« 理屈と膏薬はどこにでもくっつくんですよね、バリスタ(珈琲店タレーランの事件簿/古典部シリーズ/コーヒーの木) | トップページ | この世に、無敵の戦車などありはしない あるのは、ただ鉄の棺桶だけだ!!(鉄の墓標/富士総合火力演習(予行演習)/10式戦車) »

ところで、この美少女達はなぜ戦っているのでせう??(ビビッドレッド・オペレーション/魔法少女まどか☆マギカ/戦闘美少女の精神分析/サクラソウ)

 ども、訳の分らんものと戦うこともなくだらだらした日常をすごしているおぢさん、たいちろ~です。
 この前、たまたま深夜のテレビを見てますと”ビビッドレッド・オペレーション”というのがやってました。その時出てたのが”黒騎れい”という子でなんとなく”暁美(あけみ)ほむら”っぽかったので(*1)気になってDVDを見ましたが、これがけっこう面白かったんですね。というか、今までの戦闘系アニメとか特撮の集大成みたいな感じで。色違いの戦隊ってのは言うに及ばず、エヴァンゲリオンの”使途”のような訳の分らんモノが攻めてくるわ、子ども二人が合体して大人キャラになるという”超人バロム・1(*2)”っぽい変身だとか。
 で、ふと思ったんですが、この子たちはいったいなぜ戦っているんだ? というとこ。命がけで戦う以上、それなりの戦う理由がありそうなもんですが、なんとなくあやふやなんですね、これが。
 ということで、今回のお題は”この美少女達はなぜ戦っているのでせう??”であります。


写真はたいちろ~さんの撮影。近所のサクラソウです

0307


【DVD】ビビッドレッド・オペレーション(監督 高村和宏、アニプレックス)
 世界中にエネルギーを供給する“示現エンジン"。これを破壊しようとする謎の敵”アローン”が出現した。“示現エンジン"を発明した一色博士の孫娘、中学2年生の”あかね”は祖父から託された”パレットスーツ”でアローンと戦い始める
【DVD】魔法少女まどか☆マギカ(監督     新房昭之、シャフト)
 中学2年生の少女”鹿目(かなめ)まどか”は謎の生き物”キュゥべえ”から望みをひとつ叶えるかわりに魔法少女となって魔女と戦うという”契約”をして欲しいと頼まれる。一方、転校生の”暁美ほむら”からはキュゥべえと契約してはいけないと忠告される。次々と現れる魔女と戦う魔法少女たち。次第に明かされる魔法少女の秘密とキュゥべえの真の目的とは・・・
【本】戦闘美少女の精神分析(斎藤環 ちくま文庫)
 戦う美少女たちと、それを愛好する”おたく”を扱った研究書。書名はおたくっぽいですが作者が精神科医だけあって、かなりまじめな本です。アウトサイダー・アーティストの画家ヘンリー・ダーガーの紹介に一章をさくなどなかりマニアックな内容です。
【花】サクラソウ
 サクラソウ科サクラソウ属の多年草。西洋サクラソウがプリムラ。
 花言葉は”青春のはじまりと悲しみ、早熟と非哀、運命を拓く”ですが、ドイツではサクラソウが”お城の門を開く鍵”というお話もあるようです。


 ”戦闘美少女の精神分析”によると戦闘美少女ってのは13の系統に分類できるんだそうです(*3)。で、戦う理由というとけっこうばらばら。まあ、あんましとりとめがないのもなんなので、推理小説よろしく”Who,How,Why”でまとめてみました(*4)。

〔Who=立場〕
 王族である”風の谷のナウシカ”のナウシカや前世が月の王女だった”美少女戦士セーラームーン”の月野うさぎ、将軍の娘であるがために近衛隊長をやっている”ベルサイユのばら”のオスカルがとか、ようするに立場として戦いの矢面に立つってケースがこれ。

〔How=能力〕
 ”エヴァンゲリオン”の綾波レイのように戦うためのキーデバイスがこの人(あるいは限定的な少数の人)にしか使えないとか、高い能力を見出された”エースをねらえ!”の岡ひろみ、そのオマージュの”トップをねらえ”のタカヤ・ノリコなんかがこれ。

〔Why=動機〕
 正義や人々を守るためという漠然としたものから、生き伸びるためには敵を倒さなければならないキューティハニーや”サイボーグ009”のフランソワーズみたく切羽詰まったものまでさまざま。

 ”ビビッドレッド・オペレーション”を見ていて”なぜ戦うか”という点で理由が希薄であると感じるかというと、この3点が明確に提示されてないような気がするから。
 ”Who”では示現エンジンの発明者の孫娘という立場はあるもののそれが一介の中学2年生が戦う必然性にはならないし、"How”ではパレットスーツのメインキー(鍵型アイテム)はあかねにしか使えないと言ってますが、それ以外の人はあかねと心を通わせられればOKというラフさ。そもそもパレットスーツがたった一人にしか起動できないってのは防衛システムとしては致命的な欠点ではないかと。”Why”では示現エンジンと街を守りたいという動機は分かりますが、パレットスーツが私しか起動できないという制限を外してしまえば”私"が戦う動機としては弱くなっちゃいます。

 ただ、この希薄さってのは日本の戦闘美少女には共通の特徴だそうで、”戦闘美少女の精神分析”によると、日本の戦闘美少女=ファリック・ガールは元々外傷のない空虚な存在で、戦う動機に欠けているんだそうです。ここでいうファリック・ガールとはペニスに同一化した少女で外傷=レイプされることのない存在。ゆえに外傷を根拠として戦うファリック・マザー(*5)に比べて十分な動機に欠けているんだそうです。その象徴的な存在が綾波レイ

  彼女の空虚さは、おそらく戦う少女すべてに共通する空虚さの象徴ではないか。
  存在の無根拠、外傷の欠如、動機の欠如・・・
  彼女はその空虚さゆえに、虚構世界の永遠の住処とすることができる。

 まあ、論としては賛否があるでしょうが、わからんでもない話です。

 ここまで見てて思ったのがもう一つ、美少女が戦闘美少女になるか否かって選択肢があるケースってあんなりないんですね。まあ、そこで”嫌だ!”といったらドラマは始まんないわけですが、これに対するアンチテーゼっぽいのが”魔法少女まどか☆マギカ”。このアニメってのは”魔法少女=戦闘美少女になるか否か”に徹底的にこだわった作品で”Why"=叶えたい望みがあるかどうかがキーで、しかも選択肢が与えられているから、望みの見いだせないまどかが実に最終回になるまで魔法少女にならないという異色のストーリー。それゆえに、ガンダムに匹敵するインパクト(*6)のある作品だと思います。

 まあ、戦闘美少女ってのはアニメで見てる分には面白いですが、実際に自分の娘とかがなるとどうなんでしょうねぇ。”世界の平和の鍵を握る”なんてややこしいことなんかせずに、サクラソウを愛でる美少女あたりで止めといて欲しいモンですが・・・


《脚注》
(*1)”黒騎れい”という子でなんとなく”暁美ほむら”っぽかったので~
 ”黒騎れい”は”ビビッドレッド・オペレーション”に登場する主人公”一色あかね”達とと敵対するするキャラ、”暁美ほむらは”魔法少女まどか☆マギカ”に登場する主人公”鹿目まどか”の願いを叶えるためながら対立するキャラ。
 両名とも黒髪で物静かなクール&ビューティ。すいません、ストライクど真ん中なんです。
(*2)超人バロム・1
 原作が”ゴルゴ13”のさいとう・たかをという漫画&特撮テレビドラマ。子供2人が友情エネルギーで合体して正義のエージェント”超人バロム・1”に変身、悪の化身”ドルゲ”と戦うというもの。
 第5話で一色あかね”ギュンギュギュン♪”って歌ってますがこれは”超人バロム・1”のオープニングで”ぶっとばすんだ ギュンギュギュン”のパロディーかな?
(*3)戦闘美少女ってのは13の系統に
 13の系統と主な作品は下記のとおり。ひとつひとつの細かい説明は本書をお読みください。まあ、本書が出たのが2000年ですので、作品リストはちょっと古いですがまあ、そんなテイストの作品群ってことです。
 紅一点系 :サイボーグ009、宇宙戦艦ヤマト、科学忍者隊ガッチャマン
 魔法少女系:魔法使いサリー、魔法のプリンセス ミンキーモモ
 変身少女系:キューティーハニー、好き!すき!!魔女先生
 チーム系 :キャッツアイ、ダーティペア、サイレントメビウス
 スポ根系 :サインはV!、アタックNo.1,エースをねらえ!
 宝塚系  :リボンの騎士、ベルサイユのばら
 服装倒錯系:ハレンチ学園、セーラー服と機関銃、スケバン刑事、らんま1/2
 ハンター系:ルパン三世、エイリアン、GS三神、攻殻機動隊
 同居系  :うる星やつら、電影少女
 ピグマリオン系:Dr.スランプ、銃夢
 巫女系  :風の谷のナウシカ、もののけ姫、ジャンヌ・ダルク
 異世界系 :幻夢戦記レダ、ふしぎ遊戯
 混合系  :トップをねらえ!、美少女戦士セーラームーン、エヴァンゲリオン
(*4)推理小説よろしく”Who,How,Why”
 推理小説では何を解明するかによって下記の3つに分類されます。
  フーダニット(Whodunit) :誰が犯人なのか
  ハウダニット (Howdunit) :どのように犯罪を成し遂げたのか
  ホワイダニット (Whydunit):なぜ犯行に至ったのか

(*5)ファリック・マザー
 ペニスを持った母親。本書では権威的に振る舞い一種の万能感、完全性を持つ、しかし外傷(たとえばレイプのような)を追っている女性と定義しています。海外の戦う女性はファリック・マザーであり日本のそれとはかなり違うんだそうです。
(*6)ガンダムに匹敵する
 モビルスーツをウエポンシステムとして考えると、予備パーツの存在やメンテナンス、ロジスティックは重要な要素ですがこのような当たり前のことをストーリーの中で当たり前に位置付けたのは実はガンダムが初めて。同様に命がけの戦闘をしたいかどうかというシビアな選択をきわめて真面目に展開した”まどか☆マギカ”が熱狂的なファンを生んだのはよく分かります。

« 理屈と膏薬はどこにでもくっつくんですよね、バリスタ(珈琲店タレーランの事件簿/古典部シリーズ/コーヒーの木) | トップページ | この世に、無敵の戦車などありはしない あるのは、ただ鉄の棺桶だけだ!!(鉄の墓標/富士総合火力演習(予行演習)/10式戦車) »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

心と体」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/528774/57969640

この記事へのトラックバック一覧です: ところで、この美少女達はなぜ戦っているのでせう??(ビビッドレッド・オペレーション/魔法少女まどか☆マギカ/戦闘美少女の精神分析/サクラソウ):

» シトルリンXL これが最強の効果法 結果を出した私の体験記 [シトルリンXL これが最強の効果法 結果を出した私の体験記]
シトルリンxlについての解説です。 [続きを読む]

« 理屈と膏薬はどこにでもくっつくんですよね、バリスタ(珈琲店タレーランの事件簿/古典部シリーズ/コーヒーの木) | トップページ | この世に、無敵の戦車などありはしない あるのは、ただ鉄の棺桶だけだ!!(鉄の墓標/富士総合火力演習(予行演習)/10式戦車) »

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

無料ブログはココログ