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見ないふりをしていても、状況は良くはならんのです(なぜリーダーは「失敗」を認められないのか/ダチョウ)

 

ども、真実から目を背けるおぢさん、たいちろ~です。
 先日、会社で健康診断がありました。相変わらす尿酸値がど~の、γGPTがこ~のと言われてます。まあ、”痩せろ”とか”お酒は控えろ”と注意されるのは定番になっておりますが、こういった真実に目をつぶりながら今日に至っております。
 まあ人間、都合の悪いことには目を背けたくなるのは世の常なんですがこれが会社の経営者となるとその影響は甚大。経営者になるほど優秀な人でもなかなか避けがたいようです。ということで、今回ご紹介するのは真実に目を背けた経営者の話”なぜリーダーは「失敗」を認められないのか”であります。


Photo
 写真は”GATAG FreePhoto2.0”のHPより。
 ダチョウです。


【本】なぜリーダーは「失敗」を認められないのか(リチャード S テドロー、日本経済新聞出版社)
 フォード、IBM、コカ・コーラなど世界に冠たる大企業が避けられる失敗をなぜ犯したのかを解き明かした本。サブタイトルが”現実に向き合うための8の教訓”とあるように、これらの失敗から得られる8の教訓にまとめています。
 日本版は長い題名ですが原題は”DENIAL(否認)”とたった一言。でも、読んでみると確かに”否認”こそが失敗の原因ってのがわかります。
【動物】ダチョウ(駝鳥)
 ダチョウ目ダチョウ科ダチョウ属に分類される鳥。
 オスの成鳥だと全長230cmにもなり現生する鳥類のなかでは最大。飛べない鳥でもあります。

 まずは、この本に載っている8つの教訓から。

  ①手遅れになるまで危機は待たない
  ②事実を曲解しても、待ち受ける現実は変わらない
  ③権力は人を狂わせる
  ④経営陣は、悪い知らせを聞く耳を持つ
  ⑤長期的な視野に立つ
  ⑥バカにしたり、歪曲した言葉遣いには要注意
  ⑦隠すことなく真実を語る
  ⑧失敗は、常識に囚われるところから始まる

 本書の中でも言ってるように当たり前ちゃ、当たり前の話ですが、なかなか出来ないというか自分では気がつかないというか。客観的な事実に対する”否認”こそがこれらが出来ない理由だと言ってます。
 いくつかの失敗した(あるいは回避できた)企業の事例が描かれていますが、一例としてIBMの話を。(なんせ、IT企業の人間なもんで)

 IBMについては、成功、失敗、成功の3つのパターンが出ていますが、最初の成功は”システム360”というメインフレーム(*1)の開発。リーダーはCIOのトーマス・J・ワトソン・ジュニア。会社の成長していた時期にも関わらず、過去の製品を否定するような製品を、年間売上高の1.9倍の投資(25.9億ドルの売上に対し、50億ドルの投資。1962年当時)をしたというだからある意味とんでもないギャンブルとも言えます。現在、日本でこの手のシステムを作っているのは、日立、富士通、NECぐらいですがこれらの年間売上が9.7兆円、4.5兆円、3.0兆円(2012年3月期、連結ベース)ですので、10兆円近い金額を成功するかどうかわからんプロジェクトに突っ込んだと思えば近いでしょうか。で、ワトソン・ジュニアはこのギャンブルに大勝ちすることになります。

 その次の時代。技術革新により小型で個人が使えるパーソナルコンピュータ(PC)が登場するわけですが、IBMはパソコンの開発がうまくいかなくて外部のパーツを組み合わせるというやり方をします。で、何が問題だったというと

 ①パソコンとがメインフレームに取って代わられるとは思いもよらなかった
 ②パソコンを自主開発を断念し、やっつけ仕事で作ってしまおうとした。

 簡単に言うと、”現状の否認”と”成功要因の否認(逃避)”。本書では失敗例として出ていますが、実はこれ当時は大成功だったんですね。1984年時点で40億ドルの売上があったんだとか。ではなぜこれが失敗かというと、PC/AT互換機(*2)というのが登場してマーケットを席巻したから。このパソコンでIBM以上に成功したのが外部のパーツの提供ベンダー=OSを提供した”マイクロソフト”とCPUを提供した”インテル”です。
 本書ではこの失敗を”今日の成功を、明日の失敗と引き換える”ものだと結論づけていますが、確かにそうですね。IBMはPC部門を2004年にレノボ(*3)に売却しました。

 その次の成功というのは、ハードウェアの製造からサービス部門へのシフト。成功の原因はどうしようもない状況に追い込まれた結果、新たな現実に目覚めたとこと、外部からCEO=ルー・ガーズナーを招いたこと。人間、なかなか内部にいると自分の立場とかモノの考え方から脱却できないようで、新しい視点の外部の人間を持ってくるというのは有効なようです。私も時々人のやってたプロジェクトを引き継ぐことがありすが、”なんでこんな風になっちゃったの?”と素直に(ホントに素直にです)聞いちゃうことがありますが、この質問が出来るのって外部の人間の特権なんでしょうねぇ。

 でも、このような失敗から導き出される教訓って今に始まったことじゃないんでしょう。ずいぶん昔に”オストリッチ・コンプレックス(エリオット ワイナー 廣済堂出版)”って本を読んだことがありますが、まったく同じ”否認”の内容。ダチョウ(オストリッチ)は危険が迫ると砂のなかに頭を突っ込む習性があるといわれていて(*4)、人間も”見えていても、見ていない振りをする”とか”見ないふりをしているといつかは危機が過ぎる”といったことをやりがちといった内容だったと思います。当時はけっこうなベストセラーになったんですが、この本の日本語版の出版は1986年。バブル崩壊と不良債権先送りや、サブプライム問題に端を発したリーマンショックなんかの前の時代。

  経験と歴史から分かるのは、民衆も政府も、歴史から何かを学んだり、
  そこから導き出される原則にもとづいて行動することはない、ということだ

 本書の中で、ドイツの哲学者”ヘーゲル”の言葉として引用してますが、四半世紀を経て同じような内容を言ってるってことは、人間ってそんなに急には賢くなんないんでしょうかねぇ。
 同じような失敗を繰り返さないためにも、ぜひ読んどいて欲しい本。はっきり言って面白いです。

 (てなブログを酒飲みながら書いてるってのも、説得力ないんですけどねぇ・・・)


《脚注》
(*1)メインフレーム
 汎用機という大企業や金融機関などで使われているコンピューターシステム。
 小さくても一部屋、大きくなるとビルの数フロアを占有するというでっかいもの。さすがに最近はコンパクトになりましたが、かつて場所を取ってたのはストレージと呼ばれる記憶装置(ハードディスク)。私が入社した1980年代の半ばだと大型冷蔵庫並みの大きさで2.5GB(普通のDVDの1/2)の容量しかありませんでした。
(*2)PC/AT互換機
 IBM PCのソフトそのまま動くパソコンのこと。
 今では当たり前ですが、当時はNECのPC98シリーズのソフトウェアはNECのPCでしか、富士通のFM-Rのは富士通のでしか動きませんでした。これが他社のパソコンへの買替障壁になってPC98シリーズは圧倒的なシェアを獲得します。
 NECは2011年にPC事業を分社化しレノボとともに合弁会社を設立しましたが、”国民機”と言われた当時を知るおぢさん世代としては隔世の感があります。
(*3)レノボ(聯想集団)
 中国にある世界第一位のパソコンメーカー。本社所在地はアメリカのノースカロライナ州モーリスビル、登記上は香港。プレステ2すら輸出問題になったココム(対共産圏輸出統制委員会)の時代を知るおぢさん世代としては隔世の感があります。
(*4)ダチョウは危険が迫ると砂のなかに頭を突っ込む習性~
 実際にはそんな習性はないんだそうです。
 ホントにそんなことやってりゃ、肉食動物に喰われてとっくの昔に絶滅してるでしょうしね。

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コメント

何を隠そうこの私、かつてPC-9801RA51のユーザーだったんですね。
写真の世界にもデジタルの波が少しずつ影響し始めたこと、その頃務めていたスタジオでテスト導入したのがかの98だったんですね。
その頃は画像修正で電線1本消すのに¥100万ほどかかる、レスポンスというイスラエル製の画像処理システムがあり、そこから徐々に一般用にもいろいろと出始めたころですね。
その時に導入したのが、こんなものを使っているのはCADを使った建築設計の現場くらいだと言われた9801RA51になんと20メガのハードディスク内蔵!使ったグラフィックソフトは¥80万もした”スーパータブロ・プレミアム”。スキャナーやなんやかんやでトータル¥300万以上かかったシステムだったけど、惜しむらくは肝心なフィルムプリンターが高すぎた。当時間違いない実績のあったプリンターは”FIRE450”。なんと\4000万もしたんですよ、これが。ボスがそれよりも安い三菱製の¥1000万のプリンターをショールームでテストしたらいまひとつだったので、最後の仕上げは外注にしたことがあった。
あとでわかったことだけど、その¥4000万のプリンター、ここが運命の分かれ道だったようでして、無理して買った人はけっこう稼いだそうで、1年ちょっとでペイできたというんだから当時のデジタル処理はとんでもないぼったくりできたんでしょうね。
それが今は、¥36800のショップオリジナルPCとフォトショップやらなんやでも¥20万しないもんなぁ。とはいっても基本アナログ人間のわたしは、最新のデジタルシステムに置いてかれっぱなしですけどね。
現状としてはnikonの最新デジタル一眼のD7100、買いますよ!フルサイズじゃないけど、おそらくは二年前のD3よりは高画質!!!当面はこれで勝負!

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