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目指せ、偏屈ぢぢい道!!(海賊とよばれた男/タンカー)

 ども、偏屈ぢぢいにあこがれるおぢさん、たいちろ~です。
 年末の衆議院総選挙も終わり、安部新政権がど~したこ~したってニュースが出始めいている今日この頃です。
 まあ、危機突破内閣とか民主党の経済政策の見直しとか好きなこと言ってますが、別に危機そのものが民主党の責任だけってわけでもなかろうになぁと偏屈な思いで聞いております(*1)。
 で、気になるのが原発政策。長期戦になりそうですが、なんだかなぁ。エネルギー政策って、国家経済と密接に結びついてるってのに、原発を一斉停止させたり、活断層がどうしたとか、やること自体が悪いとはいいませんが、目的設定がどうなっているのかなぁと感じちゃいます
 やっぱり、この手の話ってのは先読みのできる偏屈なヤツがいないとだめなのかなぁと思いつつ、今回ご紹介するのは石油政策に異議を唱え続けた男の話”海賊とよばれた男”であります。


071336
 写真はたいちろ~さんの撮影。
 川崎港のマリエンから見た東燃ゼネラル石油のタンカー”GASSAN(月山)


【本】海賊とよばれた男(百田尚樹、講談社)
「20世紀の産業を興し、人を狂わせ、戦争の火種となった巨大エネルギー・石油。その石油を武器に変えて世界と闘った男とは(内容紹介より)
 出光興産の創業者”出光佐三”(作中では国岡商店の店主”国岡鐵造(くにおかてつぞう))をモデルにした歴史経済小説。
【乗り物】タンカー
 上記の”GASSAN”はVLCC(*2)と呼ばれる大型原油タンカー。載荷重量 30万8200トン、全長333mと東京タワーに匹敵する世界最大クラスのタンカーです(*3)
 本書に出てくる終戦後に建造された”日章丸(2代目)”が、1万8000トンクラスで当時の世界最大クラスですから、いかにタンカーが大型化したかがわかります。


 さて、本書の中の国岡鐵造のお言葉。

  本来、日本人は『和』を何よりも尊ぶ民族です。
  先の戦争(注 第二次世界大戦)では、不幸な戦いが起きましたが、
  これからは日本とアメリカが互いに手を取り合って生きていきましょう。

 この文章が出てきた時に”お前が言うか!”と思わず突っ込んじゃいました。ここだけ読むと聖徳太子もかくやという人物のようですが、とんでもない。この国岡鐵造という人物は、政府から、セブン・シスターズ(*4)から石油連盟からとまわりのほとんどの勢力にケンカを売りまくったぢぢいです。
 まあ、よく言うと”筋の通らん話にはとことん抵抗する明治の漢”ってとこでしょうか。
 石油小売地区の区分けに逆らって海上で石油を売るから始まって、冤罪で公職追放になるところをGHQに堂々と文句を言いに行って撤回させるわ、石油の統制経済政策にまっこうから反対するわ、戦後の日本の石油産業を牛耳ろうとするセブン・シスターズと戦うわ、英国の裏をかいてイランから石油を運ぶわとなんでもやる人。まあ、利権や既得権益がらみで筋の通らんことをやる人や、近視眼的な利益に振り回されている人には煙たい存在なわけで、いろいろ妨害をするワケです。

 ただ、こういった人は敵も多いかわりに強烈な味方も現れていて、このへんの運命のめぐりあわせってのがまた面白いんですね。もっとも、当時のGHQをして”サムライ”と言わしめる肝の据わりかたがあってこそでしょうが。この手の人物って”思いっきり偉くなるか、途中で刺されるか”みたいなスリリングなドラマがあるんで、読んでても面白いです。偉くなれば立志伝中の人物だし、失敗すれば単なる”偏屈なぢぢい”と言われるだけだしみたいな。

 昨今の世の中を見ると、こういう”偏屈なぢぢい”って見かけなくなりましたね。というか、松下幸之助や本田宗一郎、ソニーの井深大と盛田昭夫みたいなユニークな経営者が少なくなったというか。戦後起業して大企業を興した経営者って、信念と危機に対する一発逆転のドラマがあったりと面白いんですが、最近は伝記を読んでみたいと思う人がいないですねぇ。せいぜい、孫正義ぐらいでしょうか。成熟期に入った時代のせいといえばそれまでなんですが、アメリカにはスティーブ・ジョブスとか、ビル・ゲイツみたいなのがいるわけで、あながちそれだけでもなさそう。こういう人達って、多かれ少なかれ(大概は多いですが)”偏屈”なところがあって、それを評価されるかどうかが成功か否かの分かれ道みたいなとこを感じます(それだけではないんでしょうが)。

 ”国岡鐵造”という人はこの偏屈さのよって立つどころが”国家の繁栄”であり”社員”でありするようです。なので、上記の『和』っていうのが普通の人と範囲が違うんでしょうね。普通の人だと仲間内で仲良くみたいに考えちゃったり、”長いものにはまかれてしまえ 泣く子と資本家にゃ勝たれない♪(*5)”とあきらめちゃったり。
 国岡鐵造にとって、エネルギー(石油)ってのが経済の根幹だという世界認識と、自分の心の中にある『和』が世界レベルの捉え方なので、セブン・シスターズや統制経済はその『和』を乱す存在だから徹底的に戦う。だからこそ、たとえそれが偏屈に見えても”やるときゃ、やるぜ!”みたいなぢぢい道を通せたんじゃないでしょうかねぇ。

 ”海賊とよばれた男”は前半(戦前)は歴史小説、後半(戦後)は経済小説として面白い本です。ご一読のほどを。


《脚注》
(*1)民主党の責任だけってわけでもなかろうになぁ
 現状の経済危機って、自民党政権時代の問題が噴出したって感じもせんでもないですがねぇ。かといって民主党の対応が良かったってことも言いませんが。
(*2)VLCC
 VLCCは積載重量20~30万トンクラスの大型タンカーのクラス。”Very Large Crude Oil Carrier”の略。”Very Large”は半導体のVLSI (Very Large Scale Integration) と同じく、”たいへん大型の”、Crude”は形容詞で”未完成の、天然のままの、未加工の”で、”crude oil”で原油という意味になります。
 センター試験の役に立ちそうですか?
(*3)世界最大クラスのタンカーです
 ”VLCC”の上に30万トン以上の”ULCC(Ultra Large Crude Oil Carrier)”と言うクラスがありますが、現在はこのクラスのタンカーはほとんどないんだとか。主な理由はでか過ぎて、マラッカ・シンガポール海峡が通れないから。過ぎたるは及ばざるが如しの例です。
(*4)セブン・シスターズ(Seven Sisters)
 第二次世界大戦後~1960年代にほぼ市場を独占した国際石油資本7社のこと。
なぜか”七人の姉妹”ではなく”七人の魔女”と訳されます
 ちなみに北欧神話に出てくる”3人の魔女たち(Three Weird Sisters)”のウルズ、ヴェルザンディ、スクルド女神さまです、はい。
(*5)長いものにはまかれてしまえ 
 詞 亞蝉坊・高田渡、曲 高田渡の”あきらめ節”より。
 全曲はこちらでどうぞ。名曲です。

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コメント

こんにちは、ソフトバンク東海通です。
携帯について、大変ためになる記事を書かれていますね。
今後とも、勉強させていただきたいと思いますので、
よろしくお願いします。

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