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きょうだって、あしただったのよ 一度は(ジェニーの肖像/スミレ)

 ども、決してロリコンではないおぢさん、たいちろ~です。
 先日、ロバート・ヤングの”たんぽぽ娘”(*1)をご紹介した時に”ジェニーの肖像”の話を書いたんですが、学生時代に読んだっきりなんで久々に再読してみました。
 最初に読んだのは早川文庫だったんで、SFだっかたかな~と思ってたんですが、今回は偕成社文庫だったんで予断を持たずの再読だったんですが、ぜんぜんSF関係ない話でしたね~~ ということで、今回は”ジェニーの肖像”のご紹介であります。


 写真は~たいちろさんの撮影。近所のすみれです。

 

0219


【本】ジェニーの肖像(ロバート・ネイサン ハヤカワ文庫他)
 貧しい青年画家”イーベン”は、夕暮れの公園で、一人の少女に出会った。数日後に再会したとき、彼女はなぜか、数年を経たかのように成長していた。そして、イーベンとジェニーの時を超えた恋が始まる・・・
【花】スミレ
 スミレ科スミレ属の植物の総称。スミレ属の中で見た目が豪華で花が大きなもの(5cm以上)のものがパンジー、かわいらしく小ぶりなもの(4cm以下)がヴィオラ、ああ、ややこしい。
 写真は”虹色スミレ with リカ”というリカちゃん人形(*3)とコラボした種類。そういや”スミレちゃん(*2)”て美少女キャラもいましたねぇ。


 さて、”ジェニーの肖像”ですが、前回の”たんぽぽ娘”と同じく再開するたにび成長する少女がヒロインなんですが、昔読んだ印象(うろおぼえですが)とずいぶん違うんですね。
 ジェニーが登場するシーンごとの年齢を並べると

 1回目 石けりをするおしゃま(死語?)な少女。
     足し算を勉強し始めたとこなので、小学校低学年ぐらい?
 2回目 もうちょっと大きくなったホットチョコレート好きな少女。
     フランス語を勉強してるといっているので、小学校高学年ぐらい?
 3回目 寄宿学校ではなく修道院に通うことになると言ってので中学入学前ぐらい。
 4回目 この時のにジェニーを描いた”黒衣の少女”に10代半ばを出ていないと
     言ってるので、中学後半ぐらいかな
 5回目 イーベンが子供っぽさがまるきなくなって、たくましいおとめの域に
     達してるといってるので高校生ぐらいでしょうか
 6回目 セーラー服をきてといってるので、高校生ぐらいかな?
 7回目 イーベンは”もう若いレディーでいっそう成熟して見えた”と言ってます。
     ちゃんとキスもできるし。フランス留学に行くぐらいなので大学生?
     イーベンの大家さんがジェニーお泊りに反対してるのでそれぐらいかな(*4)
 最後  嵐の中でイーベンが抱え上げられないぐらい大きくなってます。
     愛の告白もしてるし。
     時間が追いついてるとしたら20代の半ばぐらい

 この変化がイーベンの時間では1年経ってないんですね。初めて会ったのが冬で、最後に会ったのが翌年の秋。
 で、思うに学生時代に読んだ時にはジェニーに年齢が近くてイーベンが大人(28歳)だったのが、今やこっちが突き抜けておぢさん世代。だから目線がもうお父さんだったりするんですかね、駆け抜けるように成長する娘を見るような・・・

 3回目にジェニーに会った時のイーベンの感想で

   わたしはもはや彼女を子供のようには思わなかった
   わたしには彼女が、いくつというはっきりした年齢を持たない時期
   この少女はもはや若い女だとも、この若い女はまだ少女とはいいきれない
   あの中間の年ごろにあるような気がした

 といってますが、こういった女の子の微妙な時期を恋人のためにそんなに急がなくてもいいのにって思うのはお父さん感覚なんでしょうか・・

 ジェニーとイーベンの会話

  ジェニー:そしたらやがては、わたしだって、あなたぐらいの年ごろになるでしょ
  イーベン:ぼくは二十八だよ、ジェニー
  ジェニー:知ってるわ。わたしだって、やがてそうなるのよ・・・そうしたら

       (中略)
  イーベン:それからだって、まだまだ長い時間がたたなくちゃ
  ジェニー:わたし、いそぐわ。いそがなくちゃならないわね

 まあ、私自身は娘にとっとと嫁に行け派なんですが(*5)、それでもねぇ・・・

 この小説はテーマがテーマだけに時に関する話題がでてきます。
 気に入っている場面をいくつか

 デートの記念にジェニーはスミレの花束を贈るんですが、イーベンはそれを紙ばさみにいれてもってるってエピソードが出てきます。

  わたしはジェニーのあのスミレの花を、
  ポケットの紙ばさみにいれてもっていた
  それはいまではもはやしおれていたが、
  それにしてもいくらかのかおりをまだのこしていた

時間のうつろいを感じさせるエピソードですが、これから花ひらいて行くジェニーに対して、しおれていく一方のイーベンにおじさんのイメージを重ねてるってのはひがみでしょうか。
 これに対し、時間にアクティブなのはジェニー

  イーベン:しかし、あすというのは、いったいいつだい、ジェニー?
  ジェニー:そんなことが気になるの?
       それはいつでもよ。きょうだって、あしただったのよーー 一度

年のネタで突っ込まれた時に使ってみたい名言です。

 こういった多感な美少女みたいな話を書くと、ロリコンだなんだと後ろ指さされそうですが、決してそんなことありませんから。
 ”ジェニーの肖像”は素直な気持ちで読んでいただきたい名作です。


《脚注》
(*1)たんぽぽ娘(ロバート・F・ヤング、角川文庫他)
 休暇中の森の中で44歳の”ランドルフ”は森の中でたんぽぽ色の髪をした21歳の女性”ジュリー”と出会う。彼女は240年先の未来からやってきたという。
 何度かの出会いでジュリーに魅せられていくランドルフ。やがてジュリーはあと1回しかタイムトラベルできないと言う。最後に彼女が時間を超えた先とは・・・
 詳しくはこちらをどうぞ
(*2)リカちゃん人形
 タカラトミーから販売されている日本を代表する着せ替え人形。1967年の発売開始からほぼ半世紀を迎えようという超ロングセラーです。
 ちなみに同じくタカラトミーからバービー人形をジャパナイズして販売されたのが”ジェニーちゃん人形”。
(*3)スミレちゃん
 魔法少女シリーズの元祖”魔法使いサリー”(横山光輝)に登場する美少女。ある年齢層のおぢさんにとってはお嬢様キャラを決定づけた憧れの女の子でした。
(*4)ジェニーお泊りに反対してるのでそれぐらいかな
 この作品が書かれたのは1939年と第二次世界大戦の始まる頃ですんで、性的なモラルに関する規範が現代とでんでん違います。まあ、今だったら見て見ぬフリをするんでしょうけどね。
(*5)とっとと嫁に行け派なんですが
 最近の娘さんに”いつまでも家にいていいんだよ”とかいうと、ホントにいつまでもいちゃいそうなので・・・
 ちょっとぐらいプレッシャーかけといたほうがいいかとは思ってはいるんですが・・

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