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2012年11月25日 - 2012年12月1日

「女子」って今風なオタクかもしんないです(「女子」の時代!/アンスリューム)

 ども、女子とはとんと縁のない人生を送るおぢさん、たいちろ~です。
 昨年から私んとこの部署で”女性によるダイバーシティミーティング”ってのをやってます。”ダイバーシティ”というのは”多様性”という意味で、いろんな立場や考え方をもつ人が集まり尊重することで、環境変化への適応力を上げていきましょうみたいな考え方です(合ってるかな、この説明で?)。
 私んとこの部署ではだいたい女性が1~2割ぐらいですんで少数とは言いませんが、まあ少数派であることは確か。ただ、みんな優秀なんですね、これが(*1)。
 結婚、出産、育児といった女性ならではのライフスタイルとか、キャリアパス(*2)なんかのディスカッションをやってます。
 ところでこの会、コードネームを”女子会”と言ってます。別に他意はないんですが”女性による~”では長いんで・・・ 20代前半から50代近い女性までを括りで言う言葉って最近ではやっぱり”女子”でしょうか。
 ということで、今回ご紹介するのはこんな女性たちを扱った本”「女子」の時代!”であります


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 写真はたいちろ~さんの撮影。近所のアンスリウムです。


【本】「女子」の時代!(馬場 伸彦、池田 太臣 青弓社ライブラリー)
 いまなぜ、新聞・雑誌・ネットで「女子」に注目が集まっているのか。山ガールや女の子写真、女子会、鉄子、オタク女子=腐女子などの登場・活躍を雑誌やネットを素材につぶさに観察し、ファッション誌の女子やマンガの働く女子、Kポップにはまる女子なども取り上げて、「かわいい」や「萌え」をキーワードに「女の子」たちが飛躍する現代社会を読み解く(amazon.comより)
【花】アンスリウム(アンスリューム)
 サトイモ科の多年草。原産地は熱帯アメリカ、西インド諸島と見た目通り南国の花です。
 ピンク色で花に見えるところは実は仏炎苞(ぶつえんほう)という葉っぱ。花は真ん中に伸びている筒状の部分(茎頂)に小さく咲きます。
 花言葉は”可愛い、無垢な心”など。


 この本、読み始めてすぐに思ったんですが、「女子」っていうのっておたくのバリエーションじゃないかと。実際、内容も女子マンガとか鉄道女子とかおたく趣味的な話題も多いし、モロ”オタクならざる「オタク女子」の登場”なんていう章もあるし。ここでいう”オタク”とは”おたくの本(*3)”から引用されている”アニメやマンガのファンで、ファッションや恋愛に興味のない暗い青少年”といった原おたくじゃなく、修正されたオタクという意味で
 この”修正されたオタク”というのは本書では”イマジナリーの未成熟さを好む人”という言い方をしています。未成熟の要素としては”独身性”と”非世間性”が、現実的な成熟さに関係ないとい点で”イマジナリー(*4)”だそうです。
 ”独身性”というのは家族の匂いがしないといった内容で、まあ(実際に結婚してるかどうかに関係なく)男性がいないという点では独身的でしょうね。また、”非世間性”とは他者との関係が大人っぽさを伴わない、自分の価値観に忠実みたいな感じでしょうか。

 あと、○○女子とかかわいいという言葉の説明に”おたく”とか”萌え”みたいなのを当てはめると、意外なほどしっくりくるんですね。
 ”はじめに”に出てくる”○○女子”の説明文

  ここで使われている「○○女子(ガール)」という言葉は、
  グループを括る基本属性となるだけでなく、それぞれの嗜好対象を媒介にして
  「仲間意識」を滋養し、他者との関係性を構築する鍵概念となっているのである。

 この「○○女子(ガール)」を「オタク」に置き換えて、

  ここで使われている「オタク」という言葉は、
  グループを括る基本属性となるだけでなく、それぞれの嗜好対象を媒介にして
  「仲間意識」を滋養し
(*5)、他者との関係性を構築する鍵概念となっているのである。

 にしても、ちゃんと実態にあった文書になるんですね。

 また、”かわいい”と”萌え”

  なぜなら、「かわいい」は対象を感覚的に経験するものであり、したがって、
  様式化され、記号化された表現を直裁的に受容するものだからである。

 これを”萌え”に変えて

  なぜなら、「萌え」は対象を感覚的に経験するものであり、したがって、
  様式化され、記号化された表現を直裁的に受容するものだからである。

 にしても、ほとんど違和感ないです(*6)。

 ”オタクと一緒にされるなんてキモ~~イ”と言われるかも知れませんが、自分の価値観に忠実なことがオタクの要素だと思えば、今のお嬢さん方はみんなオタクの資質があるんじゃないかなぁ
 ま、所詮この世は男と女。”かわいい”が花言葉のアンスリウムも男性的な部分と女性的な部分でその美しさを形作ってます(*7)。だから一緒にいることもいいことあるんじゃないかと。お願いだから、じゃけんにしないでね!!

 上記の話は観念的で分かりにくいかもしれませんが、ご興味のある方は本書のほうをどうぞ。今日的なサブカルチャー論としても面白い本です。

《脚注》
(*1)みんな優秀なんですね、これが
 ここんとこ数名入ってくる新人のうち1人は女性です。就活の面接をした人が言ってましたが、男性より女性のほうがしっかりしてるんだそうです。ほっとくと女性ばっかの採用になりかねないので、バランスを考えてみたいな話が人事部からあったとか。
(*2)キャリアパス
 今の女性にとっての悩みは”女性の幹部社員が少ないのでロールモデルになってくれる人があんましいないこと”。増やす方針ではあるんですが・・・
 女性営業が登場したのは1986年から。幹部社員になる世代の人数自体が少なかったし退社した人も多く、こればっかりは一朝一夕にはいきません。
(*3)おたくの本(別冊宝島 104、宝島社)
 1989年の出版とオタク評論としては最初期にあたるんじゃないかと。
 表紙の写真は小太りメガネの男にパソコンにカメラ、美少女アニメにフィギュアと当時のおたく感が良く出てます。
 絶版みたいですが、もし古本屋で見つけたら買いの本。
(*4)イマジナリー(Imaginary)
 Yahoo!辞書だと”想像[仮想]上の,非実在的な,架空の”という意味。
 そういや、”東京都青少年の健全な育成に関する条例”に”非実在青少年”ってのもあったなぁ。
(*5)「仲間意識」を滋養し
 オタクって孤独なイメージがあるかもしれませんが、意外にコミュニケーションするんですね。ただ、会話の内容がディープすぎて一般人がついてこれないだけで・・・
(*6)ほとんど違和感ないです
 別に私は普段から”萌え~~”とか言ってる危ない人ではないです。
 むしろ”萌え”とか良くわなんない世代。このへんの話は本書でも引用されている”オタクはすでに死んでいる”(岡田 斗司夫、新潮新書)をどうぞ。
(*7)男性的な部分と女性的な部分で~
 フロイトじゃないですが、筒状の部分が男性的、仏炎苞は女性的なイメージしませんか?

うちも作ってくんないかなぁ、秘密基地は男のロマンですし(「機動戦士ガンダム」の巨大基地をつくる!/東京スカイツリー)

 ども、100億円単位のビジネスと数万円単位のお小遣いのギャップに悩むおぢさん、たいちろ~です。
 毎年、入社の新人のお世話係をしています(これは本当)。
 で、私んとこのお仕事の説明をするんですが、ついこの前まで数万円ぐらいのアルバイトしかしたことない新人に100億円単位のビジネスを言ってもピンとこないでしょうから、なにがしかの対比物(スケール)を使って説明をします。最近よく使っているのが”東京スカイツリー”。このタワーの総事業費が650億円ということで、これが1本建つの建たないのという話です。
 まあ、リアルな建物だとこんなもんという金額がありますが、SFやアニメに出てくる建物がいくらぐらいなのかというと??? 実はこんな疑問にまじめに答えている本があります。ということで、今回ご紹介するのは前田建設ファンタジー営業部の本”「機動戦士ガンダム」の巨大基地をつくる!”であります

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 写真はたいちろ~さんの撮影。東京ソラマチからの東京スカイツリーです。


【本】「機動戦士ガンダム」の巨大基地をつくる!(前田建設ファンタジー営業部 幻冬舎)
 前田建設ファンタジー営業部の4人が”マジンガーZの格納庫(*1)”だの”銀河鉄道999の高架橋(*2)”だのをまじめに作ったとするといくらかかるかを計算するシリーズの第3弾。今回の施工対象は「機動戦士ガンダム」に登場する地球連邦軍の秘密基地(総司令部)のジャブロー(*3)、はたしていくらで出来るのか??
【旅行】東京スカイツリー
 東京都墨田区押上に立つ634mの電波塔。
 建設費約400億円、総事業費約650億円。2008年7月14日に着工、4年弱の歳月をかけて2012年5月22日に開業、東京の新名所になりました。そういえば、会社の女性の人がおじいちゃんとおばあちゃん連れてくっていってたなぁ。


 この本(シリーズ)の面白い所は、前田建設工業株式会社(*4)という現実にある建設会社が、現在の技術を使って対象の建築物を作ったらいくらかかるかの見積もりをまじめに算出している点。こういう冗談のような話をまじめにやるっての、好きですねぇ
 本書で扱っているのは”ジャブロー”にあるアッガイドーム(アッガイというモビルスーツに破壊される偵察用ドーム)や、モビルスーツ”ジム”の工場など。

 上記のアッガイドームなんて、映画版では一瞬で破壊されてますが(*5)、設定資料のないドームの大きさをアッガイとの比較から推定し、破壊の様子からその為にコンピュータシミュレーションを他社にお願いしてその素材を決定し、施工方法を決定しとやっていることは極めて合理的な判断をしています。もっとも画面の大きさが正確とは限らないので要注意ですが・・・(*6)
 ちなみにこのアッガイドームのお値段は8,190万円とのこと。量産前提とか運送費を考慮してないとかはありますが(*7)、民生品ならもう少し安くできそうですので宝くじが当たったら建ててみたいなぁ

 モビルスールのジム工場の見積もり、246.9億円。工場建設にかかわったことないのでわかりませんが、高いんだか安いんだか。
 実在しないモビルスーツの組み立てにどれぐらいの設備がかかるのかを想定するために、わざわざコマツ(*8)まで取材に行ったりと、やってることはしごくまじめ。取材を受ける方も大変でしょうが、意外にガンダムファンがいてノリノリだったりするのもご愛嬌です。組み立て工場だけでなく試験場までちゃんと作ったりとかしてるのってやっぱし巨大マシンを作っている会社ならではのアイデアを反映してるんだなぁと感心。

 あと面白かったのは、ジャブローが秘密基地になる前はなんだったかの仮設。スペースコロニーを作るための閉鎖空間実験場=”バイオスフィア2”のちょ~でかいやつという発想は秀逸です。”バイオスフィア2”というのはアメリカ合衆国アリゾナ州に本当に建設された巨大な密閉空間で、人類が宇宙空間に移住する場合、閉鎖された狭い生態系で生活することができるかを実験する建物です。実際には地中の微生物の影響で酸素不足になるなどさまざまな原因で失敗に終わったそうですが、この失敗を踏まえた実験を日本でやった科学者の話なんかがあったりしてます。
 たしかに膨大なコストをかけて建設するスペースコロニーをいきなり作るってことはないでしょうから、こういった基礎研究も必要なんでしょうねぇ。

 ”「機動戦士ガンダム」の巨大基地をつくる!”は建設とかあんまし詳しくない人でも充分楽しめる本です。というかばかばかしいことをきわめてまじめにアプローチする余裕を面白がる本。お勧めです。

 余談ですが、お金があればうちも秘密基地作ってくんないかなぁ。秘密基地は男のロマンですし

《脚注》
(*1)マジンガーZの格納庫
 往年の名作アニメ”マジンガーZ”。汚水処理場(プールみたいなの)の水が割れてマジンガーZが登場するシーンはインパクトありましたが、それを忠実に再現する建物を作るといくらかかるかを算出したモノです(シリーズ第1作)
(*2)銀河鉄道999の高架橋
 宇宙を走る列車”銀河鉄道999”が地球を離れる時に使った線路を作ったらいくらかかるか算出したモノです(シリーズ第2作)。幻冬舎文庫版の本の題名は”高架橋編”になっているので、そのように書きましたが、カタパルトかと思ってました。
(*3)ジャブロー
 南米アマゾン川流域にあるとされる地球連邦軍の基地。地下の鍾乳洞を利用したという設定ですが、本書内では天井までの高さが200m、モビルスーツやホバークラフトがドンパチできる巨大なもの。素で地下空洞を作ると膨大な工数がかかりますが、天然モノを利用すればかなり削減できます。
(*4)前田建設工業株式会社
 東証一部上場の準大手ゼネコン会社。減少はしているものの連結売上高3,133億円、連結従業員数3,731名(ともに2012年3月決算)というリアルな企業です。
(*5)映画版では一瞬で破壊されてますが
 機動戦士ガンダムの劇場版”哀・戦士編”(総監督 富野由悠季、バンダイビジュアル)に登場。ホントに一瞬で破壊されています。
(*6)画面の大きさが正確とは限らない~
 ガンダムに出てくるモビルスーツはスペックが公開されているので比較は可能です。実際、画面に定規を当てて測っているそうですし。
 ただ、”ガンダムの手って、意外と小さいんです”で書きましたが、演出上の理由からかかなり巨大に書かれてたり。ガンダムの手は人が寝そべって乗れるほどでかくないとか・・・
(*7)運送費を考慮してないとかはありますが
 場所がアマゾン、秘密基地という性質上、搬送用道路が整備されているとは考えにくいので、輸送は空輸がかなり使われてそう。運送費はばかにならないと思いますが・・・
(*8)コマツ
 建設機械のシェアでは日本で1位、世界で2位を誇る株式会社小松製作所のこと。
 連結売上高 1兆9,817億円の超優良企業です(2012年3月期)。

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