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現時点では、ほかの方法では不可能なことをオンラインで実現すべきというわけです(ワンクリック/エバラ焼き肉のたれ)

 ども、増殖する本の量に苦悩するおぢさん、たいちろ~です。
 毎週BOOKOFFで5~10冊買ってるとあ~~~っという間に本がたまります(*1)。10数年にわたる単身生活で押し入れは本でいっぱい、スチール棚からもはみ出して床を占拠しつつあります。
 さすがに”Kindle Fire(*2)”なと買おうかと思いつつずるずると本が増え続けております。まあ、日本語版も出たのでそろそろ買いかなぁ。
 ということで、今回のご紹介は世界最大の本屋さん”Amazon.com”の本”ワンクリック”であります。


0229

Amazoncomlogosvg
写真上ははたいちろ~さんの撮影。”エバラ 焼き肉のたれ”です。
下はAmazon.comのマーク


【本】ワンクリック(リチャード・ブラント、日経BP社)
 サイブタイトリに”ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛”とあるように、Amazon.comの創業から現在に至るまでを扱った本。”興亡”ではなく”隆盛”なのがまだまだ続きそう感があります。
【食べ物】エバラ 焼き肉のたれ
 エバラ食品工業が販売する焼肉用のたれの定番。
 販売は1968年と昔からある長寿商品。エバラの唇付きロゴマークのほうは意外と最近で2011年。もっと前からあったような気がしてたんですが・・・
 Amazon.comのロゴとちょっと似てるな~と思ってましたがこっちは"from A to Z" (すべて)を表す矢印と顧客の満足を表す笑顔のダブルミーイングだとか(Amazon.comプレスリリース。こっちは2000年から)
 そんだけの話です、はい。


 ちょっと長くなりますが、新興IT企業てのを創業順に並べると

  1975年 マイクロソフト(パートナーシップとして創業)
  1976年 アップル
  1977年 オラクル
  1985年 アスキーネット(現在サービス終了)
  1986年 PC-VAN(現BIGLOBE)
  1987年 ニフティサーブ(現@Nifty)
  1992年 IIJ(インターネットイニシアティブ)
    1993年  モザイクコミュニケーションズ(*3)
  1994年 Amazon.com(前身のCadabra.com)
  1995年 Yahoo!
  1995年 eBay
  1995年 ぷらら(NTTコミュニケーションズ系)
  1995年 テレホーダイ開始(NTTの夜間限定の固定料金サービス)
  1996年 OCN(NTTコミュニケーションズ)
  1997年 ODN(ソフトバンク系)
  1997年 楽天
  1998年 グーグル
  1999年 ADSLの商業サービス開始(回線速度 64Kbps)

 ってなぐあいになります。年表にすると1970年代にパーソナルなハード・ソフトを提供する企業が誕生し、80年代半ばにパソコン通信サービス(*4)が興隆し、90年代にISP(*5)がサービスを提供し始め、そのインフラの上で検索サービスや販売サービスを大規模に行う企業が登場するって流れがよく分かります。まあ、裏には回線速度の高速化やつなぎっぱのサービスの登場ってのもあります。

 こうやって見ると、Amazon.comってパソコン文化→パソコン通信→インターネットというインフラの成長の上に成り立ってるんだな~~というのが良くわかります。 表題のジェフ・ベゾスの言葉を全文引用すると

  ウェブはまだ生まれたばかりの技術です。
  短期から中期で成長したいと思えば
  昔ながらのやり方よりもずっと大きな価値が得られる方法を
  消費者に提供する必要があります。
  つまり、現時点では、ほかの方法では不可能なことを
  オンラインで実現すべきというわけです。

 この言葉は創業期のころだそうですが、達見ですね。

 本書によるとネットショッピングってのは別にジェフ・ベゾスが初めてってわけではないようですが、アマゾンをぶっちぎりのドットコム企業に成長させたのはやはりジェフ・ベゾスの手腕。年表を見てると時代も絶妙だったんでしょうね。これより早いとフルテキストのパソコン通信で本を選ぶというアピールの点で難しかしかったでしょうし、これより遅いと出遅れてたでしょうし。実際ベソズは利益や株主への還元を半ば無視して売上を再投資することによるAmazon.comの成長を図っています。

 また、この人は場当たり的に本の販売を選んだわけじゃなくて、ディールフロー(*6)という判断チェックシートみたいなのを作っていて、その検討の結果”本”の販売にしたんだとか。このあたりはファイテル、バンカーズ・トラスト、D・E・ショーといったウォールストリートの企業で働いてたベゾスらしいいっちゃらしいです(ただし、ベソズは技術担当でディーリングではないとのこと)。この時の人脈が起業の金を引っ張ってくるのにも役にたっているとのこと。このあたりのやり方は起業を目指す若い人にも参考にして欲しいものです。

 先ほど”利益や株主への還元を半ば無視して”と書きましたが、この本を読んで思い出したんですが、Amazon.comって利益がほとんど出てない時代があったんですねぇ。確かドットコムバブルがはじけた2000年ごろに”成長はしているが、利益のほとんど出ていない企業に投資するのは狂気の沙汰だ”みたいな記事を読んだ記憶があって、当時”そうだよな~~”と思った気がします。当時、ニューエコノミー論(*7)みたくほとんどユーフォリア状態だったんで懐疑的だったんですが、バブルが吹っ飛んでやぱりな~~みたいな。まあ、Amazon.comに関して言えば先見の明がなかったわけですがね。

 その後のAmazon.comの成長を見てると、顧客第一主義とか、より利便性を向上するための努力、ディスカウントなどのメリットなんかを不断に実行し続けていく企業ってのは強いんだなぁと思います。訳者あとがきで

  業界2位の10倍になるには
  実は10%だけ優れていればいいのです

 というベゾズの言葉を引用してますが、なかなかできないんだよね~、この10%が

 本書は、ベゾズというよりAmazon.comの全体を俯瞰したエッセイに近い感じかな。するっと読める分かりやすい本です。
 でも、この本がKindleで読めないのは何故だ???(*7)


《脚注》
(*1)BOOKOFFで5~10冊買ってると~
 これ以外にも図書館で数冊借りてます。こっちは溜まらないんでいいんですがねぇ。
 BOOKOFFでは主に図書館で借りれないコミック系が多いです、はい。
(*2)Kindle Fire
 Amazon.comの提供する電子書籍リーダー。日本語版の発売は2012年10月より。欲しいんだけど、電車の中でこれ読んでるとすっんごい目立つんだな~~
(*3)モザイクコミュニケーションズ
 世界で初めて画像が扱える最初のウェブブラウザの一つ”Mosaic(モザイク)”が登場したのが1993年。これをベースに”Netscape Navigator(通称 ネスケ)”を同社がリリースしたのが1994年。一世を風靡したブラウザだったんだけどなぁ・・・
(*4)パソコン通信サービス
 電話回線を使って個人の持ってるパソコンをつなげるサービス。死語。
 当時は”BBS(Bulletin Board System)という電子掲示板やチャット電子メール(ただし各サービス会社内のみ)。表示はテキストのみですが、なんせ回線速度が1200bpsとかだったからなあぁ
(*5)ISP
 インターネットへの接続を提供するインターネットサービスプロバイダ(Internet Service Provider)の略。
 日本では上記IIJが最初。この辺りからパソコン通信サービス事業者がインターネットとの相互接続ができるようになりました。
(*5)ディールフロー
 本を選んだ時のディールフローのチェックポイントは下記のとおり
  よく知られた製品であること、市場が大きい、競争が激しい、仕入が容易
  販売書籍のデータベース作成、ディスカウントのチャンス
  送料、オンラインの可能性

(*6)ニューエコノミー論
 ITの活用によりサプライチェーンの最適化が図られるため景気循環が消滅するのではないかと期待されるという議論。インターネット企業の急成長の説明みたいな側面があったような・・・
(*7)この本がKindleで読めないのは何故だ???
 2013年5月12日現在で日本語版はありません(英語版は出ています)
 ちなみに日本語版の表紙は白地に対し英語版は本、Kindleとも黒地。なぜだ???

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コメント

アマゾンには本当にお世話になってます。ベストセラーの本じゃないと本屋になかったりするし、送料無料は魅力だな。
でも、最近は本以外の物でアマゾンを利用することが増えたなぁ。こないだもニコンのレンズをアマゾンで買ったし。あらゆる価格を調べて一番安かったのがアマゾンだった。そこそこ安いじゃなく、一番安いのがアマゾンということが意外と多いんだな、実際。
古本は、ブックオフの¥105コーナーもの以外はヤフオクで探す方が安くつくことが多い感じがするけどね。

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