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本の表紙を描いてる画家って以外に調べるのがたいへんなんです(SF挿絵画家の時代)

 ども、オールドSFマニアのおぢさん、たいちろ~です。
 こういった書評っぽいブログを書いてると意外に調べるのがたいへんなのが”本の表紙を描いてるのは誰でしょう”ってのがあります。ライトノベルからこっち、表紙を描く絵師にも脚光があたっていますが(*1)、こんなのってつい最近のこと。amazon.comで見ても、表紙の画家の名前が書いてあるのは少ないんですね。
 でも、本の記憶と表紙の記憶ってけっこう結びついていて、初期のころの渡辺淳一(角川文庫)を描いていた村上芳正とか、筒井康隆だと山藤章二に杉村篤とか、金子國義の富士見ロマン文庫(*2)とか。
 ということで、今回のそんな本の表紙(挿絵)を扱った本”SF挿絵画家の時代”であります。


【本】SF挿絵画家の時代(大橋 博之、本の雑誌社)
 昭和30~60年代のSFアートを描いた画家のことを扱った本。かつて被差別文学だったSF(*3)のかつ”挿絵”というマニアックな分野だけどよくまとめてあります。
 奇想天外だ、鶴書房だ、サンリオSF文庫(*4)だとすでに倒産、廃刊になっているものも集めてあり、オールド世代には懐かしさ満載です。


 71名の画家を掲載していますが、本書の順に気になった人から。

〔武部本一郎〕

 ”火星のプリンセス(エドガー・ライス バローズ 創元SF文庫)”の表紙の美女”デジャー・ソリス”を描いた人。最近だと映画”ジョン・カーター”の原作といったほうが通りがいいかな。まだ読んでませんが、この表紙はインパクトありましたね。
 合本版”火星シリーズ”として昔のままの表紙でリニューアル。やっぱし表紙は武部本一郎でなくっちゃ。


〔小松崎茂〕

 子供のころの憧れ”サンダーバードのプラモデル”のボックスアートを描いた人。本というよりやっぱしこっちかな。意外にも”宇宙戦艦ヤマト”や”マジンガーZ”,”仮面ライダー”なんかも手掛けてます。
 この本の中にも小松崎茂に師事した人がたくさんいて、この分野では手塚治虫みたいな人だったようです。


〔依光隆〕

Photo

 世界最長のスペースオペラ”宇宙英雄ローダン・シリーズ(ハヤカワ文庫)”の表紙を描いた人。(日本語版は2013年4月に447巻目が発刊)。高校の時に1巻から10冊飛ばしでプレゼントされたことがありますが、これはハッキリ言っていぢめです。


〔真鍋博〕

 星新一(新潮文庫)の表紙を描いた人。オールドSFファンとしては”未来”のイラストというとこの人ってイメージがあります。
 本書で扱っている本はほとんど絶版になっている中(*5)、いまだに新刊で入手できるのが真鍋博版の星新一の作品。やっぱりこの人を超えられる表紙ってないんだろうなぁ。


〔金森達〕

 ”スター・トレック(ジェイムズ・ブリッシュ他、ハヤカワ文庫)”というより”宇宙大作戦”の表紙を描いた人。 第一作の発刊が1969年だからもう40年以上前なんだなぁ。最近では映画のポスターの流用だったりリアルな登場人物な絵だったりしますが、金森達の表紙もけっこう味がありました。


〔生頼範義〕

 平井和正の”ウルフガイシリーズ(ハヤカワSF文庫、祥伝社)”、”幻魔大戦(角川文庫) ”とか角川文庫版”小松左京”とかの表紙を描いた人。スターウォーズの表紙も描いているのでそのタッチを見たことがある人も多いはず。実はこの人”スケバン刑事(和田慎二)”の白泉社文庫版の表紙も描いていて(*6)、初めて見た時は驚きました。


〔長岡秀星〕

 ”迷宮のアンドローラ(集英社)”を描いた人。結構好きなテイストなので本も買いました。たぶんこの本よりイメージソングを歌った”小泉今日子”の歌を覚えてる人のほうが多いかな? 
 エアブラシだと思ってましたが、リキテックスというアクリル絵具で描いているんだそうです。


〔松本零士〕

Photo_5

 本書によると本の挿絵を描いているマンガ家は多いけど作品は少ないんだとか。言われてみればこの時代だと”デューン 砂の惑星(フランク・ハーバート、石森章太郎、ハヤカワ文庫)とか”超革命的中学生集団(平井和正、永井豪、ハヤカワ文庫)”、ルーディ・ラッカーの横山えいじぐらいしかぱっとでてこんなぁ。
 そんな中でも名作なのが松本零士が描く” ノースウェスト・スミスシリーズ(C.L.ムーア ハヤカワ文庫)”
 前にも書きましたがこのシリーズは”シャンブロウ(論創社)”として復刊されましたが、あのイラストがないのがさみしいなぁ。


〔杉本一文〕

 SFだと”産霊山秘録(半村良 角川文庫)”ですが、角川文庫版横溝正史のほうが印象あるかなぁ。私的には横溝正史といえば黒背の杉本一文、江戸川乱歩といえば青背の宮田雅之です。まあ、両方とも1970年代の後半あたりだからほとんど絶版だけど。


〔宮武一貴、加藤直之〕

Photo_4

 かつてファンタスティックコレクションというムックで”スタジオぬえの世界(朝日ソノラマ)”というのが出版されました、このスタジオぬえのイラストレーターがこの二人。”宇宙の戦士(ハインライン ハヤカワ文庫)”のパワードスーツがガンダムのモビルスーツに影響を与えたということで当時は話題になってました(一部の人にですが)。
 宮武一貴は”超時空要塞マクロス(ファーストシリーズ)”のメカニックデザイン、
加藤直之は”銀河英雄伝説(田中芳樹 徳間書店他)(*7)”のアニメ版のメカニックデザインを担当。また”巨人たちの星シリーズ(ジェイムズ・P・ホーガン、創元SF文庫)なんかも手掛けています。

 こうやって見ると、絵は知ってても画家の名前って知らないんだな~と改めて感じましたね。本の表紙の話を集めて扱った本ってあんましなさそうなんで、ぜひ続編を出していただきたいです。”ドグラ・マグラ(角川文庫)”の米倉斉加年”吉里吉里人(新潮文庫)”の安野光雄”ひでおと素子の愛の交換日記(角川文庫)”、”・・・絶句(ハヤカワSF文庫)”の吾妻ひでお&新井素子のコラボとかとかとか。


《脚注》
(*1)ライトノベルからこっち~
 実際、表紙の萌え絵が売上を左右する世界なんだとか。”涼宮ハルヒの憂鬱(谷川流 角川スニーカー文庫)”のいとうのいぢ版に加えフェアで葉賀ユイの表紙を付けたり、”古典部シリーズ(米澤穂信 角川文庫)で通常版と京都アニメ版のダブル表紙を付けたりとかもありますが、こんなことやるのって最近なんだよな~~。
(*2)富士見ロマン文庫
 かつて富士見書房から出版されていた官能小説文庫のレーベル。読みたかったんだけど、高校生では買うのに抵抗あったし。
 ちなみに富士見書房から出ている”富士見ファンタジア文庫”とはまったく別物です
(*3)かつて被差別文学だったSF
 ”士農工商SF作家、早川こけたらみなこけた”と言われてた時代もありました、はい
(*4)サンリオSF文庫
 意外でしょうが、ハローキティでおなじみのサンリオがかつてはSF文庫の出版をしてたんですね、しかもかなりマニアックな。すでに廃刊となっているので古書市場ではモノによってはかなり高額な値がついてるものもあります。
(*5)ほとんど絶版になっている中
 本自体は出版されていても、表紙は変わっているものも多いです。だもんで、調べるのもけっこう大変。特に表紙をころころ変えるのが角川文庫。まあ、メディアミックスの家元だからなぁ。
(*6)”スケバン刑事(和田慎二)”の白泉社文庫版
 アンソロジーを除けばマンガ本の表紙を別の画家が描くってのも珍しいんですが、どちらかというと丸っこい和田慎二の絵をリアルに描くとこうもテイストが違うもんかと・・・
(*7)銀河英雄伝説
 新しい順に、創元SF文庫版は星野之宣徳間デュアル文庫は道原かつみ(コミック版も)、徳間ノベルズ版は加藤直之とけっこう錚々たるメンバーです。


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コメント

おおお。なつかしい本が並んでますねー。
「都市と星」「ジョナサンと宇宙くじら」の昔のカバー絵が好きです。
前・後編二冊で1枚の絵になってたりするのも、おもしろいですよね。

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