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2012年2月19日 - 2012年2月25日

すでに(金)の息子が東大を卒業して、さらに(金)になるのが現代における「(金)の相乗効果の法則」です(金魂巻/タチアオイ)

 ども、本代で万年(ビ)のおぢさん、たいちろ~です。
 このブログでもおわかりのとおり、私はけっこうな量の本を読んだりしてます。節約のためによく図書館を利用しますが、図書館にない本だとかは買うことになります。で、よく利用するのがB○○K○FF。特に助かるのが105円のコーナー(通称 百円棚)です。このコーナーのメリットは安いってこともありますが、たまにちょと古めでおぉっというような本が出てたりします。
 で今回ご紹介するのはそんな中の1冊”金魂巻”であります。


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 写真はたいちろ~さんの撮影。都内で見かけたタチアオイ。

【本】金魂巻 (渡辺 和博とタラコプロダクション 主婦の友社、ちくま文庫)
 サブタイトルの”現代人気職業31の金持ビンボー人の表層と力と構造(*1)”とあるように、いろんな職業をお金持ちのマル金(金)と貧乏人のマルビ(ビ)に分類し、その実態と成立過程を明らかにした本。
 主婦の友社、ちくま文庫から出ていますが、出版社が変わっても表紙がかわらないという珍しい例でもあります。
【花】タチアオイ(立葵)
 草丈は1~3mに直立し、6~8月ごろに大きな花がほぼ縦に並んで咲きます。
 花言葉は”大きな望み、野心、大志”など。


注)本書では下記のように○の中に金やビの字をいれてマル金、マルビと読ませていますが、そんなフォントがないので(金)、(ビ)で代用しています。
 すいませんが、読み換えてください。

 さて、この本に載っている職業を見ていくと、(金)になるか(ビ)に落ちるかは教育への投資力を含めた親の財力やコネに大きく左右されるとこが分かります。代表的なものをちょと分類してみると

〔親の財力/財力に裏付けられた高い教育を受ける機会/人脈がある〕
・オートバイ・レーサー
  (金)は親の金でレース用バイクを購入し、親の金でヨーロッパのレースに参戦。
  (ビ)ば暴走族あがりで、バイトで金をためて中古のバイクを購入
・不良少女
  (金)は高校中退後にカリフォルニアに留学、商売があたって成功
  (ビ)は半同棲のヤクザにみつぎつづけ、いつまでも貧乏
・エディター
  (金)は「なにか知的で華麗なことがしたいから、お父さまにお願い」して
    大手女性誌の出版部に入社した、偏差値64以上の大学出の編集者。
  (ビ)はそれ以外
・カメラマン
  (金)は親父のコネで遊び半分にやっていた名門広告プロダクションにそのまま就職
  (ビ)ばアサヒ芸能のモノクロ活版ページの写真を見せて仕事を貰う
・フリーライター
  (金)は幼稚舎時代の幼馴染が集英社の重役の息子で、コネで就職
  (ビ)ばアザヒ芸能などのアルバイトが忙しく留年
・弁護士
  (金)は親が一流企業の社長か重役なので顧問料がはいる
  (ビ)ば社会正義に燃えれば燃えるほど費用は持ち出しに
・シェフ
  (金)は父親の(金)友人の勧めで自宅近くの西麻布でレストランを開店
  (ビ)は「コック見習い求む」の新聞広告を見てこの道に

〔親の財力にかかわりなく、本人の才能と運が左右する〕
・学者の卵
  キャッチフレーズで一発当てて、マスコミに出れば(金)
  できなければ(ビ)
・商社マン
  殺しても死なない、鉄の胃袋を持つ、元気な男は(金)に
  消化器系に難があり、かぜをひきやすいタイプは(ビ)に

 他に”親の財力にかかわりなく、本人の才能と運が左右する”職業としてはイラストレーター、マンガ家、テレビディレクター、ファッションデザイナー、ミュージシャンなどクリエイティブなお仕事の一群。成功するかどうかは一発当てられるかどうかにかかっているようです。

 本書のキーワードは”親の財力・地位”と”主張と収入の合計は(金)と(ビ)で同じ(*2)。前者をまとめると表題にある

  すでに(金)の息子が東大を卒業して、さらに(金)になるのが
  現代における「(金)の相乗効果の法則」です

 になります。

 ”知性がお金で買えるのか!”とお怒りの向きもありましょうが、少なくとも”学力”は金で買えます。正確には、お金を掛ければ学力が上がるとは限りませんが、それなりに教育投資をしなければ学力は上がらないと考えてもよろしいかと(*3)。親の学力がそれなりなのに子供が金もかけずに東大に入れるほど学力があるなんて期待するのは、5億円の宝くじの当選を夢見るようなモンです。
 あと、親のコネですが、本書が出版された1984年頃って女性の入社に関して言えばなくはなかったですかねぇ(*4)。もっとも就職氷河期の昨今、コネで入社できるほど甘くはないです。たまに仕事関連のご子弟が入社することはありますがこれはたまたま。コネなんかなくても充分入社できるだけの実力の持ち主です。

 ところでこの本、なんとなくバブル期に出た本だと思ってたんですが、出版は1984年とバブル前。(金)、(ビ)が流行語大賞となったのも1984年です。プラザ合意(*5)が1985年ですから、まさにバブルの夜明け前になります。なんとなく”お金持ちと貧乏人”を冗談で笑える余裕ってのがバブル的な印象だったのかもしれませんが、不況続きの昨今はシャレにはなんないのかもしれません。

 まあ、どんな職業にしろ(金)な上の人もいれば(ビ)下の人もいます。
 言ってみれば”職業”という一本の幹に咲くタチアオイの花のようなもの。若者が”上の方に咲きたい”といった大きな望みや野心を持つことは悪いことではないんでしょうが、(ビ)には(ビ)の人生があるんではないかと本代のやりくりに汲々とするおぢさんは思うのであります。

《脚注》
(*1)力と構造
 ”逃走論―スキゾ・キッズの冒険(ちくま文庫)”で一世を風靡した浅田彰のデビュー 作がほぼ同時期(1983年)に出版された”構造と力―記号論を超えて(勁草書房)”。当時はこういう”知をもてあそぶ”ようなのが流行ってましたね。読んでないけど。
(*2)主張と収入の合計は(金)と(ビ)で同じ
 (金)は仕事などどうでもいいかわりにお金がある
 (ビ)は不満が多く、酒場で主張が多い分だけお金が少なくなる

(*3)それなりに教育投資をしなければ学力は上がりにくい~
 やれ学費だ塾代だと、親になってみて初めて教育にお金がとってもかかるもんだと実感しました。
 今になって、簡単に二浪した自分の不明に恥じ入るばかりなのであります。
(*4)女性の入社に関して言えば~
 ”就職の平等”という意味ではとんでもない話なんでしょうが、男女雇用機会均等法もなく(施行は1986年)、女性の平均結婚年齢が25歳前後だった時代、有り余る男どもを相手に社内結婚してくれたって意味では、あながちマイナスだけではなかったのかもしれません、たぶん。
(*5)プラザ合意
 G5(先進5ヶ国蔵相・中央銀行総裁会議)による為替レート安定化に関する合意のこと。
 アメリカの財政・貿易の”双子の赤字”により不安定化したドル相場を安定させるために協調的なドル安相場に誘導。このため235円(!)だった円ドル相場が1年後に150円台に減少。円高不況を回避するために低金利政策をとったことで不動産・株式に資金が流入、のちのバブル景気の原因となります。

推理小説を読みたいなら原作を、アクションを見たいなら映画を(野性の証明/ナス/CH-47 チヌーク)

 ども、秘められた野性のおぢさん、たいちろ~です。
 先日、チャンドラーの”プレイバック(*1)”を読みました。ある世代の人にとっては、ハードボイルドな私立探偵”フィリップ・マーロウ”というより、

 男はタフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない

のフレーズのほうが通りが良いかも。この名言の元ネタが”プレイバック”なんですが、まあ、このフレーズがキャッチコピーとなったほうも読んでみましょうということで、
今回ご紹介する”野性の証明”であります。

Photo
 写真は”フリー素材屋Hoshino”より。丸なすとナスの花です。
 自分の庭に毎年ナスを植えてるのに、なぜか写真がなかった・・・


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 写真はたいちろ~さんの撮影。アメリカ空軍横田基地の”CH-47 チヌーク”です。


【本】野性の証明 (森村 誠一 角川文庫)
【DVD】野性の証明 (原作 森村 誠一、製作 角川春樹)
 岩手県の寒村で皆殺し事件が発生、一人の少女”長井頼子”だけが生き残った。
 2年後、元自衛隊員の”味沢岳史”は頼子を連れて羽代市に現れる。そこは”大場一族”が牛耳る独裁の街であった・・・
 角川映画版では味沢岳史を高倉健が、長井頼子を薬師丸ひろ子が演じました(*2)。
 音楽監督は大野雄二。BGMだけ聴いてるとほとんどルパン三世です。
【花】なす(茄子)
 ナス科ナス属の植物。食用の果実が生ります。
 果実と花の色は必ずしも一致しないんですが、なぜだかナスの場合は花や枝も紫のナスビ色になります。
【乗り物】CH-47 チヌーク
 ボーイング・ヘリコプター社製造のタンデムローター式の大型輸送用ヘリコプター。
 映画版では自衛隊演習のシーンに登場しますが、自衛隊への配備は1986年と映画公開(1978年)の後とのこと。


 さてこの作品、森村誠一の原作を映画化したものですが原作と映画でこうも印象が違うモンかと。ネタバレになりますが、上記の他にも

 ・味沢岳史は自衛隊でスパイやゲリラ戦を担当する特殊工作隊出身。
  今風に言うなら、”亡国のイージス”に登場するDAISの如月行(*3)みたいなもん。
 ・長井頼子は直観像記憶(*4)を持つ異能者
 ・保険外交員となった味沢岳史は伊崎輝夫の妻の死亡を調査する
 ・大場一族の不正を暴こうとする越智朋子(味沢が助けれれなかった越智美佐子の姉)に協力する協力する

 といったプロットは一緒なんですが、なんでこうなるのと思うぐらい別モノ。
 主人公の味沢の扱いにしても、原作では越智朋子暴行殺害事件の手掛かりとして、凌辱に使われたと思われるなす(*5)から犯人をたぐりよせるようなアプローチを見せていますが、味沢はスパイ養成の教育を受けているという設定なので、これはありなんでしょう。でもこのエピソードは映画ではいっさい出てきません。
 一方、映画版では”ゲリラ戦のエキスパート”という部分がかなり拡大解釈されていて、のっけからのレンジャー訓練、過激派によるアメリカ大使人質立てこもり事件(*6)の解決など殺人テクニックをたたきこまれた味沢という人の扱い方をよく表しています。でも、原作ではこういったエピソードはなく、味沢の前身は岩手県警の刑事によってのみ語られるだけ。後半にある自衛隊演習に出てくる戦車(M60パットン)やヘリコプター(ベル206CH-47 チヌーク)なんてのはいっさいありません。
 まあ、原作では味沢を探偵的な人として描いているのに対し、映画版ではほとんど体育会系の人として扱ってるようです。

 エンディングで、戦車や歩兵隊の大群に亡くなった頼子を背負って拳銃ひとつで立ち向かうってシーンはほとんど任侠映画の世界。耐えに耐えた主人公が長ドス一本持って敵であるヤクザの組に殴りこみをかけるシーンを彷彿とさせます。絶望的な状況ながらもカタルシスを感じる場面です。
 まあ、主人公を演じるのが高倉健だから余計にそう感じるのかも。

 一方、原作のほうはほとんど救いのない終末。頼子を救うために戦った味沢は病気による精神障害で発狂したとして精神病院に入院させられ、冒頭の大量殺人事件の真相は闇に葬られ、協力した刑事も同様の病気で言動に異常、頼子にいたっては”その後の長井頼子の行方を知る者はいない”の一言で片づけられ・・・
 昔、この本を読んだ時に”映画と違ってずいぶん救いのない話だなぁ”と思いましたが、あらためて読んでみると、やっぱりそんな話です。

 ”野性の証明”は推理小説を読みたい人は原作を、アクション好きなら映画版でしょう。でも、こんだけ違う話をメディアミックスで一緒に商売してたのは角川春樹(*7)らしいとも言えます。

《脚注》
(*1)プレイバック (レイモンド・チャンドラー 訳:清水 俊二 早川文庫)
 弁護士から謎の美女ベティ・メイフィールドの尾行を依頼された私立探偵フィリップ・マーロウ。どうやら彼女は脅迫されているらしい。尾行を続け、彼女に接触を持ったマーロウは・・・
 正統派ハードボイルド作家、レイモンド・チャンドラーの遺作。
 詳細は”プレイバック、ハードボイルドの時代!”をどうぞ。
(*2)味沢岳史を高倉健が、長井頼子を薬師丸ひろ子が演じました
 そのほかにも今や”釣りバカ日誌”で好々爺のスーさんを演じる三國連太郎が大場一族のドン”大場一成”を、その息子で暴走族の頭、けっこうへたれで殺される(原作では生き残った)”大場成明”を舘ひろしが担当。
 舘ひろしにとっては、黒歴史なんだろうなぁ。
(*3)DAISの如月行
 福井晴敏の”亡国のイージス”などに登場する特殊工作員。
 ”DAIS(ダイス)”は”Defence Agency Information Service(防衛庁情報局)”の略で如月行はその配下の特殊要撃部隊”SOF(Special Operation force)の所属。
 福井晴敏もはずれの作品のない作家です。お勧め。
 余談ですが、神奈川県川崎市に”ダイス”(綴りはDICE)"というショッピングモールがあるんですが、これを見るたびに地下に防衛庁の秘密基地があるんじゃないかなどと思ってしまいます。
(*4)直観像記憶
 眼に映った対象を写真のように記憶する能力のこと。
 1997年に発生した”神戸連続児童殺傷事件(通称 酒鬼薔薇聖斗事件)”の犯人の少年がこの能力の持ち主ということで話題になりました。
 信じられないような能力ですが、中学の時に学年トップの成績の友人になんでそんなに勉強ができるのかと聞いたところ”教科書なんて、1回読んだら覚えるだろう”との返事。うらやましい限りです。
(*5)凌辱に使われたと思われるなす
 いしかわじゅんの名作漫画”約束の地”にも”電動ナス”というエッチなバイブレーターが登場しますが、まあそんな使い方です。
(*6)過激派によるアメリカ大使人質立てこもり事件
 浅間山荘に連合赤軍が武装して立てこもった”浅間山荘事件”が発生したのが1972年ですので、まあ時代の産物とも言えます。
 ちなみに過激派のリーダの役をやっているのは年の差婚で話題になった寺田農だそうです。
(*7)角川春樹
 元角川書店社長。映画監督、映画プロデューサー、俳人、冒険家。
 1970年代後半から80年代にかけて大作映画と本を大規模な宣伝で売るメディアミックス路線(通称 角川商法)を始めた人。
 弟の角川歴彦が春樹との対立から独立してメディアワークスを設立、この人が今のライトノベルとそのアニメ化、コミカライズというメディアミックスを継承した点では、ある意味今の萌え文化の源流にある人ともいえます。

黄昏時の若人をとめられるものなどこの世にないやね(トワイライト/黄昏)

 ども、夜な夜な美女の生血を求めてさまようおぢさん、たいちろ~です(ウソです)
 先日、桜庭一樹のエッセイを読んでますと”トワイライトにハマりました”というのが書いてありました。稀代の本の読み手である桜庭一樹がハマるぐらいだから面白いんだろ~な~と思って手を出したんですが、面白いんですな、これが。
 さすがに13巻もあって(ソニーマガジンズ版)まだ全部は読めてませんが、とりあえず1~3巻(第一期)を一気読みしました。


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 写真はたいちろ~さんの撮影。横須賀の月。撮ったのは8月1日の19時ごろです。 


【本】トワイライト (ステファニー・メイヤー ヴィレッジブックス他)
 雨と霧の町、ワシントン州フォークスへ引っ越してきた少女ベラは、美しい美貌の青年エドワードとであう。惹かれあう二人だか、彼には秘密があった。彼は吸血鬼だったのだ・・・
 アメリカではハリー・ポッターに次ぐ大ベストセラーなのだそうです。
 ”トワイライト〜初恋〜 ”として2008年に実写映画化。
【自然】黄昏
 日没後2時間±1時間後で、だいたい19~21時ごろのこと。英語だと”twilight”。この時間帯は夕暮れ、逢う魔が時とも言われる時間帯です。
 ”神々の黄昏(*1)”から連想するように終末の時の比喩にも使われます。


 さて、この小説は映画版のキャッチコピーの「人間とヴァンパイアの禁断のファースト・ラブ」とあるようにラブ・ストーリーなんですが、今の日本の小説シーンでいうとほとんどライト・ノベルです。イラストこそ”萌え絵”ではないですが(*2)少女漫画っぽいし、ストーリーはヒロインの”ベラ”こと”イザベラ”の一人称で語られているし。

 お話はというと、普通でちょっと運動神経のにぶい女の子が素敵な男の子から恋をされるという、ガール・ミーツ・ボーイ(*4)のストーリー。しかも、彼氏がチョ~イケメンで、スーパーマンで、いつでも”私だけ”を守ってくれる存在で、かつちょっと(かなり)危険な”吸血鬼”となればほとんどの女の子にはストライクゾーンかも。
 しかも、自分を傷つけないために、”血を吸う”という本能に根ざした行為を超人的な克己心でがまんしているからなおさらです。

 ふと思ったんですが、吸血鬼モノの主人公ってはなから吸血鬼ってわけではなく”人間から吸血鬼になった”っても意外とあって、メジャーなことろでは

〔ドラキュラ伯爵〕
 元ルーマニア・トランシルバニア城の城主。吸血鬼のご神祖様でもあります(*5)。
 最愛の妻を失った絶望から神への復讐を誓い吸血鬼に。
 (フランシス・フォード・コッポラ監督の映画版より)
〔エドガー・ポーツネル〕
 萩尾望都の名作コミック”ポーの一族”の萩尾主人公。
 森に捨てられた少年が後にキング・ポーにより吸血鬼に。
 妹のメリーベル、親友のアラン・トワイライトもエドガーにより吸血鬼になりました。

 観てはないですが、”インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア(*6)”のルイスなんかもそのようです。
 ネタバレになりますが、トワイライトに登場するエドワードとその家族もこの系譜で、子供達は養父であるカーライル医師によって命を救われるに吸血鬼になりました。ちなみに、カーライル医師は元英国国教会の司祭の一人息子で悪魔狩りの指揮をとっていたという経歴の持ち主。吸血鬼に襲われて自身が吸血鬼になった人で、そのために”人の生血を吸わずに生きる”という道を選び、子供達もそのように育てています。

 で、自ら望んで吸血鬼になりたいかというとまあ”なっても悪くはないかな”とも思えます。やみくもに血を吸うとか人間から逃げ回るのはご勘弁ですが、生命体としはまあ究極の部類なんでしょうし(*7)。
 ベラの場合は”恋人のエドワードと永遠に一緒にいたいから”。3巻のエピローグでプロム(*8)に誘われたベラがエドワードにおねだりしています。

 エドワード:きみの人生はまだはじまったばかりなのに、
       これでもう黄昏(トワイライト)を迎えてもいいっていうつもりなのか
       なにもかも捨てる覚悟をしてるって
 ベラ   :終わりじゃない、はじまりだもの

        (中略)
 ベラ   :夢を見るのは女の子の特権だもの
 エドワード:それがきみの夢なのか。”ケダモノになる”ことが
 ベラ   :そうじゃない。
       あたしの夢は”あなたと一緒に永遠に一緒にいる”ことよ

 まあ、いいんじゃないですか

黄昏時の若人をとめられるものなどこの世にないやね(*9)

 とも言いますし。

《脚注》
(*1)神々の黄昏
 リヒャルト・ワーグナーの楽劇”ニーベルングの指環”四部作の4作目。
 主神オーディンの宮殿”ヴァルハラ”の炎上という神々の時代の終わりを暗示するエンディング。
 昔、この楽劇が見たくてレーザーディスク(古っ!)を買いました。ちなみに、パトリス・シェロー演出、ピエール・ブーレーズ指揮の通称”ダム・リング”です。
(*2)イラストこそ”萌え絵”ではないですが
 ヴィレッジブックス版のイラストを担当したのはゴツボ×リュウジ。ド級オタクな夢見る少年を主人公とした”アニコイ”を連載中(読んでないけど)。
 もし、日本語化権をヴィレッジブックスではなく、角川ホールディングス(*3)だったらきっと萌え絵になっていたことでしょう。
(*3)角川ホールディングス
 角川グループは少年系ライトノベルだけでも、角川スニーカー文庫、富士見ファンタジア文庫、MF文庫J、電撃文庫、ファミ通文庫の5つのレーベルを持ち、市場の7~8割のシェアを持っているとのこと。
 まあ、昔からメディアミックス得意な会社だったから、現在のライトノベル原作アニメの興隆もわかなんではないです。
(*4)ガール・ミーツ・ボーイ(Girl Meets Boy)
 少女が少年に出会い恋に落ちる話。逆に少年が主人公の場合は「ボーイ・ミーツ・ガール」。トワイライトの場合は初手から相思相愛なのでどっちでもいいですが。
 ライトノベル、アニメ、少女漫画の定番であります。たとえば、遅刻しそうにになって走ってると、道の曲がり角で男の子とぶつかるとか・・・
(*5)吸血鬼のご神祖様でもあります
 菊地秀行の小説”吸血鬼ハンターDシリーズ”より。ほとんど神様扱いです。
 主人公の”D”は黒衣の超絶的な美青年で、吸血鬼と人間との間に生まれた”ダンピール”にして凄腕のバンパイアハンター(吸血鬼を狩る者)。
(*6)インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
 1994年公開のアメリカ映画。原作はアン・ライスの小説”夜明けのヴァンパイア”。監督     ニール・ジョーダン、主演 トム・クルーズ、ブラッド・ピット
 まだ観ていないんで、こんど借りてこよう。
(*7)生命体としはまあ究極の部類なんでしょうな
 吸血鬼ほど弱点がはっきりしているモンスターは少ないんでしょうが、陽にあたってもチリにならなかったり、十字架を怖がらないのも結構います(トワイライトの吸血鬼はこの部類)。だいたい、首を切り落とす心臓に杭を打つ銀の銃弾で撃つなんてやられれば吸血鬼ならずとも死にます
(*8)プロム(Prom)
 promenade(舞踏会)の略。アメリカなどの高校で開かれるフォーマルなダンスパーティーだそうです。女性との踊りといっってもフォークダンスぐらいしかしたことないおぢさんにはピンときませんが。
(*9)黄昏時の若人をとめられるものなどこの世にないやね
 ”サード・ガール”(西村しのぶ 小池書院)より。
 建築会社にお勤めの涼さんが神戸MOSAIC(神戸港ウォーターフロントのデートスポット)でカップルいっぱいの中で仕事するシーンから。
 この後、ガールフレンドの夜梨子ちゃんが別の男とデートしてるのを見つけてあせりまくるハメになります。

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