレたち花のバブル組”(文春文庫)ですが、この人も1988年~1995年に勤務してたそうなので、バブル絶世期から崩壊期に銀行員やってたことになります。
(*3)トレンディドラマ
 当時はこんな生活がフツ~の設定になってましたが、やっぱりバブルだったんだよな~~ W浅野とか山口智子とか鈴木保奈美とか(懐かしい!)美人でカタカナ職業の女性が主人公で、ある意味自立した女性のはしりだったのかも(”男女雇用機会均等法”の施行は1986年)。今では完全に”死語”、若い人にはピンとこないんでしょうね。
(*4)メガバンクの課長や次長ともなれば~
 就職情報ナビのhpによると、企業別平均年収は三井住友FGで1,119万円(平均年齢38.1歳、ランキング16位)、三菱東京フィナンシャルグループで1,112万円(40.8歳、18位)、UFJホールディングスで1,050万円(38.7歳、20位)。日本のサラリーマンの平均年収は400万円台だそうですのでかなりの高給取りではないかと。まあ、あくまで平均ですけどね。
(*5)家では奥様にやりこめられてへろへろ
 どうも堺雅人って最初に観たのが”南極料理人(主演 堺雅人、監督 沖田修一、バンダイビジュアル)”だったせいか、巻き込まれ型のなさけない役どころってイメージがあって・・・

セックスはリアルすぎる。誰もが愛する人と直につながれるのならフェイスブックなどいらない(フェイスブック 子どもじみた王国/ニュースフィールド)

 ども、どっちかつ~とフェイスブックよりLINE(*1)のおぢさん、たいちろ~です。
 先日、仕事をしていると3時半ごろに”おい、東海道新幹線が止まってるらしいぞ!(*2)”とのニュースが。どうしてわかったかと言うと、会社で一緒に仕事をしているお嬢さんが出張に行っていて、駅から”新幹線止まっています(T-T)”というコメントとともに駅の電光掲示板の写真がフェイスブックにアップされてたから。それを見てた人の話です。そのあと同じく上司から”駅で足止めになっていて夕方の会議に出席できない”との電話がありました。まあ、若モンがフェイスブックでおぢさんが携帯電話ってことでもないんでしょうが、いかにもフェイスブックらしい使い方でしょうか。
 ということで、今回ご紹介するのはそんなフェイスブックを扱った本、”フェイスブック 子どもじみた王国”であります。


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写真は上記のお嬢さんの撮影。”おくれています”が表示されてる駅の行き先表示板。
もちろん、無断掲載です。


【本】フェイスブック 子どもじみた王国(キャサリン・ロッシ 河出書房新社)
 フェイスブックに51番目に入社し、CEOにまで登りつめた”キャサリン・ロッシ”によるフェイスブック社に在籍していた時代を振り返って書かれた本。
【IT】ニュースフィールド
 フェイスブックの機能の一つで、友達設定された人が近況や写真、動画などを更新すると表示される場所です。本書によると2006年に公開された時は相当物議をかもして拒否反応も強かったそうですが、今では当たり前に使ってます。


 フェイスブックやアップルなどIT企業ってのはいろんな本が出ています。会社自身が新しい分野を切り拓いてるってこともありますし、経営者カリスマだったりってのもあります。会社そのものを扱ったビジネス書や、経営者の伝記(自伝)、経営ノウハウ本から暴露本まで。で、この本はどれかと言うと、実はどれにもあてはまんないんですなぁ。会社の意図にかかわらず内実を描くという点で無理やり分類すれば暴露本ってことになるかもしれませんが、それほど悪意で書いてるわけではないですし。
 誤解を恐れずに言うなら

  ばりばりの理系のベンチャー会社に入社し
  違和感を感じながらも偉くなっちゃった
  文系女子大生の職場体験レポート

っとこでしょうか? 

 今でこそ時価総額では世界有数の大企業のフェイスブックですが、著者のキャサリン・ロッシが入社したのは2005年。フェイスブックの創業は2004年で、創業者のマーク・ザッカーバーグは大学生とまさに学生ベンチャーのノリ。キャサリンは51番目の会社員とのことですが、中小企業もいいとこです。
 で、彼女が担当したのは”カスタマーサポート”。エンジニア偏重でほとんど女性のいないこの会社では下層のカーストだったとか。


  パロアルトのこのオフィスは、彼らにとってクラブハウスのようなものなのだ
  女性はめったに入ってこない。
  そういう場所に、セクシーな落書きがあったからといって
  文句を言うのはおかしい、ということのだろう。
  ここは彼らの王国であり、彼らのクールだと思うもので作られている。

   (中略)
  この種の落書きに象徴される「少年的」な企業文化とつきあえなければ、
  ここではやっていけない

 これは彼女が入社初日のことを書いたコメント。今どき、男子トイレであっても会社でセクシーな落書きなんかした日にゃセクハラだなんだといわれちゃいそうですが(それ以前に間違いなく女性社員に総スカンです)、”これは一種のテストなんだ”とミョーに納得しちゃってます。でも、こういう納得の仕方って違和感の裏返しではないかと。

 元々、フェイスブックは人と人をつなげるプラットフォーム=”ソーシャル・ネットワーク”なわけですが、そのためにはある程度自分をさらけ出す必要があるということ。これを本書では”ポルノ”という言い方をしてます。

  インターネットには
  「欲望の対象となりうるものがあれば、
  何であっても、必ずそれを楽しむためのデジタルのポルノがある」
  という法則が存在する
  この法則に一切の例外はない

まあ、欲望の赴くままに脳内をさらけだせばいいってモンではないわけで(*2)、このへんのバランス感覚は重要。ネットの情報と自分の閾値がずれてれば違和感あるでしょうね。私自身、フェイスブックを見てて、上記のお嬢さんのように読んでて面白い(主に喰いもんネタですが)のもありますが、”これ書きこんで何が面白いんだろう?”ってこともあります。まあ、本人が面白ければOKって見方もありまけすどね。

 なんだかんだで、キャサリンはフェイスブックを退社することになります。

  セックスはリアルすぎる。恐ろしいほど、ぞくぞくするほどリアルだ
  セックスをしてしまうと、すべてが変わってしまう
  本物の交流、全面的な肉体の交流をしてしまうと、もうバーチャルには戻れない
  私たちの運命は、そのバーチャルの世界に委ねられているというのに
  フェイスブックの先頭に立つ者として、私たちは一定の距離を守る必要がある
  人と人の間にこの距離があればこそ、会社は存続していける
  誰もが愛する人と直につながれるのなら
  私たちを含め、誰にもフェイスブックなどいらないし
  遠くにいる「友達」と仮想世界で常時つながっていなくてもいい

 引用が長くなりましたが、これはキャサリンがボーイフレンド(らしい人)とセックスを拒絶する時の言葉。これってセックスへの拒絶だけでなくって、自分の仕事に対する自己否定でもあるんですね。誰だって、”何のためにこの仕事をしてるんだ?”とかなんとか考えたことがあるかと思いますが、企業のトップの一人がこんなこと考え出したらつらいでしょうなぁ。理想と現実とか頭で考えることではなく、ネットというバーチャルな中でお互いの存在を消費し消費される関係ってのは肌感覚として違和感ありそうだし・・・

 ”フェイスブック 子どもじみた王国”はビジネス書を期待して読むならたぶんお門違い。でもITベンチャーに就職して一発当てようかという女子大生は読んどいた方がいいかも。


《脚注》
(*1)LINE
 LINE株式会社が運営する、スマホなど向けのインスタントメッセンジャー。かわういスタンプを送る機能が受けたのか、けっこうブームに。私も娘から”面白いよ!”と勧められてスマホを買ったときに真っ先にインストールしました。
(*2)東海道新幹線が止まってるらしいぞ!
 東海地方を中心に熱帯低気圧による大雨の影響で米原~名古屋間で運転見合わせになってました(2013年9月4日)
(*3)欲望の赴くままに脳内をさらけだせば~
 2013年8月26日に”2ちゃんねる”から書き込みの個人を特定できる情報が流出して大騒ぎになりました。匿名で誹謗中傷や荒らしをやってた人が謝罪することになったそうです。コンサルタントのイケダハヤトの
 「バレたら困ることは、『匿名』だろうがネットに書いてはいけない」
といったコメントを読みましたが当たり前です。

高い感受性を持つ人は暗記が得意になるそうです(万能鑑定士Qの事件簿/空海の風景/観智院)

 ども、歳のせいか記憶力がめっきり衰えてきてるおぢさん、たいちろ~です(歳の成果だけか?)
 ”万能鑑定士Qの事件簿”を読みました。けっこう売れているシリーズのようですし、ハマーン様を彷彿とさせる(*1)表紙も気になってたんですが、なんせ冊数も多いんで(*2)ためらってたんですが、読んでみると面白いんですな~これが。まだ2巻までですがはまりそうです。
 ”ビブリア古書堂の事件手帖(*3)”なんかもそうですが、博学強記で美人のおねいさんが探偵役の話ってけっこう好きなんですが、”万能鑑定士Q”の鑑定家”凜田莉子(りんだりんこ)”も気に云っちゃいました。あらゆるものに超絶的な知識を持ち、抜群の観察力と推理力、これで美人となればまさにストライクです。


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写真はたいちろ~さんの撮影。京都 観智院にある”五大の庭”です。


【本】万能鑑定士Qの事件簿(松岡圭祐、角川文庫)
 東京に貼られている謎の“力士シール”。週刊角川の記者”小笠原”は”万能鑑定士Q”の店主”凛田莉子に依頼する。超絶的な知識と観察力によりあらゆるものを鑑定する莉子。やがて二人は日本経済を破壊する一万円札偽造事件に巻き込まれてゆく・・
(第一巻、第二巻)
【本】空海の風景(司馬遼太郎、中公文庫他)
 中国より真言密教をもたらした真言宗の開祖”空海”(弘法大師)の生涯を描いた司馬遼太郎の傑作。
 同じ時代で天台宗の開祖である”最澄”と並び称される知の巨人ですが、どっちかというとエリートコースの”最澄”に対し”空海”はなかななに苦労人だったようです。
【旅行】観智院
 東寺真言宗の総本山”東寺”北大門を出てすぐにある真言宗全体の勧学院(学校、研究所)。本尊は五大虚空蔵菩薩。”五大の庭”は空海が唐から帰朝する際に海が荒れ難破しそうになった時の様子を描いた庭。築山の石に五大虚空蔵菩薩の梵字が刻まれています。家にもこんな庭、欲しいなぁ。詳しくは観智院のhpをどうぞ。


 で、ちょっとユニークなのが凜田莉子がこの知識(記憶力)を持つにいたった経緯が書いてあること。頭の良くなる薬とか、ビックラッド(*3)みたく、SFのガジェットはありますが受験生向けにでもできそうなやり方ってのは珍しいんじゃないかと。
 ネタバレになりますが、アルバイト先の社長”瀬戸内陸”が凛田莉子に教えた方法がこれ。

  私が思うに、高い感受性を持つきみのような人は
  暗記が大の得意になるはずなんだ
  感受性の高さが記憶力の高さにつながるからだ
  感動を伴う記憶は強い印象を残すんだよ
  つまり、書かれている内容に感動すべきなんだ
  自分のすなおな感情に身をまかせることだ
  難しく考える必要はない
  感動といっても泣くことばかりじゃないよ
  喜怒哀楽、なんでもいいから強い感情を得ることだ
  そして、四割ほど忘れたころに、もういちど同じところを学習すること

   (”万能鑑定士Qの事件簿”1巻より抜粋)

 まあ、莉子の推理って記憶力だけではなく観察力とかさまざまな能力に支えられていますが、落ちこぼれで天然な彼女が一流の鑑定士兼探偵になってるんだから、受験生だったらやってみたくなりそうな”記憶術”ではあります。

 そんなにうまく行くはずがないと思われるかもしれませんが、ふと思い出したのが”空海の風景”に出てる”虚空蔵救聞持法(こくうぞうくもんじほう)”。これは密教の雑密(ぞうみつ)の一つで万巻の経典をたちまち暗誦できるという秘術です。これはある真言を、ある場所に行って、一定時間の間に百万べんとなえるというやり方をします。実際、空海は苦労の末、室戸岬でこの秘術を体得するわけですが、こういった苦行や大自然しかない環境って感受性を高めるには役立ちそうです。

 空海という人は元々頭の良かったようですが、司馬遼太郎はこれに加え巫人能力(超自然的な力に感応しやすい能力)を持っていたんではないかと推測しています。こう言われるとなんとなく瀬戸内社長が言っていることと原理的には同じようなモンかと思えちゃいます。

  土佐ノ室生門岬ニ寂留ス
  心ニ観ズルニ、明星口ニ入リ、
  虚空蔵光明照シ来テ、菩薩ノ威ヲ顕ス

    (本書より”御遺告”から)

 これは空海が虚空蔵救聞持法を成就した時の描写ですが、やはり神秘的な体験だったんでしょうね。司馬遼太郎をして

  この超事実が、
  この若者をしてのちの空海たらしめるところの
  重大な出発点になった

 と言わしめています。”虚空蔵救聞持法”はまあ、受験生が簡単に身につけられるシロモンではなさそうです。空海並みの偉人を目指して一発当てる人向けかもしれませんが、相当ハイリスク。瀬戸内社長のノウハウあたりで真面目に受験勉強したほうがいいかもね。

 今回は本編の内容とあまり関係なくなっちゃいましたが、”万能鑑定士Qの事件簿”はけっこう気に入りましたんで続きも読んでみるつもりです。

PS.
 最近は”万能鑑定士Qの事件簿”を始め、どっちかというと人が死んだり怨念がどうこうといった内容じゃない”さらっと系”の推理小説を読むことが多かったんでそろそろ”どろどろ系”のを読もうかと思ってたところ、高校時代の友人でこのブログにつっこみをくれるYO~YO~氏から京極夏彦の”百鬼夜行シリーズ”が届きました、しかもダンボール箱一箱分!。このシリーズは気になってたんですが”境界線上のホライゾン(*4)”並みに多いわ厚いわでなかなか手が出ませんでしたが、この機会に読んでみよっと!
 ということで、YO~YO~、連絡遅くなったけど、ちゃんと本届いたからね!!


《脚注》
(*1)ハマーン様を彷彿とさせる
 ”機動戦士Ζガンダム”&”機動戦士ガンダムΖΖ”に登場するネオ・ジオンの実質的な指導者にして超美人。凜田莉子と違ってショートカットですが、ややきつめな印象が良く似てると思うんですが・・・
(*2)なんせ冊数も多いんで
 第一部 12冊、第二部 4冊、短編集 2冊、姉妹編 4冊とけっこうなボリューム(2013年8月現在)。シリーズ物って読みだすと全部読むタイプなのでうっかり手を出すと大変なことになります。
(*3)ビックラッド
 ”サンダーバード”を作成したジェリー・アンダーソンが作った特撮人形劇”ジョー90”に登場する機械。くるくる回る球体”ビックラッド”の中に入った少年”ジョー”へ専門家の知識がインストールできるというスグレモノ。日本の放送は1968年ごろですが、当時の小学生は”これさえあれば、テストで簡単に100点取れるのに!”と憧れたものです。
(*4)境界線上のホライゾン(川上稔 電撃文庫)
 既刊14巻(2013年8月現在)でかつ1冊が多いのだと1000ページを超えると言う超分厚さ。フツーだったら3~4分冊にするだろ~ ライトノベルの棚ではそれだけで目立ちまくっているシリーズ、読んでないけど。
 ”百鬼夜行シリーズ”はさすがに分冊版がでましたが、こっちはまだ厚さで勝負のノリで頑張っています(何を?)

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