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2012年12月23日 - 2012年12月29日

”世の中全体が中二病化している”と言ったところで、自分の痛さが誤魔化されるわけではないんですが・・・(中二病でも恋がしたい!/妄想竹)

 ども、息子が中学二年生(14歳)になった時に”こいつもエヴァに乗れる年になったんだな~~”と思っちゃったおぢさん、たいちろ~です。
 先日、”中二病でも恋がしたい!”のDVDが出てたので観ちゃいました。だって、京アニだし、監督は石原立也だし、シリーズ構成は花田十輝だし・・・(*1)
 で、ヒロインは見崎鳴してるわ(*2)、京アニのセルフパロディてんこ盛りだわとけっこう面白いんですが、やっぱ、痛いンですね、このアニメ。どれぐらい痛いかというと、拳銃で撃たれた刑事が”なんじゃこりゃー”と叫んじゃうぐらい痛い(*3)。
 ふと我に返ってみると、じゃあこのアニメを”痛い”だけで片付けていいのか?との疑問が・・・ ということで、今回のネタは”中二病でも恋がしたい!”の痛い話であります。


0405
 写真はたいちろ~さんの撮影。竹取の里の妄想竹です。


【DVD】中二病でも恋がしたい!(監督 石原立也、制作 京都アニメーション)
 富樫勇太は中二病(自分は他人とは違う特別な存在と妄想するビョーキ)だった過去を封印し、一般人としてのデビューを図ろうとする。ところが現役バリバリの中二病患者の小鳥遊六花(たかなし りっか)が現れて・・・
【花】妄想竹
 イネ目イネ科タケ亜科のうち茎が木質化する種の総称。
 名前の由来は非モテの若者が”竹の節にかわうい女の子がいるっと月からのお告げがあった! 今日からオレもリア充だ~~”と妄想し、片っ端から竹を切り倒したため、突然現れた美少女戦士から月にかわっておしおきされたことに由来する。
 ※ウソです。写真は水戸偕楽園の孟宗竹。


 ”想像”といい”空想”といい”妄想”といい、人はいろんなことを考えます。”想像”は”創造”につながり”顧客ニーズを想像し新しいビジネスモデルを創造”うんぬんになるし、”空想”は”特撮”とくっつくとウルトラマンするし(*4)、孫正義だって成功してなきゃ単なる妄想癖のあるに~ちゃんで終わってたはず(*5)。要はディープさの差こそあれこの3つは同じ地平の上にあるんですね。
 被害妄想はともかく、妄想すること自体は別に悪いことではないんですが、中二病の何が困ッタチャンかというと脳内設定を外に垂れ流すことと、それを実現するための力がないこと。じゃあ、これは中二病患者特有かというと意外とそうでもないんですね、これが。

 前回書いた”いえいえ、ボールにもなってませんから!”の元ネタ本”僕たちはガンダムのジムである(*6)”にあるように、”自分が特別な人”と思いこんでる若い人が多いんだそうです。激烈な就活を勝ち抜いてきただけあって優秀なんでしょうが、だからといってみんながガンダム(特別な人)ってわけではないでしょって話。まあ、”ニュータイプ幻想”とでもいいましょうか。その他大勢、ジム(普通の人)が社会を動かしてるんだからそういった生き方を肯定的に考えようってことです。

 自分がニュータイプだと思いこんでる人はそうはいないかもしれませんが、プチニュータイプぐらいは、まあいそうです。

 優良種である我こそ会社を救い得るのである。ジーク・俺様!

みたく脳内設定だだ漏れの人はさすがに社会人としてどうなのよって感じですが

 新しい時代を創るのは頭の固い上司ではない!!

とか

 これで受注できねばあいつは無能だ

ぐらいは酔っぱらった勢いで言っちゃいそうです。私もですが・・・(*7)

 自分の将来像に”べつにぃ~~”とか言われるのも困ったモンですが、かといって脳内設定垂れ流しってのもクールとは言えません。重要なのは実力(将来の可能性を含めて)と脳内設定とのギャップ。これが少なければ、”あいつならやるかもしれん”と評価して貰えるでしょうし、ギャップが大きすぎれば”痛い人”で片付けられます。
 脳内設定をどのレベルに持ってくるかは個人の自由なのでど~のこ~の言いませんが、まず自分の有用性を証明し続けることのほうが大切だと思うんですがねぇ(*9)。

 ということでこの作品、たぶん観る人は3つにわかれるんじゃないかと。

  ①何を言ってるのかまったくわからない人
  ②我が身を振り返って、身悶えする人
  ③痛いキャラは面白いけど、私は違うと思っている人

まあ、ほとんどの人(パンピー)は①、②は自覚があるだけ救いもありそう。問題は③の人。自己評価としての自分と他者の評価する自分ってのは往々にしてギャップのあるもの。ひょっとして、人様からは②の人だと思われてたりして・・・

 ちなみに私は”痛い人”ではありませんので。

《脚注》
(*1)京アニだし、監督は石原立也だし、シリーズ構成は花田十輝だし・・・
 ”京アニ”は、鈴宮ハルヒの憂鬱などのヒット作を連発しているアニメーション作成会社。石原立也はその監督。花田十輝は”まほろまてぃっく~もっと美しいもの~(GAINAX)”などのシリーズ構成を務めた脚本家。
 パンピーにはなじみがないかもしれませんが、この業界ではビックネームです。
(*2)ヒロインは見崎鳴してるわ
 見崎鳴(みさきめい)は綾辻行人による日本のホラー・ミステリー”Another”のヒロイン。2012年にキャラクター原案いとうのいぢでアニメ化。
 原作の虎虎によるとモデルはエヴァンゲリオンの”綾波レイ”だそうですが、眼帯に、左右の瞳の色が違うヘテロクロミアに、”死の色が見える”特殊能力にと、見崎鳴がモデルと思ってました。
(*3)拳銃で撃たれた刑事が”なんじゃこりゃー”~
 昭和の刑事ドラマ”太陽にほえろ!”でジーパン刑事(演じるは松田優作)が殉職するシーンでの叫び声。オヤジネタですいません。
(*4)”空想”は”特撮”とくっつくとウルトラマンするし
 ウルトラマン(初代)のオープニングには”空想特撮シリーズ”ってコピーが入ってました。若い人にはピンと来ないかもしれませんが、SFを”空想科学小説”と言ってた時代もあったんですよ。
(*5)孫正義だって成功してなきゃ~
  20代で名乗りを上げ、30代で軍資金を最低でも1000億円貯め
  40代でひと勝負し、50代で事業を完成させ、
  60代で事業を後継者に引き継ぐ

 孫正義、19歳の時の言葉です。
 成功者だからこそ名言になってますが、自分の周りにこんなことほざく若者がいたら、”まじめに働け!”って怒るでしょ、フツー
(*6)僕たちはガンダムのジムである(常見陽平 ヴィレッジブックス)
  世の中は1%の「すごい人」(ガンダム)ではなく
  99%の「その他大勢」(ジム)が動かしている。(本書オビ説明より)
 味方のモビルスーツなのにモブ扱い、ヤラレ役の”ジム”を題材にしたフツ~の会社員のための生き方論。詳しくはこちらをどうぞ。
(*7)ぐらいは酔っぱらった勢いで言っちゃいそうです~
 ”優良種である~”はギレン・ザビ総帥、”新しい時代を創るのは~”、”これで受注できねば~”はシャア・アズナブルのお言葉。
 前者は最高権力者、後者はエースパイロットとともに実力のあるお方なので名言になりますが、実力のない人がない人が言えば”おまえはまだ、坊やだからさ”で切り返されて終わりです、はい。
(*9)自分の有用性を証明し続けることのほうが
 冲方丁のSF小説”マルドゥック・スクランブル”(ハヤカワ文庫JA)より。
アニメ版でヒロイン”ルーン・バロット”の声を演じた林原めぐみは綾波レイも担当。

いえいえ、ボールにもなってませんから!(僕たちはガンダムのジムである/F-22 /F-15J)

 ども、定年までず~~っとこの会社のままでいれるかなぁと考えてるおぢさん、たいちろ~です。
 先日、日経新聞を読んでましたら(*1)、入社半年の新入社員に”今の会社に一生いるか”という質問に30.6%がNoと答えたとのこと。入社直後は60.1%がYesと答えてたそうなので、半年で半減。まあ、自分の人生だからどう考えようと知ったこっちゃないですが、それにしても見切りをつけるには早すぎんじゃねぇ~のと思っちゃいます(*2)。
 全員に会社でエース級のガンダムになれとは言いませんが、”じゃあ、あんたはジムぐらいはなったのか?!”と問われるとあんまし自信ないなぁ、四半世紀以上いるけど。
 ということで、今回ご紹介するのはフツ~の会社員のアイデンティティに迫る”僕たちはガンダムのジムである”であります。


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F15j8180487
 写真はたいちろ~さんの撮影。横須賀アメリカ海軍基地の”ネイビーフレンドシップデー 2012”にて
 上はF-22、下はF-15Jです。


【本】僕たちはガンダムのジムである(常見陽平 ヴィレッジブックス)
  世の中は1%の「すごい人」(ガンダム)ではなく
  99%の「その他大勢」(ジム)が動かしている
。(本書オビ説明より)
 味方のモビルスーツなのにモブ扱い、ヤラレ役の”ジム”を題材にしたフツ~の会社員のための生き方論。アニメネタですが内容はけっこう当たってると思います。
【乗り物】F-22
 アメリカ空軍のF-15C/D制空戦闘機の後継機としてロッキード・マーティン社とボーイング社が共同開発した世界初のステルス戦闘機。愛称は”ラプター
 世界最強クラスの戦闘能力を持ってますが、コストの高騰・予算削減のため現在は生産終了。
【乗り物】F-15J
 マクダネル・ダグラス社(現ボーイング社)が開発したF-15C/D(愛称”イーグル”)を、空自衛隊向けにノックダウン及びライセンス生産した戦闘機。単座型と複座型合わせて合計201機が運用中という日本国防のための主力戦闘機です。
 ※情報はwikipediaによる


 架空のメカニズムが現在の貨幣価値でいくらぐらいかってのは難しい問題です。現在の科学技術レベルでは実現不可能な”ドラえもん”ですらコンシューマ製品化している未来もありますが(*3)、ある程度は実現できそうなガンダムっておいくら? 見積もってくれるとこがあると面白ンですがねぇ、前田建設ファンタジー営業部みたく(*4)
 まあ、現存兵器との比較で考えてみます。いろいろ説はありますが上記のF-22は1億5,000万USドル(2009年)、当時の為替レートが90~104円程度でしたのでおおむね150億円、。F-15Jが100億円強ぐらい。戦闘機って高いんですよねぇ。
 ジェット機よりもはるかに複雑なメカニズムのモビルスーツがこれより安く作れるとは思えません。本書の著者常見陽平が新入社員で入社したリクルートホールディングスの年間売上が8066億円ですので、ジムの値段が仮に100億円だとすると年間売上をすべてつぎ込んでも80機、200億円だと40機程度しか調達できません。現実的にははこの数字の数割いけばいいとこかと。そんな高価なシロモンをおいそれと新兵ごときにまかせるとは思えません(*5)。

 会社の規模にもよりますが、私んとこの会社だと売上高100~200億円のプロジェクトなんて本部長クラスが陣頭指揮をとって1~2年がかりです。どうも常見陽平は量産型のやられメカってことで”ジム”を過小評価してるんじゃないかなぁ。かなりお安いであろう”ボール”にしたところで数十億はするでしょうから、これでもベテラン部長か統括部長クラスが任されるお仕事。7割は課長にさえなれません時代に(*6)ここまでいけばまあ出世したほうです。

 ぶっちゃけ、ほとんどの人はボールにもなってませんから。実も蓋もない話で申し訳ありませんが、組織ってのは整備兵もいるし、輸送や主計といった裏方仕事も山ほどあります。別にみんながみんなエースパイロット(*7)を目指す必要はないし、なれやしません。本書で注意喚起をしてるのは

  自分は秘められたすごい才能を持った「ニュータイプ」だと思ってしまうのである
  冷静に振り返ってみると、自分にはそんな素質も才能もなく
  ましてやルックスがいいわけでも、性格はいいわけでもないにもかかわらずだ

別に会社ってのは特別な人だけでできているんじゃないから、冷静に自分の存在価値を再認識して、「ジム」としての人生戦略を考えて実行しろということ。別に夢を持つなとか(*8)そこそこの生き方で満足しろというつもりはありませんが、そうしたいなら冷静な自己分析と、仕事を任せられるだけの実力をつけることが必須です。

 軍事用語に”コンバット・プルーフ(combat proof 戦闘証明済み)”というのがあるそうで、これは兵器が実戦で使用されその性能が当初の設計通り(またはそれ以上)であることが客観的に実証されたもののことだとか。仕事も同じで、小さいプロジェクトでコンバット・プルーフを積み重ねてない人に大きなプロジェクトを任せることなんてないし、これを積み重ねるにはそれなりに時間がかかります

 冒頭で一生働きたい人率が半減と書いてますが、やっぱ半年で見切りつけるのは早すぎるんじゃないかなぁ。最近、私んとこのトップの人が新人に”最低3年はがんばれ”と言ってますが同感です。

 本書はガンダムをネタにしてますが、内容はけっこうマジ。若い人には反論もあるでしょうが、”ニュータイプ幻想”に振り回されないためにも読んどいてソンはないかと思います。

《脚注》
(*1)日経新聞を読んでましたら
 日経新聞 2012年12月10日 朝刊。
 「今の会社に一生 3割」 新入社員 入社半年で半減 民間調べ
 詳細は日本生産性本部のHPでどうぞ。
(*2)見切りをつけるには早すぎんじゃねぇ~の
 私んとこの会社だと、集合教育が終わってOJT始まったとこぐらいです。
 まあ、半年もいりゃ社風ぐらいはわかるかもしれませんが・・・
(*3)”ドラえもん”ですらコンシューマ製品化している未来~
 ドラえもんの本来の持ち主であるのび太の孫の孫のセワシ君は、のび太の作った借金で貧乏みたい。それでも買えるってことはたぶん中古の普通乗用車並みの値段じゃないかと(旧設定だと特価20万円とか)。
 ちなみに設定上のドラえもんの誕生日は2112年9月3日、あと100年後です。
(*4)前田建設ファンタジー営業部みたく
 前田建設(実在の建築会社)にあるファンタジー営業部がマジンガーZの格納庫や、ガンダムの地球連邦軍の本部”ジャブロー”なんかを作ったらいくらかかるかのまじめに見積もった本。
 詳しくはこちらをどうぞ。
(*5)おいそれと新兵ごときにまかせるとは思えません
 戦闘機パイロットはだいたい尉官(大尉とか中尉とか)あたりだそうで、かなり狭き門ですし、なるのに時間もかかります(ルートは航空自衛隊HPをご参照)
 ファーストガンダム(TV版)の第一話で単独行動をとったザクパイロットについて
  デニムに新兵がおさえきれんとはなあ
 というシャア少佐の発言がありますが、これは”パイロットになりたて”ぐらいの意味かジオン公国がよっぽど人手不足に陥っているかではないかと。
(*6)7割は課長にさえなれません時代に
 ”7割は課長にさえなれません”(城繁幸 PHP新書)より。
 こっちも、ぶっちゃけ身も蓋もない話です。
 ”僕たちはガンダムのジムである”の中で使っている数字だと、従業員1000人以上の会社の非役職率は全体で77.9%、大卒男子35~59歳では64.1%。大卒男子50~54歳でも35.6%
(*7)エースパイロット
 RX78(ガンダム)は連邦軍の試作モビルスーツなので、正確にはテストパイロットと書くべきなのかも。後に初の月面歩行を行ったニール・アームストロングのように、テストパイロットもおもいっきし優秀でないと務まらんお仕事のようです。
(*8)別に夢を持つなとか
 上記の日本生産性本部の資料では”自分には仕事を通じてかなえたい「夢」がある”と回答したのは春で70.5%、秋でも50.7%がYesと回答したそうです。
 夢を持ち続けることは良いことですので、ぜひ持ち続けてください。実現させるかどうかはあなた次第です。

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