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2012年12月2日 - 2012年12月8日

”パラサイト・シングルの時代”から”スタンドアロン・シングルの時代”へかな?(ラサイト・シングルの時代/家族の衰退が招く未来/ラフレシア)

 ども、奥様あり子供2人の家庭のおぢさん、たいちろ~です。
 こういう夫婦2人と子供2人の4人家族を”標準家庭”と言うそうですが、そういう家庭が減ってきているんだそうです。先日、日経新聞に山田昌弘教授が書いてましたが(*1)、こういった標準家庭を形成できる若者は約4割程度なんだとか。
 山田昌弘教授って聞いたことあるな~と思ってたら、記事の中に”パラサイト・シングル”ってのが出てきて、なるほど、なるほど。
 ということで、今回ご紹介するのは1999年の”パラサイト・シングルの時代”と2012年の”家族の衰退が招く未来”の2冊であります。


Photo
 写真はwiktionaryより。ラフレシアです。


【本】パラサイト・シングルの時代 (山田昌弘 ちくま新書)
 親と同居し、生活を親に依存する独身者”パラサイト・シングル”。こんな若者が1000万人もいるという。なぜこのような若者が大量に発生したのかを分析し、未婚化・少子化を論じた本。1999年の発刊。
【本】家族の衰退が招く未来 (山田昌弘、塚崎公義 東洋経済新報社)
 ”パラサイト・シングルの時代”から13年。あの若者達はどうなったのか?
 将来への希望を持てないままに高齢化するパラサイト・シングルとその親の世代の今を経済学者の塚崎公義とともに読み解く本。発刊は2012年です。
【花】ラフレシア
 ラフレシア科ラフレシア属の植物。世界最大の花として有名でアニメなんかのモトネタ(*2)になってます。
 ラフレシアは自身は光合成をしないという”全寄生植物”で、花が咲くのに2年かかるけど咲いたら約3日で枯れてしまうという、なかなか意味深な植物です。


 パラサイト・シングル(Parasite single)の定義ってのは”学卒後もなお親と同居し、基礎的生活条件を親に依存している未婚者”のこと。親を宿主にして寄生している(パラサイト)ってのを当時流行ってた”パラサイト・イブ(*3)”にひっかけたのが元ネタだそうです。
 で、2冊に出てくるパラサイト・シングルですが、ずいぶん違ってるんですねぇ捉えられ方が。まず、1999年から。このころのパラサイト・シングルってのは消費の大きなカテゴリとして扱われています。基礎的生活条件(住居、食費、家電製品や車など)は親負担なので、極端にいえば”給料=小遣い”状態。なので、海外旅行などの趣味にお金がかけられるし、親も現役で比較的裕福だったので、本人の給料が多少が低くてもそこそこリッチな若者像です。また急いで結婚して生活水準の低い夫婦にならなくても、もうちょっと待っててもいっか! みたいな精神的余裕もありました。

 実は本書の中ですでに”豊かな親=既得権”を捨てて独立しないと経済後退期には発展の大きな障害になるという指摘がされれるんですが、まさにその状態になっているのが今、その状況分析が13年後の本”家族の衰退が招く未来”になってます。
 状況から言うと、99年に書かれた状況がそのまま今にシフトしてるってこと。2010年度の国勢調査では30代前半男性の未婚率が46.5%、女性が33.3%と95年度に比べて大幅に増加しています(95年度 男性 37.3%、女性 19.7%)。また、50歳男子の未婚率はすでに20%を超えてるとのこと。統計的には50歳時の未婚率をもって生涯独身でいる指標にするんだそうです。生涯独身だってよ、どうするYO~YO~!!(*4)
 で、35歳から44歳までで親と同居している人が10年時点で298万人と総人口の16%を占めるんだとか。つまり状況はどんどん後ろ倒しになってるようなんですね。男性は草食化して”今の収入では結婚できる自信がない”とか、女性は女性で姉妹化する母親といっしょに”いつか王子様が(*5)”とか思ってるうちに・・・(以下自主規制)

 さらに悪いのは、経済状況が悪化し非正規雇用の人が増えて好転する兆しのないこと。つまり今も悪いし将来の見通しも暗い。だからますます結婚できずにパラサイト状態が伸びてってしまう。このため中年パラサイト・シングル(本書ママ)が増加しているそうで、”パラサイト・シングルの時代”の書かれた99年頃が人口比8%程度(約150万人)から10年度で倍増(16% 約300万人)。しかも消費をしないもんだから昔ほどのリッチ感もないし。

 この通りに年齢が後ろ倒しになってってるとすると親も高齢化してるわけで、99年頃の25~30歳ぐらいの人の親はまだ定年の現役だったのが、10年もたてばそろそろ定年か定年後。収入も減ってくわけです。これで親が病気にでもなった日にゃ、介護をしてくれる奥さんがいなけりゃ自分でやんなきゃいけないわ、非正規だったら働かにゃ収入は入ってこんわと、かなりリスキーな人生を迫られます。さらに、親が死んじゃったら年金も入ってこなくなるわけですし。最近、親の死を隠して年金を不正取得してるって事件がありましたが、増えてくんだろうなぁ、きっと。それに、年金の為に親の葬式すらだせないってのはあまりにもせつなさすぎます。

 ま、個人が結婚するかどうかは個人の勝手ですが、マクロ的に見ると未婚化少子化が進めば社会的活力が低下するのは確か。一昔前は男性なら”所帯を持って一人前”とか、女性なら20代後半でクリスマスケーキだのハイミス(死語)だのと(*6)社会的バイアスがあったんですが、今そんなこと言おうもんなら”セクハラ”で女性社員から総スカンくらうの必至です。そのかわり、知り合いのお嬢さんを紹介してくれる世話焼きのおばちゃんとか上司がいましたが今はそれも絶滅。つまりプレッシャーもなくなった代わりに自分でなんとかしないといけない時代になっちゃったんでしょうね。

 で、”自分でなんとか”なんですが、これに関することが”家族の衰退が招く未来”に出てました。自分でなんとかするためのは人とのつながりが重要なわけですが、今の若者はこれにお金をかけてるんだそうです。

  それはモノを消費することだけでもなく、
  ブランドを消費することでもありません。
  つながりから幸福を直接実感する。
  つまり自分の内側、社会、周りの人々との間につながりをつけることが
  新しい幸福物語です。
  自分で選んだつながりを維持することに人々はお金をかけるようになるのです。

 言ってることはわかるしその通りなんでしょうが、なんだか違和感が・・・
 今の若者世代のほうが、メールだツイッターだFacebookだLINEだとおぢさん世代よりよっぽとコミュニケーションしてるんですね。5分間ルールみたいに、メール出したらすぐ返ってくるとか。おぢさん世代ではメール返ってくるのが2~3日後でも別に気にしないし、年賀状で近況が分かれば充分とか(もっとも最近では生きてるか死んでるかの確認になってきましたが・・)
 じゃあ、つながりを持ってる若者がなぜ結婚しないかというと、リアルなつながりとネットワークなつながりが分離してきてるんじゃないかと。つまり電脳社会では密接だけど現実では彼女(彼氏)いない、スタンドアロン・シングル(stand alone single)みたいな(*7)。こういったS.A.Sな状況をリア充に持ってかないとまずいんではなかろうか??

 今回の2冊は、若者もそうですがそれより親の世代が読んだ方がいいかも。子供がパラサイトを脱して、宿主がなくなっても大きな花を咲かせられるかは親にも責任あるみたいですし。

《脚注》
(*1)日経新聞に山田昌弘教授が書いてましたが
 日経新聞 2012年11月 7日版”経済教室 人口減少社会を考える(上) 『標準家庭』の維持は困難”より。
 上記には書いてませんが山田教授は”パラサイト・シングル”のほかにも”婚活”という言葉を流行させたり、”希望格差社会”なんかを書いてる人です。
(*2)アニメなんかのモトネタ
 ”宇宙海賊キャプテンハーロック”に登場する敵の女王とか、機動戦士ガンダムF91のモビルアーマーとか。ポケモンにも出てるそうですが、こっちのがメジャーかな?
(*3)パラサイト・イブ(瀬名 秀明 新潮文庫他)
 瀬名秀明によるホラー小説。すいません、読んでません。
 1997年に三上博史、葉月里緒菜の主演にて映画化もされました。
(*4)どうするYO~YO~!!
 YO~YO~はこのブログにコメント書いてくれる私の高校時代の友人です(50代前半 ♂)。気のいいフリーカメラマンですが、なぜか独身。婚活ガンバレ!、あきらめたらそこで試合終了ですよ!!
(*5)いつか王子様が
 ディズニーのアニメ”白雪姫”の主題歌”SOME DAY MY PRINCE WILL COME”です。詳しくはこちらをどうそ。
(*6)クリスマスケーキだのハイミスだのと
 24(日)歳までは売れて25(日)歳だと売れ残りなのでクリスマスケーキ。最近は31日の晦日そばと言うらしいですが・・
 ハイ(高い)年齢でミス(未婚)なのでハイミス。昔の小説読んだら20代半ばで”ハイミス”扱いしてましたがそうだったんだ。うちの奥様が20代の時、お正月にお父さんから”今年こそはおまえの花嫁姿を・・・”と言われ続けたのがとってもいやだったと言ってましたが、今どき娘にそんなこと言ったら口きいてくんなくなるだろうなぁ
(*7)スタンドアロン・シングルみたいな
 元ネタは士郎正宗原作でアニメ化もされた”攻殻機動隊”の”スタンド・アローン・コンプレックス”から。情報ネットワークにより独立した個人が結果的に集団的総意に基づく行動を見せる社会現象を”スタンド・アローン・コンプレックス”と言ってます。

”働いたら負け”と思っているのはニートだけじゃないんだぞ! とっとと年金よこしやがれ!!(アカツメクサ/シロツメクサ/無名人名語録)

 ども、年金生活にあこがれるおぢさん、たいちろ~です。
 先日、誕生日がありました。53歳です。おぢさんです。あと10年もすれば年金でるんだな~とか思ってました。と、新聞に”社会保障制度改革国民会議”が始まったとのこと。で、この会長の清家篤慶応義塾長の持論が「生涯現役社会」論者で年金受給開始を65歳から68歳に引き上げを提唱しているとのこと。
 冗談じゃね~ぞ、勤勉に働いてきたおぢさんとの約束を破るンか、おい!!、ということで、今回は年金のお話です。


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 写真はたいちろ~さんの撮影。近所のアカツメクサ&シロツメクサです。


【本】無名人名語録(永 六輔、講談社文庫)
 稀代の名エッセイスト永 六輔による日本全国の無名の人たちの残した名言・箴言・格言・警句を集めた本。有名人のどっかお説教臭い名言より、無名人たちのぶっちゃけ、本音が楽しい本。
 発行が1976年で”国鉄”とか”三浦和義”なんかの話題が出るのもご愛嬌(*1)。
【花】アカツメクサ/シロツメクサ
 マメ科シャジクソウ属の多年草。別名、クローバー。
 アカツメクサの花言葉は”勤勉、実直”、シロツメクサの花言葉は”約束”。


 人間、どれぐらい生きられるかの指標に平均余命(*2)というのがあります。これはある年齢の人々が、その後何年生きられるかという期待値で、厚生労働省の発表している簡易生命表(平成22年版)によると、60歳の人は男性で22.70年、女性で28.12年。だからあと3年ぐらい延ばしても大丈夫みたいに考えてるんだとしたらちょっと待て!!
 平均余命ってのは統計的にそうだと言ってるだけで、私(あなたもです)があとそんだけ時間があると言ってるわけではないこと。毎日呑んだくれてて、休日は運動もせずブログ書いてるようなおぢさん(つまり私のことです)がそんなに長生きできるのか!?
 もうひとつ重要なのは、生きてるだけじゃなく老後を何年楽しめるかということ。
 別の指標に健康寿命というのがありまして、こっちは日常的に介護を必要としないで自立した生活ができる生存期間のこと。こっちは男性で70.42歳、女性で73.62歳。男性だといきなり9年、女性で13年近く減っちゃうんですね、いきなり。つまり68歳まで働かされると2年かそこらでもうよれよれ

 永 六輔の”無名人名語録”の中に

  長寿って言うけどさ、寝たきり老人は長寿って言えねェと思うよ。
  あれは単に、長命なんだよな。
  長命と長寿じゃちがうんだ。
  健康じゃなきゃ長寿じゃない、そうだろ

 ってのがありますが、まさにそのとおり。定年したら、奥様と二人で温泉旅行にでも行って(行ってくんないかもしれないけど)とか思ってても要介護ではねぇ。「生涯現役社会」って言うけど、働いてる間だけが現役ではないと思うんですが

 まあ、年金財政がほとんど破綻状態ってのは分かりますが、かといって年金受給年齢を引き上げる≒定年を延ばすんではなくて、逆に減額してもいいから引き下げて、若者の安定雇用を生み出した方が中長期的には有効じゃないかと。定年を延ばせば企業は若者の新規雇用を減らすので、若者の活躍の機会が減るだけです。
 某都知事が辞任の時に”若者はもっとがんばれ(*3)”とか言ってましたが、若者からすれば

  

 うるせ~ジジィ、とっとと席あけやがれ!

 とか、思ってるんじゃないかなぁ、私もそう思うけど。
 で、若者の席を空けるから、若者は若者で親のスネなんかかじってないで独立して自分で金を稼げと(*4)。子供が独立して新しい所帯を持って子供を作らないので家庭のための需要は発生しないし、少子化による若い世代の年金負担が増えるしと負のスパイラル。結局とところ、年金問題と若い世代の就職問題って同じカードの表と裏なんじゃないかなぁ・・・

 年金を保険型をやめて貯蓄型(自分が出した分だけもらう)にしたらどうかという話もありますが、これもどうでしょう。そもそも年金制度ってのは世代間の所得移転ってのが制度設計の基本なので、現時点で出した分だけ返ってこないという発想は元々当てはまりません。それに経済学の基本的な考え方からいうと、額面ベースの話ではモトは取れないってことになります。
 普通の社会だとインフレーション(お金の価値が下がる)するので、ある時点の1万円と別の時点の1万円では購買力(1万円で買えるものの量)が違います。このため価値を合わせるためにはインフレ率等の係数で割り戻すってことをやります。簡単な例でいうと、

  1976年の大卒男子(もうすぐ年金貰える人)の初任給 : 94.3万円
  2014年の大卒男子(今から年金分払う人)の初任給  : 201.8万円

でした(政府統計より)。仮にインフレ率と初任給の上昇率が近い数字とすると214%の上昇率になるので、就職時にそれぞれ1万円ずつ拠出し(合計2万円)、出した価値に等しく分配するとすると1万円ずつではなく、だいたい

  1976年の大卒男子 13,630円(分配率 68%、拠出比 136%)
  2014年の大卒男子  8,370円(分配率 32%、拠出比  64%)

 になります。実際には金利(運用利回り)と、使っちゃった分の配分をどうするかとかあるので、ここまで簡単ではないですが、まあ、記録さえあれば(*5)今のコンピュータで楽々計算できると思います。でも、どう計算しても若い世代が割り勘勝ちするってことはないんじゃないかなぁ。

 それにもっと問題なのは、世代ではなく”個人”にばらした時にほんとに年金が貰えるのか(逆にいうと年金分を払えるか)ということ。今の制度だとまがりなりにも社会全体でなんとかしようというコンセンサスがあるわけですが、自己負担原則をつきつめると、”払っていないヤツには払わなくていい”ということになります。かなりの人が正規雇用だったおぢさん世代と違って、非正規雇用だニートだが増えている昨今、あと30年ぐらいたって”年金を貰えないのは自己責任”と言われても後の祭りのような・・・

 極論すると、誰だって働きたくて働いているというより喰うために働いているわけで、働かなくてもそこそこ喰えるなら働きたくないっておぢさんも多いはず。何も”働いたら負け”はニートの専売特許じゃないです。年金受給年齢を延ばして、じじいをいつまで働かせんるんじゃなく多少年金を減額してでもとっとと引退させて、その分若い人の雇用確保して子供ばんなん作ってもらったほうがいいんじゃないかと。じじいだって、その分楽しい老後の時間が増えるわけだし、金だって使います。

 所詮庶民はクローバーみたいな雑草なんですから、世代間で角突き合わせててもしょうがないと思うんですがねぇ・・・

《脚注》
(*1)”国鉄”とか”三浦和義”なんかの話題が
 国鉄は現JR(JR東日本等)の前身である日本国有鉄道の略称。国鉄分割民営化で発足したのは1987年のことです。
 三浦和義というのは、1981年ロサンゼルス旅行中の妻が駐車場で頭を撃たれて死亡した悲劇の人。多額の保険金を受け取っていたことが発覚して保険金目当てじゃなかということになりました(ロス疑惑)。当時はワイドショーを独占したネタです。
 今の若い人には説明せんとわからんかもしれんので、書いてみました。
(*2)平均余命
 これに対し、平均寿命というのは0歳児の平均余命のこと。ですので、平均寿命と平均余命は若干の誤差がでます。ちなみに2011年の平均寿命は男性で79.44歳、女性で85.9歳です。
 平均寿命が寿命の平均値に対し、寿命の中央値が寿命中位数。年齢は正規分布しないため日本の場合、平均寿命は寿命中位数より3年程度短いんだとか。
(*3)若者はもっとがんばれ
 本人としては若者へのエールぐらいの気持ちかもしれませんが。
 本人は衆議院選挙に立候補して最後に一花咲かせたいぐらいの思いかもしれませんが、それが若者の活動のチャンスを奪っていると考えないンでしょうかねぇ?
(*4)親のスネなんかかじってないで~
 社会学者の山田昌弘が”パラサイト・シングルの時代(ちくま新書)”の中で、高齢者の就業率が高いのは子供が親の経済力を頼っているのではないかという考察をしていますが、ありそうですね、やっぱり。
(*5)記録さえあれば
 実は、記録が正しいかどうかは結構危ないです。自民党政権下での年金記録の不備が発覚した”消えた年金問題”ですが持ち主不明の年金記録約5、095万件のうち解明されたのが2,873件(解決 1,666件、死亡解明1,207件)と約6割、残り4割の2,222万件がまだ未解決です。
 民主党が”1300万人1.7兆円の年金記録を取り戻しました”ってCMやってますが、なんだかなぁ。まあ、自民党時代の不始末なんで、ツッコまれないとは思ってるんでしょうが。

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